10 / 57
十話
しおりを挟む
【俺の妹になってください】
十話
~ あらすじ ~
特になにもなく釣りをしていた。それだけなのだが、柏木の様子がどこか変だ。
****
夕焼け小焼けで日が暮れて~。なんて音楽が外から聞こえる中、俺らは荷物置き場にまた海に行く前の時のように並んでいた。
それが鳴り終わると先生が新入生の例のように立つ。
「はーい。えーっと、明日の昼頃までは君ら自由ね。質問等は受け付けないので勝手に楽しんでください。以上」
先生はやはり今回もそれだけを言い残して去って行く。
皆集はここのルールのないルール慣れたのか、先生に倣ってみんなも次々と行動をしていく。もう、いいか。皆集で。
俺らもそこに紛れるようにしてその荷物置き場から去る。
「柏木さん。どうしますか?」
外に出ると、クーラーボックスを肩からかけた山口が口を開く。
「うん?とりあえず、魚が新鮮なうちに血祭りにあげましょうか」
柏木は振り返りもせずに突き進んでいく。
「ええっ!?」
「おい、お前、もうちょいと言葉を選べ」
てくてくと柏木についていきながらも、かわいげな反応を見せる三ヶ森をよそに、軽くツッコミを入れてやる。
「えっ!?それ普通じゃないの?」
わーお。そういえばここにイカレた人間一号である姉と、二号である柏木が揃ってるんだったな。
「姉さんや柏木にしたら普通かもしれないが、俺ら一般人の常識と一緒にするのはやめていただけませんかね?……このイカレポンチが」
「あー!!ひどーい!!」
「私もう立ち直れないかも」
ぷくぅっと頬を膨らましてジト目を向ける一号と、こめかみあたりに右手を当てて辛辣ですと言いたそうな目で、こちらに訴えかけてくる二号。
「はぁ。前見て歩け前見て……立ち直らなくて結構結構」
小さな溜息が漏れる。こいつら相手にすると本当に疲れるな………でも、最愛の妹が味方してくれるというなら俺は無敵だ。お兄ちゃん頑張っちゃうっ!
「風見くん………それは酷いと……思います」
思わず耳を疑った。
「え………?」
う、嘘だろ?
至高にして最強、そして、俺の唯一の癒しでもあるはずの三ヶ森さん(妹)に味方したのに裏切られた……?
「なにボケーっとしてるのよ!行くわよ?風見!!」
「………あ、ああ」
ショックのあまりに立ち止まっていたらしい。
また、俺はフラフラと歩き始める。
………なんで?なんで裏切られた?
そんなことを考えていたら、昨日にカレーを作ってイケメンくんが待っててくれた野外炊飯の出来る所に着いていた。
「じゃー。私は魚さばいてるから、あとの三人はよこのログハウスに行って野菜とか貰ってきてー」
「じゃ、いきますか」
リーダーが指示し、イケメンくんが仕切り、姉さんと三ヶ森さんをつれてログハウスに歩いて行く。
そして、柏木はそれを見送ってから魚を捌き始める。
「………なんでお前らそんなに手慣れてんの?」
思わず声が出たし、軽くハブられてるし。
「このくらい普通じゃない?」
「いや普通、魚のさばき方とか知らねえだろ……」
柏木の邪魔にならない程度に近づくと、カシャカシャと、手際よく鱗を剥いでいた。横には鯛の切断された後の首がピクピクしている。
こ、怖え。なんで切られて動いてんだよ……
「あなたの常識と一緒にしないでもらえるかしら?カス見君」
聞き慣れない単語が出てきた。
「………ん?あれ?俺の聞き間違いかな?カスってった?」
「………ん?言ってないわよ?どうしたの?カス。見くん」
今度はカスを強調して言いやがった。……こいつ。確信犯か。
「原型すらないし……俺なにすればいい?」
「そんなこともわからないの?ゴミ」
もう、単語すら変わっちゃったよっ!
「捨てられる運命なのは変わらないのね…カスでもゴミでもいいですよ。はいはい。で、俺はなにをすればいいですか?先輩。いや、師匠」
「……じゃ、イシダイ頼むわ」
………はぁ。俺が開き直った途端に、胸を張ってドヤ顔ですよ。そう、ドヤ顔。ろくに胸もねえくせに。
「あー。うん………」
包丁とイシダイ渡されたけど、これからどうするんだ?
