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二十四話
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【俺の妹になってください】
二十四話
~ あらすじ ~
貞操を守るために柏木家に逃げたが、柏木が俺の布団に入ってきてそのまま寝ちまったZE!
******
ジュージューとフライパンかなにかで肉やらをを焼くような音と、香ばしい香りにつられて俺は目を覚ました。
「なにしてるの?」
フラフラとソファーから立ち上がり、その匂いのする方へ歩いていくと、キッチンに行きたった。そこで柏木が明るい水色が主体の涼しそうな薄手のパジャマの上に、ピンク色のエプロンをつけてフライパンを振っていた。
「…………見ればわかるでしょ?」
「まあ、わかるけど………なんでそんな不機嫌なの?」
「はぁ。もういいわよっ!………私なんかどうせ色気なんてないわよ………」
俺に怒鳴りつけた後に、俯いてなにかを呟いた。
………全然わかんねえ。なんでそんなにキレてるの?
「用意して」
「は、はいっ!」
俺は不機嫌そうな柏木の機嫌をとるために柏木に従う。やることと言えば皿やらを用意したり、食パンを焼いたりして、様子を伺いながら、何気なく話しかけてみようとしてみるがダメだ。隙が無さすぎるっ!!
そして、食卓にはベーコンエッグとサラダとカリカリに焼かれた食パンが並べられた。
「いただきます」
柏木は小さくそういって手を合わせると、パンにバターを塗り始めた。
「か、柏木………さん?」
「なに?」
「ぱ、パン塗るやつ貸してくださいっ!」
「あー。はい」
「ありがたき幸せ」
なんで睨むの?怖え…………
そこからは全く会話がなかった。
何度か話しかけようとしてみるが、嫌なのか睨まれる。酷いね。
飯を食い終わり皿を洗い終わると、腹に飯を入れたからか少し、微小ながらも柏木の機嫌が先程と比べるとよかった。
「柏木…………今日暇か?」
「………暇だけど?」
つまらなそうにスマートフォンをいじりながらそう答える柏木。全く予定にはなかったが仕方ない。柏木を家から連れ出して憂さ晴らしさせよう。狂犬を家に閉じ込めっぱなしだから不機嫌になるんだ。犬のストレス発散には散歩をさせよう。
「どっか行くか?」
柏木のスマートフォンをいじる手が止まった。
あと一押しだ。
「なんなら昼、奢るけど?」
勢いで言っちまった………そんな金あるのかよ俺っ!
「…………く」
「なに?」
「焼肉奢ってくれるなら、いいよ?」
「さすがに……いや、奢るよっ!」
やっちまった………
「やったー!!じゃ、私着替えてくるから。あんたも準備したら玄関前で待ってて」
子供のように無邪気に笑ってそう言い残すと、柏木はスタスタと二階へ駆け上がって行った。
金なんて世の中いくらだってあるんだし………あの狂犬……柏木の機嫌が取れるなら肉なんて安いもんだぜ。
俺は涙を袖で拭って持ってきた着替えから服を取り出した。
*******
俺は柏木に言われた通り、リビングを借りて着替えやらをさせてもらった。服なんてそんなに持ってないので、いつもと同じようなジーパンとポロシャツって感じのどこにでもいる中高生ってところだろう。
そして、諸々の準備も終わり玄関先で待っていると階段から柏木が降りてきた。
「おまたせ」
白のワンピースを着て麦わら帽子をかぶった小さな幼女は夏に舞い降りた純白の天使のようだった。
「どう?かわいい?」
俺の前まで来ると、くるっと一回転してみせる。
「…………うん」
くそ。なんだよ。可愛いじゃねえか。俺は反射的に目を逸らしながらそう答える。
「そう。ならいいんだけど。じゃ、行きましょうか」
「そうだな」
家を颯爽と出たのはいいけれど、行く場所なんて決まってない。とりあえず駅に着いた。
「どこ行く?希望あればそこ行こうか」
「うーん。じゃ、焼肉はここの駅近くのあそこでいいから帰りでいいとして………」
「あそこの焼肉屋いくなら昼のランチ安いから昼に…………」
「肉はディナーに限るっ!!」
提案するように少し小声でそう言ってみるが、一瞬でかき消された。
「分かりました………」
お金。無くなっちゃう………
「で、行き場所は………じゃ、千葉行きましょ千葉っ!!」
千葉というのは本千葉町という地名の場所を指す。大体の千葉県民は千葉って言われたらそこを思い浮かべるだろう。生まれも育ちも千葉県民である俺もそう思う。
無邪気に笑う奴に反抗する気もなくなり、俺は言われるがまま、モノレールやらに揺られて千葉についた。
流石に自分の分の交通費は出してくれました。
「千葉なんて来てどこ行くの?」
「あんたは黙ってついてらっしゃいっ!!」
「了解致しましたっ!!」
