21 / 61
20 ございますよ
しおりを挟む
結局、私はロキからもらった手紙の返事を書いた。
いや、書けた、と言ったほうが正しいのか、そこのところはよくわからない。
「恥ずかしくて死ぬかと思ったわ」
何とか返事を書き終え、封筒に封蝋を押したところで、私はばたりと書物机の上に上半身をゆだねた。
「大丈夫ですか、アイラ様」
コニーが苦笑して、ソーサーにのせられた花柄のティーカップを机の上に置いてくれた。
カップからは私の好きなフレーバーがした。
「お茶をありがとう。あ、コニー、これ、汚さないようにどこかにおいてくれるかしら。あと、この手紙はどうやって渡せばいいのかしら」
「そうですね。せっかくですし、直接、ロキ様に手渡すのはいかがでしょう?」
「え? 今、なんて?」
「今日はもう夜も遅いですし、今すぐはやめておいたほうが良いかもしれませんが、明日の夕方にでも持っていって差し上げたらいかがでしょう。 ロキ様のスケジュールを調べてお知らせいたしますわね」
「べ、別にそんなことしなくていいわよ! 返事を書いただけでも頑張ったでしょう」
ロキへの返事を書き始めてから、もう3時間は経っていて夕食もとれていない。
「はい。アイラ様はとても頑張っていらっしゃいました。ですから、あともうひと踏ん張りいかがでしょうか」
「もうひと踏ん張りだなんて無理よ! コニーの鬼!」
「ロキ様が小さな頃からお仕えしていますので、こんなことを言っては恐れ多いのですが、弟みたいで可愛い存在なんです。たまにはご褒美をあげて下さい」
苦笑するコニーに、私は書き物机に突っ伏した状態で顔だけ上げて言う。
「そりゃそうよね。付き合いの長さは私とロキの付き合いよりも、コニーは長いものだものね。だから、コニーがロキの味方になるのもわかるわ」
「申し訳ございません。アイラ様がそれ程、嫌がられるとは思っていなかったんです。ですので、先程の言葉は忘れて下さいませ」
「いいえ、忘れません! いつもコニーたちにはお世話になってるから、それくらいさせてもらいます!」
「ありがとうございます、アイラ様」
怒っているわけでも拗ねているわけでもないことを伝えたくて、身を起こして笑顔で言うと、コニーは嬉しそうに微笑んで、お礼を言ってくれた。
コニーだけじゃなくて、マーサもキャシーも、ロキのことを良く思っているみたい。
私はコニーたちをすごく良い人たちだと思っているから、そんな人たちに好かれているロキは裏表のない良い人なんだと思う。
よし、明日はロキに手紙を渡せるように頑張らなくちゃ!
そう決めた瞬間、盛大にお腹が鳴った。
******
次の日は、マナーの先生から授業に集中できていないと怒られてしまった。
普通なら口を挟まないメイドたちだけれど、見かねたキャシーが、今日はロキ様に手紙を渡しに行くので緊張しているのだと伝えてくれた。
すると先生はなぜか喜んで、急遽、次にロキに手紙を書く時に役立てられるような文章などを教えてくれた。
すごく甘い言葉もあって、先生が書いてくれたものを読むだけでも恥ずかしかった。
コニーたちの計らいで、ロキにはサプライズで会いに行くことになった。
これについては、国王陛下から許可を得ているので、他の王太子妃候補に文句を言われることもなさそう。
そういえば、一言も話したことのない令嬢がいるんだけど、あの令嬢とは、この先も話すことはないのかしら。
あの人は何を目的にしているのだろう。
「アイラ様、手紙を渡しに行く前に身なりを整えましょう」
コニーたちはそう言うと、手紙を渡しに行くだけなのに、綺麗なドレスに着替えさせられメイクもされて、またもや別人のようにされてしまった。
私のすっぴんを相手は知ってるのに、意味があるのかしら。
そんなことを思ってから付いてきてくれているメイドたちに話しかける。
「別に付いてきてくれるのはかまわないわ。だけど、3人共付いてくるだなんて」
「アイラ様がやっぱりやめた、と言い出さないように応援する人数は多いほうが良いかと思いまして!」
「三人で私の逃げ場をなくそうとしてるの!?」
ブツブツ文句を言っている私を、ロキの部屋の前までメイド三人組が連れて行ってくれた。
