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番外編
~重陽 菊花の盃を交わし~
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朝が来て目を覚まし、隣を見やると彼女はまだ眠りについている。
琥珀は、鈴を起こさないように起き、布団から出て居間に向かった。
暦を見ると、今日は重陽と書かれている。
重陽とは菊の節句といって、邪気を払ったり、長寿を願う行事だ。
菊の花びらを酒に入れる菊酒や、栗を使った栗ご飯を食べたりする。
こうして四季を感じながら、彼女と過ごすことをこれかも大事にしていきたいと思う。
朝方はどこか涼しくなり、過ごしやすくなっている。
密かに秋を感じるようになった―――
この生活を失わない為に、彼女を何としても守り通さねばならない。
自分の居場所はもうここしか考えられない。
「絶対、守り抜く……」
夢で浮かんできた過去の残像にも、思いを馳せながら朝食の支度を始めた。
暫くして、目を覚ましたのか彼女の声が聞こえた。
「おはようございます……」
「おはよう、起きたな」
「琥珀さん、今日も早いですね」
まだ眠そうな表情を浮かべている彼女に近づき、そっと唇を奪う。
「!!」
彼女の身が一瞬跳ねると、払いのけるように彼女は後ずさりした。
「おっと……ごめん」
「朝からやめてください」
「いいじゃん、ちょっと触れ合うくらい……」
「顔洗ってきます……」
鈴はその場から離れ、洗面所へと向かい顔を洗う。
毎日、彼に大事に扱われ甘やかされる日々は、本当飽きないのかと思うくらい不思議に思う。
少しだけ、時折見られる強引さに困る事もあるけど……。
時折、叱られたり、励まされたり、人間味が増していく彼を見ながらこの先が楽しみでもあり、不安もある。
「このままずっといられたらいいのに……」
支度を済ませ、朝食をとるために席に座ると変わらずに、ご飯や味噌汁が置かれている。
「さ、ご飯食べて出かけないとな。どうぞ」
「いただきます」
彼は今日は共に食べることはなく、鈴を眺めている。
その視線を感じながら目を見やると、彼が、机に肘をつきながら笑顔を向けている。
鈴は恥ずかしくなってしまい、即座に視線を外した。
こういったことは、何度か遭遇しているのに未だに慣れない。
「美味いか?」
「はい……」
「それはよかった。今日も遅いか?」
「仕事が早く片付ければ定時ですけど……何か?」
そう尋ねると、琥珀は首を振り呟いた。
「いや、別に。少し買い物がしたくてさ……六時半頃駅に立ち寄って、そこで十分くらい待っても来なかったら、帰るから、もし間に合えばいてくれ」
「わかりました。間に合ったらその時間までに電車に乗ります」
「あぁ。待ってるよ」
俺から離れている間に、柘榴たちが、彼女を狙ってくるかもしれない――
本当は傍についていたいが、それができない為耐える。
もし何かあった時は、彼女に与えた血の呪いが、彼女を護るだろう……
大事な者を失いたくはない。
その思いだけが、今の自分を大いに不安にさせている。
過去にもこのような思いを抱いたことがあったのかもしれない。
食事を済ませると、彼女は仕事へと向かっていった。
自分もその後仕事場へ向かった。
境内に入ると、ご神木の前で馴染みの声が聞こえてくる。
『琥珀、調子はどうだ?』
「おはようございます。特に変わりはありません……」
『そうか。鈴は大丈夫か?』
「今のところは……大丈夫です」
そのように話した後、業務についた。
仕事の最中、鈴はふと窓の外を覗いた。
そこには茶色の蛇が窓越しに這っており、こちらを見ているように思えた。
「こんなところに蛇が……」
「どうしたの?って!蛇!!何でこんなところにいるの?誰か追い払って!!」
小寺が嫌がるように声を上げると、周りの視線が一気に蛇がいる窓へと集中した。
その視線を感じ取ったのか、茶色の蛇はまたゆるりと、その場を後にし消えていった。
『お前が、鈴……』
空耳のように、耳に微かな声が聞こえた。
その声に、鈴は不思議と首を傾げた。
今のはいったい何だったのだろう……
少しの恐怖を感じながらも、彼に関係があるのかもしれないと思い、身を強張らせた。
――その後は特にあの蛇を目にすることはなく仕事を終え、定時にあがることができた。
これなら彼との待ち合わせに間に合うと、急ぎ駅へと向かった。
電車に揺られながらいると、窓側の斜め向かいから視線を感じた。
(この気配……朝と同じ)
その視線の気配の方へ目を向けると、茶髪で尖った髪をしている男が立っている。
「……」
慌てて視線を逸らし、携帯の画面を見て心を落ち着かせる。
狙われているのだろうか……?
