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「殺し屋1」と「ザ・ワールド・イズ・マイン」
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同時代にヤングサンデーに連載されていて異彩を放っていた2作品、「殺し屋1」(1998年~2001年)と「ザ・ワールド・イズ・マイン」(1997年~2001年)。
当時に読んだ時は、そのバイオレンス表現やストーリーにカルチャーショックを受けたな~。
「殺し屋1」は、新宿歌舞伎町を舞台に謎の男「ジジイ」をリーダーとするグループと暴力団との攻防を描いたお話。
ジジイの切り札である「殺し屋1(イチ)」は城石一という青年で、過去のイジメの経験がトラウマとなっていてターゲットを過去にイジメを行っていた人物と重ねあわせて泣きながら強靭な脚力とブーツに仕込んである刃物で殺害する。
ターゲット殺害後は性的興奮からその場で自慰をして射精したりもする異常者で無自覚な究極のサディスト。
もう一人の主人公となるのがピアスだらけで口が裂けているヤクザの垣原雅雄。
拷問をするのもされるのも好きで、殴られるほど強くなったりもする究極のマゾヒスト。
最初はイチに殺された組長の仇討ちのために行動していたが、いつしかイチの存在に惹かれていく。
最初に序盤だけを読んだ時はジジイグループと変な殺し屋のイチが色んな連中と戦ったりするバイオレンスアクション漫画になるのかな? と思っていたが、途中からは異常者たちの心理や痛々しい暴力表現がねっとりと描かれる独特の変な漫画となっていき、最後は究極のSと究極のMの出会いと別れが描かれて終わる。
序盤はイチが若干ヒーローっぽい描かれ方もしていたから、途中で作者の興味が変わったりしてダークヒーロー物から異常者たちの心理を描く方向へ路線変更をしたのかな? と思う。
結果的にそれが他にはない独特の作品となっているし、それでいて所々のアクションシーンは迫力あって格好良かったりもするからなんとも奇妙で面白い。
普通に残酷で胸糞悪いシーンも多いから好き嫌い別れる作品である事も確かだけど。
多くの主要人物たちがどういう考えでどういう行動をしたのかがじっくりと描かれていってたので読み終えたころには「こいつはこういう奴だった」というのがわかるようになっているのだが、最初は主人公っぽかったイチに関しては後になるほどわからなくなってきてモヤモヤした。
そんなモヤモヤが解消されたのはOVAの「殺し屋1 THE ANIMATION EPISODE.0 」を観た後。
冒頭に漫画の終盤のイチと垣原の戦いの一部が描かれた後に、イチの過去が描かれ始めるという作りのアニメ作品。
物語の終わりごろにジジイが語ったイチの特性とEDロール中に挿入される調査報告書を読むとイチの正体がなんとなくわかった。
漫画の前半と後半で過去のイジメの回想の内容が変わっていたりしたのも、そういう事だったのかと納得できるようになった。
作画は崩れ気味だが声優の名演技と癖になるBGMが印象的だった。
2001年には実写映画版も公開されている。
内容は原作から色々とアレンジされてるらしいけど、これは未だに観たことなかったりする。
それはそうと「ザ・ワールド・イズ・マイン」のお話も。
「ザ・ワールド・イズ・マイン」を初めて知ったのは「殺し屋1」がまだ連載中だった当時にヤングサンデーを読んだ時だった。
当時は、既にヒットしていて話題になっていた「殺し屋1」の影に隠れていたが、「殺し屋1」とはまた違った異様な雰囲気のバイオレンス漫画「ザ・ワールド・イズ・マイン」の事が気になりだして単行本を集め始めたらこれがまた面白かった。
鬱屈とした日々を過ごしていた青年トシが凶暴な野生動物のような謎の男モンと出会い、無差別テロや殺人等を行っていく。
一方そのころ、ヒグマドンと呼ばれる謎の巨大生物が日本を蹂躙し始めていた。
最初はバラバラだったその2つが混じったりそうでもなかったりして予測不可能な展開を迎える。
暴力と方言と社会風刺と愛に満ちた異色作。
内容は面白かったけども読むのに色々ハードルが高い漫画でもある。
まずは方言の台詞が多くて慣れるまでめっちゃ読みにくい。
暴力表現も、新宿歌舞伎町が舞台の「殺し屋1」とは違い日本のあちこちが舞台になるので一般人が巻き込まれて死ぬシーンが多くて精神的にキツイ。
特に無力な老人とかが惨殺されたりするシーンの嫌悪感は半端ない。
登場人物が多くてあちこちに視点が切り替わるし。
後は、今読むと時事ネタが古くてわからなかったりもするかな。
こちらもまた漫画史に残る異色作なので、そういう変わったのを読みたい人にはオススメ。
まぁ、その手の愛好者は自分が言うまでもなく読んでるだろうけど(笑)
