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第十章
未確認潜水物体
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レイホーが、ロンロンを指さす。
「私はこの子に指示をしているだけで、実際に潜水艦を動かしていたのはこの子ね。頭のいい子だから、私の指示に無理があったら、ちゃんと教えてくれるし、命令がなくても、自己判断で最適の行動をしてくれるね」
「じゃあ、人間はなんのためにいるのです?」
ミールが不思議そうな顔をする?
「さすがに全ての判断を、AI任せにはできないね。状況の変化に対応できなかったりするし。例えば、これから攻撃しに行く敵から、白旗を上げている奴がいたら、AIでは判断に困るね」
そういえば、ミーチャが投降してきた時も、Pちゃんが判断に困っていたな。
「そうそう。お兄さんがさっき言っていた事も、聞いているはずね。ロンロン。このお兄さんが言っていた事は正しかった?」
モニターの中で、ロンロンが一礼してから答える。
『北村様が先ほどミール様にした説明は、概ね間違っておりません』
乗員の名前もすでに入力されていたのか?
『多少補足はした方がよいかもしれませんが、僕も潜水艦警察呼ばわりされるのは不愉快なのでやめておきます』
せ……潜水艦警察? そういえば、香子も同人誌仲間に科学警察みたいな事をやったとカルルが言っていたな。
警察呼ばわりされる方もやっぱり不愉快なのかな?
ていうか、こいつ感情あるの?
「ロンロン。君は感情があるの?」
『はい。僕は、人間の記憶をベースに作られたので感情はあります』
そこはPちゃんと同じなのか。
「君のベースになった人は誰?」
『章 白龍という十三歳の少年の記憶です』
「ええええ!」
素っ頓狂な声を上げたのはミク。
「じゃあ、ロンロンって……パイロン君でもあるわけ?」
『そういう事になりますね』
「ねえねえ、あたしの事、覚えている?」
『はい。綾小路 未来様ですね。パイロンの初恋の人です』
「あのね、あたしあの時、ふった分けじゃないんだから!」
『そうだったのですか? パイロンはふられたと思って、かなり落ち込んでおりました』
「ああ! もう!」
不意にミクは、僕にしがみついてきた。
「いいもん。あたしにはお兄ちゃんがいるから」
「だめです!」
ミールが反対側から僕にしがみ付く。
「このカイトさんは、あたしのです」
「でもさ、今のところお兄ちゃんは一人しかいないけど、もうすぐプリンターで作るわけだし……」
「それはカトリさんの……」
「たがら、後二人お兄ちゃんを追加注文して……」
追加注文って……人を出前のラーメンみたいに……
「二人?」
「一人はあたしがもらって、もう一人は芽衣ちゃんの分」
「ええええ!」
芽衣ちゃんが素っ頓狂な声を上げて、手を振り回した。
てか、ロボットスーツのまま無暗に動くと危ない!
「わ……わ……わ……私は……けして……そんなつもりで……北村さんを再生しようなんて……」
「あれ? 芽衣ちゃんいらないの? お兄ちゃんの事」
「ほ……ほしいです」
「じゃあ、三人注文しよう」
「で……でも、誰を何人再生するかは、母船の判断で決める事ですよ」
「だって、お兄ちゃんが一番優秀なパイロットだし、ロボットスーツ隊の欠員は四人だし」
「でも、他の人が再生されるかもしれないですよ」
「その時は、ミールちゃんから、お兄ちゃんを奪うしかない」
こらこら、本人の前でそういう事を……
「奪うって……ミクちゃん。その平らな胸でどうやって?」
「今はそうでも、そのうちあたしだって巨乳に……」
ガーン!
突然、銅鑼の音が響き渡った。
モニターを見ると、ロンロンが銅鑼を叩いている。
『お楽しみ中のところ失礼ですが』
いや、楽しんでないから……
『緊急事態です』
緊急事態?
『未確認潜水物体が接近してくるのを、探知しました』
「私はこの子に指示をしているだけで、実際に潜水艦を動かしていたのはこの子ね。頭のいい子だから、私の指示に無理があったら、ちゃんと教えてくれるし、命令がなくても、自己判断で最適の行動をしてくれるね」
「じゃあ、人間はなんのためにいるのです?」
ミールが不思議そうな顔をする?
「さすがに全ての判断を、AI任せにはできないね。状況の変化に対応できなかったりするし。例えば、これから攻撃しに行く敵から、白旗を上げている奴がいたら、AIでは判断に困るね」
そういえば、ミーチャが投降してきた時も、Pちゃんが判断に困っていたな。
「そうそう。お兄さんがさっき言っていた事も、聞いているはずね。ロンロン。このお兄さんが言っていた事は正しかった?」
モニターの中で、ロンロンが一礼してから答える。
『北村様が先ほどミール様にした説明は、概ね間違っておりません』
乗員の名前もすでに入力されていたのか?
『多少補足はした方がよいかもしれませんが、僕も潜水艦警察呼ばわりされるのは不愉快なのでやめておきます』
せ……潜水艦警察? そういえば、香子も同人誌仲間に科学警察みたいな事をやったとカルルが言っていたな。
警察呼ばわりされる方もやっぱり不愉快なのかな?
ていうか、こいつ感情あるの?
「ロンロン。君は感情があるの?」
『はい。僕は、人間の記憶をベースに作られたので感情はあります』
そこはPちゃんと同じなのか。
「君のベースになった人は誰?」
『章 白龍という十三歳の少年の記憶です』
「ええええ!」
素っ頓狂な声を上げたのはミク。
「じゃあ、ロンロンって……パイロン君でもあるわけ?」
『そういう事になりますね』
「ねえねえ、あたしの事、覚えている?」
『はい。綾小路 未来様ですね。パイロンの初恋の人です』
「あのね、あたしあの時、ふった分けじゃないんだから!」
『そうだったのですか? パイロンはふられたと思って、かなり落ち込んでおりました』
「ああ! もう!」
不意にミクは、僕にしがみついてきた。
「いいもん。あたしにはお兄ちゃんがいるから」
「だめです!」
ミールが反対側から僕にしがみ付く。
「このカイトさんは、あたしのです」
「でもさ、今のところお兄ちゃんは一人しかいないけど、もうすぐプリンターで作るわけだし……」
「それはカトリさんの……」
「たがら、後二人お兄ちゃんを追加注文して……」
追加注文って……人を出前のラーメンみたいに……
「二人?」
「一人はあたしがもらって、もう一人は芽衣ちゃんの分」
「ええええ!」
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てか、ロボットスーツのまま無暗に動くと危ない!
「わ……わ……わ……私は……けして……そんなつもりで……北村さんを再生しようなんて……」
「あれ? 芽衣ちゃんいらないの? お兄ちゃんの事」
「ほ……ほしいです」
「じゃあ、三人注文しよう」
「で……でも、誰を何人再生するかは、母船の判断で決める事ですよ」
「だって、お兄ちゃんが一番優秀なパイロットだし、ロボットスーツ隊の欠員は四人だし」
「でも、他の人が再生されるかもしれないですよ」
「その時は、ミールちゃんから、お兄ちゃんを奪うしかない」
こらこら、本人の前でそういう事を……
「奪うって……ミクちゃん。その平らな胸でどうやって?」
「今はそうでも、そのうちあたしだって巨乳に……」
ガーン!
突然、銅鑼の音が響き渡った。
モニターを見ると、ロンロンが銅鑼を叩いている。
『お楽しみ中のところ失礼ですが』
いや、楽しんでないから……
『緊急事態です』
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『未確認潜水物体が接近してくるのを、探知しました』
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