それとも―――
恐怖を感じながらも、目的の駅に着くと足早に電車を降りた。
改札口を出て少し向かうと、柱の隅に彼が立っていた。
「琥珀さん……!あの……」
「鈴、お疲れ様……どうした?」
慌てながら彼の前に近寄ると、そっと手を掴んだ。
「何かあったのか……?」
手を握り返されると、恐怖から解放されるように安堵した。
「今日茶色の蛇が会社にいて……そして、今も何か視線が……」
「茶色……もしや珊瑚か」
まだ近くにいるかもしれないと、同胞の気配を探す。
だが、その気配を感じることはなかった。
きっと柘榴から仕向けられたに違いない。
(あいつは、彼女の為なら喜んで命に従う奴だ……)
握っている手が、まだ微かに震えているのを感じると、そっとその身を抱き寄せた。
「ここにはいない大丈夫だ」
「……よかった」
「俺だけを狙えばいいものを……お前を危険な目に合わせたくない」
「……」
確実に何かが起ころうとしている。
他の者達も彼女を狙ってくるかもしれない。
「帰ろう……今日は特別なご飯だ。ちょっと買い物していこう」
「はい……」
手を握られたまま、駅から離れスーパーに立ち寄った。
野菜売り場では、葡萄や南瓜、薩摩芋など秋の味覚が並んでいる。
「秋になってきたな~」
「そうですね、食欲の秋がやってきますね」
「葡萄買うか。あとは貰った栗でご飯炊いてきたから、そうだな……今度薩摩芋で茶巾絞りでも作るか」
「美味しそうですね。作りましょう」
店全体を見渡している内に、あっという間に時間は過ぎ、店を後にした。
家に着き食材をしまった後、ちょうどご飯のいい香りがした。
「さて、できたかな」
「何のご飯ですか?」
「今日は重陽の節句にちなみ、栗ご飯だ。後で菊酒でも飲もうか」
「はい」
用意されていたご飯を食べ始め、今年初めて食べる栗の味に思わず頬が綻ぶ。
きっと色んなものを食べすぎて、太ってしまうに違いない。
美味しいものが増えてくる季節なので、気を付けねばと鈴は思った。
だが、きっと彼が作る料理は美味しいので、色々食べてしまうだろう。
「鈴、たくさん食べて倒れないようにしろよ」
「食べすぎも困るんですよ」
「ははっ、いいじゃん。健康でいるのが何よりだから」
「もう……」
***
食事を終えまったり微睡んでいると、琥珀が小さい酒瓶と盃を持ってきて机の上に置いた。
盃に酒を注いだ後、その上に小さい菊の花びらを散らした。
黄色の色が映えとても綺麗だ。
「綺麗……」
「ほら、鈴から飲め」
「え、いいんですか?」
「あぁ」
「いただきます……」
促されるままそっとお酒を口に運んだ。
普段あまり飲まないので、久々に飲むとその味と香りに直ぐに酔ってしまいそうだ。
「ご馳走様です……」
鈴が飲み終えると、琥珀はその盃を手にし酒を再び注ぎ、自らも口にした。
「やっぱり美味いな……酒は」
「神様はお酒が好きなんですよね」
「あぁ、神に酒を捧げるのは当たり前だからな。嫌いな神はいないんじゃないか?強い弱いはあると思うけど……」
そして彼は盃を手にしながら、鈴を抱き寄せ耳元で囁きだす。
「なぁ、こうして一つの盃を飲み干すって儀式が神前式であるが、やってみたいな」
「えっ?」
「この先、鈴と共に式をあげれたらって……夢にみている」
「本当にそんなこと思ってるんですか?」
そう尋ねると、彼は頷き語りだす。
「何としても、人になり。俺はお前と共に歩みたい……そのために俺は同胞たちと決別しないといけない」
「……それでいいんですか?」
「あぁ、もう決めている。お前のいるこの世界が、俺が生きる意味を見つけられる場所だから」
「……」
琥珀が鈴の赤く高揚した唇に口づけると、その口づけは次第に深くなり、甘い余韻に包まれる。
見つめられる視線に愛しさを感じながら、お互いを抱き合い暫し微睡む。
この先の未来が幸せで溢れるように、琥珀は祈りながら愛しい彼女の身を包んでいった。
お酒の香りと藤の香りが混じり合い、二人のいる部屋を満たしていった。
白露~「重陽 菊花の盃を交わし」~了
琥珀は、鈴を起こさないように起き、布団から出て居間に向かった。
暦を見ると、今日は重陽と書かれている。
重陽とは菊の節句といって、邪気を払ったり、長寿を願う行事だ。
