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116 〜兄弟の語らい:真純の場合~
しおりを挟む何をどうやってこの空間に来たのか…。
何も分からないまま、つい先ごろ迄王宮の一室にあった魔力の気配を感じて扉を開けた。
そこで、その彼女から色々聞いた。本当に色々。
みのりと入れ替わったあとは、この間の入れ替わり以外はここで過ごすという彼女に、寂しくはないのか?とか詰まらなくはないのか?などと聞いて、魔力で街並みや花を作った。
みのりじゃないけれど、今のみのりと同じような顔で笑う彼女を見ていると、心のどこか…張り詰めていた場所が少し和らぐのを感じた。
思うようにみのりに接する事が出来ず、後悔ばかりだったから……ただの代替行為だと判っていてもホッとした。
そんな腑抜けた俺に喝を入れたのは、前世と同じく兄貴だった。
この世界に来て、馴染んだ気配を感じて安心した…その兄貴はなんだか性別がおかしな事になっていたけれど、言っている内容は相変わらずだったの、ちょっとびっくりしたくらいでどうにかなった。
けど……
『貴方がみのりちゃんを守れなくても、私が護るから大丈夫よ。でも、決めた時は早めに教えてね』
最後の言葉が胸に刺さった。
俺が護らなくても良い?俺がいなくてもいい?
俺以外の男がみのりを?
前世では、みのりは自分の傍にいるのが当たり前、将来は結婚して俺が護るのだと思っていた。
その役割を……俺以外の奴が?
想像するだけで…たとえそれが兄貴だろうと、嫌な気持ちになった。
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