マーサが代表して扉をノックする。
「ロキ様、マーサです。お忙しいところ申し訳ございませんが、今少しだけ、お時間よろしいでしょうか」
「ああ。かまわない。入ってくれ」
「アイラ様、では、ここからはお一人でどうぞ」
マーサは満面の笑みを浮かべて、小声で言うと扉を開けてくれた。
緊張しながら、初めてロキの部屋に入る。
部屋はものすごく広くて、実家の私の部屋の3倍以上はあるように見える。
奥のほうには大きなベッドが置かれていて、ロキはそのすぐ近くに置かれてある、執務机のような大きな机の椅子に座って書類を読んでいた。
そろーり、そろーりと足音を忍ばせて近付いていく。
すると、入ってきた相手が何も言葉を発さないことを不思議に思ったのか、ロキが書類から目を離して、私のほうを見た。
「「っ!?」」
ロキと私は目が合うと、お互いに声にならない声を上げて動きを止めた。
しばらくの沈黙のあと、先に動きを再開できたのは私のほうだった。
「では、失礼します」
「いや、帰るのが早すぎるだろ! 来たばかりじゃないか」
ロキに引き止められて、私は足を止めた。
そうよ。
せめて、一生懸命書いた、この手紙だけでも渡さないといけないわ。
ゆっくりと振り返ると、すぐ傍にロキがいて、私が抱きしめている封筒を指差した。
「アイラに会えて嬉しいよ。っていうか、その封筒、もしかして僕宛だったりする?」
「そ、そそ、そそそ」
「そそそ?」
「そうですぅ!!」
叫んでから、目をつぶって手紙を差し出した。
すると、私が思っていた様な感触ではなかったので、ゆっくりと目を開く。
目をつぶっていたせいで、ロキの胸に押し付けるつもりが、ロキの額に両手で手紙を押し付ける形になってしまっていることに気が付いた。
どこをどう間違ったのよ、私は!
慌ててロキから離れて謝る。
「ご、ごめん、ロキ。い、痛かったわよね」
「……そりゃ痛いだろ」
「ですよね!! ごめんなさい!」
手紙を片手だけで持ち、空いているほうの手でロキの額を撫でる。
ロキは私の手に優しく触れて言う。
「大丈夫だから気にしなくていいよ。目じゃなくて良かった」
「そんなことしちゃったら、私、不敬罪で殺されてしまうわ」
「それは大丈夫だよ。僕が生きている限り、君をそんなことにはさせない」
ロキは苦笑したあと、握りしめたり押し付けたりしたせいで、私の手の中でよれよれになってしまった手紙を指差す。
「で、もらってもいいのかな?」
「も、もちろんでございますでございますよ」
私の返事を聞いた途端、ロキが噴き出した。
いや、書けた、と言ったほうが正しいのか、そこのところはよくわからない。
「恥ずかしくて死ぬかと思ったわ」
何とか返事を書き終え、封筒に封蝋を押したところで、私はばたりと書物机の上に上半身をゆだねた。
「大丈夫ですか、アイラ様」
コニーが苦笑して、ソーサーにのせられた花柄のティーカップを机の上に置いてくれた。
カップからは私の好きなフレーバーがした。
「お茶をありがとう。あ、コニー、これ、汚さないようにどこかにおいてくれるかしら。あと、この手紙はどうやって渡せばいいのかしら」
「そうですね。せっかくですし、直接、ロキ様に手渡すのはいかがでしょう?」
「え? 今、なんて?」
「今日はもう夜も遅いですし、今すぐはやめておいたほうが良いかもしれませんが、明日の夕方にでも持っていって差し上げたらいかがでしょう。 ロキ様のスケジュールを調べてお知らせいたしますわね」
「べ、別にそんなことしなくていいわよ! 返事を書いただけでも頑張ったでしょう」
ロキへの返事を書き始めてから、もう3時間は経っていて夕食もとれていない。
「はい。アイラ様はとても頑張っていらっしゃいました。ですから、あともうひと踏ん張りいかがでしょうか」
「もうひと踏ん張りだなんて無理よ! コニーの鬼!」
「ロキ様が小さな頃からお仕えしていますので、こんなことを言っては恐れ多いのですが、弟みたいで可愛い存在なんです。たまにはご褒美をあげて下さい」
苦笑するコニーに、私は書き物机に突っ伏した状態で顔だけ上げて言う。
「そりゃそうよね。付き合いの長さは私とロキの付き合いよりも、コニーは長いものだものね。だから、コニーがロキの味方になるのもわかるわ」