菊の花びらを酒に入れる菊酒や、栗を使った栗ご飯を食べたりする。
こうして四季を感じながら、彼女と過ごすことをこれかも大事にしていきたいと思う。
朝方はどこか涼しくなり、過ごしやすくなっている。
密かに秋を感じるようになった―――
この生活を失わない為に、彼女を何としても守り通さねばならない。
自分の居場所はもうここしか考えられない。
「絶対、守り抜く……」
夢で浮かんできた過去の残像にも、思いを馳せながら朝食の支度を始めた。
暫くして、目を覚ましたのか彼女の声が聞こえた。
「おはようございます……」
「おはよう、起きたな」
「琥珀さん、今日も早いですね」
まだ眠そうな表情を浮かべている彼女に近づき、そっと唇を奪う。
「!!」
彼女の身が一瞬跳ねると、払いのけるように彼女は後ずさりした。
「おっと……ごめん」
「朝からやめてください」
「いいじゃん、ちょっと触れ合うくらい……」
「顔洗ってきます……」
鈴はその場から離れ、洗面所へと向かい顔を洗う。
毎日、彼に大事に扱われ甘やかされる日々は、本当飽きないのかと思うくらい不思議に思う。
少しだけ、時折見られる強引さに困る事もあるけど……。
時折、叱られたり、励まされたり、人間味が増していく彼を見ながらこの先が楽しみでもあり、不安もある。
「このままずっといられたらいいのに……」
支度を済ませ、朝食をとるために席に座ると変わらずに、ご飯や味噌汁が置かれている。
「さ、ご飯食べて出かけないとな。どうぞ」
「いただきます」
彼は今日は共に食べることはなく、鈴を眺めている。
その視線を感じながら目を見やると、彼が、机に肘をつきながら笑顔を向けている。
鈴は恥ずかしくなってしまい、即座に視線を外した。
こういったことは、何度か遭遇しているのに未だに慣れない。
「美味いか?」
「はい……」
「それはよかった。今日も遅いか?」
「仕事が早く片付ければ定時ですけど……何か?」
そう尋ねると、琥珀は首を振り呟いた。
「いや、別に。少し買い物がしたくてさ……六時半頃駅に立ち寄って、そこで十分くらい待っても来なかったら、帰るから、もし間に合えばいてくれ」
「わかりました。間に合ったらその時間までに電車に乗ります」
「あぁ。待ってるよ」
俺から離れている間に、柘榴たちが、彼女を狙ってくるかもしれない――
本当は傍についていたいが、それができない為耐える。
もし何かあった時は、彼女に与えた血の呪いが、彼女を護るだろう……
大事な者を失いたくはない。
その思いだけが、今の自分を大いに不安にさせている。
過去にもこのような思いを抱いたことがあったのかもしれない。
食事を済ませると、彼女は仕事へと向かっていった。
自分もその後仕事場へ向かった。
境内に入ると、ご神木の前で馴染みの声が聞こえてくる。
『琥珀、調子はどうだ?』
「おはようございます。特に変わりはありません……」
『そうか。鈴は大丈夫か?』
「今のところは……大丈夫です」
そのように話した後、業務についた。
仕事の最中、鈴はふと窓の外を覗いた。
そこには茶色の蛇が窓越しに這っており、こちらを見ているように思えた。
「こんなところに蛇が……」
「どうしたの?って!蛇!!何でこんなところにいるの?誰か追い払って!!」
小寺が嫌がるように声を上げると、周りの視線が一気に蛇がいる窓へと集中した。
その視線を感じ取ったのか、茶色の蛇はまたゆるりと、その場を後にし消えていった。
『お前が、鈴……』
空耳のように、耳に微かな声が聞こえた。
その声に、鈴は不思議と首を傾げた。
今のはいったい何だったのだろう……
少しの恐怖を感じながらも、彼に関係があるのかもしれないと思い、身を強張らせた。
――その後は特にあの蛇を目にすることはなく仕事を終え、定時にあがることができた。
これなら彼との待ち合わせに間に合うと、急ぎ駅へと向かった。
電車に揺られながらいると、窓側の斜め向かいから視線を感じた。
(この気配……朝と同じ)
その視線の気配の方へ目を向けると、茶髪で尖った髪をしている男が立っている。
「……」
慌てて視線を逸らし、携帯の画面を見て心を落ち着かせる。
狙われているのだろうか……?
