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2 ズラン侯爵令息とはどんな人なのか
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カバードが持っていた白い紙は婚約の契約書だった。
私とボルバー様とかいう人が婚約した場合の条件が詳しく書かれていて、下のほうには双方と保護者の署名欄がある。
なぜか、私の署名は勝手に書かれていた。
書いた覚えはないし、お父様が勝手に署名したんでしょう。
お相手の名前を見ても、どんな人かわからなかった。
礼儀作法は教えてもらっているけど、貴族の名前は教えてもらっていない。
私はレモンズ侯爵家では存在していない子供だ。
だから、社交場に連れて行ってもらえないので、貴族との関わりがないので、覚える必要がなかったからだ。
……まさかこんな形で、貴族の知識が必要になるだなんて思ってもいなかった。
レモンズ侯爵邸にお客様が来る場合は、使用人達には事前にお客様の情報が共有される。
候爵邸に来た人の名前なら知識はある。
でも、それ以外の貴族のことは、全くと言っていいほどわからない。
紙に書かれているボルバー・ズランという相手の名前をしっかり頭の中に叩き込んでから、紙をカバードに返す。
「返すわ。教えてくれてありがとう」
「おい、文章を読んだか? 悲しいだろう? 嫌になるだろう? なあ、泣けよ!」
カバードは紙を大事そうに胸に抱きしめて、ニヤニヤと笑う。
どうして、泣かないといけないの?
カバードの様子から推測するに、私のお相手は普通の令嬢なら泣いてしまうくらいに嫌な相手らしい。
まあ、お父様が私にあてがうような婚約者だから、碌な人間ではないことくらいは想像できる。
ゲラゲラと笑っている次期侯爵をぼんやりと見つめる。
何がおかしいのか涙を流して笑ってるわ。
こんなことで、ここまで笑えたら幸せね。
こんな人が家督を継いだら、この家が没落することは目に見えていら。
いや、没落前に追い出されているかもしれない。
そうなると、私は路頭に迷うことになってしまう。
使用人扱いされているのに、給金なんて一度ももらったことがない。
普段着はメイド服だし、そのメイド服だってメイド長が用意してくれたものだ。
お父様は寝る場所があるのだから、それが給金の代わりと言われている。
カバードが爵位を継ぐまでに、誰かに嫁にもらってもらうか、働き先を探さなければいけないとは思っていた。
だから、嫁ぎ先が決まったことは有り難いことではある。
ボルバー様という人が扱いやすい人であることを祈るしかない。
そうだわ。
今日は家庭教師の先生が来るから、先生にボルバー様がどんな人か聞いてみましょう。
「おい、何で俺を見てボーッとしてるんだよ!」
考え事をしていただけなのに、カバードに顔を向けていたからか、彼を見つめていると思われたらしい。
なぜか、頬を赤らめているカバードを見て不思議に思う。
何で怒ってるのか謎だわ。
もしかして、見惚れているとでも勘違いしたのかしら。
もし、そうだったとしたら、ポジティブ思考で羨ましい反面、迷惑でもある。
「ごめんなさい。あなたに見惚れることなんてないから安心して?」
笑顔で言うと、カバードは眉根を寄せて叫ぶ。
「な、何だと!? 別にごまかさかくても良いんだぞ! 俺に見惚れていたとしても別におかしいことではないんだからな!」
「あなたは私の好みの顔じゃないのよ。性格の悪さがにじみ出てるんだもの。どちらかというと殴りたくなる顔ね。それよりも、その契約書、勝手に持ってきて良かったの? 怒られるんじゃない?」
勝手に持ってきたどうかはわからない。
なんとなく、そんな気がしたので聞いてみた。
すると、カバードは焦った顔になって答える。
「だ、大丈夫に決まっているだろう! 」
そう言ったくせに、カバードは慌てて、お父様の執務室の方向に向かって走っていった。
何なのあれ。
相変わらず、思考が理解できない男だわ。
「……大変でしたわね」
背後から声を掛けられて振り返ると、二人の家庭教師の内の一人、メイ伯爵夫人が立っていた。
気配がまったく感じられなかった。
私もこんな風に気配を消したいものだわ。
そうすれば、カバード達に絡まれなくて済むでしょうしね。
カーテシーをして話しかける。