そして、連れてこられたのは駅から徒歩数分の建物の中の4階にある映画館だった。
「何見るの?」
「特に決めてないけど?」
「質問を質問で返すなっ!」
「なんてのは冗談で………これですっ!」
と、柏木が指を指したその指の先を見ると、あなたも恋に落ちる!?王道青春ラブコメ!とか書いてある。
「お前、こういう乙女チックなの好きだよな。」
「あ?」
「すいません。ごめんなさい」
なんでそんなにガン飛ばすの?どこのヤンキーだよ。反射的に財布出して謝っちまったじゃねえか。むっちゃ怖いしよ………
「あ、早くしないと始まっちゃう」
「じゃ、俺チケット買ってくるから柏木はポップコーンとか買ってきてくれ」
「わかった」
俺は柏木とエスカレーター付近で別れて、柏木は売店へ、俺はチケット売り場へ向かった。
「いらっしゃいませ。どちらの映画をご覧になりますか?」
若い店員さんが受付をしていた。
「あー。えっと、恋に落ちているってやつ二つで」
「かしこまりました」
そしてチケットを受け取り、柏木の行った売店に向かうと、柏木はジュース二つと、顔より大きなポップコーンを黒の受け皿のようなものに乗せていた。
小さい子が大きいもの持ってるのって、いいよね。
そんなことを思いながら柏木に駆け寄ると、それを無造作に渡された。
「お、おいっ!」
「早く行きましょ。始まっちゃう」
「まあ、そうだな………」
そう言って、映画館内に入った。
********
あー。眠い。
休みの日くらいはゆっくり寝ていたいのだが、柏木のお陰で結局寝るもの遅れたし、色々興奮気味であまり寝れてなかったので、すごく眠い。
俺はうつらうつらとしながら映画をみる。
そんな俺が大きな音も出ない。アクロバティック的な演出もない。そんなつまらないラブコメを見て寝落ち寸前の俺が寝ないわけがなく………
俺が目を覚ましたのは映画が終わったあとだった。
「で?あんたはどこまで見てたの?」
映画を見終わりそこから出て、エスカレーターで降りながら柏木が少しムッとしながら訊いてきた。
「主人公と幼馴染が出てきたところらへんから記憶無い」
「それ、序盤じゃないっ!」
「そうなの?」
「じゃ、全然会話になりそうにないわね……」
映画の後って人と少し話し合いたいよなぁ。だから、柏木が残念そうなのもわかる。
「すまんな」
「まあ、いいわよ。これから付き合ってもらうし……」
「ほう。どこ行くの?」
「黙ってついてらっしゃいっ!」
「了解!」
全く、狂犬の散歩は疲れるな。
二十四話
~ あらすじ ~
貞操を守るために柏木家に逃げたが、柏木が俺の布団に入ってきてそのまま寝ちまったZE!
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ジュージューとフライパンかなにかで肉やらをを焼くような音と、香ばしい香りにつられて俺は目を覚ました。
「なにしてるの?」
フラフラとソファーから立ち上がり、その匂いのする方へ歩いていくと、キッチンに行きたった。そこで柏木が明るい水色が主体の涼しそうな薄手のパジャマの上に、ピンク色のエプロンをつけてフライパンを振っていた。
「…………見ればわかるでしょ?」
「まあ、わかるけど………なんでそんな不機嫌なの?」
「はぁ。もういいわよっ!………私なんかどうせ色気なんてないわよ………」
俺に怒鳴りつけた後に、俯いてなにかを呟いた。
………全然わかんねえ。なんでそんなにキレてるの?
「用意して」
「は、はいっ!」
俺は不機嫌そうな柏木の機嫌をとるために柏木に従う。やることと言えば皿やらを用意したり、食パンを焼いたりして、様子を伺いながら、何気なく話しかけてみようとしてみるがダメだ。隙が無さすぎるっ!!
そして、食卓にはベーコンエッグとサラダとカリカリに焼かれた食パンが並べられた。
「いただきます」
柏木は小さくそういって手を合わせると、パンにバターを塗り始めた。
「か、柏木………さん?」
「なに?」
「ぱ、パン塗るやつ貸してくださいっ!」
「あー。はい」
「ありがたき幸せ」
なんで睨むの?怖え…………
そこからは全く会話がなかった。
何度か話しかけようとしてみるが、嫌なのか睨まれる。酷いね。
飯を食い終わり皿を洗い終わると、腹に飯を入れたからか少し、微小ながらも柏木の機嫌が先程と比べるとよかった。
「柏木…………今日暇か?」
「………暇だけど?」
つまらなそうにスマートフォンをいじりながらそう答える柏木。全く予定にはなかったが仕方ない。柏木を家から連れ出して憂さ晴らしさせよう。狂犬を家に閉じ込めっぱなしだから不機嫌になるんだ。犬のストレス発散には散歩をさせよう。
「どっか行くか?」
柏木のスマートフォンをいじる手が止まった。
あと一押しだ。
「なんなら昼、奢るけど?」
勢いで言っちまった………そんな金あるのかよ俺っ!
「…………く」
「なに?」
「焼肉奢ってくれるなら、いいよ?」
「さすがに……いや、奢るよっ!」
やっちまった………
「やったー!!じゃ、私着替えてくるから。あんたも準備したら玄関前で待ってて」
子供のように無邪気に笑ってそう言い残すと、柏木はスタスタと二階へ駆け上がって行った。
金なんて世の中いくらだってあるんだし………あの狂犬……柏木の機嫌が取れるなら肉なんて安いもんだぜ。
俺は涙を袖で拭って持ってきた着替えから服を取り出した。
*******
俺は柏木に言われた通り、リビングを借りて着替えやらをさせてもらった。服なんてそんなに持ってないので、いつもと同じようなジーパンとポロシャツって感じのどこにでもいる中高生ってところだろう。
そして、諸々の準備も終わり玄関先で待っていると階段から柏木が降りてきた。
「おまたせ」
白のワンピースを着て麦わら帽子をかぶった小さな幼女は夏に舞い降りた純白の天使のようだった。
「どう?かわいい?」
俺の前まで来ると、くるっと一回転してみせる。
「…………うん」
くそ。なんだよ。可愛いじゃねえか。俺は反射的に目を逸らしながらそう答える。
「そう。ならいいんだけど。じゃ、行きましょうか」
「そうだな」
家を颯爽と出たのはいいけれど、行く場所なんて決まってない。とりあえず駅に着いた。
「どこ行く?希望あればそこ行こうか」
「うーん。じゃ、焼肉はここの駅近くのあそこでいいから帰りでいいとして………」
「あそこの焼肉屋いくなら昼のランチ安いから昼に…………」
「肉はディナーに限るっ!!」
提案するように少し小声でそう言ってみるが、一瞬でかき消された。
「分かりました………」
お金。無くなっちゃう………
「で、行き場所は………じゃ、千葉行きましょ千葉っ!!」
千葉というのは本千葉町という地名の場所を指す。大体の千葉県民は千葉って言われたらそこを思い浮かべるだろう。生まれも育ちも千葉県民である俺もそう思う。
無邪気に笑う奴に反抗する気もなくなり、俺は言われるがまま、モノレールやらに揺られて千葉についた。
流石に自分の分の交通費は出してくれました。
「千葉なんて来てどこ行くの?」
「あんたは黙ってついてらっしゃいっ!!」
「了解致しましたっ!!」
そして、連れてこられたのは駅から徒歩数分の建物の中の4階にある映画館だった。
「何見るの?」
「特に決めてないけど?」
「質問を質問で返すなっ!」
「なんてのは冗談で………これですっ!」
と、柏木が指を指したその指の先を見ると、あなたも恋に落ちる!?王道青春ラブコメ!とか書いてある。
「お前、こういう乙女チックなの好きだよな。」
「あ?」
「すいません。ごめんなさい」
なんでそんなにガン飛ばすの?どこのヤンキーだよ。反射的に財布出して謝っちまったじゃねえか。むっちゃ怖いしよ………
「あ、早くしないと始まっちゃう」
「じゃ、俺チケット買ってくるから柏木はポップコーンとか買ってきてくれ」
「わかった」
俺は柏木とエスカレーター付近で別れて、柏木は売店へ、俺はチケット売り場へ向かった。
「いらっしゃいませ。どちらの映画をご覧になりますか?」
若い店員さんが受付をしていた。
「あー。えっと、恋に落ちているってやつ二つで」
「かしこまりました」
そしてチケットを受け取り、柏木の行った売店に向かうと、柏木はジュース二つと、顔より大きなポップコーンを黒の受け皿のようなものに乗せていた。
小さい子が大きいもの持ってるのって、いいよね。
そんなことを思いながら柏木に駆け寄ると、それを無造作に渡された。
「お、おいっ!」
「早く行きましょ。始まっちゃう」
「まあ、そうだな………」
そう言って、映画館内に入った。
********
あー。眠い。
休みの日くらいはゆっくり寝ていたいのだが、柏木のお陰で結局寝るもの遅れたし、色々興奮気味であまり寝れてなかったので、すごく眠い。
俺はうつらうつらとしながら映画をみる。
そんな俺が大きな音も出ない。アクロバティック的な演出もない。そんなつまらないラブコメを見て寝落ち寸前の俺が寝ないわけがなく………
俺が目を覚ましたのは映画が終わったあとだった。
「で?あんたはどこまで見てたの?」
映画を見終わりそこから出て、エスカレーターで降りながら柏木が少しムッとしながら訊いてきた。
「主人公と幼馴染が出てきたところらへんから記憶無い」
「それ、序盤じゃないっ!」
「そうなの?」
「じゃ、全然会話になりそうにないわね……」
映画の後って人と少し話し合いたいよなぁ。だから、柏木が残念そうなのもわかる。
「すまんな」
「まあ、いいわよ。これから付き合ってもらうし……」
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