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あれから……


と言うほど時は過ぎておらず、今現在は兄様と二人…魔法の勉強中です。
お父様が信頼出来る方を連れて来てくれたのですけど…なんで立場逆転?


「ミーリア様!ではこの魔法はどのようなイメージでやればいいのでしょうか?」


さっきからなぜか先生と立場逆転して、質問を受けているのが私になっているんだけどこれってどうなの?


ことの始まりは基本属性の魔法のがきっかけ。
基本と言えばもちろん、火・水・風・土の4属性。


まぁ、要はこの世界の魔法の行使には詠唱って言うのをやらなくちゃいけないらしいけど、私ったら面倒だし覚えられないしで、すっ飛ばして…いわゆる無詠唱でやっちゃったのね。


まぁ、それでも無詠唱で魔法を使う人はいるから、そこはそれほどびっくりされなかったのだけれど…この先生、魔法使いとしてかなり優秀らしく、魔力の流れも見えるのだそうだ。


で…無詠唱時の私の魔力の流れを見てびっくり仰天したらしい。
一般的には無詠唱の場合、詠唱ありの時とは三割程度使う魔力量が違うそうだ。
魔力量の無駄をなくすには、詠唱ありが普通なのだが、私にはその無駄がなかったらしい。


で…1ヶ月程で基本属性は使えるよう勉強予定だったのだけれど、先生が来て1週間程でこんな状態……ホントにどうしてこうなった…って感じ。


ちなみに今は、水を細く出す…まぁ、わかり易く言うとホースや管を使って水を出す感じ。
この世界には前世と違って、ホースも管もストローもない。
水魔法以外にも、イメージを掴むには実物…実際の現象を見た方がいいだろうと、メアリと共に自作教材を作って頑張って教えてますよ。


ちなみに…一緒に説明&実演しているメアリだけど、元々多少の魔法が使えていたところに、今回の実演等々のお陰で、魔法の腕が上がり…侍女兼護衛から侍女兼魔法使いにジョブチェンジ。いやね…元々の中の人っていうの?その人も凄く優秀な人なんだけど、今世のメアリ自身も高スペックなボディらしく、「できちゃった♪」って感じらしいよ。


メアリさん…いっそあなたが聖女になったら?って言ったら、素で言われたよ。
「いやっ…私はみんなのメアリじゃなくてギルバート様だけのメアリでいたいの」
って。いやいや熱いねって感じ。


ちなみに、そのギルバート様は同棲(?)を始めるにあたり、爵位をカール様に譲った。
今はこの領内で屋敷を買い、二人仲良く住んでいる。


仲良き事はいい事だけどね…外見はまだまだチビッ子の私に惚気けるのはやめて欲しい。
まさきにいの…身内の惚気は聞いててすっごい恥ずかしい。幸せそうなのを見るのは嬉しいんだけどね…。


そうそう♪兄様からも、すっごい魔法の行使が楽になったと、褒められたの~♪
キラッキラのスマイルで思いっきりナデナデしてもらえて、ちょっと幸せな私。
だって、兄様は正統派イケメン&イケボ。おまけに残念さ皆無ときた!


悪玉男爵令嬢菌の感染を防ぐことが出来てよかったなぁ~としみじみ思ったよ。
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