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第2話 誰が子猫ちゃんよ!
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それから7日後の学園が休みの日。
お茶会に出かけているお姉様に付き添っていたメイドが慌てて屋敷に帰ってきてわたしに言った。
「ジュナお嬢様から伝言です! ローリー様がお茶会に来ていらっしゃるようですので、自分の目で確かめてみないかと…」
「ローリーがお茶会に…?」
普通はこの国では、お茶会といえば女性だけの社交場。
どうして、男性であるローリーが…?
「とにかくお姉様の仰る通り、自分の目で確認するわ! ローリーにはどういうつもりなのか聞いてみなくちゃ」
わたしは急いでメイドと共に、ジュナお姉様とローリーがいるはずのお茶会に向かった。
わたしが来るという話はジュナお姉様がしてくれていたみたいで、主催者のユティ様はわたしを出迎えるなり、逆に謝ってくれた。
「本当に申し訳ございません。ローリー様がジェイン様を連れてきて下さるというから許可しましたの。ですが、ローリー様しかいらっしゃらなくて…。最初からお断りすべきでしたわ。ジェイン様を連れてきていただくのなら、実のお姉様でいらっしゃるトーニャ様にお願いすべきでした」
「とんでもございません。こちらこそ、急にお伺いしてしまい申し訳ございません」
「いいえ。まさか、居座られるだなんて思ってもいませんでしたし、婚約者のリリアーナ様が血相を変えるお気持ちもわかります。今日の事はリリアーナ様にお話されていると思いこんでいた私も悪いのですわ」
お互いに頭を下げあった後、ユティ様に連れられて、お茶会が行われている中庭のガゼボに案内してもらうと、数人の女性に混じって、ローリーが談笑していた。
わたしがいる位置からは彼の横顔が見えて、それはもう、デレデレして鼻の下がのびている。
ガゼボの外にはジュナお姉様とお姉様の友人であり、わたしの友人でもあるトーニャ様が淑女らしくない仏頂面でガゼボの中を見つめていた。
少しずつ近付きながら、ローリーの様子を見ていると、デレデレした顔のまま、女性達と楽しげに会話していて、わたしがやって来た事に気付く気配もない。
「ぐぬぬぬぬ」
あまりの苛立ちで、令嬢らしからぬ声がどこからか出てきた時だった。
「ぐぬぬぬぬって、どこから声を出してるんだよ」
背後から聞き覚えのある声が聞こえて、ユティ様と一緒に振り返る。
「姉に呼ばれて参りました。女性だけの場に本日は突然、お伺いする事になり申し訳ございません」
そう言ってユティ様に向かって頭を下げたのは、わたしの幼馴染でトーニャ様の弟であるジェインだった。
ジェイン・ダードは伯爵家の嫡男で、私と同じダークブラウンの髪に同じ色の瞳を持つ、長身痩躯の爽やかな少年だ。
大きな目ではあるけれど吊り目のせいか、ちょっとキツそうに見えてしまうし、言葉遣いも伯爵令息にしてみれば乱暴なのだけど、わたしは別に不快には思わないし、ワイルドで素敵だという女子も多かった。
ローリーとジェインとわたしは幼馴染で同じ年だ。
ローリーとジェインは見た目も良いし、同性だからか、よく比べられていた。
ジェインは気にしていないようだけど、ローリーはジェインの事をライバル視しているところがあるから、今日ももしかしたら、ジェインを連れてくる気でいたけれど、彼に女性の目がいってしまうのが嫌で、わざと連れてこなかったのかもしれない。
って、それはそれで駄目よね!?
わたしという婚約者がいるのに…!!
「ジェイン! あれ、どう思う?」
白シャツに赤の細いリボンタイ、ダークブラウンのパンツに身を包んだジェインに、ローリーを指差して尋ねると、ジェインは整った表情を歪めた。
「どうして、ローリーがあんな所に?」
「申し訳ございません。お茶会の話をカフェで友人としていましたら、ローリー様の耳に入ってしまったみたいで。その時に、ジェイン様のお話もしていたものですから、ローリー様がジェイン様を連れてお茶会に行くと言ってくださったので、ついお受けしてしまったのです」
ユティ様がジェインに向かって深々と頭を下げた。
「いえ、俺に謝る必要なんてありませんよ。ところで、その時、ローリーは1人でカフェにいたんですか?」
ジェインが不思議そうな顔をして尋ねた。
それもそうだわ。
ローリーがカフェに1人で行くだなんて話は聞いた事がない。
お母様と行かれたというのならわかるけれど、彼のお母様はカフェには入らずに良い茶葉を買って家で飲まれる方だから、ローリーがお母様と一緒にカフェにいたとも思えない。
「それは…、その…」
ユティ様が言いにくそうな顔をして、わたしの方を見た時点で、ローリーを信じていた気持ちが、どんどん失われていくのがわかった。
まさか、ローリー。
わたし以外の女性とカフェに!?
ううん、待って。
たまたま、出会っただけかもしれないわ。
って、ローリーは1人でカフェに行くような人間じゃないって自分で否定したばかりじゃないの!
「あの、ユティ様…。遠慮せずに仰って下さい…」
わたしががっくりと肩を落としたのを見て、ユティ様は本当に申し訳なさげな顔をして、小さな声で教えてくれた。
「お名前は存じ上げませんが、とても綺麗なご令嬢とご一緒でした」
「……そうですか」
「リリアーナ様。気を落とさないで下さい。別に恋人同士の様には見えませんでしたわ。仲の良いご友人といった感じでした」
ユティ様が気を遣ってくださっているのがわかった。
ローリーはわたしの知らない間に、女性と2人でお茶をしていたみたい。
何らかの事情があって、2人でお茶をする事になったとかで、ローリーからわたしにその事を教えてくれていたのなら許せたと思う。
でも、何の報告もないし事情なんてきっとないはず。
あったとしたら、彼女に誘われたから、とかそんなものでしょう。
「リリアーナ、どうするんだ?」
「どうするって…」
ジェインに聞かれて返答に困る。
とにかく、彼にどうしてこんな所にいるのか確認しないと。
「ローリーに確認するわ。女性ばかりのお茶会に来てどういうつもりなのかって」
ユティ様に許可を取って、大股で近付いていくと、ジュナお姉様達が近寄ってきた。
「リリアーナ、ローリー様は反省して下さったのよね?」
「……と思っていたんだけど」
ジュナお姉様の問いかけにそう答えた時だった。
「あ! 僕の可愛い、リリアーナ! 君も来ていたのかい?」
「来ていたのかい、じゃないわよ! どうして、ローリーがこんな所にいるのよ!? 浮気はしないでと言ったじゃないの!」
「誤解だよ、子猫ちゃん」
「誰が子猫ちゃんよ!」
人前だというのに声を荒げてしまった。
すると、ガゼボの中にいた女性の1人がわたしを見て笑っている事に気が付いた。
信じられない。
どうして、わたしが笑われないといけないの!?
「愛しいリリアーナ、笑っておくれよ。僕はお茶会に来ただけだよ?」
「お茶会には男性は基本は混じらないのよ!」
「でも、混じってはいけないわけでもないだろう?」
澄んだ目で聞き返された。
呆れるわ。
彼には全く悪気がない。
どうしたら、わかってくれるのよ!?
「リリアーナ。今日は会えると思っていなかったから嬉しいよ。ほら、こっちにおいでよ。一緒にお茶をいただこう」
「呑気にお茶を飲んでる場合じゃないわよ!」
「あはは。何を言ってるんだい、リリアーナ。お茶会に来ているのに、お茶を飲まないだなんておかしいよ」
笑い始めたローリーを見て、生まれて初めて人に暴力をふるいたい気分になった。
お茶会に出かけているお姉様に付き添っていたメイドが慌てて屋敷に帰ってきてわたしに言った。
「ジュナお嬢様から伝言です! ローリー様がお茶会に来ていらっしゃるようですので、自分の目で確かめてみないかと…」
「ローリーがお茶会に…?」
普通はこの国では、お茶会といえば女性だけの社交場。
どうして、男性であるローリーが…?
「とにかくお姉様の仰る通り、自分の目で確認するわ! ローリーにはどういうつもりなのか聞いてみなくちゃ」
わたしは急いでメイドと共に、ジュナお姉様とローリーがいるはずのお茶会に向かった。
わたしが来るという話はジュナお姉様がしてくれていたみたいで、主催者のユティ様はわたしを出迎えるなり、逆に謝ってくれた。
「本当に申し訳ございません。ローリー様がジェイン様を連れてきて下さるというから許可しましたの。ですが、ローリー様しかいらっしゃらなくて…。最初からお断りすべきでしたわ。ジェイン様を連れてきていただくのなら、実のお姉様でいらっしゃるトーニャ様にお願いすべきでした」
「とんでもございません。こちらこそ、急にお伺いしてしまい申し訳ございません」
「いいえ。まさか、居座られるだなんて思ってもいませんでしたし、婚約者のリリアーナ様が血相を変えるお気持ちもわかります。今日の事はリリアーナ様にお話されていると思いこんでいた私も悪いのですわ」
お互いに頭を下げあった後、ユティ様に連れられて、お茶会が行われている中庭のガゼボに案内してもらうと、数人の女性に混じって、ローリーが談笑していた。
わたしがいる位置からは彼の横顔が見えて、それはもう、デレデレして鼻の下がのびている。
ガゼボの外にはジュナお姉様とお姉様の友人であり、わたしの友人でもあるトーニャ様が淑女らしくない仏頂面でガゼボの中を見つめていた。
少しずつ近付きながら、ローリーの様子を見ていると、デレデレした顔のまま、女性達と楽しげに会話していて、わたしがやって来た事に気付く気配もない。
「ぐぬぬぬぬ」
あまりの苛立ちで、令嬢らしからぬ声がどこからか出てきた時だった。
「ぐぬぬぬぬって、どこから声を出してるんだよ」
背後から聞き覚えのある声が聞こえて、ユティ様と一緒に振り返る。
「姉に呼ばれて参りました。女性だけの場に本日は突然、お伺いする事になり申し訳ございません」
そう言ってユティ様に向かって頭を下げたのは、わたしの幼馴染でトーニャ様の弟であるジェインだった。
ジェイン・ダードは伯爵家の嫡男で、私と同じダークブラウンの髪に同じ色の瞳を持つ、長身痩躯の爽やかな少年だ。
大きな目ではあるけれど吊り目のせいか、ちょっとキツそうに見えてしまうし、言葉遣いも伯爵令息にしてみれば乱暴なのだけど、わたしは別に不快には思わないし、ワイルドで素敵だという女子も多かった。
ローリーとジェインとわたしは幼馴染で同じ年だ。
ローリーとジェインは見た目も良いし、同性だからか、よく比べられていた。
ジェインは気にしていないようだけど、ローリーはジェインの事をライバル視しているところがあるから、今日ももしかしたら、ジェインを連れてくる気でいたけれど、彼に女性の目がいってしまうのが嫌で、わざと連れてこなかったのかもしれない。
って、それはそれで駄目よね!?
わたしという婚約者がいるのに…!!
「ジェイン! あれ、どう思う?」
白シャツに赤の細いリボンタイ、ダークブラウンのパンツに身を包んだジェインに、ローリーを指差して尋ねると、ジェインは整った表情を歪めた。
「どうして、ローリーがあんな所に?」
「申し訳ございません。お茶会の話をカフェで友人としていましたら、ローリー様の耳に入ってしまったみたいで。その時に、ジェイン様のお話もしていたものですから、ローリー様がジェイン様を連れてお茶会に行くと言ってくださったので、ついお受けしてしまったのです」
ユティ様がジェインに向かって深々と頭を下げた。
「いえ、俺に謝る必要なんてありませんよ。ところで、その時、ローリーは1人でカフェにいたんですか?」
ジェインが不思議そうな顔をして尋ねた。
それもそうだわ。
ローリーがカフェに1人で行くだなんて話は聞いた事がない。
お母様と行かれたというのならわかるけれど、彼のお母様はカフェには入らずに良い茶葉を買って家で飲まれる方だから、ローリーがお母様と一緒にカフェにいたとも思えない。
「それは…、その…」
ユティ様が言いにくそうな顔をして、わたしの方を見た時点で、ローリーを信じていた気持ちが、どんどん失われていくのがわかった。
まさか、ローリー。
わたし以外の女性とカフェに!?
ううん、待って。
たまたま、出会っただけかもしれないわ。
って、ローリーは1人でカフェに行くような人間じゃないって自分で否定したばかりじゃないの!
「あの、ユティ様…。遠慮せずに仰って下さい…」
わたしががっくりと肩を落としたのを見て、ユティ様は本当に申し訳なさげな顔をして、小さな声で教えてくれた。
「お名前は存じ上げませんが、とても綺麗なご令嬢とご一緒でした」
「……そうですか」
「リリアーナ様。気を落とさないで下さい。別に恋人同士の様には見えませんでしたわ。仲の良いご友人といった感じでした」
ユティ様が気を遣ってくださっているのがわかった。
ローリーはわたしの知らない間に、女性と2人でお茶をしていたみたい。
何らかの事情があって、2人でお茶をする事になったとかで、ローリーからわたしにその事を教えてくれていたのなら許せたと思う。
でも、何の報告もないし事情なんてきっとないはず。
あったとしたら、彼女に誘われたから、とかそんなものでしょう。
「リリアーナ、どうするんだ?」
「どうするって…」
ジェインに聞かれて返答に困る。
とにかく、彼にどうしてこんな所にいるのか確認しないと。
「ローリーに確認するわ。女性ばかりのお茶会に来てどういうつもりなのかって」
ユティ様に許可を取って、大股で近付いていくと、ジュナお姉様達が近寄ってきた。
「リリアーナ、ローリー様は反省して下さったのよね?」
「……と思っていたんだけど」
ジュナお姉様の問いかけにそう答えた時だった。
「あ! 僕の可愛い、リリアーナ! 君も来ていたのかい?」
「来ていたのかい、じゃないわよ! どうして、ローリーがこんな所にいるのよ!? 浮気はしないでと言ったじゃないの!」
「誤解だよ、子猫ちゃん」
「誰が子猫ちゃんよ!」
人前だというのに声を荒げてしまった。
すると、ガゼボの中にいた女性の1人がわたしを見て笑っている事に気が付いた。
信じられない。
どうして、わたしが笑われないといけないの!?
「愛しいリリアーナ、笑っておくれよ。僕はお茶会に来ただけだよ?」
「お茶会には男性は基本は混じらないのよ!」
「でも、混じってはいけないわけでもないだろう?」
澄んだ目で聞き返された。
呆れるわ。
彼には全く悪気がない。
どうしたら、わかってくれるのよ!?
「リリアーナ。今日は会えると思っていなかったから嬉しいよ。ほら、こっちにおいでよ。一緒にお茶をいただこう」
「呑気にお茶を飲んでる場合じゃないわよ!」
「あはは。何を言ってるんだい、リリアーナ。お茶会に来ているのに、お茶を飲まないだなんておかしいよ」
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