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しおりを挟む頭がパンパン過ぎてクラクラしてきたので、ちょっとくったりしていたら、私を抱き上げた先輩が驚いた。
「サクラ?身体が熱いけど熱がある?」
だるいけど、熱があるかどうかは自分でも分からない。
それに先輩?猫のおでこ触っても、毛だらけで熱なんて測れないよ?
そう思いつつも、やっぱり身体がだるくてタブレットを打つなんて気力が湧かない。
動物ってこんなに急に具合が悪くなるの?
身体が小さいから悪化も早い?
いろんな事が頭の中を駆け巡るけど、何も出来ない。やっぱりネコって不便かも。
なんて…思ったりするけど、今更遅いかぁ~…なんて呑気に思ってたりして。
まぁ、ここ数日色々あったからね。
きっと知恵熱だよね。
そう思いつつ意識を手放す。
ちょっと寝るねぇ…先輩。
●○●○
腕の中でくったりしているサクラ。
フニャフニャ言ってたから、眠いのかと思って抱き上げたら思いのほか体温を高く感じた。
「サクラ?身体が熱いけど熱がある?」
猫の熱の測り方なんて分からないから、普通におでこを触ってみたけど、全然わからなかった。まぁ…そうだよな。毛が生えてるからな…。どうしたらいいか考えている内に、みるみるくったりしてくるサクラ。
これは病院しかないかとお思い、スマホで動物病院を探そうとしていたら、慌てている俺に声をかけて来た。
「栗原?ちょっとサクラちゃん見せてみろ」
いきなり言われてびっくりしつつ、具合が悪いようだと言って、サクラを見せたら……
「栗原…病院に急ぐぞ。お前の彼女、まずいかもしれん……」
友部の言葉に半信半疑ながら、行く準備をしているが、病院からも連絡はない旨を伝える。
「いや…こっちの身体だ」
そう言って、ネコのサクラの身体を撫でる。
どうしたらいいんだ。
「動物病院じゃダメなのか?」
スマホで動物病院を検索しながら聞く。
「この小さい身体に人間の魂が入ってんだ。容量オーバー起こしてんじゃないのか?」
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