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大人の言い訳、大人の言い分 1
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「ん…」
ふと朔の目が覚め、体を起き上がらせて何があったと辺りを見回す。時計を見れば真夜中で、あやふやな自分の最後の記憶を辿った。
そこで裸だということに気付き、隣を見れば未だにいる自分を好き勝手してくれた男がいることに変な声が出そうになる。
「いや…誘ったのは俺みたいなもんか…」
店での自分の状況を思い出して頬をまた染めてはもじもじと一人ごちる。今も思い出すだけで腰が重くなる感じがする自分に苛立ちやら焦りやらと色々な感情が湧いてきて、どうしたらいいか分からない。
元々、性に関しては本当に淡白なもので自分で抜くことすら殆どしないというのに、どうしてかこの男といると体が覚えてしまったかのように火照ってしまう。触られると否応無しに感じてしまうし、あっという間にイッてしまう。挿入されている時は射精できないのかずっと快楽が体の中をぐるぐると巡っているし、全てが終わって暁良のブツが出ていくとやっと出せるとばかりにとろとろと感じた分とでも言うように自分も精液を零すのだ。
恥ずかしいと思っている反面、余りにも気持ちよくて余計に自分だけではできなくなっていた。そして今日、暁良を見たら思い出したかのように興奮してしまったのだ、体が。あの手を見ていたらもうダメだった。どうしてか、あの手が自分の体を蹂躙したのだと思ったら下腹に熱が溜まっていくような、腰が痺れて重くなって、頭も沸騰したかのようで、早く欲しくなってしまった。
自分でもどうしてか分からないまま今日は致してしまったのである。自分がどうしたいかは分かっていたが、あくまでも今どうしたいかだけだ。今後のことまで何も考えていない。後先のないものだった。
こんな考えのままでいつまでもいていいのだろうか?確かに会ったのはまだ二回目だがセックスだって二回したわけで、相手はどう見たって学生だ。未成年ではないと思うが責任だって最悪何かで取らなくちゃいけないかもしれない。
それなのに何を呑気に組み敷かれているのか、と横をチラリと見て幸せそうな寝顔を見ては罪悪感やら焦燥感やらを感じてしまう。
色々思うことが多くて混乱しているのが自分でも自覚できる程というのは相当だろうと思い、改めて朝まで寝ることにした。
「まぁ、起きたっているわな」
「おはよう、朔さん」
「おはようさん。じゃねぇわ。どうすんだよもううっかりミスでも何でも無くなったじゃねぇか」
「オレは美味しく食べられたから問題ないけど?」
パンケーキのことでいいか?と本気で聞きそうになったが、否定されるのが怖いのでやめておいた。
昨日というか数時間前、夜中に散々色々思ったので確認したいことだけでもしておこうと混乱冷め止まぬ頭をフル回転させる。
「ちょっと聞きてぇんだけど」
「はいどうぞ。色々あるでしょ。何も聞かれないからオレも何も言わなかったし」
「だろうよ。とりあえず名前、年齢、所属先を言え」
「えーと、高瀬暁良、二十歳。大学三年」
「やっぱり学生かよ…」
「安心して!これでも大人!」
「ほんと、そんなんでも成人済みなんだもんなぁ」
「しみじみ言わないで欲しいんだけど」
はぁ、と髪をガシガシ掻きながら溜息をつく。二十歳過ぎてるし何かあっても犯罪にはならないが、自分がこんなのとうっかりセフレみたくなってます、とか笑えない。会社にバレたら居られないレベルで笑えない。
「で、お前どうすんの」
「どうもしないけど?オレ今日は何も無いからのんびりするだけだし?」
そうじゃない。そこじゃない。つかのんびりすんなよ、ここは俺の家だ。声を大にして言っても怒られないだろうか?
