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3 再会は謁見の間で
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私がこの話を受けると思われているけれど、断ることだってできるはずだわ。
王太子妃候補に選ばれたことは、とても光栄なことだけど、弟が大きくなるまでは、私は家を支えないと駄目だもの。
1年も家を空けるなんて絶対に無理だわ。
「あの! 本当に申し訳ないんですが、王太子妃候補になって私に何かメリットがありますでしょうか。家のことや店のことが気になりますので、できれば辞退させていただきたいのですが」
「アイラ様、ご安心くださいませ。王太子妃候補の試験にご参加くださいましたら謝礼金が出ますわ」
「……謝礼金ですか」
ご安心くださいませの意味がわからないけれど、謝礼金という言葉は気になる。
「ええ。一人1000万マニーになります。さらに最終候補の3人の中に選ばれましたら、謝礼金が追加されますので合計で5000万マニーになりますよ」
「そ、そんなにもらえるんですか?」
それだけあったら、ケーキ屋さんも続けられるわ。
1000万マニーでも平民なら何年も遊んで暮らせる金額だもの。
これで、心配事がなくなるわ。
「行きます! よろしくお願い致します!」
両親に確認することもなく、メイドたちやシフォン様に頭を下げる。
すると、シフォン様が微笑む。
「そう言っていただけて本当に嬉しいですわ。アイラ様のご両親はアイラ様次第だと言っておられましたので、そちらのほうもご心配なく。先に連絡を入れさせていただきますわね」
「ありがとうございます」
頭を下げると、メイドの1人が話しかけてくる。
「王太子殿下もきっと喜ばれますわ」
「では、参りましょう、アイラ様!」
「慌ただしくなり申し訳ございませんが、どうぞこちらへ」
メイド二人に促され、私は店の外に出る。
エディーさんとシフォン様も一緒に外に出てきてくれた。
「エディーさん、申し訳こざいませんが」
「店のことは気にしなくていいから行っておいで」
「ありがとうございます」
エディーさんとシフォン様に見送られながら、私は豪華な装飾の馬車の中に足を踏み入れた。
今更だけど、人さらいとかじゃないわよね。
このまま売り飛ばされてしまうんじゃないかと不安になってきた。
でも、エディーさんは封蝋は王家のものだと言っていたし、馬車にだって王家の紋章が彫られていた。
大丈夫。
騙されていないはず。
私を騙したって意味がないもの。
馬車の座席に座った私は、封筒を胸に抱きしめて大きく深呼吸をした。
*****
小一時間後、私を乗せた馬車が城門を抜けると、馬車の窓向こうには3つの塔がある白亜色の大きな城が見えた。
今まで遠くから見たことは何度もあるけれど、ここまで近くで見るのは初めてだった。
王城の横を通り、しばらく進むと馬車が停まり、御者が扉を開けてくれた。
「綺麗なお屋敷ですね」
「ええ。私もそう思います」
黒いスーツを着た年配の御者に話しかけると、温和な表情で頷いてくれた。
王太子妃候補の試験が始まれば、別邸と呼ばれる屋敷に滞在することになるらしい。
別邸は屋敷の周りには綺麗な庭園が広がっていて、屋敷は3階建ての横に長い木造建築だった。
とても上品なデザインのお屋敷で、悲しいことに私の実家よりも何倍も大きい。
きっと、お部屋も広いんでしょうね。
そんな風に思いながら別邸を見上げていると、メイドたちに問答無用で両腕を掴まれた。
「アイラ様、失礼致します! 別邸の外観はいつでも見ることができますわ。申し訳ございませんが、時間が近づいてきておりますので急ぎましょう!」
「は、はい!」
馬車の中でメイドたちと色々と話をした。
私に対して、そこまで畏まらなくてもいいという話をしたけれど、今はそれどころではないといった感じだった。
どうやら、担当の王太子妃候補をどれだけ綺麗に仕上げられるかで評価がされ、お給料も上がるらしかった。
これは、元々の顔が良い人のほうが有利な気がするわ。
「元が悪くてごめんなさい」
最初から謝っておくと、メイドたちが口々に叫ぶ。
「そんなことはございません! アイラ様はとてもお可愛らしいです」
「そうですよ! 王太子殿下もいつもそうおっしゃっておられましたし、私もそう思います!」
