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大人の言い分、大人の言い訳 2
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昼過ぎになって、漸く腰の怠さが抜けた気がする…と思いながら仕事を一日こなし、やっとの思いで部屋へと帰ってきたのだが、どうして簡単にドアが開くのだろうか?どうしてここに靴があるのかな?
どうしてお前はまだいるのかな??????
SNSに上げるわけでもないが、本当に頭の中でそう思った。玄関を開けてからまるで漫画のように色々な所のドアを開けたし、最終的にはベッドの上で発見した。ついでにベッドメイキングされてベッドは無事綺麗になっていた。
何故か夜ご飯も作られていたし、家は心なしか綺麗になっているし、ベッドは言わずもがなである。
「…なんでまだいるんだよ!帰れっつったろ!」
「えー?オレのんびりするって言ったじゃん。それにちゃんと一回家に帰って荷物持ってきただけだし」
「はぁ!?」
言われたことが全く理解できず、つい声を荒げるが全然気にしないようで暁良は飄々と答える。
「どうせこの様子だと家事もまともにできないんじゃないの?それ、コンビニの袋でしょ?」
「ぐっ…!確かにそうだけど別にお前に関係ねぇだろうが」
「無いけどさー。まぁいい思いさせて貰っちゃってるし、恩返しみたいなもんだと思ってよ」
「どういう恩返しだよ!」
「ご飯いらないの?」
「食うわ!」
「そうだよね。生姜焼きとサラダ作ったし食べてよ」
「…金は?」
「あー、今日は自腹で買ってきたよ。恩返しだし」
いい匂いがすると思ったら怒って気づかなかったが目の前には家に二枚しかない大皿に綺麗に盛られたキャベツの千切りにきゅうりやらが添えられた野菜サラダとそこに乗せられた美味しそうな豚の生姜焼き。普段から余り仕事をしない炊飯器も仕事をしていた。
「…明日は帰れよ」
「それはどうかなー。気分がそうなったら帰るけど」
「どう言うことなんだよ…」
「まぁまぁ。ほら、食べようよ。いいタイミングで出来たからまだあったかいよ」
「ん、飯に罪はねぇしな」
「そうそう」
結局美味しそうな匂いには勝てなくてご飯をよそって二人で美味しくご飯を食べた。生姜焼きは甘辛くて美味しかったし沢山入ってた生姜のお陰でコンビニで買ってきたビールも進んだ。二人で飲んだらあっという間に無くなったけど美味しかったから許す。
「本当、洗濯まできちんとしてあるし何なんだよお前はよ…」
「ははっ、元々家事は好きなんだよね」
こんなことを言い合ってから一ヶ月。幾度となく出て行くように言ったつもりだったのに、気がつけば住み着いている暁良と世話をされ過ぎているのが当たり前になってしまっている朔の姿がそこにはあった。途中から面倒になって食費を渡すようになってしまったし、布団も買ってしまった。殆ど仕事はしていないが。
毎日のように夜は襲われてしまうが朝になると美味しいご飯がまた待っているので許してしまい、それを繰り返していたらもう戻れない所まで来たんじゃなかろうかというくらい胃袋も掴まれていた。
なんだったら家事を全部してくれる暁良に完全に甘えきっている。体以上を求めてこないことも含めて、九歳も年下の男に身も心も朔は甘えてしまっているのだ。
どうしてお前はまだいるのかな??????
SNSに上げるわけでもないが、本当に頭の中でそう思った。玄関を開けてからまるで漫画のように色々な所のドアを開けたし、最終的にはベッドの上で発見した。ついでにベッドメイキングされてベッドは無事綺麗になっていた。
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「…なんでまだいるんだよ!帰れっつったろ!」
「えー?オレのんびりするって言ったじゃん。それにちゃんと一回家に帰って荷物持ってきただけだし」
「はぁ!?」
言われたことが全く理解できず、つい声を荒げるが全然気にしないようで暁良は飄々と答える。
「どうせこの様子だと家事もまともにできないんじゃないの?それ、コンビニの袋でしょ?」
「ぐっ…!確かにそうだけど別にお前に関係ねぇだろうが」
「無いけどさー。まぁいい思いさせて貰っちゃってるし、恩返しみたいなもんだと思ってよ」
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「食うわ!」
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「あー、今日は自腹で買ってきたよ。恩返しだし」
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「…明日は帰れよ」
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「まぁまぁ。ほら、食べようよ。いいタイミングで出来たからまだあったかいよ」
「ん、飯に罪はねぇしな」
「そうそう」
結局美味しそうな匂いには勝てなくてご飯をよそって二人で美味しくご飯を食べた。生姜焼きは甘辛くて美味しかったし沢山入ってた生姜のお陰でコンビニで買ってきたビールも進んだ。二人で飲んだらあっという間に無くなったけど美味しかったから許す。
「本当、洗濯まできちんとしてあるし何なんだよお前はよ…」
「ははっ、元々家事は好きなんだよね」
こんなことを言い合ってから一ヶ月。幾度となく出て行くように言ったつもりだったのに、気がつけば住み着いている暁良と世話をされ過ぎているのが当たり前になってしまっている朔の姿がそこにはあった。途中から面倒になって食費を渡すようになってしまったし、布団も買ってしまった。殆ど仕事はしていないが。
毎日のように夜は襲われてしまうが朝になると美味しいご飯がまた待っているので許してしまい、それを繰り返していたらもう戻れない所まで来たんじゃなかろうかというくらい胃袋も掴まれていた。
なんだったら家事を全部してくれる暁良に完全に甘えきっている。体以上を求めてこないことも含めて、九歳も年下の男に身も心も朔は甘えてしまっているのだ。
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