「そこじゃねぇな。はぁ…まぁいいわ。俺は仕事行かなきゃならねぇし適当に出てけよ。鍵はポストにでも入れとけ」
言いながら鍵をテーブルに置く。その後は特に会話があるわけでもなく朔はさっさと重い腰を引き摺りながらシャワーを浴びて仕事へと向かっていった。
正直、シャワー浴びに行くまでの恥ずかしそうに腰を引き摺って歩く朔は中々に良かった。朝からいいものを見たと思う、と誰に言うわけでもないが評価していた暁良であった。
ふと朔の目が覚め、体を起き上がらせて何があったと辺りを見回す。時計を見れば真夜中で、あやふやな自分の最後の記憶を辿った。
そこで裸だということに気付き、隣を見れば未だにいる自分を好き勝手してくれた男がいることに変な声が出そうになる。
「いや…誘ったのは俺みたいなもんか…」
店での自分の状況を思い出して頬をまた染めてはもじもじと一人ごちる。今も思い出すだけで腰が重くなる感じがする自分に苛立ちやら焦りやらと色々な感情が湧いてきて、どうしたらいいか分からない。
元々、性に関しては本当に淡白なもので自分で抜くことすら殆どしないというのに、どうしてかこの男といると体が覚えてしまったかのように火照ってしまう。触られると否応無しに感じてしまうし、あっという間にイッてしまう。挿入されている時は射精できないのかずっと快楽が体の中をぐるぐると巡っているし、全てが終わって暁良のブツが出ていくとやっと出せるとばかりにとろとろと感じた分とでも言うように自分も精液を零すのだ。
恥ずかしいと思っている反面、余りにも気持ちよくて余計に自分だけではできなくなっていた。そして今日、暁良を見たら思い出したかのように興奮してしまったのだ、体が。あの手を見ていたらもうダメだった。どうしてか、あの手が自分の体を蹂躙したのだと思ったら下腹に熱が溜まっていくような、腰が痺れて重くなって、頭も沸騰したかのようで、早く欲しくなってしまった。
自分でもどうしてか分からないまま今日は致してしまったのである。自分がどうしたいかは分かっていたが、あくまでも今どうしたいかだけだ。今後のことまで何も考えていない。後先のないものだった。
こんな考えのままでいつまでもいていいのだろうか?確かに会ったのはまだ二回目だがセックスだって二回したわけで、相手はどう見たって学生だ。未成年ではないと思うが責任だって最悪何かで取らなくちゃいけないかもしれない。
それなのに何を呑気に組み敷かれているのか、と横をチラリと見て幸せそうな寝顔を見ては罪悪感やら焦燥感やらを感じてしまう。
色々思うことが多くて混乱しているのが自分でも自覚できる程というのは相当だろうと思い、改めて朝まで寝ることにした。
「まぁ、起きたっているわな」
「おはよう、朔さん」
「おはようさん。じゃねぇわ。どうすんだよもううっかりミスでも何でも無くなったじゃねぇか」
「オレは美味しく食べられたから問題ないけど?」
パンケーキのことでいいか?と本気で聞きそうになったが、否定されるのが怖いのでやめておいた。
昨日というか数時間前、夜中に散々色々思ったので確認したいことだけでもしておこうと混乱冷め止まぬ頭をフル回転させる。
「ちょっと聞きてぇんだけど」
「はいどうぞ。色々あるでしょ。何も聞かれないからオレも何も言わなかったし」
「だろうよ。とりあえず名前、年齢、所属先を言え」
「えーと、高瀬暁良、二十歳。大学三年」
「やっぱり学生かよ…」
「安心して!これでも大人!」
「ほんと、そんなんでも成人済みなんだもんなぁ」
「しみじみ言わないで欲しいんだけど」
はぁ、と髪をガシガシ掻きながら溜息をつく。二十歳過ぎてるし何かあっても犯罪にはならないが、自分がこんなのとうっかりセフレみたくなってます、とか笑えない。会社にバレたら居られないレベルで笑えない。
「で、お前どうすんの」
「どうもしないけど?オレ今日は何も無いからのんびりするだけだし?」
そうじゃない。そこじゃない。つかのんびりすんなよ、ここは俺の家だ。声を大にして言っても怒られないだろうか?
「そこじゃねぇな。はぁ…まぁいいわ。俺は仕事行かなきゃならねぇし適当に出てけよ。鍵はポストにでも入れとけ」
言いながら鍵をテーブルに置く。その後は特に会話があるわけでもなく朔はさっさと重い腰を引き摺りながらシャワーを浴びて仕事へと向かっていった。
正直、シャワー浴びに行くまでの恥ずかしそうに腰を引き摺って歩く朔は中々に良かった。朝からいいものを見たと思う、と誰に言うわけでもないが評価していた暁良であった。
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