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後編
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……カーマインはキャンプ地から少し離れた、知り合いが経営する宿へと向かう道すがら、途中にある湖で軽く水浴びをすることにした。
ルカから漂う臭いと、時々お尻を気にしている様子を見て察したカーマインが、宿に着くまで我慢させるのも不憫だと思ってのことだった。
ルカは、後になって臭ってきた淫臭を洗い流していた。
少しスッキリしたが、時間差で何度もお尻から垂れてくる精液が彼を憂鬱にしていた。
その様子を少し離れた所から見ていたカーマインはルカに近づき頭をなでた。
なんとなくルカの様子を見ていて頭をなでてやりたくなったのだ。
カーマインの大きくて温かい手でなでられたルカは急に感情の波が押し寄せて来て涙が流れてきた。
自分が泣かせてしまったのかと勘違いしたカーマインは、とりあえずルカを抱きしめた。
カーマインの分厚い体に抱きついて泣いているうちにルカは気持ちが落ち着いてきた。
そうすると、心が回復した影響で体も元気になってきたのか、ルカのペニスが硬くなってきてカーマインのお腹に当たった。
「あっ、ごめんなさい!」
ルカが慌てて離れようとすると、カーマインがギュッと抱きしめてこう言った。
「謝ることはないさ、生理現象なんだから」
勃起は本人の意思とは無関係に起こる生理現象である、そのような男性の生理をカーマインは仲の良い弟から酒の席で聞き出したりしていたのだ。
ルカは、カーマインの優しさに体を熱くしていた。
そんなルカを見てカーマインは意を決してこう言う。
「坊や、私が男にしてやる! ……坊やが嫌じゃなければだけど」
一か八かだが、つらい性体験をした少年の心を癒やすにはこれが一番だろうと考えたのだ。
「お願いします、僕を男にしてください!」
ルカから思ったよりも元気な良い返事を貰ったカーマインは、ほっと一息ついてからルカを抱え上げて湖から上がり、すぐに準備して宿へと向かった。
……宿について部屋に入ってからすぐに二人は抱き合った。
それからカーマインはルカを軽々と抱き上げてベッドの上にのせてから手早く服を脱がせる。
ルカのペニスははち切れんばかりに硬くなってビクビクと震えていた。
カーマインはそんなルカに「焦らなくても大丈夫」と言わんばかりにゆっくりと愛撫を始める。
まだ、あえてペニスには触れずに厚い舌で優しく愛撫していく。
(乱暴な男の人にされたときと全然違う……)
ルカは、男に一方的に快楽を与えられた時とは全く違う、カーマインの優しい愛撫に気持ちよさとは別に暖かさを感じていた。
カーマインはを内ももを舐めてからペニスに触れようとしたが、それが既に発射しかねない状態なのを見て、ルカに攻守交代を告げた。
今度はカーマインが寝転がりルカに好きに触るように言った。
だが、ルカはどう触れたものかと戸惑うばかり。
そこで、カーマインはルカの手をとって自分の体を触れさせた。
「ほら、ここが皆大好きなおっぱいだ。舐めてもいいんだよ」
ルカはカーマインに言われた通り、胸に触れて舐める。
(なんだか赤ちゃんに戻ったみたいでムズムズする)
しばらく胸に触れた後に気がつくとカーマインの脇に顔を押しつけて舐めていた。
強めの臭いに股間を熱くしたルカは次にたくましく割れている腹筋に手を触れ顔を埋めて舐めまわす。
カーマインは積極的になったルカに少し驚きながらも、その様子を微笑ましく見ている。
次にルカはカーマインの女性器へ触れようとしたが、そこで動きが止まった。
「すみません、これってどこがどうなってるんでしょうか?」
カーマインは、丁寧に聞いてきたルカに思わず吹き出しながら、手で女性器を広げて教えてあげた。
それからルカは女性器を優しく舐め始めた。
僅かに塩のような味のするそこを舐めていると、最初は奇妙に思えたその部分が愛おしく思えてきた。
「準備も出来たし、そろそろ入れてみるかい?」
カーマインはそう言ってからルカに指を一本立てるように言って、その指を自分の中に案内した。
