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しおりを挟む気持ちを伝えよう……。
そう決心しても、おいそれと戻れる距離にはないバイエルンとアルメニア。
ピーちゃんで連絡を取ろうかと思ったけれど、諦めてあの不思議空間にメアリを呼ぶことにした。
「メアリ、急に呼んでごめんね」
時間的にはきっとベッドに入ったばかりだったのだろう。
まぁ…ベッドに横になり眠りに入った途端この場所ではびっくりしちゃうよね。
「お願いがあって呼んだの。ごめんね」
さっきのごめんは、寝入りばなにごめんね…今のごめんねは前振りなしでごめんね…だ。
「明日か明後日あたり、現実世界でカール殿下に会いたいの。カール殿下はもう戻っているの?」
とりあえず大事な要件を一つ。そして…
「それに合わせて迎えに来て欲しいんだけど」
これさえ伝えられればいつ目覚めが来ても大丈夫なので、早め早めである。
「おっおっおっ…おっおじょうさまぁ~~~~~~っっっ!?!?」
不思議空間に響き渡るメアリの悲鳴。
まぁこの空間はね叫んでも大丈夫なのよ。
ちなみに、管理者のミーリアがいるのは同じ空間でもちょっと離れているの。
ここは、あの不思議空間の中に作った私の場所。
良いともいわれていないけれど、駄目ともいわれていないので勝手に作ってしまった。
駄目だったら消せばいいだけだしね。
で、メアリの悲鳴の原因だけど……。
「切っちゃった(テヘッ)」
っていった見たけど、駄目だったみたい。
「テヘッじゃありませんっ!!!なぜっなぜぇ~~~~……」
私の足元でさめざめと泣くメアリ。
切ったって髪は伸びるんだから、そんなに泣くことないのにね。
まぁ、しばらくはパーティーなどはでられないだろうけどね。
ちなみに、切った髪はやっぱり魔力がわんさとあったよ。
ピーちゃんに魔力玉のご飯をあげる代わりに、切った髪で紐を編み足首に付けたら見る間に銀色の髪に戻った。
予想が確信に変わったけれど、常に伸び続ける髪を元の色に戻す方法は見当がつかず…色々考えても黒髪は目立ってしまうこともあり、やはり神殿に入るのが一番の方法なのかも……と思った。
で…いまだに足元でグスグス言っているメアリ……心配かけたんだろうなぁ…。
色々と…本当に色々と。
「心配かけてごめんね。少し落ち着いたから」
そして、これからの事を少し話す。
メアリはただ黙って聞いてくれていたが……私の話が終わるころになると、なんでかかなり怒っていた。
「お嬢様…これから私が話すことをよーーーーーーーーっくお聞きください。真純…いやカール殿下とのお時間はすぐにでもお取り致します。ですが…ですが…なぜ早まったことをしたのですか!まずはこの髪ですっ!なぜっなぜぇぇぇぇぇ」
ってな感じでまた泣き崩れてしまったので、またちょっと休憩。
にしても、普段の男前なメアリさんはどこに行っちゃったんでしょう?
やっぱりこの空間だから?
この空間は良くも悪くも精神的なものが影響するみたいだからね。
え?私?私はね、良くも悪くもあんまり変わらないみたい。
前世でもね、言われていたから。
どこに行ってもあんまり変わらない。
でも、一応サービス業の従事していたせいもあって、礼儀はきちんとしているつもりよ?
仕事は仕事、プライベートとは切り離さないとね。
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