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四十八話
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【俺の妹になってください】
四十八話
~ あらすじ ~
文化祭を柏木と文化祭を回る予定だったのだが、三ヶ森、橘、山口と回ることになり、その時によった姉さんのメイド喫茶で………
******
文化祭なんて、誰しもが楽しみというわけではなく、当然俺のようにめんどくさいと考える輩もいるのだ。
それも姉さんのメイド喫茶にいって姉さんのおすすめなんて頼んだあと。だなんてもう最悪な状況下でも俺は王子役をやらなければならないらしい。
一回目みたいに柏木が王子役やって俺は寝てるだけでいいんだけどな。
そして、二回目の公演が始まろうとしている。
舞台袖から客入りを確認すると、人がいっぱい居た。一回目の公演なんてぽつぽつと人がいるな。くらいだったって聞いただけなのに、今回に限っては立ち見客まで出ていた。
畜生。一回目の公演が好評だったからか……
「ねえ春樹。………って、え?なんでそんなに青ざめてるの?」
肩をトントンされて振り返ると、柏木が俺を見るなり目を見開いて驚いていた。
「……観客が思ったより多くてな。」
「どれどれー?」
好奇心にそそられてしまった子供のように、嬉々とした表情で、柏木も先程の俺のようにカーテンの隙間からちらっと外を見た。
「嘘………」
珍しく、柏木がビビっていた。柏木はこんな事や胸がほとんどない完璧な美少女……なんて口が裂けても言えないな。
なんて思いながら柏木を見ると、さっきまで緊張していて見えてなかった柏木の変化に気づいた。
「それ、似合ってるな」
「え?………え?」
柏木はキョトンとしつつ首を傾げた。
うわぁぁ……なんだよこれ。犯罪的に可愛いじゃねえか……
「衣装のことな」
「あ、あぁ。まあ………ね?」
「大丈夫。いつも通りにやればいける。練習通りに……」
「あ、ヒロインと主人公。早くこっちに来なさいっ!」
俺の声を遮るようにリーダーである橘が俺ら二人の仲を割るかのように入ってきた。
そして、俺と柏木は橘に手首を掴まれ、皆のいるところまで連行された。
「みんな、頑張ろー!!」
そんな感じのことを舞台裏でやり、俺はとりあえず自分の番まで待つしかないので、邪魔にならなそうな場所へと移動を開始しようとした時、柏木がすぐ横まで来て「ありがと。」と、言ってからそそくさと走って舞台へと出ていった。
そして、幕が上がった。
柏木の演技は人々を魅了するような白雪姫本人も顔負けの名演技だった。
流石、俺の彼女の完璧美少女だ。
勿論、魔女、白雪姫のお母さん役の三ヶ森さんも悪役なんて似合わなそうなのに、完璧な悪役っぷりだ。
そして、どんどんと話が進んでいき、王子の登場シーンへと至った。
自分の頬を両手で二回ほど叩いた後に、俺は舞台へと足を踏み出した。
それと同じくらいのタイミングで、音楽が流れる。
「僕は~王子。弱気を助け強きを挫く~」
よし、出来た。
「助け……て」
そんな消えてしまいそうなか細い声が聞こえてきた。
「………ん?今のはなんだ?あっちの方から声がする。あっちは山だけど、とにかく助けを待ってる人がいるんだっ!行ってみようっ!」
そうして、暗転した。
よし、ここまでは完璧だ。
そして、俺は一旦舞台からはけて、ステージには柏木が棺の中で横たわっているところから始まった。
そして、俺は走って舞台袖から出てくる。
「確かこっちの方から………ん?」
観客席の上の方を見て、観客を見ないようにして、柏木の方に振り返る。すべて大げさに演技する。橘に言われた通りだ。
「うわぁ………美しい。なんて美しいんだ……」
そういい、顔を上げると、ずっと見ないようにしていた観客の方に目線がいってしまった。
観客達の目がこっちを見てる。
こめかみ辺りからジーンと汗が出てくるような感覚と共に頭が真っ白になった。
「ねぇ………ねぇ……」
いつの間にか、舞台には七人の小人達がいて、俺を睨みつけてきていた。
どういう状況なんだ?訳が分からねえ。
キ・ス・し・ろ。
そんな命令を口パクでやられた。
そして、俺は柏木に口付けをした。
「……まじでやってるよな?」
そんな声が観客の方からしてきて、背中がぞわぁぁっと痒くなった。
周り見えてなさ過ぎだろ俺。というか、舞台の上じゃんココ。
咄嗟に口付けをやめ、観客の方に目を移すと、幸運なことに、観客達は確証は持てなかったらしい。よかった………
「ほらね。起きないでしょ?ケケっ!」
なにか返さないといけない場面だったはずだが、台詞が出てこない。
そして、誰もが俺に注目する。