切るのか?包丁っていったら切るよな?というか、イシダイベタベタしててキモいんだけど……わかんねえ。
「な、なぁ。柏木?どうやればいいの?」
「ん?あー。そうねー。難しいわよね?説明もなしじゃ……カスには」
「カスを強調すなっ!仕方ねえだろ?料理は大体母が姉なんだから」
そう、我が風見家の家事事情を天気予報風に言うと、母、時々姉なのだ。大体は母親がやってくれるが、父母共に働いているために、時々姉がやってくれる。うん。こんな時だけは姉がいてよかったと思ってしまう自分が情けなくてならないな。
「わかったわ。ゴミ見………いや、カス見君にもわかる様に見せてあげるわ」
柏木は俺から包丁を取り上げると、包丁の後ろの部分を使い、頭から尾びれに向かってすーすー。と、撫でる様に動かす。というか、ゴミ見?カス見?センスねえな。と、言ってやりたかったが、後々怖いのでやめておいた。
「あー。わかった。要するに猫やらの毛並み手入れみたいにやればいいんだろ?」
「ゴミでも見ればさすがにわかるのね」
柏木は満足そうに微笑む。
「……わるかったな」
そして、もくもくと作業をしていく。当然会話なんてない。木々がゆさゆさ言って揺れているだけだ。
「な、なあ。柏木。あのさ………」
「なにかしら?」
これはいつも通りの事なのに……なんで?なんでこんなに気まずいんだろ。
「俺も……その…言ってくれないとわからないから…その……なんだ」
「あ、二人とも~、並んでお料理ですかぁ?ラブラブだねっ!」
後ろから俺の声を遮るように、聞き慣れた声がかかる。
「姉さん、三枚におろしましょうか?」
「えぇ?照れちゃってーこのこのー」
そう言いながら、俺の横腹をうりうりーと肘でつつく。姉だからって、過度なスキンシップを取りすぎてるんじゃねえのか?
だけど、いつも世話になってるから何も言えねえんだよな。くそッ!
「あー。イシダイの処理なんて知ってるの?春樹」
俺の脇からひょこっと顔を出す姉さん。
「いや、知らない。というか、邪魔なんだけど?絞め殺すよ?」
「包丁かーしーて!」
あら?俺の脅しは軽く流された様だ。
そんな子供みたいなことをしてくる姉に包丁を譲り渡す。
「ありがとっ!」
ニコニコ笑う姉さんと包丁。なにかしでかしそうで怖え……
「あ、ご飯炊きます?」
後ろを振り返ると山口君がいた。
「あー。うん。お願い」
「了解です」
いつ見ても爽やかな笑顔ですね。
俺もなにもしないってのはなんだか嫌な感じだったので、イケメン君の手伝いをしていた。
「あ、お、おくれ……ました………」
三ヶ森さんが少し遅れて戻ってきた。抱えるように持っていたのは色とりどりの野菜たちである。
「あ、三ヶ森さん。持つよ」
俺が駆け寄ろうとしたのだが、先に発言したのはイケメン君。行動までイケメンとか許さねえぞ。
そんなこんなで、包丁やらを扱うのは女子、火やらは俺ら男がやるようになった。
そして、ご飯ができ、目の前には日本昔話のように盛られた白米、イシダイの姿煮、真鯛のカルパッチョが並べられた。
「「「いただきます」」」
みんなで合掌。
山のようにあったご飯は一瞬で無くなった。
だって、うめえんだもん。仕方ない。
「食った食ったー」
思わず声が漏れる。
「美味しかった?」
それに反応してきたのは向かいに座っていた柏木だった。
「あぁ!美味かった!」
「………そ、そう」
ほっと、ため息をつくように柏木はそう言う。
「じゃ、俺、片付けするわ」
昨日から特に俺はなにもしていないし、片付けくらいはと、そう立候補する。
「私も手伝うから、先にお風呂行っちゃいなさい?美柑」
「……わ、わかりました……」
いつから下の名前で呼び合う仲になったんだ?だけど、まあ、いいことかな?
