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番外編
嫉妬するのは悪いこと? ①
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私の心変わりを恐れたロキのせいで、結婚の準備は私が知らないうちに着々と進められていて、気が付いた時には、式場も日取りも決まっていた。
一般の貴族は結婚式の式場や、どんな風に式を進めるかは、ある程度は家族の意見を取り入れながらも、自分たちの望むものをウェディングプランナーの人と話し合って決める。
私の場合は、私に意見が許されたのはウェディングドレスのデザインだけで、結婚式などは王家のしきたりに倣うのだと言われた。
結婚が近づくと、マリッジブルーになる人もいると聞くけれど、現在の私はまさしくそんな状態だった。
「嫌だ。結婚したくない」
結婚が決まってからは家に帰っても良いことになったので、実家で嘆いていると、お母様が苦笑する。
「あなたの場合はお相手が普通の人とは違うものね。それにしても、王太子殿下はあなたのどこが良かったのかしら」
「物怖じしないところじゃないかしら」
もしくは、学園生活をしている時に仲の良かった女子が私とサラだけで、エイドがサラのことを好きだったから、私を好きになるしかなかったんじゃないだろうか。
ダイニングテーブルの机に突っ伏して嘆いていると、お父様が話しかけてくる。
「アイラはロキアス様のことを好きじゃないのかな?」
「それは、まあ、好きですけど」
「今は不安かもしれないけれど、結婚したら二人で乗り越えていけばいい。好きな人と幸せになることが一番だよ」
「ロキと結婚すれば、お父様とお母様のようになれるかしら」
顔を上げて尋ねると、お父様とお母様ははにかんだ笑みを見せたあと、同時に頷いた。
******
結婚式が約40日後に迫った日、ポテン王国の第二王子であるリュシリュー殿下の誕生日パーティーに招待され、ロキと共に出席した。
ロキは紺色のタキシード姿で、普段のパーティーの時と見た目はそう変わらない。
だけど、パーティー会場に入った途端、女性陣からの熱い視線がすごかった。
隣を歩く私は、ピンク色を基調とした生地に寒色系の小花を散りばめた可愛らしいドレスだ。
ドレスが可愛いという声は聞こえてくるのに、私のことを褒めてくれる女性は少ない。
わかっていたことだから良いんだけど、ロキの隣を歩くということは外見まで求められてしまうので、それが憂鬱だった。
挨拶のあとにお祝いの言葉を述べて誕生日プレゼントを渡すと、リュシリュー殿下はとても喜んでくれた。
「ありがとう。来てくれただけでも嬉しいのに、プレゼントをもらえるなんて幸せだよ。ファルスタ王国のお店は良いところが多いし、また遊びに行かせてもらおう」
「歓迎いたしますが、一人で歩き回るのはおやめください」
「わかっているよ。ロキアス殿下たちに迷惑をかけたくないからね」
ロキの言葉にリュシリュー殿下は微笑んで頷いてから、私を優しい目で見つめる。
「アイラ嬢は見ない内に、より美しくなったね。ロキアス殿下のおかげだろうか」
「アイラは前から可愛いですよ」
私が何か言う前にロキが私の肩を抱き寄せて言った。
「羨ましいものだ。僕にもそんな風に思える女性が現れるだろうか」
「リュシリュー殿下でしたら、私よりも素敵な女性が見つかると思いますわ」
「そうだと良いんだけどな」
和やかに談笑していると、声を掛けてきた人物がいた。
「キャスティーちゃんじゃないか!」
ファルスタ王国の王太子妃候補である私に、馴れ馴れしく話しかけてくる人なんて多くいるものではない。
聞き覚えのある声なんだけど、たしか彼は軟禁されてるんじゃなかったっけ?
そう思いつつ後ろを振り返ると、そこには予想通りの人物、アルフレッド殿下の姿があった。
※
今日で終わるつもりでしたが、予想よりも長くなったのでもう少しだけお付き合いくださいませ!
一般の貴族は結婚式の式場や、どんな風に式を進めるかは、ある程度は家族の意見を取り入れながらも、自分たちの望むものをウェディングプランナーの人と話し合って決める。
私の場合は、私に意見が許されたのはウェディングドレスのデザインだけで、結婚式などは王家のしきたりに倣うのだと言われた。
結婚が近づくと、マリッジブルーになる人もいると聞くけれど、現在の私はまさしくそんな状態だった。
「嫌だ。結婚したくない」
結婚が決まってからは家に帰っても良いことになったので、実家で嘆いていると、お母様が苦笑する。
「あなたの場合はお相手が普通の人とは違うものね。それにしても、王太子殿下はあなたのどこが良かったのかしら」
「物怖じしないところじゃないかしら」
もしくは、学園生活をしている時に仲の良かった女子が私とサラだけで、エイドがサラのことを好きだったから、私を好きになるしかなかったんじゃないだろうか。
ダイニングテーブルの机に突っ伏して嘆いていると、お父様が話しかけてくる。
「アイラはロキアス様のことを好きじゃないのかな?」
「それは、まあ、好きですけど」
「今は不安かもしれないけれど、結婚したら二人で乗り越えていけばいい。好きな人と幸せになることが一番だよ」
「ロキと結婚すれば、お父様とお母様のようになれるかしら」
顔を上げて尋ねると、お父様とお母様ははにかんだ笑みを見せたあと、同時に頷いた。
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結婚式が約40日後に迫った日、ポテン王国の第二王子であるリュシリュー殿下の誕生日パーティーに招待され、ロキと共に出席した。
ロキは紺色のタキシード姿で、普段のパーティーの時と見た目はそう変わらない。
だけど、パーティー会場に入った途端、女性陣からの熱い視線がすごかった。
隣を歩く私は、ピンク色を基調とした生地に寒色系の小花を散りばめた可愛らしいドレスだ。
ドレスが可愛いという声は聞こえてくるのに、私のことを褒めてくれる女性は少ない。
わかっていたことだから良いんだけど、ロキの隣を歩くということは外見まで求められてしまうので、それが憂鬱だった。
挨拶のあとにお祝いの言葉を述べて誕生日プレゼントを渡すと、リュシリュー殿下はとても喜んでくれた。
「ありがとう。来てくれただけでも嬉しいのに、プレゼントをもらえるなんて幸せだよ。ファルスタ王国のお店は良いところが多いし、また遊びに行かせてもらおう」
「歓迎いたしますが、一人で歩き回るのはおやめください」
「わかっているよ。ロキアス殿下たちに迷惑をかけたくないからね」
ロキの言葉にリュシリュー殿下は微笑んで頷いてから、私を優しい目で見つめる。
「アイラ嬢は見ない内に、より美しくなったね。ロキアス殿下のおかげだろうか」
「アイラは前から可愛いですよ」
私が何か言う前にロキが私の肩を抱き寄せて言った。
「羨ましいものだ。僕にもそんな風に思える女性が現れるだろうか」
「リュシリュー殿下でしたら、私よりも素敵な女性が見つかると思いますわ」
「そうだと良いんだけどな」
和やかに談笑していると、声を掛けてきた人物がいた。
「キャスティーちゃんじゃないか!」
ファルスタ王国の王太子妃候補である私に、馴れ馴れしく話しかけてくる人なんて多くいるものではない。
聞き覚えのある声なんだけど、たしか彼は軟禁されてるんじゃなかったっけ?
そう思いつつ後ろを振り返ると、そこには予想通りの人物、アルフレッド殿下の姿があった。
※
今日で終わるつもりでしたが、予想よりも長くなったのでもう少しだけお付き合いくださいませ!
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