黒猫文二のうわごと 日常の思い浮かんだことから趣味の漫画・アニメ・映画・ゲームとかの話をダラダラと語るエッセイ

実写映画版「デビルマン」

　悪い意味で伝説的な作品として語られている実写映画版「デビルマン」を観た。

　漫画「デビルマン」を原作とした作品で、大筋の展開は原作をなぞりつつも、物語の舞台を現代（映画当時の）にしたり色々改変をした内容となっている。
　原作ではじっくりと描かれた、不動明がデビルマンになる経緯がかなりあっさりとしたものになっていたり、原作では後半で明かされる飛鳥了の正体が序盤からバレバレだったりする。
　その後も、原作にある展開や一部オリジナル展開などが、唐突でへんてこなダイジェストで描かれていく。
　シレーヌは少し出てくるがカイムは出て来ない。
　ジンメンもあっさり。
　ミーコは美樹の同級生になっていて、ススムちゃん大ショック展開と絡んだりも。

　映画の前半はそんな感じで、後半はテンポを落として破滅へと向かう展開が描かれていく。
　原作の内容を無理やり二時間の映画に詰め込んだ、無茶苦茶バランスの悪い映画となっている。
　おまけに、演技経験のなかった主演俳優の気の抜ける演技が更にシュールさを強めている。

　ただ、映像は当時の邦画としてはお金のかかった出来である。
　なので、現在ではクソ映画の代表格のように語られているが、実はそこまで観ていて苦痛というわけでもなかった。少なくとも、珍品・ネタ映画としては楽しめた。
　一番盛り上がったシーンは、主役周りのシーンではなく、後半にあるミーコ無双シーンだったりしたけど。

　上映時間を四時間にするか、二部作にでもして、もっとじっくり前半のドラマが描かれていたらかなり評価が違っていたのではないのだろうか、なんて事を思った。