「じゃ、お姉さんと一緒に行こうかー」
指の動きがただの変態ジジイの動きをしている姉に三ヶ森さんは捕まり、連れられ、荷物置き場の方面にダーっと走って行ってしまった。
「よし、じゃ、さっさと終わらせようかっ!!」
イケメン君も手伝ってくれるらしい。
『我が同士よ。わかっているではないか』
と、目で語りかける。
山口はイケメンな笑顔を見せて、さっと食器を持った。
そして、三人肩を並べて食器を洗う。
無言だろうかなんだろうか知ったこっちゃない。エロの前にはなにもかも無力。エロこそが真の正義でエロこそが、至高っ!
終わった瞬間、ばっと、スタートを切り風呂場に駆ける。全速力で。
「な、なんでそんなに急ぐのよっ!!」
柏木も後ろについてきていた。
「な、なんでって、なんでもいいだろ?早く風呂に行きたいだけだ」
なんて、走りながら返す。
本当に柏木はやいな。一応高校二年生の俺ら男子についてこれるんだ。運動部に欲しい逸材だろ。これ。
十話
~ あらすじ ~
特になにもなく釣りをしていた。それだけなのだが、柏木の様子がどこか変だ。
****
夕焼け小焼けで日が暮れて~。なんて音楽が外から聞こえる中、俺らは荷物置き場にまた海に行く前の時のように並んでいた。
それが鳴り終わると先生が新入生の例のように立つ。
「はーい。えーっと、明日の昼頃までは君ら自由ね。質問等は受け付けないので勝手に楽しんでください。以上」
先生はやはり今回もそれだけを言い残して去って行く。
皆集はここのルールのないルール慣れたのか、先生に倣ってみんなも次々と行動をしていく。もう、いいか。皆集で。
俺らもそこに紛れるようにしてその荷物置き場から去る。
「柏木さん。どうしますか?」
外に出ると、クーラーボックスを肩からかけた山口が口を開く。
「うん?とりあえず、魚が新鮮なうちに血祭りにあげましょうか」
柏木は振り返りもせずに突き進んでいく。
「ええっ!?」
「おい、お前、もうちょいと言葉を選べ」
てくてくと柏木についていきながらも、かわいげな反応を見せる三ヶ森をよそに、軽くツッコミを入れてやる。
「えっ!?それ普通じゃないの?」
わーお。そういえばここにイカレた人間一号である姉と、二号である柏木が揃ってるんだったな。
「姉さんや柏木にしたら普通かもしれないが、俺ら一般人の常識と一緒にするのはやめていただけませんかね?……このイカレポンチが」
「あー!!ひどーい!!」
「私もう立ち直れないかも」
ぷくぅっと頬を膨らましてジト目を向ける一号と、こめかみあたりに右手を当てて辛辣ですと言いたそうな目で、こちらに訴えかけてくる二号。
「はぁ。前見て歩け前見て……立ち直らなくて結構結構」
小さな溜息が漏れる。こいつら相手にすると本当に疲れるな………でも、最愛の妹が味方してくれるというなら俺は無敵だ。お兄ちゃん頑張っちゃうっ!
「風見くん………それは酷いと……思います」
思わず耳を疑った。
「え………?」
う、嘘だろ?
至高にして最強、そして、俺の唯一の癒しでもあるはずの三ヶ森さん(妹)に味方したのに裏切られた……?
「なにボケーっとしてるのよ!行くわよ?風見!!」
「………あ、ああ」
ショックのあまりに立ち止まっていたらしい。
また、俺はフラフラと歩き始める。
………なんで?なんで裏切られた?
