黒猫文二のうわごと 日常の思い浮かんだことから趣味の漫画・アニメ・映画・ゲームとかの話をダラダラと語るエッセイ

黒猫文二

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そもそも「オタク」ってなんやねんボケ!っという話

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 皆が当たり前のように使っている言葉の中に「オタク」というものある。

 その「オタク」って、そもそもは一体どういう意味の言葉か。


「オタク」で検索してみて出てくるのがこのお話。
 元々は、評論家・作家の中森明夫氏が若かりしころの1983年に「漫画ブリッコ」という成人向け漫画雑誌の中の一コーナーとして書いた「『おたく』の研究」というタイトルの記事が始まり。

 その記事の全文は、「『おたく』の研究」で検索すると「漫画ブリッコの世界」というサイトを運営している方が掲載してくれているのが読める。

 読むのが面倒くさい人用に自分なりに記事の内容を要約してみると、「俺がコミケとかで見かけたイケてない連中の事を『おたく』と呼ぶ」から始まり、「『おたく』の由来はそのイケてない連中が友達に『おたくらさぁ』なんて呼びかけていたから」で、後は「『おたく』の仕草や生態を馬鹿にする」というもの。
 それも、「『おたく』は『おたくおんな』と結婚して『おたくこども』を生むのであった。」とか、「高2の彼女と『おたく』の集まりを見て馬鹿にした」みたいな、書いた本人にとっても今となっては若気の至りの黒歴史なのではないかと思うほどの幼稚なイキリマウント文である。

 現代なら「オタクのオタク叩き」の典型例として一蹴されるだろう。記事を書いた中森明夫(このペンネームも中森明菜から持ってきている)本人も評論家になるほどのアイドルマニアだったし。


 つまり、おたく(オタク)とは、元々は中森明夫がコミケなどで見かけた、マニアたちの中でもダサくてイケてない人々の事を指す言葉であった。


 おたく(オタク)という差別用語は、その語呂の良さと、主観的でどうにでも拡大解釈出来る性質もあってか広まっていった。というか、使う者によって定義がいい加減だったりして、元々の意味からも離れてひとり歩きしていった。
 その結果、インドアな趣味の人を馬鹿にする為に使われたり、もはや趣味とかも関係なく気に入らない相手やそれっぽいと思った相手に対して使われる、よくわかんないけど使い勝手の良い侮蔑語となった。

 そうして、おたく(オタク)は、もはや「実態のない」フワフワとした都合の良いマジックワードへと変貌した。 


 さらに、1988年~1989年に起きた東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件の犯人・宮崎勤がオタクっぽかったという理由で、インドアな趣味の者は犯罪者予備軍みたいな偏見を持たれる事にもなった。
 ビデオマニアであった宮崎勤の自室の様子がセンセーショナルに報道されたのが原因だったのだが、今思うとバカみたいな話である。
 近年、テレビ番組でこの事件の特集がされた時は、犯人が何故殺人鬼になったかをきっちりプロファイリングした内容で報じられていたが、当時は「プロファイリング」なんて言葉も知られていなかった、この事件で初めて導入が検討されたというくらいの時代だったのも大きかったのだろう。

 オタクは犯罪者予備軍、インドアな趣味の者は不健全な犯罪者予備軍であるという風潮が強まり、インドアタイプの人はオタクっぽいと思われたくない為に好きな物を好きと言えない状態になり、モラハラ・パワハラがデフォな体育会系やヤンキー系、口がよく回るチャラいタイプの者が過大評価された。

 それらが現代の、ブラック労働の横行や、職人を軽視して胡散臭いコンサルのいう事を重視して現場が大混乱だったりな問題を引き起こしている原因の一端なんじゃないかなと思う。


 それはそれとして。


 その後、オタクはただ単に「◯◯が好きな人・◯◯に詳しい人」という意味でも使われていたが、そういう良い意味で使われる事が時が経つにつれ段々と多くなっていった。自分からオタクを名乗る人も出てきたりも。ただ、それでも自虐的なニュアンスを含んだままでもあった。



 個人的には、未だに「オタクは犯罪者予備軍!」なんてエビデンスもクソもない時代錯誤な事を言っている奴は論外だし、自虐的にオタクを名乗っている人にも違和感を感じる。後、変に特別感を持ってか自分の思うキモオタ像を演じて暴れているような奴もこれまた論外。


 もうさぁー、いちいちその「オタク」って言うの、いらなくない? って思う。
 

 別に何も悪い事をしてないんだから、インドアな趣味を持っている事で変に引け目を感じる必要はないんだし。

 っていうか、フワフワとした「実態のない」都合の良いマジックワードに振り回されてるのアホらしくない? って思うんだよなぁ。
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