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31、旅立ちの準備

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…ー次の街に行こう…ー


思ったが吉日というわけで、早朝よりこの街を出るべく準備中。この街に来るまでも野営はしたけれど、今後はもっと色々な物が必要になるだろうと思い、鍛冶屋で鍋や包丁を買い、雑貨屋では調味料や器も買った。


こうやって見ると結構ない物も多く、この街に来るまで、トーマスさんに随分頼っていたのだと実感した。なので、トーマスさんに買い忘れを確認して貰いに来た。
もちろん買い物もする。


商人の神の加護を受けているトーマスさんが手に入れるレア物が運良くあれば……と思って来たけれど、トーマスさん曰く最近はめぼしい物は無いようだ。


「そうだ……寝具も買わなきゃ。寝冷えがするのは嫌だしね。それと……うーん……さすがのあのテントでも寝るにはクッションが足りないしなぁ……」


店の片隅でうんうん唸った挙句、毛足の長いラグと、何で出来ているのかイマイチ分からないシリコンのような弾力のマット、毛布を4枚ほど買った。


「トーマスさん、綿ってありますか?なんて言うんですかね……こう…モコモコした柔らかいやつなんですけど……」


上手く言えなくて、身振り手振りで説明をしてたら、後ろから『コウゲンヒツジの毛じゃないか?』という声が聞こえた。


「ん?え?あぁ……マルスさん?」


ニコニコしながらマルスがジュリエッタとトーマスの元に歩いて来た。


「この魔物は臆病だし標高の高い場所に住んでいるから、中々手に入らんと思うぞ?」


そう言って腰のバッグの中から袋に入ったモコモコした物を取り出した。


「俺のマジックバッグも、お前の程じゃないけど結構入るんだぜ?」


そう言って、パチンと音がしそうなくらいのウィンクをした。


やっぱり……チャラいの?
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