な、なんで俺を見るんだよ…やめてくれよ。お願いだから……頼むから………
四十八話
~ あらすじ ~
文化祭を柏木と文化祭を回る予定だったのだが、三ヶ森、橘、山口と回ることになり、その時によった姉さんのメイド喫茶で………
******
文化祭なんて、誰しもが楽しみというわけではなく、当然俺のようにめんどくさいと考える輩もいるのだ。
それも姉さんのメイド喫茶にいって姉さんのおすすめなんて頼んだあと。だなんてもう最悪な状況下でも俺は王子役をやらなければならないらしい。
一回目みたいに柏木が王子役やって俺は寝てるだけでいいんだけどな。
そして、二回目の公演が始まろうとしている。
舞台袖から客入りを確認すると、人がいっぱい居た。一回目の公演なんてぽつぽつと人がいるな。くらいだったって聞いただけなのに、今回に限っては立ち見客まで出ていた。
畜生。一回目の公演が好評だったからか……
「ねえ春樹。………って、え?なんでそんなに青ざめてるの?」
肩をトントンされて振り返ると、柏木が俺を見るなり目を見開いて驚いていた。
「……観客が思ったより多くてな。」
「どれどれー?」
好奇心にそそられてしまった子供のように、嬉々とした表情で、柏木も先程の俺のようにカーテンの隙間からちらっと外を見た。
「嘘………」
珍しく、柏木がビビっていた。柏木はこんな事や胸がほとんどない完璧な美少女……なんて口が裂けても言えないな。
なんて思いながら柏木を見ると、さっきまで緊張していて見えてなかった柏木の変化に気づいた。
「それ、似合ってるな」
「え?………え?」
柏木はキョトンとしつつ首を傾げた。
うわぁぁ……なんだよこれ。犯罪的に可愛いじゃねえか……
「衣装のことな」
「あ、あぁ。まあ………ね?」
「大丈夫。いつも通りにやればいける。練習通りに……」
「あ、ヒロインと主人公。早くこっちに来なさいっ!」
俺の声を遮るようにリーダーである橘が俺ら二人の仲を割るかのように入ってきた。
そして、俺と柏木は橘に手首を掴まれ、皆のいるところまで連行された。
「みんな、頑張ろー!!」
そんな感じのことを舞台裏でやり、俺はとりあえず自分の番まで待つしかないので、邪魔にならなそうな場所へと移動を開始しようとした時、柏木がすぐ横まで来て「ありがと。」と、言ってからそそくさと走って舞台へと出ていった。
そして、幕が上がった。
柏木の演技は人々を魅了するような白雪姫本人も顔負けの名演技だった。
流石、俺の彼女の完璧美少女だ。
勿論、魔女、白雪姫のお母さん役の三ヶ森さんも悪役なんて似合わなそうなのに、完璧な悪役っぷりだ。
そして、どんどんと話が進んでいき、王子の登場シーンへと至った。
自分の頬を両手で二回ほど叩いた後に、俺は舞台へと足を踏み出した。
それと同じくらいのタイミングで、音楽が流れる。
「僕は~王子。弱気を助け強きを挫く~」
よし、出来た。
「助け……て」
そんな消えてしまいそうなか細い声が聞こえてきた。
「………ん?今のはなんだ?あっちの方から声がする。あっちは山だけど、とにかく助けを待ってる人がいるんだっ!行ってみようっ!」
そうして、暗転した。
よし、ここまでは完璧だ。
そして、俺は一旦舞台からはけて、ステージには柏木が棺の中で横たわっているところから始まった。
そして、俺は走って舞台袖から出てくる。
「確かこっちの方から………ん?」
観客席の上の方を見て、観客を見ないようにして、柏木の方に振り返る。すべて大げさに演技する。橘に言われた通りだ。
「うわぁ………美しい。なんて美しいんだ……」
そういい、顔を上げると、ずっと見ないようにしていた観客の方に目線がいってしまった。
観客達の目がこっちを見てる。
こめかみ辺りからジーンと汗が出てくるような感覚と共に頭が真っ白になった。
「ねぇ………ねぇ……」
いつの間にか、舞台には七人の小人達がいて、俺を睨みつけてきていた。
どういう状況なんだ?訳が分からねえ。
キ・ス・し・ろ。
そんな命令を口パクでやられた。
そして、俺は柏木に口付けをした。
「……まじでやってるよな?」
そんな声が観客の方からしてきて、背中がぞわぁぁっと痒くなった。
周り見えてなさ過ぎだろ俺。というか、舞台の上じゃんココ。
咄嗟に口付けをやめ、観客の方に目を移すと、幸運なことに、観客達は確証は持てなかったらしい。よかった………
「ほらね。起きないでしょ?ケケっ!」
なにか返さないといけない場面だったはずだが、台詞が出てこない。
そして、誰もが俺に注目する。
な、なんで俺を見るんだよ…やめてくれよ。お願いだから……頼むから………
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