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ー1日目—
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「今日新しい人来るんだっけ…」
会社からの帰り道。
朝からモヤモヤとしていたことをぽつりと呟いた。
私は女性専用のシェアハウスに住んでいる。
だが先月もう1人いたハウスメイトが引っ越してしまい、
今は1人だ。
さみしいけどいつまでこの家を独占できるのかなぁと考えていたら、
先週に大家さんから電話が入った。
「雅(みやび)ちゃん久しぶり~。元気にしてる?」
安心する声、お母さんみたいな人だ。
「はい。元気にしてますよ!急に電話なんてどうされたんですか?」
「それがね、来週新しく入居者さんが入ることになったんだけどね…。私の手違いで…
男性だったの~~~!!」
え?
「え?えっと…?」
「あのね、名前が女性っぽくてね、勘違いしちゃってね…。
でもね!1ヶ月だけだから!!
その方にも申し訳なくて、1ヶ月以内に男性も入れるシェアハウスを探すことになってね!
来月にはそこに引っ越してもらう予定だから!」
「そ、そうなんですか…」
「そう!だから、1ヶ月だけ我慢してもらえる?家賃少し安くしとくから!…ね?」
…家賃が安くなるだと…?
いやいや!見知らぬ男性と一つ屋根の下だよ!?
危険…!
でも…家賃が安くなる…
「あー…、わかりました!大丈夫ですよ~。」
「ありがとう!!ほんっと助かる!じゃ、また来週に行くからね~!」
「は~い…。」
くっ、家賃に釣られてOKしてしまった…!
少しでも出費を抑えたい独身社会人。
まだまだ華の20代、たくさん服やコスメを買いたいじゃないか。
という具合で新しいハウスメイトが決まり、
その人が来るのが今日なのだ。
どんな人が来るのか…、チャラい人だったらどうしよう?
変なおじさんだったり?なんでOKしちゃったんだろう…!と、
後悔しまくった1週間だった。
ガチャリ
シェアハウスのドアを開ける。するとすぐに大家さんの声が飛び出した。
「おかえり!雅ちゃん!」
「あ、ただいまです~…。」
大家さんはパタパタと私の方に駆け寄ってきた。
そしてその向こうには長身の男性が立っていた。
黒い髪で目元にかかる前髪。
その奥の目と合い、私は軽く会釈した。
スタイルも良くて…割とカッコイイぞ?
いやいや、中身が大事でしょ…。
そんな事を考えていると、大家さんが紹介してくれた。
「彼がこの前話してた怜(れい)くん。
そしてこちらが雅ちゃんよ。
少しの間だけどよろしくね~。」
ごめんなさいね~、私のせいでね~、
という大家さんの声を聞きながら、
私は怜さんと目が合ったまま離せなかった。
なぜだかじっとこちらを見ている。
気まずくてとりあえず挨拶をした。
「は、はじめまして、雅と言います。
半年くらいここに住んでます。
よろしくお願いします。」
彼は瞬きを1つして話し出した。
「初めまして…、怜、です。
シェアハウスは初めて…。
えーと、基本在宅ワークだから…、
ほぼ家にいると思う。
1ヶ月だけだけどよろしく、です。」
彼は静かなトーンでぽつりぽつりと話した。
敬語はあまり得意じゃないのだろうか。
「よろしくお願いします。」と私はお辞儀して、
やっと目を離せた。
でもまだ視線は感じる。
なんか不思議な人だな…。
変な人だったらどうしよう、と私はまた不安になった。
これから彼との共同生活が始まる。
何事もないことを祈るばかりだ。
会社からの帰り道。
朝からモヤモヤとしていたことをぽつりと呟いた。
私は女性専用のシェアハウスに住んでいる。
だが先月もう1人いたハウスメイトが引っ越してしまい、
今は1人だ。
さみしいけどいつまでこの家を独占できるのかなぁと考えていたら、
先週に大家さんから電話が入った。
「雅(みやび)ちゃん久しぶり~。元気にしてる?」
安心する声、お母さんみたいな人だ。
「はい。元気にしてますよ!急に電話なんてどうされたんですか?」
「それがね、来週新しく入居者さんが入ることになったんだけどね…。私の手違いで…
男性だったの~~~!!」
え?
「え?えっと…?」
「あのね、名前が女性っぽくてね、勘違いしちゃってね…。
でもね!1ヶ月だけだから!!
その方にも申し訳なくて、1ヶ月以内に男性も入れるシェアハウスを探すことになってね!
来月にはそこに引っ越してもらう予定だから!」
「そ、そうなんですか…」
「そう!だから、1ヶ月だけ我慢してもらえる?家賃少し安くしとくから!…ね?」
…家賃が安くなるだと…?
いやいや!見知らぬ男性と一つ屋根の下だよ!?
危険…!
でも…家賃が安くなる…
「あー…、わかりました!大丈夫ですよ~。」
「ありがとう!!ほんっと助かる!じゃ、また来週に行くからね~!」
「は~い…。」
くっ、家賃に釣られてOKしてしまった…!
少しでも出費を抑えたい独身社会人。
まだまだ華の20代、たくさん服やコスメを買いたいじゃないか。
という具合で新しいハウスメイトが決まり、
その人が来るのが今日なのだ。
どんな人が来るのか…、チャラい人だったらどうしよう?
変なおじさんだったり?なんでOKしちゃったんだろう…!と、
後悔しまくった1週間だった。
ガチャリ
シェアハウスのドアを開ける。するとすぐに大家さんの声が飛び出した。
「おかえり!雅ちゃん!」
「あ、ただいまです~…。」
大家さんはパタパタと私の方に駆け寄ってきた。
そしてその向こうには長身の男性が立っていた。
黒い髪で目元にかかる前髪。
その奥の目と合い、私は軽く会釈した。
スタイルも良くて…割とカッコイイぞ?
いやいや、中身が大事でしょ…。
そんな事を考えていると、大家さんが紹介してくれた。
「彼がこの前話してた怜(れい)くん。
そしてこちらが雅ちゃんよ。
少しの間だけどよろしくね~。」
ごめんなさいね~、私のせいでね~、
という大家さんの声を聞きながら、
私は怜さんと目が合ったまま離せなかった。
なぜだかじっとこちらを見ている。
気まずくてとりあえず挨拶をした。
「は、はじめまして、雅と言います。
半年くらいここに住んでます。
よろしくお願いします。」
彼は瞬きを1つして話し出した。
「初めまして…、怜、です。
シェアハウスは初めて…。
えーと、基本在宅ワークだから…、
ほぼ家にいると思う。
1ヶ月だけだけどよろしく、です。」
彼は静かなトーンでぽつりぽつりと話した。
敬語はあまり得意じゃないのだろうか。
「よろしくお願いします。」と私はお辞儀して、
やっと目を離せた。
でもまだ視線は感じる。
なんか不思議な人だな…。
変な人だったらどうしよう、と私はまた不安になった。
これから彼との共同生活が始まる。
何事もないことを祈るばかりだ。
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