「申し訳ございません。アイラ様がそれ程、嫌がられるとは思っていなかったんです。ですので、先程の言葉は忘れて下さいませ」
「いいえ、忘れません! いつもコニーたちにはお世話になってるから、それくらいさせてもらいます!」
「ありがとうございます、アイラ様」
怒っているわけでも拗ねているわけでもないことを伝えたくて、身を起こして笑顔で言うと、コニーは嬉しそうに微笑んで、お礼を言ってくれた。
コニーだけじゃなくて、マーサもキャシーも、ロキのことを良く思っているみたい。
私はコニーたちをすごく良い人たちだと思っているから、そんな人たちに好かれているロキは裏表のない良い人なんだと思う。
よし、明日はロキに手紙を渡せるように頑張らなくちゃ!
そう決めた瞬間、盛大にお腹が鳴った。
******
次の日は、マナーの先生から授業に集中できていないと怒られてしまった。
普通なら口を挟まないメイドたちだけれど、見かねたキャシーが、今日はロキ様に手紙を渡しに行くので緊張しているのだと伝えてくれた。
すると先生はなぜか喜んで、急遽、次にロキに手紙を書く時に役立てられるような文章などを教えてくれた。
すごく甘い言葉もあって、先生が書いてくれたものを読むだけでも恥ずかしかった。
コニーたちの計らいで、ロキにはサプライズで会いに行くことになった。
これについては、国王陛下から許可を得ているので、他の王太子妃候補に文句を言われることもなさそう。
そういえば、一言も話したことのない令嬢がいるんだけど、あの令嬢とは、この先も話すことはないのかしら。
あの人は何を目的にしているのだろう。
「アイラ様、手紙を渡しに行く前に身なりを整えましょう」
コニーたちはそう言うと、手紙を渡しに行くだけなのに、綺麗なドレスに着替えさせられメイクもされて、またもや別人のようにされてしまった。
私のすっぴんを相手は知ってるのに、意味があるのかしら。
そんなことを思ってから付いてきてくれているメイドたちに話しかける。
「別に付いてきてくれるのはかまわないわ。だけど、3人共付いてくるだなんて」
「アイラ様がやっぱりやめた、と言い出さないように応援する人数は多いほうが良いかと思いまして!」
「三人で私の逃げ場をなくそうとしてるの!?」
ブツブツ文句を言っている私を、ロキの部屋の前までメイド三人組が連れて行ってくれた。
マーサが代表して扉をノックする。
「ロキ様、マーサです。お忙しいところ申し訳ございませんが、今少しだけ、お時間よろしいでしょうか」
「ああ。かまわない。入ってくれ」
「アイラ様、では、ここからはお一人でどうぞ」
マーサは満面の笑みを浮かべて、小声で言うと扉を開けてくれた。
緊張しながら、初めてロキの部屋に入る。
部屋はものすごく広くて、実家の私の部屋の3倍以上はあるように見える。
奥のほうには大きなベッドが置かれていて、ロキはそのすぐ近くに置かれてある、執務机のような大きな机の椅子に座って書類を読んでいた。
そろーり、そろーりと足音を忍ばせて近付いていく。
すると、入ってきた相手が何も言葉を発さないことを不思議に思ったのか、ロキが書類から目を離して、私のほうを見た。
「「っ!?」」
ロキと私は目が合うと、お互いに声にならない声を上げて動きを止めた。
しばらくの沈黙のあと、先に動きを再開できたのは私のほうだった。
「では、失礼します」
「いや、帰るのが早すぎるだろ! 来たばかりじゃないか」
ロキに引き止められて、私は足を止めた。
そうよ。
せめて、一生懸命書いた、この手紙だけでも渡さないといけないわ。
ゆっくりと振り返ると、すぐ傍にロキがいて、私が抱きしめている封筒を指差した。
「アイラに会えて嬉しいよ。っていうか、その封筒、もしかして僕宛だったりする?」
「そ、そそ、そそそ」
「そそそ?」
「そうですぅ!!」
叫んでから、目をつぶって手紙を差し出した。
すると、私が思っていた様な感触ではなかったので、ゆっくりと目を開く。
目をつぶっていたせいで、ロキの胸に押し付けるつもりが、ロキの額に両手で手紙を押し付ける形になってしまっていることに気が付いた。
どこをどう間違ったのよ、私は!