「メイ伯爵夫人、ごきげんよう。いつから見ていたんですか?」
「ごきげんよう。最初からですわ。カバード様のことですもの。レモンズ侯爵にバレてしまった時は、あなたに言われて紙を持っていったのだと言うでしょう。その時は私が証人になりますわね」
「ありがとうございます。本当に助かります」
「ところで、婚約者のお相手のお名前は覚えていますわよね? 教えてくださらない?」
メイ伯爵夫人に尋ねられ「ボルバー・ズラン様と書かれていました」と答えた。
すると、元々気難しそうな顔をしている夫人の表情がもっと難しいものになった。
「厄介な方を押し付けられましたわね」
「やはり、そうでしたか。どのような方なのでしょうか?」
「……ズラン侯爵家の次男ですわ」
「侯爵家とは予想外でした。お父様がボルバー様を私の婚約者にする理由は、彼が次男だからでしょうか。それとも他に何かあるのでしょうか」
「そうですわね。立ち話もなんですから、詳しい話はお部屋でいたしますわね」
今日はメイ伯爵夫人が勉強を教えてくれる日だ。
家庭教師の時間は決まっているため、他の使用人に声をかけなくてもわかってくれている。
だから、メイ伯爵夫人と一緒に、私の部屋へと向かった。
まずは、アフォーレ達の宿題を終えたあと、メイ伯爵夫人はボルバー様の話をしてくれた。
「ボルバー様は女性好きということで、とても有名ですわ。そして、年上の女性が特にお好みだと聞いています」
「年上といいますと、どれくらい年上でしょうか」
「そうですわね。熟女が好みだと聞いたことがあります。ボルバー様は今は20歳ですから、50歳前後でしょうか」
「それなら、その年代の方と結婚すればよいのに」
「それだけでなく、彼は既婚者に魅力を感じるんですの。お相手の旦那様にバレるかバレないかの緊張感が楽しいようですわ」
「最悪な人じゃないですか」
そんな人と婚約して結婚しても、浮気されることは目に見えている。
「結婚して浮気されたら、すぐに慰謝料をもらって逃げるとかでも良いんでしょうか?」
「それは難しいと思いますわ」
「どういうことでしょう」
艶のある黒髪をシニヨンにした長身痩躯のメイ伯爵夫人は、眉根を寄せて私の質問に答える。
「現在のズラン侯爵は自分の持っている伯爵などの爵位をボルバー様には授けないと言ってらっしゃるの」
「……ということは、長男がズラン侯爵家を継いだら」
「彼は平民になってしまいますわね。あなたが彼と結婚していたら、あなたも平民です」
「平民になることは嫌ではありません。ですが、慰謝料がもらえないのは困ります!」
ボルバー様との婚約はまだしも、結婚までに破談に持っていけるようにしないとね。
まずは、今そこにある危機を回避することから始めましょう。
破談になれば追い出されてしまうし、それはとても困る。
私の場合、自分の身は自分で守るしかないんだもの。
婚約する以上は顔合わせをする日がくるでしょう。
果たして、ズラン侯爵令息は私にどんな態度をとるのかしら。
あまりにも失礼な態度を取るなら、攻撃しても良い……わけないか。
いや、ちょっとくらいなら良いかしら?
私とボルバー様とかいう人が婚約した場合の条件が詳しく書かれていて、下のほうには双方と保護者の署名欄がある。
なぜか、私の署名は勝手に書かれていた。
書いた覚えはないし、お父様が勝手に署名したんでしょう。
お相手の名前を見ても、どんな人かわからなかった。
礼儀作法は教えてもらっているけど、貴族の名前は教えてもらっていない。
私はレモンズ侯爵家では存在していない子供だ。
だから、社交場に連れて行ってもらえないので、貴族との関わりがないので、覚える必要がなかったからだ。
……まさかこんな形で、貴族の知識が必要になるだなんて思ってもいなかった。
レモンズ侯爵邸にお客様が来る場合は、使用人達には事前にお客様の情報が共有される。
候爵邸に来た人の名前なら知識はある。
でも、それ以外の貴族のことは、全くと言っていいほどわからない。
紙に書かれているボルバー・ズランという相手の名前をしっかり頭の中に叩き込んでから、紙をカバードに返す。
「返すわ。教えてくれてありがとう」
「おい、文章を読んだか? 悲しいだろう? 嫌になるだろう? なあ、泣けよ!」
カバードは紙を大事そうに胸に抱きしめて、ニヤニヤと笑う。
どうして、泣かないといけないの?
