ザ・モブ顔なはずなのに天使とか言われるし、イケメンなはずなのに不細工とか言われている不憫すぎる魔王様を倒せとかで無理なんですけど!!

坂神ユキ

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1章:異世界召喚だそうです

(3)魔王様とモブとか死亡フラグか!?

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~花子視点~


 何が起こったのかわからなかった。


 ガラスが割れて破片が降ってきたかと思えば、お腹に誰かの腕が回されて抱き上げられた。
 私を抱き上げたのは、真っ白な仮面をつけた黒髪の男の人。


 うん、あなたどちら様ですか?


 どうしよう、婆ちゃん。
 顔も名前も知らない人にだっこされてるんだけど、私はどう反応するのが正解なのかな??

 そう思っていれば、周囲からなぜか悲鳴が上がった。


「なっ、聖女様!?」
「いやああああ、魔王よ!!」


 床の人に向かって槍を突きつける兵士さん。
 悲鳴を上げるドレスを着た女の人。


 なるほど、これがカオスか。
 あと、ドレスを着た人よ。
 魔王と言った??

 え、この仮面の人って魔王なの?
 私はモブなのに、魔王とエンカウントしたわけ?

 いや、それって完全に死亡フラグじゃん!!


 そう思っていると、憤怒の形相で剣を抜きながらカドリックさんが近づいてきた。


「クソッ、聖女様を離せ!! その御方は、貴様のような汚らわしい存在が触れてよい方ではないのだぞ!!」
「ふん…………軟弱な貴様に何ができる」
「なんだと!! 俺は、貴様を倒す勇者だぞ!! 貴様など、この刃の錆にしてくれる!!」


 マジか、カドリックさん。
 あんた、その体型で魔王さんと戦おうとしてるの??

 抱っこされててわかるけど、魔王さんって結構筋肉あるよ?
 しかも軍服着てるし、絶対に物理でも強い人だよ?
 
 カドリックさん、もしかして運動ができるおデブさんだったの!!


 そう混乱しながらも、抱き上げている魔王さんの腕の力が強くなったのを感じた。


「…………魔王さん?」


 魔王さんの顔を見上げると、魔王さんが私の顔を凝視していることに気づいた。何分ぐらい、そうしていたのかわからない。周囲に武器を持った兵士がいるのに、魔王さんはじっと私を見ていた。


「…………お前は」


 魔王さんはそう呟いた瞬間、私の顔の前で手をかざした。


 …………あれ?


 不思議に思った瞬間、急に強い眠気が襲ってきた。


「…………聖女は、貰っていく」


 私が最後に聞いたのは、魔王さんのそんな冷たい言葉だった。

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感想 4

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みんなの感想(4件)

しおん
2023.09.25 しおん

めちゃくちゃ好きです〜!
続きが楽しみです。

解除
しおん
2023.01.23 しおん

こういうお話めっちゃ好きです!!
出会えて嬉しい!
更新楽しみにしています。

2023.01.23 坂神ユキ

コメントありがとうございます。

解除
雪兎
2022.09.26 雪兎

更新待ってます(*^^*)

2022.09.27 坂神ユキ

コメントありがとうございます

解除

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