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心は意外と純粋、身体は意外に素直 3
しおりを挟む「あ、ちゃんと来れたんだ、朔さん」
今日も今日とて綺麗な金髪を揺らしガードレールに腰掛け朔に手を振ってくる。ひょいっと降りて近づいてくるが朔は苦虫を噛み潰したような表情だ。
「おー…今日は酔ってねえからな。ところで行きたい店ってどこなんだよ」
「この後ろなんだけどさ」
ずいっと親指を後ろに指したので見る。先ほどからの甘ったるい匂いはここからか。思わず露骨に嫌な顔をする。
「…拷問か?」
「ま、いいでしょたまには。ほら入ろうよ。朔さんこういう所初めて何でしょ?どうせ」
「どうせは余計だ」
連れてこられたのは何故だろうかパンケーキ屋であった。どうしてかはわからない。あえて言うなら朔からすれば拷問としか思えなかった。
「チョコバナナホイップ一つとティラミス風一つお願いしまーす」
「はい、チョコバナナホイップ一つ、ティラミス風一つですね。少々お待ちくださいませ」
選ぶ権利もなく決められ、いやどちらにしろ悩んだからいいか、とため息を吐く。他からは少し見えづらい…要するに余り見栄えのよろしくない席へと連れて来られたのはいっそ良かったかもしれない。光が入らないということはそれだけ人目にもつかないからだ。
やや暫く待って二つのパンケーキが来ると、綺麗にナイフで切り分けフォークで食べていく。
それを見て体が勝手にビクンと跳ねた。
「!!」
自分でも訳が分からず頭にクエスチョンマークが浮かぶ。なんかこう、腰から臀部に掛けて何かが駆け抜けた感じが確かにした。
「ん…食べないの?一応苦めにしたんだけど?」
「い、や…食うけどよ…」
何故か下腹が震える。動揺が収まらないまま「いただきます…」と手をつけるものの、物思いに耽るように手が止まり、その度に暁良の手を見てしまう。そして見る度に下腹がズクンと疼くのだ。何がそうなるのか分からないのが怖く、そのうち手まで震え始めた。
「ふはっ…本当、朔さんって優秀なんだねー…仕事もできる方なんでしょ?」
「ど、うだろ…うな…」
「だって、朔さん…」
ーーー記憶無いって言ってる癖に、オレの手の動き思い出しちゃってるんでしょ?
言われた言葉を理解はできていなかった。それでもぶるりと体は震え理解と同時に顔が真っ赤になり記憶の残るアヌスは欲しがるようにくぱくぱと収縮を始める。
「お、まえ…!!」
怒ろうとしても体に力が入らない。食べ残しをするのも大人としてどうなんだと思ってしまい、そのまま体を跳ねさせ、時折足でぐりぐりと股間を押されながら食べ、店を出る頃には具合でも悪いかのように顔を赤く熱らせ暁良の肩を借りる始末で。
「で、どうしよっか?」
「くそっ…俺の、家、近いから…そっち行くぞ…」
毎回ホテル代なんざ払ってられるかよ、と小声でぼやくのを聞いて「確かにねー」と軽く笑う暁良をギッと睨みつけるものの発情したメス程度の扱いで頭を撫でられてしまう。
おかしい、自分は淡白なはずなのに、とこの時にはもう疑問に思うこともできなかった。
ただただ、悲しいかな後ろが疼くのだ。排泄器官のはずなのに。
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