「アイラ様、自信の無さは表面に出てしまいます。背筋を伸ばして笑顔です! それだけで王太子殿下はイチコロです!」
「イチコロ」
イチコロの意味がよくわからないけれど、王太子殿下をメロメロにできるみたいな感じかしら。
よくわからないけれど、王太子殿下ってそんなに簡単に恋に落ちちゃう人なのね。
それってハニートラップにかかりやすいんじゃないのかしら。
余計なお世話かもしれないけれど心配になってしまうわ。
そういえば、気になっていたことがあるので、メイドたちに聞いてみる。
「あの、王太子殿下が私を選んでくれたんでしょうか」
「そうでございます! ですから特別枠なのですよ!」
「特別枠ねぇ」
私のことを選んでくれそうな人なんて、この世にいるのかしら。
頭の中に浮かんだのはロキだけど、まさか、ロキが王太子殿下なわけがない。
王太子殿下が普通の学園に通っているわけがないもの。
通うなら貴族の名門校に通うはずだわ。
メイドたちから詳しく話を聞いてみると、今日は王太子殿下と王太子妃候補全員での初顔合わせの日なんだそうだ。
そして、他のご令嬢は自分の家から着飾って、ここまでやって来ているらしい。
でも、私の家は貧乏なため、ドレスが用意できないことを王太子殿下が知っておられたため用意をしてくれていた。
私のドレスのサイズがわからないということで、案内されたドレスルームには既製品のドレスがサイズごとに何種類も揃えられていた。
私に合う色やドレスの種類などをメイドたちがあっという間に決めていき、アクセサリーを選んでくれるだけでなく、お化粧までしてくれた。
しばらくして鏡に映る私を見てみると、どこの誰なのか自分でもわからないくらいに別人になっていた。
すごいわ。
化粧って、こんなにも印象を変えることができるのね。
何度も鏡に顔を近づけて、自分の顔を見ていると、メイドたちから会場へ案内すると言われた。
髪色に合わせた紺色のハイヒールは慣れてなくて歩きにくい。
そのうち歩き慣れてくると、背筋を伸ばして歩ける様になった。
とにかく、王太子殿下や他の王太子妃候補の前では生まれたての子鹿状態にならないようにしなくちゃいけないわ。
城内に入り、案内されたのは謁見の間だった。
すでに王太子妃候補は私以外は集まっていて、私はその集団から少し離れた後ろのほうに立った。
時間になったのか、国王陛下が壇上に現れたので頭を下げる。
そして国王陛下からのお言葉があり、いよいよ、王太子殿下のご登場という流れでスムーズに進んでいった。
王太子殿下はどんな方なのかしら。
ワクワクしている感情が顔に出ないように気をつけつつ、期待に胸を膨らませていると、壇上の袖幕から一人の男性が出てきた。
褐色の髪に同じ色の瞳。
髪型はちょっと後ろ髪が長めだけど、横髪は耳にかかっているくらいだ。
前髪も少し長めではあるけれど、目にかかるほどではない。
というか、この髪色と体型に顔立ちには見覚えがある。
王太子殿下は国王陛下に一礼したあと、私たちのほうに顔を向けた。
その整った顔立ちを見て、他の王太子妃候補たちからため息が漏れた。
美形だと私も思う。
でも、私にしてみれば見慣れた顔の人によく似ていたから、そこまでの驚きはなかった。
いや、別の意味での驚きはあった。
もしかして、ロキは王太子殿下の影武者とかだったりするの。
いや、そんなわけないわよね。
正装しているからか、学生時代の雰囲気とは全く違うけれど、あれは絶対にロキだわ!
長い付き合いだから間違えるはずはない。
王太子殿下は私たちに笑顔を振りまいたあと、壇上からおりてきて王太子妃候補一人ひとりに声をかけていく。
順番は爵位の高い令嬢からだから、子爵令嬢の私は一番最後になる。
何で?
どうしてなの?
嘘でしょう?
困惑と緊張で頭の中がパニックになってきた。
もしかして、私が選ばれた理由はロキの知り合いだからなの?
お金に困っている私を可哀想だと思ってくれたのかしら。
「アイラ嬢?」
名前を呼ばれたので下げていた頭を上げると、王太子殿下が私の前にしゃがみこんだ。
そして、にっこりと笑みを浮かべて小声で言う。
「また会ったね」
いやいや。
また会ったねじゃないでしょう!
あなたはつい最近まで、私の元クラスメイトで仲の良いお友達でしたよね。
ケーキ屋に来てくれるって言っていたじゃないの!
王太子殿下があんな小さなお店に来るなんて無理に決まってるわ。
というか、今まで私を騙していたということ?