そんなことを考えていたら、昨日にカレーを作ってイケメンくんが待っててくれた野外炊飯の出来る所に着いていた。
「じゃー。私は魚さばいてるから、あとの三人はよこのログハウスに行って野菜とか貰ってきてー」
「じゃ、いきますか」
リーダーが指示し、イケメンくんが仕切り、姉さんと三ヶ森さんをつれてログハウスに歩いて行く。
そして、柏木はそれを見送ってから魚を捌き始める。
「………なんでお前らそんなに手慣れてんの?」
思わず声が出たし、軽くハブられてるし。
「このくらい普通じゃない?」
「いや普通、魚のさばき方とか知らねえだろ……」
柏木の邪魔にならない程度に近づくと、カシャカシャと、手際よく鱗を剥いでいた。横には鯛の切断された後の首がピクピクしている。
こ、怖え。なんで切られて動いてんだよ……
「あなたの常識と一緒にしないでもらえるかしら?カス見君」
聞き慣れない単語が出てきた。
「………ん?あれ?俺の聞き間違いかな?カスってった?」
「………ん?言ってないわよ?どうしたの?カス。見くん」
今度はカスを強調して言いやがった。……こいつ。確信犯か。
「原型すらないし……俺なにすればいい?」
「そんなこともわからないの?ゴミ」
もう、単語すら変わっちゃったよっ!
「捨てられる運命なのは変わらないのね…カスでもゴミでもいいですよ。はいはい。で、俺はなにをすればいいですか?先輩。いや、師匠」
「……じゃ、イシダイ頼むわ」
………はぁ。俺が開き直った途端に、胸を張ってドヤ顔ですよ。そう、ドヤ顔。ろくに胸もねえくせに。
「あー。うん………」
包丁とイシダイ渡されたけど、これからどうするんだ?
切るのか?包丁っていったら切るよな?というか、イシダイベタベタしててキモいんだけど……わかんねえ。
「な、なぁ。柏木?どうやればいいの?」
「ん?あー。そうねー。難しいわよね?説明もなしじゃ……カスには」
「カスを強調すなっ!仕方ねえだろ?料理は大体母が姉なんだから」
そう、我が風見家の家事事情を天気予報風に言うと、母、時々姉なのだ。大体は母親がやってくれるが、父母共に働いているために、時々姉がやってくれる。うん。こんな時だけは姉がいてよかったと思ってしまう自分が情けなくてならないな。
「わかったわ。ゴミ見………いや、カス見君にもわかる様に見せてあげるわ」
柏木は俺から包丁を取り上げると、包丁の後ろの部分を使い、頭から尾びれに向かってすーすー。と、撫でる様に動かす。というか、ゴミ見?カス見?センスねえな。と、言ってやりたかったが、後々怖いのでやめておいた。
「あー。わかった。要するに猫やらの毛並み手入れみたいにやればいいんだろ?」
「ゴミでも見ればさすがにわかるのね」
柏木は満足そうに微笑む。
「……わるかったな」
そして、もくもくと作業をしていく。当然会話なんてない。木々がゆさゆさ言って揺れているだけだ。
「な、なあ。柏木。あのさ………」
「なにかしら?」
これはいつも通りの事なのに……なんで?なんでこんなに気まずいんだろ。
「俺も……その…言ってくれないとわからないから…その……なんだ」
「あ、二人とも~、並んでお料理ですかぁ?ラブラブだねっ!」
後ろから俺の声を遮るように、聞き慣れた声がかかる。
「姉さん、三枚におろしましょうか?」
「えぇ?照れちゃってーこのこのー」
そう言いながら、俺の横腹をうりうりーと肘でつつく。姉だからって、過度なスキンシップを取りすぎてるんじゃねえのか?
だけど、いつも世話になってるから何も言えねえんだよな。くそッ!
