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しおりを挟むそれから何をどうしたのか…。
気が付いたら馬車に揺られていた私……。
色々考え過ぎて混乱しすぎて、上の空だったようだ。
そして…今日は珍しくメアリが馬車の中で、私を心配そうに見ていた。
「大丈夫?…多分今はみのりちゃん…よね?」
正解っ!と元気よく言いたいけれど、気力があんまりね…。
とりあえず、ざっとだけど部屋での話からその後の私の行動を聞き(まさきにいは、私が上の空で動いていたのをお見通しだったらしい)、今は外の警護はマリーと変わってもらっていることを聞く。
「勝手に交代してごめんね。でもね、マリーが利かなかったのよ。マリーと何かあったの?」
今は「みのり」として接してくれるまさきにいの態度が嬉しい。
きっとこれは、物事の進みを客観的に見た方が良いっていう、まさきにいのアドバイスかな?と勝手に感じ取り、今までのマリーとのやり取りや自分の考えを話す。
味方は多いに越した事はないけれど、この場合メアリの事についてもどう説明するかだ。
メアリは協力者とするのか…同じ境遇の転生者だと話すのかで印象の取り方が変わる気がする。
まぁ…メアリ(アルベルト)は基本は侍女(護衛)だとしても、魔法士という最大の武器がある。どこに行っても割と自由な魔法士は「変な人」と見られることも多いので、今のメアリ(アルベルト)を見ても、「魔法士だから」で済みそうだし、マリーの事だから「さすがですっ!」とかいって、感激の涙まで流しそうだ。
マリーも十分変わってる子だからね。
そんなことを話して、まずはメアリ(アルベルト)についての説明をどうするか決める。
勿論、決定権は本人。今後の人生に関わってくることだしね。
「もちろん、みのりちゃんと一緒でいいわよ」
軽く答えるメアリ…いや、まさきにい。
なんで???きっと私の表情がそう言っていたのだと思う。まさきにいがなんでもない事のように話し出す。
「わたし」がこの世界に転生してきてくれて凄くうれしかったこと。
理解者がいないこの世界で、生きていく地位と力をくれたこと。
あのまま(侍女・護衛)ではギルバート様の愛人としか見られなかったのに、魔法士となれたことで、周囲の人には少しずつ認め始められている事。
きっかけは別にあったとしても、多分それは「みのり」が転生してこなければあり得なかった未来だろうという。
王都の学院に行かなかった時点で、魔法士となる未来を切り捨ててギルバート様との未来に進んだ時点で、自分は表には立てない立場になっていたはずだから。
そう締め括り、ニカっと笑いいつものメアリに戻る。
「だから一緒でようございますよ?メアリはミーリア様といつも一緒です」
メアリの言葉に、思わずポロポロと涙が出てしまった。
どうも、緊張していたみたいだ…。
「前世から色々一人で背負い込み過ぎ。“できるから”といって、何もかもしょい込み過ぎるのも問題よ?“しょうがない”で片づけていた事も沢山あると思うけど、それについていけない周囲にも充分問題ありだからね?」
だから、少し肩の力を抜け…と頭をポンポンされた。
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