それとも―――
恐怖を感じながらも、目的の駅に着くと足早に電車を降りた。
改札口を出て少し向かうと、柱の隅に彼が立っていた。
「琥珀さん……!あの……」
「鈴、お疲れ様……どうした?」
慌てながら彼の前に近寄ると、そっと手を掴んだ。
「何かあったのか……?」
手を握り返されると、恐怖から解放されるように安堵した。
「今日茶色の蛇が会社にいて……そして、今も何か視線が……」
「茶色……もしや珊瑚か」
まだ近くにいるかもしれないと、同胞の気配を探す。
だが、その気配を感じることはなかった。
きっと柘榴から仕向けられたに違いない。
(あいつは、彼女の為なら喜んで命に従う奴だ……)
握っている手が、まだ微かに震えているのを感じると、そっとその身を抱き寄せた。
「ここにはいない大丈夫だ」
「……よかった」
「俺だけを狙えばいいものを……お前を危険な目に合わせたくない」
「……」
確実に何かが起ころうとしている。
他の者達も彼女を狙ってくるかもしれない。
「帰ろう……今日は特別なご飯だ。ちょっと買い物していこう」
「はい……」
手を握られたまま、駅から離れスーパーに立ち寄った。
野菜売り場では、葡萄や南瓜、薩摩芋など秋の味覚が並んでいる。
「秋になってきたな~」
「そうですね、食欲の秋がやってきますね」
「葡萄買うか。あとは貰った栗でご飯炊いてきたから、そうだな……今度薩摩芋で茶巾絞りでも作るか」
「美味しそうですね。作りましょう」
店全体を見渡している内に、あっという間に時間は過ぎ、店を後にした。
家に着き食材をしまった後、ちょうどご飯のいい香りがした。
「さて、できたかな」
「何のご飯ですか?」
「今日は重陽の節句にちなみ、栗ご飯だ。後で菊酒でも飲もうか」
「はい」
用意されていたご飯を食べ始め、今年初めて食べる栗の味に思わず頬が綻ぶ。
きっと色んなものを食べすぎて、太ってしまうに違いない。
美味しいものが増えてくる季節なので、気を付けねばと鈴は思った。
だが、きっと彼が作る料理は美味しいので、色々食べてしまうだろう。
「鈴、たくさん食べて倒れないようにしろよ」
「食べすぎも困るんですよ」
「ははっ、いいじゃん。健康でいるのが何よりだから」
「もう……」
***
食事を終えまったり微睡んでいると、琥珀が小さい酒瓶と盃を持ってきて机の上に置いた。
盃に酒を注いだ後、その上に小さい菊の花びらを散らした。
黄色の色が映えとても綺麗だ。
「綺麗……」
「ほら、鈴から飲め」
「え、いいんですか?」
「あぁ」
「いただきます……」
促されるままそっとお酒を口に運んだ。
普段あまり飲まないので、久々に飲むとその味と香りに直ぐに酔ってしまいそうだ。
「ご馳走様です……」
鈴が飲み終えると、琥珀はその盃を手にし酒を再び注ぎ、自らも口にした。
「やっぱり美味いな……酒は」
「神様はお酒が好きなんですよね」
「あぁ、神に酒を捧げるのは当たり前だからな。嫌いな神はいないんじゃないか?強い弱いはあると思うけど……」
そして彼は盃を手にしながら、鈴を抱き寄せ耳元で囁きだす。
「なぁ、こうして一つの盃を飲み干すって儀式が神前式であるが、やってみたいな」
「えっ?」
「この先、鈴と共に式をあげれたらって……夢にみている」
「本当にそんなこと思ってるんですか?」
そう尋ねると、彼は頷き語りだす。
「何としても、人になり。俺はお前と共に歩みたい……そのために俺は同胞たちと決別しないといけない」
「……それでいいんですか?」
「あぁ、もう決めている。お前のいるこの世界が、俺が生きる意味を見つけられる場所だから」
「……」
琥珀が鈴の赤く高揚した唇に口づけると、その口づけは次第に深くなり、甘い余韻に包まれる。
見つめられる視線に愛しさを感じながら、お互いを抱き合い暫し微睡む。
この先の未来が幸せで溢れるように、琥珀は祈りながら愛しい彼女の身を包んでいった。
お酒の香りと藤の香りが混じり合い、二人のいる部屋を満たしていった。
白露~「重陽 菊花の盃を交わし」~了
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