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番外編
嫉妬するのは悪いこと? ②
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「二人共、元気にしていたかい?」
アルフレッド殿下は満面の笑みを浮かべて、こちらに近づきながら話しかけてきた。
苦虫を噛み潰したような顔をしたロキがリュシリュー殿下のほうに無言で視線を向けると、リュシリュー殿下は申し訳無さそうな顔になって口を開く。
「俺の誕生日パーティーに弟がいないのもおかしいだろうということで、今日はこのホール内で放し飼いにすることになったんだ」
「「放し飼い」」
私とロキの呆れた声が重なった。
リュシリュー殿下も普通の人とは違い、変わっているところがあると思っていた。
そんなリュシリュー殿下にここまで言わせてしまうアルフレッド殿下はある意味すごいと思う。
「どうしたんだい、二人共。難しい顔をしているね」
アルフレッド殿下は満面の笑みを浮かべて、私たちの前に立ちはだかると、目にかかった前髪を優雅に払って微笑むと話し続ける。
「僕のカッコ良さに見惚れてしまっているというところかな? うんうん、わかるよ。僕は今は恋人がいないから、キャスティーちゃんのお相手をしてあげたいところだけど、やっぱりほら、君とお付き合いなんてしたら国際問題になるじゃないか」
「アルフレッド殿下とお付き合いしたいと思ったことは一度もありませんので、ご心配なく!」
笑顔で伝えると、アルフレッド殿下はきょとんとした顔をしたあと、私に顔を近づけてきた。
「おかしいなぁ。もしかしてキャスティーちゃん、目が悪くなったとかかな?」
「そんなわけがないでしょう」
私が言い返す前に、ロキが私を自分のほうに抱き寄せてから、アルフレッド殿下に忠告する。
「彼女は僕の妻になる人です。冗談でも先程のような発言は許せません」
「そ、そんなに怒らなくても良いじゃないですか」
ロキの様子を見てアルフレッド殿下が焦っていると、リュシリュー殿下が厳しい口調で話しかける。
「アルフレッド。お前は一体何を考えているんだ」
「何を考えているんだって言われても……。兄上、僕はモテるんですよ。キャスティーちゃんが僕のことを好きになってもおかしくないと思います」
「モテるのかどうだか知らないが、少なくともアイラ嬢はお前のことを恋愛対象として見ているとは思えない」
「リュシリュー殿下のおっしゃるとおり、アルフレッド殿下を恋愛対象として見たことは一度もございません!」
ロキに後ろから抱きしめられたままの状態でリュシリュー殿下の言葉に何度も頷くと、アルフレッド殿下は悲しそうな顔になって、首を何度も横に振る。
「そんな嘘はつかなくてもいいんだよ。まあ、そう言わなくちゃいけないということもわかってはいるけどね。僕は友人としてキャスティーちゃんと仲良くなりたいんだよ! 彼女の実家が経営しているケーキ屋さんはかなり儲かっていると聞いたからね。ぜひ、その儲けたお金を僕に貢いでほしいんだよ!」
「いい加減にしてください」
ロキの声に怒気が含まれていることを感じ取ったリュシリュー殿下が、慌てて私たちに謝る。
「弟が本当に申し訳ない。部屋に閉じ込めてこようと思うので失礼させてもらう。楽しんでいってくれ」
リュシリュー殿下はアルフレッド殿下の首根っこを掴んで、パーティー会場の外に出て行った。
そこまでは良いものの側近らしき人に「リュシリュー殿下、そちらにアルフレッド殿下の部屋はありません!」と注意されていたので、方向音痴はそのままなのだということがわかった。
アルフレッド殿下は満面の笑みを浮かべて、こちらに近づきながら話しかけてきた。
苦虫を噛み潰したような顔をしたロキがリュシリュー殿下のほうに無言で視線を向けると、リュシリュー殿下は申し訳無さそうな顔になって口を開く。
「俺の誕生日パーティーに弟がいないのもおかしいだろうということで、今日はこのホール内で放し飼いにすることになったんだ」
「「放し飼い」」
私とロキの呆れた声が重なった。
リュシリュー殿下も普通の人とは違い、変わっているところがあると思っていた。
そんなリュシリュー殿下にここまで言わせてしまうアルフレッド殿下はある意味すごいと思う。
「どうしたんだい、二人共。難しい顔をしているね」
アルフレッド殿下は満面の笑みを浮かべて、私たちの前に立ちはだかると、目にかかった前髪を優雅に払って微笑むと話し続ける。
「僕のカッコ良さに見惚れてしまっているというところかな? うんうん、わかるよ。僕は今は恋人がいないから、キャスティーちゃんのお相手をしてあげたいところだけど、やっぱりほら、君とお付き合いなんてしたら国際問題になるじゃないか」
「アルフレッド殿下とお付き合いしたいと思ったことは一度もありませんので、ご心配なく!」
笑顔で伝えると、アルフレッド殿下はきょとんとした顔をしたあと、私に顔を近づけてきた。
「おかしいなぁ。もしかしてキャスティーちゃん、目が悪くなったとかかな?」
「そんなわけがないでしょう」
私が言い返す前に、ロキが私を自分のほうに抱き寄せてから、アルフレッド殿下に忠告する。
「彼女は僕の妻になる人です。冗談でも先程のような発言は許せません」
「そ、そんなに怒らなくても良いじゃないですか」
ロキの様子を見てアルフレッド殿下が焦っていると、リュシリュー殿下が厳しい口調で話しかける。
「アルフレッド。お前は一体何を考えているんだ」
「何を考えているんだって言われても……。兄上、僕はモテるんですよ。キャスティーちゃんが僕のことを好きになってもおかしくないと思います」
「モテるのかどうだか知らないが、少なくともアイラ嬢はお前のことを恋愛対象として見ているとは思えない」
「リュシリュー殿下のおっしゃるとおり、アルフレッド殿下を恋愛対象として見たことは一度もございません!」
ロキに後ろから抱きしめられたままの状態でリュシリュー殿下の言葉に何度も頷くと、アルフレッド殿下は悲しそうな顔になって、首を何度も横に振る。
「そんな嘘はつかなくてもいいんだよ。まあ、そう言わなくちゃいけないということもわかってはいるけどね。僕は友人としてキャスティーちゃんと仲良くなりたいんだよ! 彼女の実家が経営しているケーキ屋さんはかなり儲かっていると聞いたからね。ぜひ、その儲けたお金を僕に貢いでほしいんだよ!」
「いい加減にしてください」
ロキの声に怒気が含まれていることを感じ取ったリュシリュー殿下が、慌てて私たちに謝る。
「弟が本当に申し訳ない。部屋に閉じ込めてこようと思うので失礼させてもらう。楽しんでいってくれ」
リュシリュー殿下はアルフレッド殿下の首根っこを掴んで、パーティー会場の外に出て行った。
そこまでは良いものの側近らしき人に「リュシリュー殿下、そちらにアルフレッド殿下の部屋はありません!」と注意されていたので、方向音痴はそのままなのだということがわかった。
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