【完結】劣情を抱く夢魔

朔灯まい

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27.情事※

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 すっと彼のしなやかな指が私の下着をなぞると、ビリビリと体が快楽に呑まれていく。
 ゆっくりと焦らすように指を動かすアビリウスさんは意地悪な笑みを浮かべている。

「腰、浮いてるよ」
「んんっ、…いじわっ…んぁっ??!」

 下着越しに触れていたはずの指が突然自分の中に侵入してきたかと思うと、体が弓形に反る。

「…あっ、まっ…ぁん!!」

 ぐちゅぐちゅといやらしい音と私の喘ぎ声が部屋に響く。
 どうしようもなく恥ずかしいのに、この気持ちよさに抗う事ができない。

「いいよ、イッて」
「んんんぁっ!!!!」

 絶頂を迎えて、蜜口からゴポリと愛液が溢れる。恥ずかしいはずなのに今は気持ち良いが勝って、私は自然とアビリウスさんを求めていた。

「やらしい…」
「んっ、はや、く…!」

 早くアビリウスさん自身が欲しいのに、彼は私を焦らしているのか中々挿入してくれず器用に私の服を脱がし胸を揉みしだいているだけ。

「んやぁ…!」
「嫌じゃないでしょ?」
「ぁん!!」

 胸の頂にある硬くなった先端を指で転がされ、もう一方は口に含まれ吸われる。とめどない刺激に嬌声を上げる私の姿は淫らだろう。
 
「っぁ…アビリウスさ…ん…」
「んっ?」

 切なげに彼を呼んでも、下を触ってくれる気配はなく、私の様子を楽しんでいるようにも見える。
 その余裕な感じが悔しくて、私は空いた手で彼のベルトに手を伸ばす。それを止めるかのように強い刺激が私を支配する。

「ひゃっ??!」
「ぐちょぐちょだ…僕で感じてくれてるの?」

 分かりきった質問に答えるまでもなく、私は陰核に触れた指をもっととせがむ。

「うんっ…だからぁ…はやっ…く!」
「…っ」

 トロトロに溶けきった私のだらしない顔を見てごくりと喉を鳴らすアビリウスさん。
 彼も興奮してくれてるのかな、と布越しに彼自身に触れる。

「ちょっ、」
「わっ…」

 それは布越しでも分かるほど熱を帯びていて、今にも飛び出してきそうな勢いがあるほど膨らんでいる。

「…イオリちゃ…ん、」
「んっ…?」
「僕…また…」

 先ほどまであれだけ余裕そうな表情を浮かべていたアビリウスさんだが、今は余裕がないのか少し苦しそうに眉間に皺を寄せている。

「目、青い…?」

 自分では自覚がないのか、確認してくるアビリウスさんは不安げに聞いてくる。
 
「青くないよ…」
「……もし、また青くなったら…んぅ」

 それ以上聞きたくなくて、私はアビリウスさんの唇にキスをした。
 
「イオッ、ちゃん…」
「…大丈夫…大丈夫だから」

 また泣きそうになってる、と眉間に寄った皺を指で弾くと、アビリウスさんは私にふっと笑いかけ、

「…っんふぁ…んっぁ」
 
 噛み付くように激しくキスをされ、舌で口の中を弄ばれる。
 口の端からは唾液が垂れ、それを拭う暇すら与えられず呼吸もままならない。
 意識がそこに向いているとカチャリと金属音が聞こえ、その後に太腿にごりっと何か固いものが当たるのを感じる。

「はぁ…っ、は…」
「…こんな…余裕がないのは…初めてだよ」

 唇が離れ、少し息を荒げて話すアビリウスさんは切なげに私を見ていて、その顔に下腹部がきゅんと疼く。

「痛かったら言ってね」
「んっ」

 蜜口にぬるりとした感覚が襲う。十分に慣らされたそこは受け入れる準備等とっくにできていて、まだかまだかとヒクつかせている。
 熱く固いそれをゆっくりと擦り付けられ、焦ったさから自分の腰がゆるゆると動いてることすら気づかない。

「…っ」
「んっ…ふぁぁ…ぁっ…!」

 ぐぷっと入るその質量はお腹を圧迫し、苦しさと僅かな痛みに顔を歪めた。

「…痛い?」
「んんっ、だいじょ、ぶ…っ」

 少しの変化も見逃していないのか、直ぐに動きを止めたアビリウスさんは心配そうに私を見つめている。

「やぁ、だ…止めない…で、」
「…っ」
「…んっふ…ぁっうぐ…」

 深くゆっくりと奥まで入っていくその過程すら内部を刺激する。

「んっ…」
「…イオリちゃん、」
「んぅ…んっ…ぁっ!!!」

 キスをされ、意識がそちらに向いたと思えば腰にずんっと一気に挿入される感覚が襲う。

「あっは、入ったよ全部」
「はぁっ…ぁっ…おっき、い…ね」
「…無自覚で言ってる?」
「えっ、なんっ…っぁああ!!?」

 一気に引き抜かれたと思えば、直ぐに奥まで挿入され、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が耳を支配する。

「あっ、まっ…んぁあっ、はっ、ぁ!!」

 パンパンと激しく肌と肌がぶつかり合う音と、絶え間無い律動に意識が飛びそうになる。
 
「あっ、あっ…やっ、なんか…へん、っ!!」
「ん…イキそ?」

 チカチカとした視界の中で、アビリウスさんの瞳がほんのり青く光っているが、腰の動きがより激しくなりそれを言うどころではなかった。

「んっ、あ…んん…あああ!!!」
「くっ…」

 一際大きな快感が体を駆け巡り絶頂を迎える。アビリウスさんもほぼ同時に果てたのかずるりとモノを引き抜くと、私のお腹の上に白濁した液が飛び散った。

「あっ、はぁ…はぁ…」

 体がビクビクと痙攣していて、与えられた快楽に身悶え動けずに息を荒げているだけの私に、アビリウスさんは再び覆い被さり抱き締めてきた。

「…気持ちよかった?」
「…んっ、」

 素直に頷けば、抱き締める力が少し強くなった。
 アビリウスさんの温もりに包まれて幸せな気持ちが胸いっぱいに広がった。
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