「お、おう? おおう? おう、王太子殿下?」
「動揺しすぎだよ。あとで君と僕は知り合いだということは発表するから、今は話を合わせてくれないか」
ロキがまた小声で言うので小さく頷くと、いつもの声のボリュームで、ロキは私に自己紹介する。
「この姿で会うのは、はじめましてだね。ロキアス・ビークフットだよ。君に会えて嬉しい」
「ははは、はじめましてぇ、おお、お会いできて光栄ですぅ」
動揺しすぎて、何か後ろめたいことでもあるような人の挨拶みたいになってしまった。
王太子妃候補に選ばれたことは、とても光栄なことだけど、弟が大きくなるまでは、私は家を支えないと駄目だもの。
1年も家を空けるなんて絶対に無理だわ。
「あの! 本当に申し訳ないんですが、王太子妃候補になって私に何かメリットがありますでしょうか。家のことや店のことが気になりますので、できれば辞退させていただきたいのですが」
「アイラ様、ご安心くださいませ。王太子妃候補の試験にご参加くださいましたら謝礼金が出ますわ」
「……謝礼金ですか」
ご安心くださいませの意味がわからないけれど、謝礼金という言葉は気になる。
「ええ。一人1000万マニーになります。さらに最終候補の3人の中に選ばれましたら、謝礼金が追加されますので合計で5000万マニーになりますよ」
「そ、そんなにもらえるんですか?」
それだけあったら、ケーキ屋さんも続けられるわ。
1000万マニーでも平民なら何年も遊んで暮らせる金額だもの。
これで、心配事がなくなるわ。
「行きます! よろしくお願い致します!」
両親に確認することもなく、メイドたちやシフォン様に頭を下げる。
すると、シフォン様が微笑む。
「そう言っていただけて本当に嬉しいですわ。アイラ様のご両親はアイラ様次第だと言っておられましたので、そちらのほうもご心配なく。先に連絡を入れさせていただきますわね」
「ありがとうございます」
頭を下げると、メイドの1人が話しかけてくる。
「王太子殿下もきっと喜ばれますわ」
「では、参りましょう、アイラ様!」
「慌ただしくなり申し訳ございませんが、どうぞこちらへ」
メイド二人に促され、私は店の外に出る。
エディーさんとシフォン様も一緒に外に出てきてくれた。
「エディーさん、申し訳こざいませんが」
「店のことは気にしなくていいから行っておいで」
「ありがとうございます」
エディーさんとシフォン様に見送られながら、私は豪華な装飾の馬車の中に足を踏み入れた。
今更だけど、人さらいとかじゃないわよね。
このまま売り飛ばされてしまうんじゃないかと不安になってきた。
でも、エディーさんは封蝋は王家のものだと言っていたし、馬車にだって王家の紋章が彫られていた。
大丈夫。
騙されていないはず。
私を騙したって意味がないもの。
馬車の座席に座った私は、封筒を胸に抱きしめて大きく深呼吸をした。
*****
小一時間後、私を乗せた馬車が城門を抜けると、馬車の窓向こうには3つの塔がある白亜色の大きな城が見えた。
今まで遠くから見たことは何度もあるけれど、ここまで近くで見るのは初めてだった。
王城の横を通り、しばらく進むと馬車が停まり、御者が扉を開けてくれた。
「綺麗なお屋敷ですね」
「ええ。私もそう思います」
黒いスーツを着た年配の御者に話しかけると、温和な表情で頷いてくれた。
王太子妃候補の試験が始まれば、別邸と呼ばれる屋敷に滞在することになるらしい。
別邸は屋敷の周りには綺麗な庭園が広がっていて、屋敷は3階建ての横に長い木造建築だった。
とても上品なデザインのお屋敷で、悲しいことに私の実家よりも何倍も大きい。
きっと、お部屋も広いんでしょうね。
そんな風に思いながら別邸を見上げていると、メイドたちに問答無用で両腕を掴まれた。
「アイラ様、失礼致します! 別邸の外観はいつでも見ることができますわ。申し訳ございませんが、時間が近づいてきておりますので急ぎましょう!」
「は、はい!」
馬車の中でメイドたちと色々と話をした。
私に対して、そこまで畏まらなくてもいいという話をしたけれど、今はそれどころではないといった感じだった。
どうやら、担当の王太子妃候補をどれだけ綺麗に仕上げられるかで評価がされ、お給料も上がるらしかった。
これは、元々の顔が良い人のほうが有利な気がするわ。
「元が悪くてごめんなさい」
最初から謝っておくと、メイドたちが口々に叫ぶ。
「そんなことはございません! アイラ様はとてもお可愛らしいです」
「そうですよ! 王太子殿下もいつもそうおっしゃっておられましたし、私もそう思います!」
「アイラ様、自信の無さは表面に出てしまいます。背筋を伸ばして笑顔です! それだけで王太子殿下はイチコロです!」
「イチコロ」
イチコロの意味がよくわからないけれど、王太子殿下をメロメロにできるみたいな感じかしら。
よくわからないけれど、王太子殿下ってそんなに簡単に恋に落ちちゃう人なのね。
それってハニートラップにかかりやすいんじゃないのかしら。
余計なお世話かもしれないけれど心配になってしまうわ。
そういえば、気になっていたことがあるので、メイドたちに聞いてみる。
「あの、王太子殿下が私を選んでくれたんでしょうか」
「そうでございます! ですから特別枠なのですよ!」
「特別枠ねぇ」
私のことを選んでくれそうな人なんて、この世にいるのかしら。
頭の中に浮かんだのはロキだけど、まさか、ロキが王太子殿下なわけがない。
王太子殿下が普通の学園に通っているわけがないもの。
通うなら貴族の名門校に通うはずだわ。
メイドたちから詳しく話を聞いてみると、今日は王太子殿下と王太子妃候補全員での初顔合わせの日なんだそうだ。
そして、他のご令嬢は自分の家から着飾って、ここまでやって来ているらしい。
でも、私の家は貧乏なため、ドレスが用意できないことを王太子殿下が知っておられたため用意をしてくれていた。
私のドレスのサイズがわからないということで、案内されたドレスルームには既製品のドレスがサイズごとに何種類も揃えられていた。
私に合う色やドレスの種類などをメイドたちがあっという間に決めていき、アクセサリーを選んでくれるだけでなく、お化粧までしてくれた。
しばらくして鏡に映る私を見てみると、どこの誰なのか自分でもわからないくらいに別人になっていた。
すごいわ。
化粧って、こんなにも印象を変えることができるのね。
何度も鏡に顔を近づけて、自分の顔を見ていると、メイドたちから会場へ案内すると言われた。
髪色に合わせた紺色のハイヒールは慣れてなくて歩きにくい。
そのうち歩き慣れてくると、背筋を伸ばして歩ける様になった。
とにかく、王太子殿下や他の王太子妃候補の前では生まれたての子鹿状態にならないようにしなくちゃいけないわ。
城内に入り、案内されたのは謁見の間だった。
すでに王太子妃候補は私以外は集まっていて、私はその集団から少し離れた後ろのほうに立った。
時間になったのか、国王陛下が壇上に現れたので頭を下げる。
そして国王陛下からのお言葉があり、いよいよ、王太子殿下のご登場という流れでスムーズに進んでいった。
王太子殿下はどんな方なのかしら。
ワクワクしている感情が顔に出ないように気をつけつつ、期待に胸を膨らませていると、壇上の袖幕から一人の男性が出てきた。
褐色の髪に同じ色の瞳。
髪型はちょっと後ろ髪が長めだけど、横髪は耳にかかっているくらいだ。
前髪も少し長めではあるけれど、目にかかるほどではない。
というか、この髪色と体型に顔立ちには見覚えがある。
王太子殿下は国王陛下に一礼したあと、私たちのほうに顔を向けた。
その整った顔立ちを見て、他の王太子妃候補たちからため息が漏れた。
美形だと私も思う。
でも、私にしてみれば見慣れた顔の人によく似ていたから、そこまでの驚きはなかった。
いや、別の意味での驚きはあった。
もしかして、ロキは王太子殿下の影武者とかだったりするの。
いや、そんなわけないわよね。
正装しているからか、学生時代の雰囲気とは全く違うけれど、あれは絶対にロキだわ!
長い付き合いだから間違えるはずはない。
王太子殿下は私たちに笑顔を振りまいたあと、壇上からおりてきて王太子妃候補一人ひとりに声をかけていく。
順番は爵位の高い令嬢からだから、子爵令嬢の私は一番最後になる。
何で?
どうしてなの?
嘘でしょう?
困惑と緊張で頭の中がパニックになってきた。
もしかして、私が選ばれた理由はロキの知り合いだからなの?
お金に困っている私を可哀想だと思ってくれたのかしら。
「アイラ嬢?」
名前を呼ばれたので下げていた頭を上げると、王太子殿下が私の前にしゃがみこんだ。
そして、にっこりと笑みを浮かべて小声で言う。
「また会ったね」
いやいや。
また会ったねじゃないでしょう!
あなたはつい最近まで、私の元クラスメイトで仲の良いお友達でしたよね。
ケーキ屋に来てくれるって言っていたじゃないの!
王太子殿下があんな小さなお店に来るなんて無理に決まってるわ。
というか、今まで私を騙していたということ?
「お、おう? おおう? おう、王太子殿下?」
「動揺しすぎだよ。あとで君と僕は知り合いだということは発表するから、今は話を合わせてくれないか」
ロキがまた小声で言うので小さく頷くと、いつもの声のボリュームで、ロキは私に自己紹介する。
「この姿で会うのは、はじめましてだね。ロキアス・ビークフットだよ。君に会えて嬉しい」
「ははは、はじめましてぇ、おお、お会いできて光栄ですぅ」
動揺しすぎて、何か後ろめたいことでもあるような人の挨拶みたいになってしまった。
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