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2.不穏
しおりを挟む次の日、南さんと西田さん二人は学校を休んだ。
普段なら気にならないことが嫌に引っ掛かるのは昨日の会話があったからだろう。
それも二人一緒にということが余計に、だ。
「やっぱり昨日行ったのかな?」
「考え難いけどそう考えるのが自然だよね」
たまたま二人とも同じ日に風邪を引いて休んでいるなら何も問題はない。
連絡先を知らない為、本人達から事情を伺うことが出来ない。
「真実、連絡先知らないの?」
「知らない!あんなに話したの昨日が初めてだし」
「…そっか」
先生に聞けば教えてくれるかも知れないが、理由をつっこまれると面倒だなと結局聞けずじまいで、
その日の放課後を迎えた。
ホームルームが終わるや否や直ぐに私の元に来る真実は嫌な笑みを浮かべてる。
「ねえ、伊織…考えてたんだけどさ私達も行ってみない?」
「…言うと思った」
予感は見事的中。
私も気になっているので、その案には乗りたいのだが、一つ気になっていることがある。
「真実、昨日の条件の話覚えてる?」
「何だっけ?」
「…一人で来ること、これを守らないといけないんじゃないかな」
昨日西田さんが言っていた占ってもらう条件。これを二人は守っていなかったんじゃないのか、と。
「西田さん、途中までは南さんについて行くって言ってし…」
「守らなかったから学校お休みしてるってこと?」
「もしかしたら、だけど」
仮定の話とはいえ、噂話を鵜呑みにして且つ二人が本当に占い師の元に行っていればの話だ。
「だから行くなら一人で行かないといけないんだと思う」
「そっかー。」
「…まあ、考えすぎだと思うけどね、明日には学校来るんじゃない?」
二人のことは気になるが、それでも危険を犯して占い師の元に行こうとは考えなかった。
次の日に真実が学校を休んだと先生から言われるまでは。
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