【完結】劣情を抱く夢魔

朔灯まい

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3.着信

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 真実が学校を休んだ。
 先生に休んだ理由を伺ったところ、体調不良としか答えてくれなかった。
 もちろん、真実に連絡したが返事はなく、どうしたものかと考えた。

(昨日の真実の様子からして恐らく占い師の元に行ってる…でも一人で行ってるはずなのにどうして…、)

 一人で行ったとしても、他の条件を満たしてないとすれば二人と同じ状況になるだろう。

(まさか時間間違えたとか……?ああ…でもあり得るなあ…)

 終始上の空で授業を受け、先生にまたしても怒られてしまったがそれを揶揄う友達がいないのは寂しいものだった。
 あっという間に放課後がやってくる。
 帰る準備をしていると制服のポケットからブルブルと振動がする。

(……ん?電話だ、誰からだろう……?!)

 着信を知らせるメッセージ。そこには今日学校を休んだ真実の名が表示されており、慌てて通話ボタンを押した。

「あ、もしもし真実??心配したんだよー」

 電話がかかってきたことに、ほっと胸を撫で下ろした。

「……」
「……真実?」

 繋がったはずなのに、向こう側からは何の反応もない。
 ノイズもないし…私の声が届いてないのかな?

「真実??聞こえてる???」
「………ぁ?…」
「??」

 小さくか細い声、聞き取りづらく何を言ってるのかわからなかった。

「もしもし?」

 再度呼びかけると、聞こえてきたのは真実の声ではなかった。

「次は君がくるのかなあ?」
「!!?!」

 ひゅんと心臓が跳ね、ぞわりと全身に鳥肌が立つ。
 低く甘ったるい男の声が携帯越しのはずなのに、まるで直接耳元に話しかけられてるように聞こえる。

「ちゃんと条件守っておいで。そしたら占ってあげるから」
「はっ……」

 それだけを言って、電話は切れた。
 額から汗が吹き出し、心臓がバクバクと鳴ってるのが聞こえてくるくらい鼓動が早い。

(今の声って…、噂は本当だったってこと?!だとしたら真実はやっぱり何かしら条件を破っちゃって学校に来れない状況になってるんだ…)

 この時の私は冷静ではなかった。
 何らかの事件性をはらんでいてもおかしくはないのに、占い師の事しか頭になかった。
 誰にも相談せず、自分で行くしかないと思った。

(お母さんには友達の家に泊まりに行くとでも言おう…)

 こうして私はその日の夜、占い師の元へ向かった。









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