慌ててロキから離れて謝る。
「ご、ごめん、ロキ。い、痛かったわよね」
「……そりゃ痛いだろ」
「ですよね!! ごめんなさい!」
手紙を片手だけで持ち、空いているほうの手でロキの額を撫でる。
ロキは私の手に優しく触れて言う。
「大丈夫だから気にしなくていいよ。目じゃなくて良かった」
「そんなことしちゃったら、私、不敬罪で殺されてしまうわ」
「それは大丈夫だよ。僕が生きている限り、君をそんなことにはさせない」
ロキは苦笑したあと、握りしめたり押し付けたりしたせいで、私の手の中でよれよれになってしまった手紙を指差す。
「で、もらってもいいのかな?」
「も、もちろんでございますでございますよ」
私の返事を聞いた途端、ロキが噴き出した。
111
お気に入りに追加
1,743
あなたにおすすめの小説
お飾りの側妃ですね?わかりました。どうぞ私のことは放っといてください!
水川サキ
恋愛
クオーツ伯爵家の長女アクアは17歳のとき、王宮に側妃として迎えられる。
シルバークリス王国の新しい王シエルは戦闘能力がずば抜けており、戦の神(野蛮な王)と呼ばれている男。
緊張しながら迎えた謁見の日。
シエルから言われた。
「俺がお前を愛することはない」
ああ、そうですか。
結構です。
白い結婚大歓迎!
私もあなたを愛するつもりなど毛頭ありません。
私はただ王宮でひっそり楽しく過ごしたいだけなのです。
地味で器量の悪い公爵令嬢は政略結婚を拒んでいたのだが
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
心優しいエヴァンズ公爵家の長女アマーリエは自ら王太子との婚約を辞退した。幼馴染でもある王太子の「ブスの癖に図々しく何時までも婚約者の座にいるんじゃない、絶世の美女である妹に婚約者の座を譲れ」という雄弁な視線に耐えられなかったのだ。それにアマーリエにも自覚があった。自分が社交界で悪口陰口を言われるほどブスであることを。だから王太子との婚約を辞退してからは、壁の花に徹していた。エヴァンズ公爵家てもつながりが欲しい貴族家からの政略結婚の申し込みも断り続けていた。このまま静かに領地に籠って暮らしていこうと思っていた。それなのに、常勝無敗、騎士の中の騎士と称えられる王弟で大将軍でもあるアラステアから結婚を申し込まれたのだ。

役立たずのお飾り令嬢だと婚約破棄されましたが、田舎で幼馴染領主様を支えて幸せに暮らします
水都 ミナト
恋愛
伯爵令嬢であるクリスティーナは、婚約者であるフィリップに「役立たずなお飾り令嬢」と蔑まれ、婚約破棄されてしまう。
事業が波に乗り調子付いていたフィリップにうんざりしていたクリスティーヌは快く婚約解消を受け入れ、幼い頃に頻繁に遊びに行っていた田舎のリアス領を訪れることにする。
かつては緑溢れ、自然豊かなリアスの地は、土地が乾いてすっかり寂れた様子だった。
そこで再会したのは幼馴染のアルベルト。彼はリアスの領主となり、リアスのために奔走していた。
クリスティーナは、彼の力になるべくリアスの地に残ることにするのだが…
★全7話★
※なろう様、カクヨム様でも公開中です。

婚約者を譲れと姉に「お願い」されました。代わりに軍人侯爵との結婚を押し付けられましたが、私は形だけの妻のようです。
