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学園編
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癒し手の講義に思ったより時間がかかってしまったので、キルシュのファンクラブに入会するのは明日にする。
私が演習場から校門まで歩いていると、たまたま先程演習場にいた女生徒に出くわした。
「貴女はどうして木の後ろに立っているのだろうな。」
「やっ、やはりあの姿は偽りでしたのねっ!今のキルシュ様のお兄様は仕事をしているときのお父様のようですわ!とりあえずここはこのままじっとしてやり過ごしますのっ。」
女の子はその言葉通りじっとしているが、金髪の髪は天然パーマなのか横に拡がって木の幹に隠れられていない。
というかそれを呟いている時点で...全ては言うまい。
いつもなら見逃してあげるところだが、今日は情報が欲しいため、そのよく回る口で色々話してもらおう。
私は木の幹に手を付いて、回り込む。
「っ!?!?...きっ、奇遇ですわね!」
「ああ、奇遇だな。貴女がたまたまここにいてくれたお陰で私はファンクラブの会員を探す手間が省けた。」
彼女の肩がギクリと震える。
「わ、私たちになんの御用ですの。私たちはただキルシュ様を見守っているだけで、怒られるようなことは何もしていなくてよ!」
彼女は私の目を真っ直ぐ見たままそう言い切った。
少なくとも彼女が私たちは何もしていないと思えるほどには、清廉潔白な組織らしい。
「少し聞きたいことがあるだけだ。」
幹から手を話すと、彼女はほっと息を吐いた。
そして毅然とした態度で、私の目を見てくる。
「聞きたいこと、ですの?」
それからはファンクラブのことについて根掘り葉掘り聞かせてもらった。
どうやらキルシュのファンクラブは探偵同好会という名前で教室まであるらしい。
発起人はレニー ウレニ。どこかで聞いたことがあると思ったら、彼はキルシュのルームメイトらしい。
キルシュの友達として報告には聞いていたが、そこまで心酔していたとは知らなかった。
ファンクラブを立ち上げる手腕と行動力。彼さえ良ければ、将来キルシュの従者になってもらいたいところだ。
「も、もうよろしいですの?私たちの活動を止めるよう言いに来たのでは無いんですの?」
「ああ、活動は積極的にやってくれ。」
「積極的?」
「会長に会ったら明日の放課後に探偵同好会に伺うと伝えておいてくれ。」
「えっ、えっ?いらっしゃるの?」
「ああ、探偵同好会から探偵部にしよう。」
「でもそれには顧問が、あ。」
彼女は目を丸くして私を見る。
「いっ、嫌ですわ!私貴方のような男性は苦手ですもの!」
それを聞いて不思議に思う。
「腹黒だと喜んでいたように聞こえたのだが。」
「き、聞こえていましたのね。コホン、そうですわ。
ファンクラブに入りたがっているようだから、ちゃんと私の好みを教えて差し上げるけど、私優しい方が好きなの。腹の中で何を考えていようと、紳士的で、私を思いやってくださる方が好きなの!
なのに貴方と言ったら!ちゃんと距離を取ってくださる!?あと強気なのも苦手ですわ!」
高貴な猫のように気難しいお嬢さんだな。
恐らくこのような会話を毎日しているのだろうな。彼女は自分の好みをよく分かっている。
そしてそれを聞いてなぜキルシュのファンクラブに入ったのかも明白になった。
好きなものを共有するというのは、こういう気持ちなのかもしれない。
彼女からキルシュへの恋のようなものを感じたらまた違った感想になっていたのかもしれないが、今の私は単純にこの会話を楽しんでいる。
私は言われた通りに一歩距離を取った。
元はと言えば逃げてしまいそうだったから近づいたのだ。それにしても
「確かにキルシュは紳士的で、優しいからな。しかも頼りになる。」
このお嬢さんの好み、ど真ん中じゃないか。
「そうですの!」
そう言った彼女は一歩こちらに寄ってきた。
自分から近づく分にはいいのか。
「しかもキルシュ様、とても聡明な方なのですわ!聡明で優しい...いつか眼鏡をかけたお姿を拝見したいですわあ。
会長を通してメガネのプレゼントを、と考えなくは無いのですが、それは干渉し過ぎな気がしてしまって。」
「眼鏡か。考えたことは無かったが、キルシュに似合いそうだ。」
「そうでしょう!?」
「これは答えなくてもいいのだが、貴女はどちらを想像しているんだ?眼鏡チェーンのありとなし。」
「あ~!迷いますわ~!!眼鏡チェーンがあるときに感じる、眼鏡単体とはベクトルの違う聡明さ。あれも捨て難いですわ...。」
「近々ゴールドの簡素な眼鏡チェーンをダリア商会が売り出すらしい。」
「貴方~!!趣味嗜好は完璧ですわね!!」
「しかも貴女の話から着想を得た私がキルシュに貢いでも、貴女と関係ないとは思わないか?」
「確かに貴方はキルシュ様のお兄様ですものね。私が買ったものをお金のない会長が貢ぐより余程...。」
そう言って彼女は私を上から下まで見て、気まずそうに1歩下がった。
少し思ったのだが、彼女が言った苦手な人に彼女自身が当てはまっている気がする。
距離を取らない、強気な人。
同族嫌悪と言うやつでは無いだろうか。
「私はレイナですわ。貴方を招待なんてしないわ。でも会長への伝言は伝えてあげないことも無くてよ。」
その言葉に引っかかる。
「家名は名乗らないのか?」
「私は異性のファンクラブに入っているのよ。これは家は知らないし、関わらせるつもりもない。ここで私はただのレイナなの。」
その言葉は素直にかっこよかった。
「では私も、ここではただのアーノルドと」
「そんなことは許さないわ!お兄様には家でのキルシュ様をお伝えして頂かないと!」
彼女は私の方へ一歩寄り、またも距離が縮まった。
しかし家でのキルシュ、と言っても知っていることは少ない。
知っていることといえば
ハグをされて、私を思い涙ぐんでくれたことや
指を舐めたときの声が少し高かったことや
チョコレートくれるときに、積極的だったこと。
「貴方、何を思い出していますのっ!」
これらは言いたくない。私だけの秘密だ。
「っ~~~!笑わないでくださる!?キルシュ様に似ていて不愉快ですわ!貴方のような人が優しい顔をするのも不愉快ですわっ!」
「仕方ないだろう。キルシュを思い出させた貴女が悪い。」
思わず上がる口角を手で隠して、目でニヤリと笑うと、彼女は顔を真っ赤にさせた。
「レイナ、しっかりするの!これは怒り、怒りなのよ!退いてくださる!?私、自分探しの旅に出ることにいたしますわ!!あと、貴女って言うの辞めなさい。私はレイナって言うの!」
彼女はそう言い捨てると逃げてしまった。
彼女も私のことを貴方かお兄様としか言っていない気がするが、彼女は高貴な猫なので言っても聞いてくれないだろう。
それにお兄様と呼ばれるのは満更でもない。私はキルシュにとってのたった一人のお兄様なのだから。
とりあえず、彼女が会長に伝言を伝えてくれることを願おう。
私は彼女に追いつかないように、少し時間を開けてから校門へ向かった。
私が演習場から校門まで歩いていると、たまたま先程演習場にいた女生徒に出くわした。
「貴女はどうして木の後ろに立っているのだろうな。」
「やっ、やはりあの姿は偽りでしたのねっ!今のキルシュ様のお兄様は仕事をしているときのお父様のようですわ!とりあえずここはこのままじっとしてやり過ごしますのっ。」
女の子はその言葉通りじっとしているが、金髪の髪は天然パーマなのか横に拡がって木の幹に隠れられていない。
というかそれを呟いている時点で...全ては言うまい。
いつもなら見逃してあげるところだが、今日は情報が欲しいため、そのよく回る口で色々話してもらおう。
私は木の幹に手を付いて、回り込む。
「っ!?!?...きっ、奇遇ですわね!」
「ああ、奇遇だな。貴女がたまたまここにいてくれたお陰で私はファンクラブの会員を探す手間が省けた。」
彼女の肩がギクリと震える。
「わ、私たちになんの御用ですの。私たちはただキルシュ様を見守っているだけで、怒られるようなことは何もしていなくてよ!」
彼女は私の目を真っ直ぐ見たままそう言い切った。
少なくとも彼女が私たちは何もしていないと思えるほどには、清廉潔白な組織らしい。
「少し聞きたいことがあるだけだ。」
幹から手を話すと、彼女はほっと息を吐いた。
そして毅然とした態度で、私の目を見てくる。
「聞きたいこと、ですの?」
それからはファンクラブのことについて根掘り葉掘り聞かせてもらった。
どうやらキルシュのファンクラブは探偵同好会という名前で教室まであるらしい。
発起人はレニー ウレニ。どこかで聞いたことがあると思ったら、彼はキルシュのルームメイトらしい。
キルシュの友達として報告には聞いていたが、そこまで心酔していたとは知らなかった。
ファンクラブを立ち上げる手腕と行動力。彼さえ良ければ、将来キルシュの従者になってもらいたいところだ。
「も、もうよろしいですの?私たちの活動を止めるよう言いに来たのでは無いんですの?」
「ああ、活動は積極的にやってくれ。」
「積極的?」
「会長に会ったら明日の放課後に探偵同好会に伺うと伝えておいてくれ。」
「えっ、えっ?いらっしゃるの?」
「ああ、探偵同好会から探偵部にしよう。」
「でもそれには顧問が、あ。」
彼女は目を丸くして私を見る。
「いっ、嫌ですわ!私貴方のような男性は苦手ですもの!」
それを聞いて不思議に思う。
「腹黒だと喜んでいたように聞こえたのだが。」
「き、聞こえていましたのね。コホン、そうですわ。
ファンクラブに入りたがっているようだから、ちゃんと私の好みを教えて差し上げるけど、私優しい方が好きなの。腹の中で何を考えていようと、紳士的で、私を思いやってくださる方が好きなの!