カバードの様子から推測するに、私のお相手は普通の令嬢なら泣いてしまうくらいに嫌な相手らしい。
まあ、お父様が私にあてがうような婚約者だから、碌な人間ではないことくらいは想像できる。
ゲラゲラと笑っている次期侯爵をぼんやりと見つめる。
何がおかしいのか涙を流して笑ってるわ。
こんなことで、ここまで笑えたら幸せね。
こんな人が家督を継いだら、この家が没落することは目に見えていら。
いや、没落前に追い出されているかもしれない。
そうなると、私は路頭に迷うことになってしまう。
使用人扱いされているのに、給金なんて一度ももらったことがない。
普段着はメイド服だし、そのメイド服だってメイド長が用意してくれたものだ。
お父様は寝る場所があるのだから、それが給金の代わりと言われている。
カバードが爵位を継ぐまでに、誰かに嫁にもらってもらうか、働き先を探さなければいけないとは思っていた。
だから、嫁ぎ先が決まったことは有り難いことではある。
ボルバー様という人が扱いやすい人であることを祈るしかない。
そうだわ。
今日は家庭教師の先生が来るから、先生にボルバー様がどんな人か聞いてみましょう。
「おい、何で俺を見てボーッとしてるんだよ!」
考え事をしていただけなのに、カバードに顔を向けていたからか、彼を見つめていると思われたらしい。
なぜか、頬を赤らめているカバードを見て不思議に思う。
何で怒ってるのか謎だわ。
もしかして、見惚れているとでも勘違いしたのかしら。
もし、そうだったとしたら、ポジティブ思考で羨ましい反面、迷惑でもある。
「ごめんなさい。あなたに見惚れることなんてないから安心して?」
笑顔で言うと、カバードは眉根を寄せて叫ぶ。
「な、何だと!? 別にごまかさかくても良いんだぞ! 俺に見惚れていたとしても別におかしいことではないんだからな!」
「あなたは私の好みの顔じゃないのよ。性格の悪さがにじみ出てるんだもの。どちらかというと殴りたくなる顔ね。それよりも、その契約書、勝手に持ってきて良かったの? 怒られるんじゃない?」
勝手に持ってきたどうかはわからない。
なんとなく、そんな気がしたので聞いてみた。
すると、カバードは焦った顔になって答える。
「だ、大丈夫に決まっているだろう! 」
そう言ったくせに、カバードは慌てて、お父様の執務室の方向に向かって走っていった。
何なのあれ。
相変わらず、思考が理解できない男だわ。
「……大変でしたわね」
背後から声を掛けられて振り返ると、二人の家庭教師の内の一人、メイ伯爵夫人が立っていた。
気配がまったく感じられなかった。
私もこんな風に気配を消したいものだわ。
そうすれば、カバード達に絡まれなくて済むでしょうしね。
カーテシーをして話しかける。
「メイ伯爵夫人、ごきげんよう。いつから見ていたんですか?」
「ごきげんよう。最初からですわ。カバード様のことですもの。レモンズ侯爵にバレてしまった時は、あなたに言われて紙を持っていったのだと言うでしょう。その時は私が証人になりますわね」
「ありがとうございます。本当に助かります」
「ところで、婚約者のお相手のお名前は覚えていますわよね? 教えてくださらない?」
メイ伯爵夫人に尋ねられ「ボルバー・ズラン様と書かれていました」と答えた。
すると、元々気難しそうな顔をしている夫人の表情がもっと難しいものになった。
「厄介な方を押し付けられましたわね」
「やはり、そうでしたか。どのような方なのでしょうか?」
「……ズラン侯爵家の次男ですわ」
「侯爵家とは予想外でした。お父様がボルバー様を私の婚約者にする理由は、彼が次男だからでしょうか。それとも他に何かあるのでしょうか」
「そうですわね。立ち話もなんですから、詳しい話はお部屋でいたしますわね」
今日はメイ伯爵夫人が勉強を教えてくれる日だ。
家庭教師の時間は決まっているため、他の使用人に声をかけなくてもわかってくれている。
だから、メイ伯爵夫人と一緒に、私の部屋へと向かった。
まずは、アフォーレ達の宿題を終えたあと、メイ伯爵夫人はボルバー様の話をしてくれた。
「ボルバー様は女性好きということで、とても有名ですわ。そして、年上の女性が特にお好みだと聞いています」
「年上といいますと、どれくらい年上でしょうか」
「そうですわね。熟女が好みだと聞いたことがあります。ボルバー様は今は20歳ですから、50歳前後でしょうか」
「それなら、その年代の方と結婚すればよいのに」
「それだけでなく、彼は既婚者に魅力を感じるんですの。お相手の旦那様にバレるかバレないかの緊張感が楽しいようですわ」
「最悪な人じゃないですか」
そんな人と婚約して結婚しても、浮気されることは目に見えている。
「結婚して浮気されたら、すぐに慰謝料をもらって逃げるとかでも良いんでしょうか?」
「それは難しいと思いますわ」
「どういうことでしょう」
艶のある黒髪をシニヨンにした長身痩躯のメイ伯爵夫人は、眉根を寄せて私の質問に答える。
「現在のズラン侯爵は自分の持っている伯爵などの爵位をボルバー様には授けないと言ってらっしゃるの」
「……ということは、長男がズラン侯爵家を継いだら」
「彼は平民になってしまいますわね。あなたが彼と結婚していたら、あなたも平民です」
「平民になることは嫌ではありません。ですが、慰謝料がもらえないのは困ります!」
ボルバー様との婚約はまだしも、結婚までに破談に持っていけるようにしないとね。
まずは、今そこにある危機を回避することから始めましょう。
破談になれば追い出されてしまうし、それはとても困る。
私の場合、自分の身は自分で守るしかないんだもの。
婚約する以上は顔合わせをする日がくるでしょう。
果たして、ズラン侯爵令息は私にどんな態度をとるのかしら。
あまりにも失礼な態度を取るなら、攻撃しても良い……わけないか。
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