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しおりを挟む「魔法の使用自体は法に引っかからないのよねぇ…」
と…その男爵令嬢をどうにかできないかと考える。
いくら魔道具があっても、いずれは…と思うとちょっと。
女の執念舐めたらあかん!
と前世の教訓ですよ。
経験者は語るってやつです。はい。
特に、思い込みの激しい人の傍には近寄りたくない…と言うのは私の個人的な気持ち。
だって、あの手の人には、外部が何を言おうと聞かないしね。
挙句失敗すると、「あなたがあの時言ったから」等と、訳の分からない言い掛かりを付けて来るから更に怖い。
前世でのお母さんも似たような事を言っていた気がするから、きっとどの時代も同じなんだろう…と思う。
とりあえず今は兄様関係をなんとかしなければ、このまま…下手すると、我が家の存亡の話にまで行ってしまいそうで怖い。
来年の夏の終わり頃には、私にも妹か弟が生まれる。
逆ハー狙いの令嬢になぞ構っている暇はないのだ。
ちなみに…タイムリミットは兄様の卒業のパーティーまで。
メアリの話だと、その卒業パーティーでバカ王子がやらかす予定らしい。
合わせて、取り巻きもやらかしてしまい…国の法律に沿って考えると…男爵令嬢とバカ王子は貴族籍を剥奪され庶民になって婚姻。
他の取り巻きさん達も勘当・庶民への転落は免れないだろうとの事。
さてどうしたものか。
なんだかね…その令嬢も取り巻きさん達も、国の法律とか知らんの?という感じ。
それとも…それら全部が令嬢の計画で、有力貴族の子息達を庶民に落とすのが目的?
考えすぎて、何だか思考が変な方向に行ってしまいそうなので、ここらでちょっと一休み。
物事は色々方面から見ないとね。客観的に見られる立場だからこそ見えてくる事もある…。なんてカッコイイ事言っているけど、お腹が空いた。
気がつけばおやつの時間。子供の成長にはおやつは欠かせないからね……。
そうそう、新しいお母様にも口当たりのいいデザートを持って行かなければ!
今はいわゆる悪阻真っ最中で、普通のお食事がなかなか喉を通らないと言っていたので、前世知識で簡単クッキングしたらすっごい好評だった。
前世では食べることが好きだったせいか、簡単なものならなんとなぁ~く作ってしまう。
レシピ本なんて見ないで作っていたから、本格的なものは作れないけれど、その時ある物でそこそこの物を作る自信はある。まぁ…あくまで"そこそこ"なので、あまり期待されても困るのだけれど。
ちなみにこの世界、普通に味噌や醤油があるのだ。
ただ…元になる材料が時々不思議生物だったりするだけ。
たとえばスライムだったり…たとえばダンジョン産のモンスターだったり。
まぁ…魔法がある時点で、生態系などなど前世とは違う。
前世での香草はこの世界では薬草として扱われていたり、反対に前世で食べられていたものがこちらでは雑草扱いだったり。
ちなみに…昨日はスライムゼリーを使った冷たいゼリーを作ってみた。
今日はどうしよう??
あまり食べられないとあって、なんだか日に日にやつれていくような気がして、ちょっと怖い。妊娠は病気ではないというけれど、人ひとりが腹の中にいるのだ。
身体にはかなり負担があるはず…と思い、色々考える。
「お嬢様、マーガレット様のお食事のメニューですか?」
自分で作成したレシピノートをめくりながら考えていると、メアリが話しかけてきた。
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