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新しい家族と

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「お母様、今度おじ様が遊びに来るのはいつ?」


ぽかぽか陽気の中、刺繍を刺す私の傍で絵本を読む我が子。
精霊王を父に、人間である私を母に持つこの子は、生まれながらに精霊の加護と創造神の加護を持っている。
それゆえ、人間世界ひいては社交界の権力争いなどに巻き込まれることが容易に分かってしまう為、もうすぐ三回目の誕生日を迎えようとしている現在も、外界に出すことを躊躇している。


「セルフィナ。もう少し貴女の魔力が安定すれば、変化の魔法も使えるようになるので、それまでもう少し
頑張りましょうね」


両親共に魔力量が尋常じゃないこともあり、この子が生まれた時は生まれた瞬間魔力暴走が起き、母子共に瀕死の状態に落ちそうになった。まぁ、精霊王であるシルフィが付いていてくれたので事なきを得たのだけれど。


「じゃあまたおじ様が来てくれるんですね!次はいつですか?明日?あさって?」


感覚的に魔力を操る私やシルフィでは、魔力操作を中々上手く伝えられず四苦八苦していたところに助け船を出してくれたのは義父であるジルベルト様だった。


『そういう事ならウチの子が適切だと思うんだ。まだ幼いけどね』


そういって、つい先日10歳になったジルベルト様の長子セシルを紹介してもらった。
精霊だった子が同化したとはいえ、この子も父であるジルベルト様の才を継いでとても優秀で、魔力の操作に関しては天才的だ。まぁ、周囲にいる先生と成りうる父親がこの国の筆頭魔法士だし、義理とはいえ姉の夫が精霊王なのだ。生まれた頃から可愛がりつつも厳しく育て今に至る。


「ねぇお母様。私ね、将来はおじ様のお嫁さんになるのよ?約束したの。プロポーズっていうのされたのよ」


嬉しそうに話す我が子にちょっと驚いた。
いや……いいのかもしれない。
血は繋がっていないし。
きっとあの子なら、この子を守って慈しんでくれるだろう。
私の魔力暴走から身を挺して皆を救ってくれた、精霊のあの子の優しい目を思い出した。

じゃぁ……


「じゃあ、もうおじ様じゃなくてお名前で呼ばなければね」







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