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うわさ
しおりを挟むいろいろあった夏季休暇も終わり、私は再び学校に戻ってきた。
婚約者となったシルヴァと共に。
貴族間のなんやかんやがあるかも……なんて少し心配もしていたのだけれど相変わらずぼっちだし、婚約を祝われることもなく……かといって嫌味を言われるでもない学校生活は何だか不思議な感じだった。
それもそうかと納得したのは、時折あちこちで聞こえる王太子妃であるカーミラ様のウワサがあったからだ。
「王太子妃様が倒れたらしいわよ」
「ご懐妊?」
「療養の為、城を出るらしいわよ」
全てウワサの域。
実の姉とは言え、すでにホーグワット家から出た私には意図して情報を集めなければ状況が分からないし、そもそも公式発表があったわけではない。王家もホーグワット家も現在はだんまり状態らしい。
「詳しいことは伺っていないし……ジルベルト様はこういった事には対応なさらないらしいわ。貴女のこともあるから迂闊なことは言えないだろうし。私達に影響がないなら恐らく傍観……かしら?」
ミーアは、旦那様のお仕事にはあまり興味がないらしい……というか、何かあれば躊躇なく教えてくれるであろうジルベルト様への信頼なのだろう。
夏季休暇後に屋敷に戻った際に聞いたらそんなことを言われた。
「でも……カーミラ様がご病気?懐妊?……ご懐妊であれば隠す必要はないですわよね?……でも、ご病気?」
姉様はじめホーグワットの家系は皆魔力量が多いせいか、昔から病気という病気をしないらしい。
まぁ、魔力は多すぎてもいけないらしいのだけれどそこはそれ、体質なのだろう。
そしてその答えは私の一番身近な存在……シルフィーからもたらされた。
「彼女、魔力暴走を起こしたらしいよ」
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