そういえば、深作欣二監督が生前にこの「ザ・ワールド・イズ・マイン」を映画化しようとしていたらしい。
実写映画版が作られていたらどんなのになってたんだろな。
当時に読んだ時は、そのバイオレンス表現やストーリーにカルチャーショックを受けたな~。
「殺し屋1」は、新宿歌舞伎町を舞台に謎の男「ジジイ」をリーダーとするグループと暴力団との攻防を描いたお話。
ジジイの切り札である「殺し屋1(イチ)」は城石一という青年で、過去のイジメの経験がトラウマとなっていてターゲットを過去にイジメを行っていた人物と重ねあわせて泣きながら強靭な脚力とブーツに仕込んである刃物で殺害する。
ターゲット殺害後は性的興奮からその場で自慰をして射精したりもする異常者で無自覚な究極のサディスト。
もう一人の主人公となるのがピアスだらけで口が裂けているヤクザの垣原雅雄。
拷問をするのもされるのも好きで、殴られるほど強くなったりもする究極のマゾヒスト。
最初はイチに殺された組長の仇討ちのために行動していたが、いつしかイチの存在に惹かれていく。
最初に序盤だけを読んだ時はジジイグループと変な殺し屋のイチが色んな連中と戦ったりするバイオレンスアクション漫画になるのかな? と思っていたが、途中からは異常者たちの心理や痛々しい暴力表現がねっとりと描かれる独特の変な漫画となっていき、最後は究極のSと究極のMの出会いと別れが描かれて終わる。
序盤はイチが若干ヒーローっぽい描かれ方もしていたから、途中で作者の興味が変わったりしてダークヒーロー物から異常者たちの心理を描く方向へ路線変更をしたのかな? と思う。
結果的にそれが他にはない独特の作品となっているし、それでいて所々のアクションシーンは迫力あって格好良かったりもするからなんとも奇妙で面白い。
普通に残酷で胸糞悪いシーンも多いから好き嫌い別れる作品である事も確かだけど。
多くの主要人物たちがどういう考えでどういう行動をしたのかがじっくりと描かれていってたので読み終えたころには「こいつはこういう奴だった」というのがわかるようになっているのだが、最初は主人公っぽかったイチに関しては後になるほどわからなくなってきてモヤモヤした。
そんなモヤモヤが解消されたのはOVAの「殺し屋1 THE ANIMATION EPISODE.0 」を観た後。
冒頭に漫画の終盤のイチと垣原の戦いの一部が描かれた後に、イチの過去が描かれ始めるという作りのアニメ作品。
物語の終わりごろにジジイが語ったイチの特性とEDロール中に挿入される調査報告書を読むとイチの正体がなんとなくわかった。
漫画の前半と後半で過去のイジメの回想の内容が変わっていたりしたのも、そういう事だったのかと納得できるようになった。
作画は崩れ気味だが声優の名演技と癖になるBGMが印象的だった。
2001年には実写映画版も公開されている。
内容は原作から色々とアレンジされてるらしいけど、これは未だに観たことなかったりする。
それはそうと「ザ・ワールド・イズ・マイン」のお話も。
「ザ・ワールド・イズ・マイン」を初めて知ったのは「殺し屋1」がまだ連載中だった当時にヤングサンデーを読んだ時だった。
当時は、既にヒットしていて話題になっていた「殺し屋1」の影に隠れていたが、「殺し屋1」とはまた違った異様な雰囲気のバイオレンス漫画「ザ・ワールド・イズ・マイン」の事が気になりだして単行本を集め始めたらこれがまた面白かった。
鬱屈とした日々を過ごしていた青年トシが凶暴な野生動物のような謎の男モンと出会い、無差別テロや殺人等を行っていく。
一方そのころ、ヒグマドンと呼ばれる謎の巨大生物が日本を蹂躙し始めていた。
最初はバラバラだったその2つが混じったりそうでもなかったりして予測不可能な展開を迎える。
暴力と方言と社会風刺と愛に満ちた異色作。
内容は面白かったけども読むのに色々ハードルが高い漫画でもある。
まずは方言の台詞が多くて慣れるまでめっちゃ読みにくい。
暴力表現も、新宿歌舞伎町が舞台の「殺し屋1」とは違い日本のあちこちが舞台になるので一般人が巻き込まれて死ぬシーンが多くて精神的にキツイ。
特に無力な老人とかが惨殺されたりするシーンの嫌悪感は半端ない。
登場人物が多くてあちこちに視点が切り替わるし。
後は、今読むと時事ネタが古くてわからなかったりもするかな。
こちらもまた漫画史に残る異色作なので、そういう変わったのを読みたい人にはオススメ。
まぁ、その手の愛好者は自分が言うまでもなく読んでるだろうけど(笑)
そういえば、深作欣二監督が生前にこの「ザ・ワールド・イズ・マイン」を映画化しようとしていたらしい。
実写映画版が作られていたらどんなのになってたんだろな。
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