ナナカ
恋愛
メリオス伯爵の次女エレナは、幼い頃から姉アルチーナに振り回されてきた。そんな姉に婚約者ロエルを譲れと言われる。さらに自分の代わりに結婚しろとまで言い出した。結婚相手は貴族たちが成り上がりと侮蔑する軍人侯爵。伯爵家との縁組が目的だからか、エレナに入れ替わった結婚も承諾する。
こうして、ほとんど顔を合わせることない別居生活が始まった。冷め切った関係になるかと思われたが、年の離れた侯爵はエレナに丁寧に接してくれるし、意外に優しい人。エレナも数少ない会話の機会が楽しみになっていく。
(本編、番外編、完結しました)
【完結】欲しがり義妹に王位を奪われ偽者花嫁として嫁ぎました。バレたら処刑されるとドキドキしていたらイケメン王に溺愛されてます。
美咲アリス
恋愛
【Amazonベストセラー入りしました(長編版)】「国王陛下!わたくしは偽者の花嫁です!どうぞわたくしを処刑してください!!」「とりあえず、落ち着こうか?(にっこり)」意地悪な義母の策略で義妹の代わりに辺境国へ嫁いだオメガ王女のフウル。正直な性格のせいで嘘をつくことができずに命を捨てる覚悟で夫となる国王に真実を告げる。だが美貌の国王リオ・ナバはなぜかにっこりと微笑んだ。そしてフウルを甘々にもてなしてくれる。「きっとこれは処刑前の罠?」不幸生活が身についたフウルはビクビクしながら城で暮らすが、実は国王にはある考えがあって⋯⋯?

【完結】断罪後の悪役令嬢は、精霊たちと生きていきます!
らんか
恋愛
あれ?
何で私が悪役令嬢に転生してるの?
えっ!
しかも、断罪後に思い出したって、私の人生、すでに終わってるじゃん!
国外追放かぁ。
娼館送りや、公開処刑とかじゃなくて良かったけど、これからどうしよう……。
そう思ってた私の前に精霊達が現れて……。
愛し子って、私が!?
普通はヒロインの役目じゃないの!?

旦那様は離縁をお望みでしょうか
村上かおり
恋愛
ルーベンス子爵家の三女、バーバラはアルトワイス伯爵家の次男であるリカルドと22歳の時に結婚した。
けれど最初の顔合わせの時から、リカルドは不機嫌丸出しで、王都に来てもバーバラを家に一人残して帰ってくる事もなかった。
バーバラは行き遅れと言われていた自分との政略結婚が気に入らないだろうと思いつつも、いずれはリカルドともいい関係を築けるのではないかと待ち続けていたが。

出来レースだった王太子妃選に落選した公爵令嬢 役立たずと言われ家を飛び出しました でもあれ? 意外に外の世界は快適です
流空サキ
恋愛
王太子妃に選ばれるのは公爵令嬢であるエステルのはずだった。結果のわかっている出来レースの王太子妃選。けれど結果はまさかの敗北。
父からは勘当され、エステルは家を飛び出した。頼ったのは屋敷を出入りする商人のクレト・ロエラだった。
無一文のエステルはクレトの勧めるままに彼の邸で暮らし始める。それまでほとんど外に出たことのなかったエステルが初めて目にする外の世界。クレトのもとで仕事をしながら過ごすうち、恩人だった彼のことが次第に気になりはじめて……。
純真な公爵令嬢と、ある秘密を持つ商人との恋愛譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる