脳内と掛けまして春と解く。その心は…花畑が広がるでしょう!

朝比奈明日未

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出会いは偶然、場所は必然

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「大城さん大丈夫ですか、マジで。タクシーで帰った方が絶対良いですってー」
「ん、ダイジョーブあから、きにすんあよ。きをつけれかええよ」
「いやいやいや、全然大丈夫じゃないじゃないっすか。ってもう歩き始めちまってる…。どうする?」
「…まあ、あの人しっかりしてるし、帰れるだろ。一応方向も間違ってねぇしな…」

 ベロンベロンのサラリーマン大城朔はこの時のことを後々激しく後悔する羽目になる。勿論、この時の後輩達にそんなことを言えるわけもなく墓まで持って行くしかない後悔だが。

「んぇ…こっちじゃらいのか…?」

 そう、最初の道は間違っていなかった。ただ、余りにも眠過ぎてふらついてしまいそのまま道を一つ曲がっていたのだ。曲がらないでまっすぐだったのに。結果、朔は見事に迷子になった。見知らぬビルが見えて首を傾げるが上を向いた拍子にふらついてその場に尻餅をつく。

「イッテ…。んあー…ここどこなんだよ」
「あれ?どうしたのオニーサン」
「どうしたじゃねぇよ。みてわからねぇのかよ」

 疑うことなく声の方を向きぶすっとしたまま相手を見上げる。そこにいたのは若い男で、どう見ても学生としか思えない。細身のジーンズにぶかぶかのパーカーを羽織りいかにも遊んでますという感じだ。髪の色も脱色し切った金色。
 対して朔は酔ってはいるが社会人だ。ライトグレーのスーツに地毛の明るめの茶髪、髪は短く硬い髪質なのかつんつん頭だと昔から言われている。目付きが少し鋭く三白眼。そして会社にいる時は普通にしてるが少し口が悪い。
 そんな朔にも全く臆することなく声を掛けてきたのだ。

「えー、オレ分かんないなー。分かるのはオニーサンが酔っ払いで転んでることくらい?なぁに、もう寝そうじゃん。ははっ、ここどこか分かってる?」
「しらねぇよ、くそ…あーねみぃ…」
「ここ、ハッテン場の店が近いんだよ。ほら、そこのビル。勘違いでお持ち帰りされたら大変じゃない?駅ならあっちだけど?」
「んー…むこうかよ…もうめんどくせぇ…おい」
「うん?なぁに?」

「とりあえず俺はねたい。ホテルつれてけ」

 何を隠そう、この大城朔。普段は仕事のできるちょっと三白眼が怖いお兄さんだが、私生活はちょろい上に大雑把な性格なのである。
 そして今声をかけている若い男こと高瀬暁良は老若男女問わず食いたきゃ食ってしまう生粋の遊び人であり、見上げてきた大城朔を見た瞬間から抱こうと決めてしまったクズである。

「ホテルかぁ。まぁここならビジネスホテルもあるしいいよー?でもオレの名前書くと出るの大変だし、オニーサンの名前でいい?泊まるのはオニーサンなんだしさ」
「べつにすきにしろよ。ホテルだホテル…すー…」

 いや寝ちゃったし。
 好きにしろと言われたらしちゃうに決まってんじゃん、と座ったまま寝てしまった朔の横で鞄を漁る。財布の中に保険証が入っているので名前を確認する。
 随分と綺麗に整っているように見えたので余りいじり過ぎてバレるのも嫌だなと思い、鞄漁りは程々にしてすんなり財布を出せるようにチェックするといよいよ肩に担いで移動を開始する。
 身長が同じくらいの相手をお姫様抱っこして歩くのは目立ちすぎるからだ。

「お、暁良じゃん。今日はその人お持ち帰り?眠らせてだなんて大胆じゃん」
「ちげーよ。持ち帰るけどこれは天然物よ」

 ドヤ顔で声をかけてきた筋肉隆々の男に言えば口笛を吹かれ、手をひらひらと振ってまた移動する。
 連れてきたホテルはビジネスホテルではなく、金額は安いが普通のホテルだ。少し遠いがここなら二人で入ることが可能だ。何せ自分が私服にも程があるため騙すためには多少離れていても飲み屋街などが近く、自分を疑わない所の方が都合が良かった。ラブホでも良かったが、この辺りはハッテン場が近いせいか警戒されるので却下した。

「すいません、この人寝かせてあげたいんで一室取れます?二人で」
「少々お待ちください。…申し訳ありません、本日は生憎、ダブルの部屋しかございませんがよろしいですか?」
「あ、全然いいです。ほら、朔さん名前書いて。泊まるんでしょ?」
「ん…おー…」
 鈍い反応ながら目を開け、力が入らないせいか歪みの多い名前を書いている朔を見て思わず暁良は笑いを溢す。
 これから食われるってのに、呑気なもんだなぁ。
「はい、それではお荷物…は無いようですのでお部屋の方へ…」
「あぁいいよ。こんな時間だしさ。鍵くれたら自分で行きますって。ねっ」
 こういうの慣れてますよ~という雰囲気を出してウインクすれば受付の女性はありがとうございます、と言って鍵だけ渡してくれた。
 連れて行きやすいようにとエレベーターの近くにしてくれたようだった。
 部屋の前に着くまでにまた眠ってしまったらしい朔を抱えての移動は中々と骨が折れたが、これからこの真っ新な雪の上に足跡をつけるのだと思うと興奮の方が勝る。

「ほら、部屋着いたよ、朔さん」
「んー…ねぅ…」
「…じゃあ寝てていいよ。その間にちょーっと気持ちよくなるかもしれないけど、それは許してね。連れてきてあげたんだから、お駄賃くらいくれてもいいでしょ?」
 クスクス笑いながらベッドへ寝かせ、上半身だけ起こして器用に服を脱がせていく。一目見た時から思っていたが、背は同じくらいなのにとても線が細い。こういう細い線が好みなだけに久々の上玉だな、と口角が自然と上がり舌なめずりをしてしまう。
「さむ…うー…ふとん…」
 眠り自体は浅いのか服を脱がされると寒いと言い始める。気にせず下まで全て脱がし布団を被せ自分も横へと入り込んだ。
 全く、ストレートっぽいのによく今まで無事だったな、と本当に心配になる。今まさに食おうとしてる自分が言う事ではないけれど。
「ほら、気持ちよくなろうねー…」
 後ろから朔を抱き締めると、いつも何個か持ち歩いている使い切りローションを一つ取り出し暗い中器用に開けると手で少しばかり温める。冷たさで変に意識が戻られてる困る。そのままぬるぬると慎ましい蕾へと手を伸ばしマッサージをするようにクルクルと指でなぞった。むず痒そうに「んっ…」とか「ぁん…」と漏らす声も可愛らしく見えて思わず顳顬へ口付け中指をつぷりと侵入させていく。
 少し身じろぐものの起きる気配が無いのをいいことにイイところを探しながらナカを広げ、長い時間弄られ指が三本入る頃には寝息は穏やかなのに前は早く出したいとばかりにビクビクと震えながら主張する有様だった。
「気持ちいいね、朔さん。そろそろオレも気持ちよくなっていい…?」
 興奮気味に耳元で囁けば熱い息を感じたのか釣られたように「はぁっ…」と息を吐いて腰を揺らす姿に、思わずごくりと喉を鳴らし自身の熱り勃つ剛直を散々ほぐされ排泄器官から熟れた性器へ変貌したアヌスへと徐々に飲み込ませていく。
「んぁっ…んんっ…!」
 眠っているのに喘ぐ朔の腰を掴んで慣らすように深い所で緩く動く。そのままナカがぬかるんだ事を確認すると動かすのを一旦やめて自分のカタチを覚えてくれるまで待つことにした。
 目が覚めてくれたら最高なのに、と思いながら。


 どれだけ経ったかわからないが、馴染むのを待ちながら硬くシコった乳首を少しサイズが大きくなってしまうくらい摘んで伸ばしてくりくりと弄り倒し、トロトロと先走りが止まらない可愛らしい朔の男根は出すことができないまま先端を擦って空イキさせて、良いだけ堪能していたら流石に朝方になってきて朔が起きた。


 そう、起きたのだ。


「ん…ここ…んぁぁぁ!ヒグぅッ!」
「はぁ、やっと、起きたの?はっ、ナカ、こんなにうねっちゃって、大丈夫?」
「イグ、イッデるぅぅ!何、なんなんだよぉ!」
 どちゅっと強い一撃がウィークポイントの前立腺へと入った。寝起き一番にいきなりの強い性的刺激に目を白黒させ、突き上げられる度に白濁を先端から零すように撒き散らしキュウキュウと暁良の陰茎を絞めあげる。
 数時間と胎内に太い肉棒が埋められていたのだ、激しく動くことなど容易だった。ガツガツと突き上げながら昨日の夜のことを覚えて無いらしい朔に、事実と嘘を混ぜ込んで話す。
 責めるように言うと入り口をヒクヒクと動くのを感じ、言葉責めも好きなのかと笑う。自分は乗せられたのだと教え込んだ。何度も何度も。
「嘘、ウソだぁあぁ!!あひっ、ひっ、また出てぅぅ!」
「ほんと、出るっていうか押し出されちゃってるね、朔さん。はぁ、オレのことホテルに連れ込んでおいて、こんなことまで強請っちゃってさ…ヤるまで寝ないみたいにオレに絡んできたの、覚えてないの?」
「おぼ、覚えてないぃぃ!アァンっきもひぃ…!」
 首を横に振りながら腰は強請るように押し付けて来るのだからたまらない。あぁ、手に入れよう。これだけ喘ぐなら素質はある。大丈夫。
 一度ずるりと引き抜き布団をばさりと剥ぐと朔を仰向けにして覆い被さる。抜けた拍子にピュッピュッと気持ち良さそうに白濁が水溜りを作る。尻は異物が入ると射精できなくなるが、抜ければまた出せる。どうやら相当気持ちよかったようだ。事実、ぱっくりと戻らなくなった尻穴は欲しがるように収縮している。
 肩で息をする朔の腰を持つと待ったの声も無視して、望まれるままにすぐ様挿入して腰を振りたくった。
「ひどいよ、朔さん…オレのことひっかけておいて…!責任、取ってよ…あんたのナカ、気持ち良すぎて、他じゃ勃たない、かもっ…!」
 あながち嘘ではなかった。なんでか分からないけれど朔のナカは凄く気持ちいい。まるで自分専用のように。ばちゅばちゅと音を立てて奥を穿つ。朔の陰茎は先ほどで出し切ってしまったのか先走りを垂れ流すばかりで勃起すらしていない。
「し、らねぇよぉ…!アンッ、そこ、そこなに、きもひすぎぅぅ…!」
「んっ、ここね、前立腺。覚えておいて。朔さん、もうきっとココ使わないと、イケないと思うから、さ!」
 暁良も流石に射精感を覚え前立腺をゴリゴリと押し潰すように腰を押し付け最後は前立腺にぶっかけるようにビュービューと吐き出す。
「ひっ、そこらめ、ゴリゴリしらいれぇぇ!あっつ…あっ…あー…」
 熱い迸りを前立腺にかかったのが分かったのか、黒目が在らぬ方を向いて体が痙攣していた。ヒクつくナカから抜け出せば気持ち良さそうに喘ぎながらプシュッと潮を噴き出させ、汚い音と共に自分の出した白濁も尻穴から漏れてくる。
 少しすると深い絶頂も落ち着いてきたらしく、気絶したのか再び寝息が聞こえ始めた。
 暁良はそっと額に口付けると布団をかけてやり、汚れた体を綺麗にするかとばかりにシャワー室へと向かった。
 勿論、そのあとは風呂に入れるようにお湯を溜めると決めて。
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