なのに貴方と言ったら!ちゃんと距離を取ってくださる!?あと強気なのも苦手ですわ!」
高貴な猫のように気難しいお嬢さんだな。
恐らくこのような会話を毎日しているのだろうな。彼女は自分の好みをよく分かっている。
そしてそれを聞いてなぜキルシュのファンクラブに入ったのかも明白になった。
好きなものを共有するというのは、こういう気持ちなのかもしれない。
彼女からキルシュへの恋のようなものを感じたらまた違った感想になっていたのかもしれないが、今の私は単純にこの会話を楽しんでいる。
私は言われた通りに一歩距離を取った。
元はと言えば逃げてしまいそうだったから近づいたのだ。それにしても
「確かにキルシュは紳士的で、優しいからな。しかも頼りになる。」
このお嬢さんの好み、ど真ん中じゃないか。
「そうですの!」
そう言った彼女は一歩こちらに寄ってきた。
自分から近づく分にはいいのか。
「しかもキルシュ様、とても聡明な方なのですわ!聡明で優しい...いつか眼鏡をかけたお姿を拝見したいですわあ。
会長を通してメガネのプレゼントを、と考えなくは無いのですが、それは干渉し過ぎな気がしてしまって。」
「眼鏡か。考えたことは無かったが、キルシュに似合いそうだ。」
「そうでしょう!?」
「これは答えなくてもいいのだが、貴女はどちらを想像しているんだ?眼鏡チェーンのありとなし。」
「あ~!迷いますわ~!!眼鏡チェーンがあるときに感じる、眼鏡単体とはベクトルの違う聡明さ。あれも捨て難いですわ...。」
「近々ゴールドの簡素な眼鏡チェーンをダリア商会が売り出すらしい。」
「貴方~!!趣味嗜好は完璧ですわね!!」
「しかも貴女の話から着想を得た私がキルシュに貢いでも、貴女と関係ないとは思わないか?」
「確かに貴方はキルシュ様のお兄様ですものね。私が買ったものをお金のない会長が貢ぐより余程...。」
そう言って彼女は私を上から下まで見て、気まずそうに1歩下がった。
少し思ったのだが、彼女が言った苦手な人に彼女自身が当てはまっている気がする。
距離を取らない、強気な人。
同族嫌悪と言うやつでは無いだろうか。
「私はレイナですわ。貴方を招待なんてしないわ。でも会長への伝言は伝えてあげないことも無くてよ。」
その言葉に引っかかる。
「家名は名乗らないのか?」
「私は異性のファンクラブに入っているのよ。これは家は知らないし、関わらせるつもりもない。ここで私はただのレイナなの。」
その言葉は素直にかっこよかった。
「では私も、ここではただのアーノルドと」
「そんなことは許さないわ!お兄様には家でのキルシュ様をお伝えして頂かないと!」
彼女は私の方へ一歩寄り、またも距離が縮まった。
しかし家でのキルシュ、と言っても知っていることは少ない。
知っていることといえば
ハグをされて、私を思い涙ぐんでくれたことや
指を舐めたときの声が少し高かったことや
チョコレートくれるときに、積極的だったこと。
「貴方、何を思い出していますのっ!」
これらは言いたくない。私だけの秘密だ。
「っ~~~!笑わないでくださる!?キルシュ様に似ていて不愉快ですわ!貴方のような人が優しい顔をするのも不愉快ですわっ!」
「仕方ないだろう。キルシュを思い出させた貴女が悪い。」
思わず上がる口角を手で隠して、目でニヤリと笑うと、彼女は顔を真っ赤にさせた。
「レイナ、しっかりするの!これは怒り、怒りなのよ!退いてくださる!?私、自分探しの旅に出ることにいたしますわ!!あと、貴女って言うの辞めなさい。私はレイナって言うの!」
彼女はそう言い捨てると逃げてしまった。
彼女も私のことを貴方かお兄様としか言っていない気がするが、彼女は高貴な猫なので言っても聞いてくれないだろう。
それにお兄様と呼ばれるのは満更でもない。私はキルシュにとってのたった一人のお兄様なのだから。
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