「ほら、ここに入れるんだよ」
ルカは、自分の指が柔らかくて熱いモノの中に飲み込まれている感触にドキドキした。
そこで、ペニスが思わずビクビクと暴発しそうになり、慌てて息を止めてから短い深呼吸を繰り返してどうにか我慢をする。
そのペニスを今度はカーマインの中に入れようとするのだが、いくら準備が出来てると聞いていてもペニスを押しつけて入れたりしたら痛くないのだろうかと思い動きが止まる。
そうなるのは予想できていたカーマインは、ルカのペニスを手に持って導いてあげる。
「さあ、このまままっすぐすると入るから。私の足を持って腰を前に出すんだよ。大丈夫、痛くないから」
カーマインに導かれたルカは腰を前に出した。
最初はペニスを押し返す感覚があったが、一度上手く入った後はズブズブと進んでいき、ルカの全てが入った。
「あっ!」
ルカのペニスに、指の時とは比べものにならない熱さと締め付けが襲いかかった。
ついさっき暴発寸前だった童貞ペニスは、その快楽にあっさりとねじ伏せられた。
ルカは、底なし沼に身体中の全てが飲み込まれるような感覚の後、一気に恥ずかしさが押し寄せてきた。
「ごめんなさい。僕、こんなすぐに……」
そのような事態も予測済みだったカーマインは、ルカの頭をなでながら優しくこう言った。
「そんなに私の中は気持ちよかったのかい」
ルカが「はい」と答えた後にカーマインは耳元で囁く。
「おめでとう坊や、男になれたね」
その言葉を聞いてルカは、頭からつま先までがしびれるような喜びの感情に包まれた。
再び攻守交代を告げられたルカはドキドキしながら仰向けに寝た。
「ちょっと激しくするよ、いいかい?」
カーマインにそう言われたルカは喜んで「はい、お願いします」と言った。
すると、カーマインはルカの両足を持って下半身を半分浮かせるような体勢にした。
お尻の穴まで丸見えな体勢にルカは顔を赤くする。
カーマインはルカの硬く反り返ってお腹に張り付いているペニスを片手で掴んで自分の中に入れて、再び両手で足を持って腰を打ち付け始めた。
遠目に見たら大柄な男性が小柄な女性に腰を使っているように錯覚するかもしれない光景だ。
当初、カーマインは最後まで優しく筆下ろしをするつもりだったが、ルカの素直な可愛らしさに当てられて思わず強く欲情してしまったのだった。
……ペチペチとリズミカルな音がしばらく続いた。
腰振りが激しくなり、ルカの足を掴む手の力が少し強くなったその時、カーマインのたくましい肉体が絶頂に震えた。
カーマインの膣に思い切り締め付けられたルカも続いて射精をしたのだった……。
「大丈夫かい坊や?」
冷静さを取り戻したカーマインがグッタリとしているルカに尋ねた。
「すごく気持ちよかったです……」
疲れてはいるがとても幸せそうな様子でルカは答えた。
カーマインはそんなルカを自分の上に寝かせた。
ルカが全体重を預けてもカーマインの鋼の肉体はびくともしない。
カーマインはルカを大事なぬいぐるみのように抱きしめる。
ルカは母親に抱かれているような穏やかな気持でそのまま眠った。
……翌朝。
ルカが目を覚ますとカーマインはもうベッドにはいなかった。
とりあえず洗面所で顔を洗おうとすると、スッキリした様子のカーマインが部屋のドアを開けてルカの方へ来た。
「起きたかい坊や。ここの宿には良い風呂があるんだ、入ってきなよ」
それを聞いたルカはワクワクしながら風呂へ行った。
今まで見たこともない大きな公衆浴場に感激したルカは、体を洗ってから広い風呂に浸かった。
ゆったりしていると、何だか外で騒ぎが起こっているようなので気になって出て行くと、どうやら巨大なモンスターが出たということだった。
例のモンスター討伐に来ていた賞金稼ぎたちが厄介な相手を怒らしてしまい、そいつがここまで来るかもしれないという話題で持ちきりだった。
ゴアアアアアア
今まで聞いたことのない大きな声が聞こえた。
どうやら本当に近くにモンスターが来ているようだと思ったルカは急いでカーマインに知らせに行った。
ルカが部屋のドアを開けるとカーマインは既にモンスターと戦う準備が出来ていた。
「坊や、危ないからここで待ってな」
そのまま行こうとするカーマイン。
「カーマインさん、僕も連れて行ってください!」
ルカはそう言ってついていった。
怒られるかと思っていたがカーマインは意外とあっさり「それなら後ろで見てな」と言ってそのままモンスターの元へ向かった。
カーマインが声のした方へ向かうと、そこには巨大なドラゴンがいた。
「あいつら、卵に手を出したな」
ドラゴンの卵は希少価値が高い。
だが、うかつに手を出すと怒った親ドラゴンにたちまち壊滅させられるという。
「助けてくれー!」
どうやらここまで走って逃げてきたものがいたようだ。
なんと、それは昨日ルカを強引に抱いたあの男だった。
男はカーマインの姿を見て一瞬安堵したようだが、足がもつれてつまずいた瞬間、一気に絶望の表情に変わった。
ドラゴンはすかさず男の下半身に噛み付き、そのまま一気に噛みちぎってしまった。
それでも興奮が冷めぬドラゴンは大勢の人がいる宿の方へと向かおうとする。
「もう殺したい連中は全員やっただろ? と、言っても止まってはくれないか」
ドラゴンにはカーマインの言葉は通じない様子だ。
しょうがないといった様子でカーマインはこう言った。
「悪いね。このまま大勢を殺させるわけにはいかないんでね」
その瞬間、ルカはカーマインの体から赤いオーラのようなものが噴き出るのが見えた。
カーマインは巨大な斧を持って大きく跳躍し、ドラゴンに向かって振り下ろした。
ドラゴンはまるで薪割りのように、ありえないほど綺麗に縦に切断されていた。
「坊や、見てたかい?」
呆然としていたルカは涼し気な様子のカーマインに声をかけられて我を取り戻した。
「あ、はい! 何か赤いオーラが出て、それで斧で真っ二つでその……凄かったです!!」
カーマインはルカのその言葉を聞いて驚いた。
「オーラって、見えたのかい……。 ふふ、これは将来が楽しみだね」
普通の人間には優れた戦士が戦闘の際に放つ身体強化のオーラは見えない。
修行もしてないどころか、まだか弱い少年でありながらオーラが見えるというルカにカーマインは無限の可能性を感じていた。
……十年後。
最強の女戦士カーマインの隣には強く才能にあふれた若き青年戦士の姿があった。
ルカから漂う臭いと、時々お尻を気にしている様子を見て察したカーマインが、宿に着くまで我慢させるのも不憫だと思ってのことだった。
ルカは、後になって臭ってきた淫臭を洗い流していた。
少しスッキリしたが、時間差で何度もお尻から垂れてくる精液が彼を憂鬱にしていた。
その様子を少し離れた所から見ていたカーマインはルカに近づき頭をなでた。
なんとなくルカの様子を見ていて頭をなでてやりたくなったのだ。
カーマインの大きくて温かい手でなでられたルカは急に感情の波が押し寄せて来て涙が流れてきた。
自分が泣かせてしまったのかと勘違いしたカーマインは、とりあえずルカを抱きしめた。
カーマインの分厚い体に抱きついて泣いているうちにルカは気持ちが落ち着いてきた。
そうすると、心が回復した影響で体も元気になってきたのか、ルカのペニスが硬くなってきてカーマインのお腹に当たった。
「あっ、ごめんなさい!」
ルカが慌てて離れようとすると、カーマインがギュッと抱きしめてこう言った。
「謝ることはないさ、生理現象なんだから」
勃起は本人の意思とは無関係に起こる生理現象である、そのような男性の生理をカーマインは仲の良い弟から酒の席で聞き出したりしていたのだ。
ルカは、カーマインの優しさに体を熱くしていた。
そんなルカを見てカーマインは意を決してこう言う。
「坊や、私が男にしてやる! ……坊やが嫌じゃなければだけど」
一か八かだが、つらい性体験をした少年の心を癒やすにはこれが一番だろうと考えたのだ。
「お願いします、僕を男にしてください!」
ルカから思ったよりも元気な良い返事を貰ったカーマインは、ほっと一息ついてからルカを抱え上げて湖から上がり、すぐに準備して宿へと向かった。
……宿について部屋に入ってからすぐに二人は抱き合った。
それからカーマインはルカを軽々と抱き上げてベッドの上にのせてから手早く服を脱がせる。
ルカのペニスははち切れんばかりに硬くなってビクビクと震えていた。
カーマインはそんなルカに「焦らなくても大丈夫」と言わんばかりにゆっくりと愛撫を始める。
まだ、あえてペニスには触れずに厚い舌で優しく愛撫していく。
(乱暴な男の人にされたときと全然違う……)
ルカは、男に一方的に快楽を与えられた時とは全く違う、カーマインの優しい愛撫に気持ちよさとは別に暖かさを感じていた。
カーマインはを内ももを舐めてからペニスに触れようとしたが、それが既に発射しかねない状態なのを見て、ルカに攻守交代を告げた。
今度はカーマインが寝転がりルカに好きに触るように言った。
だが、ルカはどう触れたものかと戸惑うばかり。
そこで、カーマインはルカの手をとって自分の体を触れさせた。
「ほら、ここが皆大好きなおっぱいだ。舐めてもいいんだよ」
ルカはカーマインに言われた通り、胸に触れて舐める。
(なんだか赤ちゃんに戻ったみたいでムズムズする)
しばらく胸に触れた後に気がつくとカーマインの脇に顔を押しつけて舐めていた。
強めの臭いに股間を熱くしたルカは次にたくましく割れている腹筋に手を触れ顔を埋めて舐めまわす。
カーマインは積極的になったルカに少し驚きながらも、その様子を微笑ましく見ている。
次にルカはカーマインの女性器へ触れようとしたが、そこで動きが止まった。
「すみません、これってどこがどうなってるんでしょうか?」
カーマインは、丁寧に聞いてきたルカに思わず吹き出しながら、手で女性器を広げて教えてあげた。
それからルカは女性器を優しく舐め始めた。
僅かに塩のような味のするそこを舐めていると、最初は奇妙に思えたその部分が愛おしく思えてきた。
「準備も出来たし、そろそろ入れてみるかい?」
カーマインはそう言ってからルカに指を一本立てるように言って、その指を自分の中に案内した。
「ほら、ここに入れるんだよ」
ルカは、自分の指が柔らかくて熱いモノの中に飲み込まれている感触にドキドキした。
そこで、ペニスが思わずビクビクと暴発しそうになり、慌てて息を止めてから短い深呼吸を繰り返してどうにか我慢をする。
そのペニスを今度はカーマインの中に入れようとするのだが、いくら準備が出来てると聞いていてもペニスを押しつけて入れたりしたら痛くないのだろうかと思い動きが止まる。
そうなるのは予想できていたカーマインは、ルカのペニスを手に持って導いてあげる。
「さあ、このまままっすぐすると入るから。私の足を持って腰を前に出すんだよ。大丈夫、痛くないから」
カーマインに導かれたルカは腰を前に出した。
最初はペニスを押し返す感覚があったが、一度上手く入った後はズブズブと進んでいき、ルカの全てが入った。
「あっ!」
ルカのペニスに、指の時とは比べものにならない熱さと締め付けが襲いかかった。
ついさっき暴発寸前だった童貞ペニスは、その快楽にあっさりとねじ伏せられた。
ルカは、底なし沼に身体中の全てが飲み込まれるような感覚の後、一気に恥ずかしさが押し寄せてきた。
「ごめんなさい。僕、こんなすぐに……」
そのような事態も予測済みだったカーマインは、ルカの頭をなでながら優しくこう言った。
「そんなに私の中は気持ちよかったのかい」
ルカが「はい」と答えた後にカーマインは耳元で囁く。
「おめでとう坊や、男になれたね」
その言葉を聞いてルカは、頭からつま先までがしびれるような喜びの感情に包まれた。
再び攻守交代を告げられたルカはドキドキしながら仰向けに寝た。
「ちょっと激しくするよ、いいかい?」
カーマインにそう言われたルカは喜んで「はい、お願いします」と言った。
すると、カーマインはルカの両足を持って下半身を半分浮かせるような体勢にした。
お尻の穴まで丸見えな体勢にルカは顔を赤くする。
カーマインはルカの硬く反り返ってお腹に張り付いているペニスを片手で掴んで自分の中に入れて、再び両手で足を持って腰を打ち付け始めた。
遠目に見たら大柄な男性が小柄な女性に腰を使っているように錯覚するかもしれない光景だ。
当初、カーマインは最後まで優しく筆下ろしをするつもりだったが、ルカの素直な可愛らしさに当てられて思わず強く欲情してしまったのだった。
……ペチペチとリズミカルな音がしばらく続いた。
腰振りが激しくなり、ルカの足を掴む手の力が少し強くなったその時、カーマインのたくましい肉体が絶頂に震えた。
カーマインの膣に思い切り締め付けられたルカも続いて射精をしたのだった……。
「大丈夫かい坊や?」
冷静さを取り戻したカーマインがグッタリとしているルカに尋ねた。
「すごく気持ちよかったです……」
疲れてはいるがとても幸せそうな様子でルカは答えた。
カーマインはそんなルカを自分の上に寝かせた。
ルカが全体重を預けてもカーマインの鋼の肉体はびくともしない。
カーマインはルカを大事なぬいぐるみのように抱きしめる。
ルカは母親に抱かれているような穏やかな気持でそのまま眠った。
……翌朝。
ルカが目を覚ますとカーマインはもうベッドにはいなかった。
とりあえず洗面所で顔を洗おうとすると、スッキリした様子のカーマインが部屋のドアを開けてルカの方へ来た。
「起きたかい坊や。ここの宿には良い風呂があるんだ、入ってきなよ」
それを聞いたルカはワクワクしながら風呂へ行った。
今まで見たこともない大きな公衆浴場に感激したルカは、体を洗ってから広い風呂に浸かった。
ゆったりしていると、何だか外で騒ぎが起こっているようなので気になって出て行くと、どうやら巨大なモンスターが出たということだった。
例のモンスター討伐に来ていた賞金稼ぎたちが厄介な相手を怒らしてしまい、そいつがここまで来るかもしれないという話題で持ちきりだった。
ゴアアアアアア
今まで聞いたことのない大きな声が聞こえた。
どうやら本当に近くにモンスターが来ているようだと思ったルカは急いでカーマインに知らせに行った。
ルカが部屋のドアを開けるとカーマインは既にモンスターと戦う準備が出来ていた。
「坊や、危ないからここで待ってな」
そのまま行こうとするカーマイン。
「カーマインさん、僕も連れて行ってください!」
ルカはそう言ってついていった。
怒られるかと思っていたがカーマインは意外とあっさり「それなら後ろで見てな」と言ってそのままモンスターの元へ向かった。
カーマインが声のした方へ向かうと、そこには巨大なドラゴンがいた。
「あいつら、卵に手を出したな」
ドラゴンの卵は希少価値が高い。
だが、うかつに手を出すと怒った親ドラゴンにたちまち壊滅させられるという。
「助けてくれー!」
どうやらここまで走って逃げてきたものがいたようだ。
なんと、それは昨日ルカを強引に抱いたあの男だった。
男はカーマインの姿を見て一瞬安堵したようだが、足がもつれてつまずいた瞬間、一気に絶望の表情に変わった。
ドラゴンはすかさず男の下半身に噛み付き、そのまま一気に噛みちぎってしまった。
それでも興奮が冷めぬドラゴンは大勢の人がいる宿の方へと向かおうとする。
「もう殺したい連中は全員やっただろ? と、言っても止まってはくれないか」
ドラゴンにはカーマインの言葉は通じない様子だ。
しょうがないといった様子でカーマインはこう言った。
「悪いね。このまま大勢を殺させるわけにはいかないんでね」
その瞬間、ルカはカーマインの体から赤いオーラのようなものが噴き出るのが見えた。
カーマインは巨大な斧を持って大きく跳躍し、ドラゴンに向かって振り下ろした。
ドラゴンはまるで薪割りのように、ありえないほど綺麗に縦に切断されていた。
「坊や、見てたかい?」
呆然としていたルカは涼し気な様子のカーマインに声をかけられて我を取り戻した。
「あ、はい! 何か赤いオーラが出て、それで斧で真っ二つでその……凄かったです!!」
カーマインはルカのその言葉を聞いて驚いた。
「オーラって、見えたのかい……。 ふふ、これは将来が楽しみだね」
普通の人間には優れた戦士が戦闘の際に放つ身体強化のオーラは見えない。
修行もしてないどころか、まだか弱い少年でありながらオーラが見えるというルカにカーマインは無限の可能性を感じていた。
……十年後。
最強の女戦士カーマインの隣には強く才能にあふれた若き青年戦士の姿があった。
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