「あー。イシダイの処理なんて知ってるの?春樹」
俺の脇からひょこっと顔を出す姉さん。
「いや、知らない。というか、邪魔なんだけど?絞め殺すよ?」
「包丁かーしーて!」
あら?俺の脅しは軽く流された様だ。
そんな子供みたいなことをしてくる姉に包丁を譲り渡す。
「ありがとっ!」
ニコニコ笑う姉さんと包丁。なにかしでかしそうで怖え……
「あ、ご飯炊きます?」
後ろを振り返ると山口君がいた。
「あー。うん。お願い」
「了解です」
いつ見ても爽やかな笑顔ですね。
俺もなにもしないってのはなんだか嫌な感じだったので、イケメン君の手伝いをしていた。
「あ、お、おくれ……ました………」
三ヶ森さんが少し遅れて戻ってきた。抱えるように持っていたのは色とりどりの野菜たちである。
「あ、三ヶ森さん。持つよ」
俺が駆け寄ろうとしたのだが、先に発言したのはイケメン君。行動までイケメンとか許さねえぞ。
そんなこんなで、包丁やらを扱うのは女子、火やらは俺ら男がやるようになった。
そして、ご飯ができ、目の前には日本昔話のように盛られた白米、イシダイの姿煮、真鯛のカルパッチョが並べられた。
「「「いただきます」」」
みんなで合掌。
山のようにあったご飯は一瞬で無くなった。
だって、うめえんだもん。仕方ない。
「食った食ったー」
思わず声が漏れる。
「美味しかった?」
それに反応してきたのは向かいに座っていた柏木だった。
「あぁ!美味かった!」
「………そ、そう」
ほっと、ため息をつくように柏木はそう言う。
「じゃ、俺、片付けするわ」
昨日から特に俺はなにもしていないし、片付けくらいはと、そう立候補する。
「私も手伝うから、先にお風呂行っちゃいなさい?美柑」
「……わ、わかりました……」
いつから下の名前で呼び合う仲になったんだ?だけど、まあ、いいことかな?
「じゃ、お姉さんと一緒に行こうかー」
指の動きがただの変態ジジイの動きをしている姉に三ヶ森さんは捕まり、連れられ、荷物置き場の方面にダーっと走って行ってしまった。
「よし、じゃ、さっさと終わらせようかっ!!」
イケメン君も手伝ってくれるらしい。
『我が同士よ。わかっているではないか』
と、目で語りかける。
山口はイケメンな笑顔を見せて、さっと食器を持った。
そして、三人肩を並べて食器を洗う。
無言だろうかなんだろうか知ったこっちゃない。エロの前にはなにもかも無力。エロこそが真の正義でエロこそが、至高っ!
終わった瞬間、ばっと、スタートを切り風呂場に駆ける。全速力で。
「な、なんでそんなに急ぐのよっ!!」
柏木も後ろについてきていた。
「な、なんでって、なんでもいいだろ?早く風呂に行きたいだけだ」
なんて、走りながら返す。
本当に柏木はやいな。一応高校二年生の俺ら男子についてこれるんだ。運動部に欲しい逸材だろ。これ。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。
粗暴で優しい幼馴染彼氏はおっとり系彼女を好きすぎる
春音優月
恋愛
おっとりふわふわ大学生の一色のどかは、中学生の時から付き合っている幼馴染彼氏の黒瀬逸希と同棲中。態度や口は荒っぽい逸希だけど、のどかへの愛は大きすぎるほど。
幸せいっぱいなはずなのに、逸希から一度も「好き」と言われてないことに気がついてしまって……?
幼馴染大学生の糖度高めなショートストーリー。
2024.03.06
イラスト:雪緒さま
人違いラブレターに慣れていたので今回の手紙もスルーしたら、片思いしていた男の子に告白されました。この手紙が、間違いじゃないって本当ですか?
石河 翠
恋愛
クラス内に「ワタナベ」がふたりいるため、「可愛いほうのワタナベさん」宛のラブレターをしょっちゅう受け取ってしまう「そうじゃないほうのワタナベさん」こと主人公の「わたし」。
ある日「わたし」は下駄箱で、万年筆で丁寧に宛名を書いたラブレターを見つける。またかとがっかりした「わたし」は、その手紙をもうひとりの「ワタナベ」の下駄箱へ入れる。
ところが、その話を聞いた隣のクラスのサイトウくんは、「わたし」が驚くほど動揺してしまう。 実はその手紙は本当に彼女宛だったことが判明する。そしてその手紙を書いた「地味なほうのサイトウくん」にも大きな秘密があって……。
「真面目」以外にとりえがないと思っている「わたし」と、そんな彼女を見守るサイトウくんの少女マンガのような恋のおはなし。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しています。
扉絵は汐の音さまに描いていただきました。
先輩に退部を命じられた僕を励ましてくれたアイドル級美少女の後輩マネージャーを成り行きで家に上げたら、なぜかその後も入り浸るようになった件
桜 偉村
恋愛
別にいいんじゃないんですか? 上手くならなくても——。
後輩マネージャーのその一言が、彼の人生を変えた。
全国常連の高校サッカー部の三軍に所属していた如月 巧(きさらぎ たくみ)は、自分の能力に限界を感じていた。
練習試合でも敗因となってしまった巧は、三軍キャプテンの武岡(たけおか)に退部を命じられて絶望する。
武岡にとって、巧はチームのお荷物であると同時に、アイドル級美少女マネージャーの白雪 香奈(しらゆき かな)と親しくしている目障りな存在だった。
だから、自信をなくしている巧を追い込んで退部させ、香奈と距離を置かせようとしたのだ。
そうすれば、香奈は自分のモノになると思っていたから。
武岡の思惑通り、巧はサッカー部を辞めようとしていた。
しかし、そこに香奈が現れる。
成り行きで香奈を家に上げた巧だが、なぜか彼女はその後も彼の家を訪れるようになって——。
「これは警告だよ」
「勘違いしないんでしょ?」
「僕がサッカーを続けられたのは、君のおかげだから」
「仲が良いだけの先輩に、あんなことまですると思ってたんですか?」
甘酸っぱくて、爽やかで、焦れったくて、クスッと笑えて……
オレンジジュース(のような青春)が好きな人必見の現代ラブコメ、ここに開幕!
※これより下では今後のストーリーの大まかな流れについて記載しています。
「話のなんとなくの流れや雰囲気を抑えておきたい」「ざまぁ展開がいつになるのか知りたい!」という方のみご一読ください。
【今後の大まかな流れ】
第1話、第2話でざまぁの伏線が作られます。
第1話はざまぁへの伏線というよりはラブコメ要素が強いので、「早くざまぁ展開見たい!」という方はサラッと読んでいただいて構いません!
本格的なざまぁが行われるのは第15話前後を予定しています。どうかお楽しみに!
また、特に第4話からは基本的にラブコメ展開が続きます。シリアス展開はないので、ほっこりしつつ甘さも補充できます!
※最初のざまぁが行われた後も基本はラブコメしつつ、ちょくちょくざまぁ要素も入れていこうかなと思っています。
少しでも「面白いな」「続きが気になる」と思った方は、ざっと内容を把握しつつ第20話、いえ第2話くらいまでお読みいただけると嬉しいです!
※基本は一途ですが、メインヒロイン以外との絡みも多少あります。
※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
私はお世話係じゃありません!
椿蛍
恋愛
幼い頃から、私、島田桜帆(しまださほ)は倉永夏向(くらながかなた)の面倒をみてきた。
幼馴染みの夏向は気づくと、天才と呼ばれ、ハッカーとしての腕を買われて時任(ときとう)グループの副社長になっていた!
けれど、日常生活能力は成長していなかった。
放って置くと干からびて、ミイラになっちゃうんじゃない?ってくらいに何もできない。
きっと神様は人としての能力値の振り方を間違えたに違いない。
幼馴染みとして、そんな夏向の面倒を見てきたけど、夏向を好きだという会社の秘書の女の子が現れた。
もうお世話係はおしまいよね?
★視点切り替えあります。
★R-18には※R-18をつけます。
★飛ばして読むことも可能です。
★時任シリーズ第2弾
母になる、その途中で
ゆう
恋愛
『母になる、その途中で』
大学卒業を控えた21歳の如月あゆみは、かつての恩師・星宮すばると再会する。すばるがシングルファーザーで、二人の子ども(れん・りお)を育てていることを知ったあゆみは、家族としての役割に戸惑いながらも、次第に彼らとの絆を深めていく。しかし、子どもを愛せるのか、母親としての自分を受け入れられるのか、悩む日々が続く。
完璧な母親像に縛られることなく、ありのままの自分で家族と向き合うあゆみの成長と葛藤を描いた物語。家庭の温かさや絆、自己成長の大切さを通じて、家族の意味を見つけていく彼女の姿に共感すること間違いなしです。
不安と迷いを抱えながらも、自分を信じて前に進むあゆみの姿が描かれた、感動的で温かいストーリー。あなたもきっと、あゆみの成長に胸を打たれることでしょう。
【この物語の魅力】
成長する主人公が描く心温まる家族の物語
母親としての葛藤と自己矛盾を描いたリアルな感情
家族としての絆を深めながら進んでいく愛と挑戦
心温まるストーリーをぜひお楽しみください。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる