上 下
17 / 135

17

しおりを挟む


「魔法の使用自体は法に引っかからないのよねぇ…」


と…その男爵令嬢をどうにかできないかと考える。
いくら魔道具があっても、いずれは…と思うとちょっと。


女の執念舐めたらあかん!


と前世の教訓ですよ。
経験者は語るってやつです。はい。
特に、思い込みの激しい人の傍には近寄りたくない…と言うのは私の個人的な気持ち。
だって、あの手の人には、外部が何を言おうと聞かないしね。
挙句失敗すると、「あなたがあの時言ったから」等と、訳の分からない言い掛かりを付けて来るから更に怖い。


前世でのお母さんも似たような事を言っていた気がするから、きっとどの時代も同じなんだろう…と思う。
とりあえず今は兄様関係をなんとかしなければ、このまま…下手すると、我が家の存亡の話にまで行ってしまいそうで怖い。


来年の夏の終わり頃には、私にも妹か弟が生まれる。
逆ハー狙いの令嬢になぞ構っている暇はないのだ。


ちなみに…タイムリミットは兄様の卒業のパーティーまで。
メアリの話だと、その卒業パーティーでバカ王子がやらかす予定らしい。
合わせて、取り巻きもやらかしてしまい…国の法律に沿って考えると…男爵令嬢とバカ王子は貴族籍を剥奪され庶民になって婚姻。
他の取り巻きさん達も勘当・庶民への転落は免れないだろうとの事。


さてどうしたものか。


なんだかね…その令嬢も取り巻きさん達も、国の法律とか知らんの?という感じ。
それとも…それら全部が令嬢の計画で、有力貴族の子息達を庶民に落とすのが目的?


考えすぎて、何だか思考が変な方向に行ってしまいそうなので、ここらでちょっと一休み。
物事は色々方面から見ないとね。客観的に見られる立場だからこそ見えてくる事もある…。なんてカッコイイ事言っているけど、お腹が空いた。


気がつけばおやつの時間。子供の成長にはおやつは欠かせないからね……。


そうそう、新しいお母様にも口当たりのいいデザートを持って行かなければ!
今はいわゆる悪阻真っ最中で、普通のお食事がなかなか喉を通らないと言っていたので、前世知識で簡単クッキングしたらすっごい好評だった。


前世では食べることが好きだったせいか、簡単なものならなんとなぁ~く作ってしまう。
レシピ本なんて見ないで作っていたから、本格的なものは作れないけれど、その時ある物でそこそこの物を作る自信はある。まぁ…あくまで"そこそこ"なので、あまり期待されても困るのだけれど。


ちなみにこの世界、普通に味噌や醤油があるのだ。
ただ…元になる材料が時々不思議生物だったりするだけ。
たとえばスライムだったり…たとえばダンジョン産のモンスターだったり。


まぁ…魔法がある時点で、生態系などなど前世とは違う。
前世での香草はこの世界では薬草として扱われていたり、反対に前世で食べられていたものがこちらでは雑草扱いだったり。



ちなみに…昨日はスライムゼリーを使った冷たいゼリーを作ってみた。
今日はどうしよう??


あまり食べられないとあって、なんだか日に日にやつれていくような気がして、ちょっと怖い。妊娠は病気ではないというけれど、人ひとりが腹の中にいるのだ。
身体にはかなり負担があるはず…と思い、色々考える。


「お嬢様、マーガレット様のお食事のメニューですか?」


自分で作成したレシピノートをめくりながら考えていると、メアリが話しかけてきた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

記憶を失くした代わりに攻略対象の婚約者だったことを思い出しました

冬野月子
恋愛
ある日目覚めると記憶をなくしていた伯爵令嬢のアレクシア。 家族の事も思い出せず、けれどアレクシアではない別の人物らしき記憶がうっすらと残っている。 過保護な弟と仲が悪かったはずの婚約者に大事にされながら、やがて戻った学園である少女と出会い、ここが前世で遊んでいた「乙女ゲーム」の世界だと思い出し、自分は攻略対象の婚約者でありながらゲームにはほとんど出てこないモブだと知る。 関係のないはずのゲームとの関わり、そして自身への疑問。 記憶と共に隠された真実とは——— ※小説家になろうでも投稿しています。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

小説主人公の悪役令嬢の姉に転生しました

みかん桜(蜜柑桜)
恋愛
第一王子と妹が並んでいる姿を見て前世を思い出したリリーナ。 ここは小説の世界だ。 乙女ゲームの悪役令嬢が主役で、悪役にならず幸せを掴む、そんな内容の話で私はその主人公の姉。しかもゲーム内で妹が悪役令嬢になってしまう原因の1つが姉である私だったはず。 とはいえ私は所謂モブ。 この世界のルールから逸脱しないように無難に生きていこうと決意するも、なぜか第一王子に執着されている。 そういえば、元々姉の婚約者を奪っていたとか設定されていたような…?

転生悪役令嬢、物語の動きに逆らっていたら運命の番発見!?

下菊みこと
恋愛
世界でも獣人族と人族が手を取り合って暮らす国、アルヴィア王国。その筆頭公爵家に生まれたのが主人公、エリアーヌ・ビジュー・デルフィーヌだった。わがまま放題に育っていた彼女は、しかしある日突然原因不明の頭痛に見舞われ数日間寝込み、ようやく落ち着いた時には別人のように良い子になっていた。 エリアーヌは、前世の記憶を思い出したのである。その記憶が正しければ、この世界はエリアーヌのやり込んでいた乙女ゲームの世界。そして、エリアーヌは人族の平民出身である聖女…つまりヒロインを虐めて、規律の厳しい問題児だらけの修道院に送られる悪役令嬢だった! なんとか方向を変えようと、あれやこれやと動いている間に獣人族である彼女は、運命の番を発見!?そして、孤児だった人族の番を連れて帰りなんやかんやとお世話することに。 果たしてエリアーヌは運命の番を幸せに出来るのか。 そしてエリアーヌ自身の明日はどっちだ!? 小説家になろう様でも投稿しています。

大切なあのひとを失ったこと絶対許しません

にいるず
恋愛
公爵令嬢キャスリン・ダイモックは、王太子の思い人の命を脅かした罪状で、毒杯を飲んで死んだ。 はずだった。 目を開けると、いつものベッド。ここは天国?違う? あれっ、私生きかえったの?しかも若返ってる? でもどうしてこの世界にあの人はいないの?どうしてみんなあの人の事を覚えていないの? 私だけは、自分を犠牲にして助けてくれたあの人の事を忘れない。絶対に許すものか。こんな原因を作った人たちを。

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます

宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。 さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。 中世ヨーロッパ風異世界転生。

侯爵令嬢リリアンは(自称)悪役令嬢である事に気付いていないw

さこの
恋愛
「喜べリリアン! 第一王子の婚約者候補におまえが挙がったぞ!」  ある日お兄様とサロンでお茶をしていたらお父様が突撃して来た。 「良かったな! お前はフレデリック殿下のことを慕っていただろう?」  いえ! 慕っていません!  このままでは父親と意見の相違があるまま婚約者にされてしまう。  どうしようと考えて出した答えが【悪役令嬢に私はなる!】だった。  しかしリリアンは【悪役令嬢】と言う存在の解釈の仕方が……  *設定は緩いです  

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した! 転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!! 前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。 とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。 森で調合師して暮らすこと! ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが… 無理そうです…… 更に隣で笑う幼なじみが気になります… 完結済みです。 なろう様にも掲載しています。 副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。 エピローグで完結です。 番外編になります。 ※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

処理中です...