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第2話 まだわからない目的
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その日の談話会は、わたしがおかしな事ばかり言うからと、早めに解散する事になった。
この日はたしか、トマング殿下から、帰り際に冷えたお茶をかけられた事を思い出した。
視線を感じてトマング殿下の方を見ると、ニヤニヤしているので、明らかに、お茶をかけられた時のわたしの反応を想像しているのだと思うと腹が立った。
この人は性格も悪いし賢くもないけれど、熱いお茶をかける勇気はないから助かっていたのよね。
王妃陛下の命令で、わたしとトマング殿下、そしてロリアンナ様とイロアスの4人での談話会は定期的に行われていた。
トマング殿下から冷めたお茶をかけられたり、ケーキにわざわざ死んだ虫を入れられ、そのケーキを無理矢理食べさせられそうになったりと、幼稚な嫌がらせが続いて、散々、談話会に行きたくないと両親に訴え、両親から欠席すると伝えてもらったけれど、日にちが変更されるだけで、中々聞き入れてもらえなかった。
たぶん、王妃陛下の圧力があったのだと思う。
王妃陛下は少し変わっていて、わたしに嫌がらせをしたトマング殿下の話を武勇伝の様に感じているらしく、わたしへの嫌がらせを子供の可愛い遊びだと言いはり、それくらい許す様にとわたしの両親に命令してきた。
憂鬱な気持ちになりながらも、我慢して談話会に通っていたけれど、わたしが15歳になった時、定期的に4人で行われていた談話会は急遽、無期限の延期になった。
なぜなら、お父様とお母様が原因不明の流行り病にかかったから。
さすがに、お父様とお母様がそんな時に、談話会に行く気になどならないという、わたしの言葉を世間体もあり、却下できなかったのだと思う。
イロアスと会う時間を減らされたロリアンナ様は、最初はわたしに文句を言ってきたけれど、「その時間をイロアス様と2人きりで会う時間になさったら?」と伝えると、喜んでイロアスを誘いに行っていたのを覚えている。
意識を今に戻し、立ち上がろうとしているイロアスをうっとりした目で見ているロリアンナ様を、これまたうっとりした目で見ているトマング殿下に視線を向けると、わたしの視線に気付いたトマング殿下は本来の目的を思い出したと言わんばかりに、カップに手を伸ばそうとしたので、慌てて、わたしは立ち上がって叫んだ。
「ドリー! 申し訳ないけれど、カップを片付けてもらえる?」
トマング殿下のやり方はいつもワンパターン。
帰る間際にお茶を飲み干そうとするふりをしてカップを持ち、隣にいる私の太ももあたりにかけてくるという嫌がらせ。
嫌な事をされるとわかっているのに、大人しくしているつもりはないわ。
何より、このままいけば、未来には、この人達の嘘によって、わたしは殺されてしまうんだから!
少しでも未来を変えていかないと。
トマング殿下のカップをわたしの方に引き寄せ、ドリーに叫ぶと、トマング殿下が焦った声を出す。
「お、おい、これはまだ、俺が飲む」
「そうですか。なら、ごゆっくりどうぞ。私は気分が優れませんので、お先に帰らせていただきます」
「お、おい! ちょっと待て!」
トマング殿下は慌てて、体を前のめりにしてカップを手に取ろうとしたけれど、わたしが動く方が早かった。
彼がカップを手に取った時には、わたしはすでにガゼボから出て、小道に続く石畳の道を、コツコツとヒールの音を立てて歩き、小道まで出たところで、くるりとドレスの裾を翻らせて、ガゼボの方に体を向けてカーテシーをする。
「では、皆様、ごきげんよう。まだ、トマング殿下のお茶も残っておるようですし、わたしの事はお気になさらず、どうかお話を続けてくださいませ」
誰からの返事も待たずに、困惑気味のドリーと一緒にお母様がいると思われる王城に向かって歩き出す。
本当に過去に戻っているのか知りたい。
もし、本当にそうなら、お母様は今も元気にしておられて、王妃陛下主催の婦人だけのお茶会に出席しているはず。
そう思うと、少しでも早くお母様の元気な姿を確かめたくなって早足になる。
すると、後ろから足音が近付いてくるのがわかった。
「リンスレット!」
「イロアス!」
白シャツにダークブラウンのパンツ姿というラフな格好のイロアスは、心配そうな顔で私に尋ねてくる。
「本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫よ。心配してくれてありがとう。それから、あのね、イロアス…」
「ん?」
言いにくそうにしていると、イロアスが問いかけてくる。
「どうかしたのか? やっぱり、気分が…」
「気分が悪いのは確かよ。でも、言いたいのはそうじゃなくて…。あの、今まで、本当にありがとう。こうやって優しくしてもらえるのは嬉しい。だけど、他の人に誤解されてしまっては大変よ。あなたは、婚約者のロリアンナ様を大事にしてちょうだい」
そこまで口にして、わたしはふと引っかかった。
わたしがお兄様に殴る蹴るの暴行を加えられているのに、ニヤニヤしていただけでなく、意識が途切れる前には、お腹を抱えて笑っていたの光景を思い出す。
そんな人がイロアスの奥様になるの?
イロアスの奥様になるという事は、後の公爵夫人という事よね…。
人の事を気にしている場合じゃないのかもしれないけれど、イロアスがロリアンナ様との結婚を望んでいないのであれば、阻止した方がいいの?
問いかけたくなって、イロアスの方を見ると、彼は傷付いた顔をしていた。
「あ、あの、ごめんなさい、イロアス」
「いや、いいんだ。ごめん、僕も軽率だった。……じゃあ、僕は戻るよ。ドリー、リンスレットを頼む」
イロアスは悲しげな笑みを浮かべて去っていく。
ごめんなさい、イロアス。
彼を傷つけてしまった、自分の軽率な態度に嫌になりそうになった、その時だった。
「リンスレット!」
ここ久しく聞けていなかった声が聞こえ、期待を込めて、声のした方向に振り返った。
すると、血相を変えたお母様がわたしに向かって小走りでやってくるのが見えた。
「お母様!!」
元気なお母様を見るのが久しぶりで、思わずお母様に飛びついた。
「まあ! どうかしたの? また何か、嫌な事でもあった?」
違うの、と言いたくなったけれど、未来から過去に戻ったなんて話をしても信じてもらえるはずがない。
だから、尤もらしい答えを返す。
「……はい。トマング殿下がまた私の悪口を…」
「……またなの?」
昔のわたしはこんな風に、お父様とお母様に訴えていたし、イロアスはわたしとトマンズ殿下の婚約の解消を訴えてくれていた。
けれど、トマング殿下は、あんな幼稚な人でも第2王子で王族。
公爵家では立場的に強く言えない事もあり、こちらから婚約破棄を持ち出せず、向こうからの婚約破棄、もしくは解消を求めても、許可されなかった。
そういえば、どうして、トマング殿下は、わたしの事を嫌っていたのに、婚約破棄を言い出さなかったの?
考えてみるとおかしいわ。
あんなにわたしを嫌っているのだから、一番に婚約破棄を言い出しそうなものなのに…。
何か裏があるのかしら?
今、こうしてここにいる事は、過去に冤罪で命を落としたわたしに対する神様の同情なのか、それとも何かの陰謀を阻止する為なのか、はっきりとした目的やわたしが何をしなければ良いのかわからないけれど、ただ、わたしに言える事は、悪い人達の思い通りにはさせない。
それだけだった。
この日はたしか、トマング殿下から、帰り際に冷えたお茶をかけられた事を思い出した。
視線を感じてトマング殿下の方を見ると、ニヤニヤしているので、明らかに、お茶をかけられた時のわたしの反応を想像しているのだと思うと腹が立った。
この人は性格も悪いし賢くもないけれど、熱いお茶をかける勇気はないから助かっていたのよね。
王妃陛下の命令で、わたしとトマング殿下、そしてロリアンナ様とイロアスの4人での談話会は定期的に行われていた。
トマング殿下から冷めたお茶をかけられたり、ケーキにわざわざ死んだ虫を入れられ、そのケーキを無理矢理食べさせられそうになったりと、幼稚な嫌がらせが続いて、散々、談話会に行きたくないと両親に訴え、両親から欠席すると伝えてもらったけれど、日にちが変更されるだけで、中々聞き入れてもらえなかった。
たぶん、王妃陛下の圧力があったのだと思う。
王妃陛下は少し変わっていて、わたしに嫌がらせをしたトマング殿下の話を武勇伝の様に感じているらしく、わたしへの嫌がらせを子供の可愛い遊びだと言いはり、それくらい許す様にとわたしの両親に命令してきた。
憂鬱な気持ちになりながらも、我慢して談話会に通っていたけれど、わたしが15歳になった時、定期的に4人で行われていた談話会は急遽、無期限の延期になった。
なぜなら、お父様とお母様が原因不明の流行り病にかかったから。
さすがに、お父様とお母様がそんな時に、談話会に行く気になどならないという、わたしの言葉を世間体もあり、却下できなかったのだと思う。
イロアスと会う時間を減らされたロリアンナ様は、最初はわたしに文句を言ってきたけれど、「その時間をイロアス様と2人きりで会う時間になさったら?」と伝えると、喜んでイロアスを誘いに行っていたのを覚えている。
意識を今に戻し、立ち上がろうとしているイロアスをうっとりした目で見ているロリアンナ様を、これまたうっとりした目で見ているトマング殿下に視線を向けると、わたしの視線に気付いたトマング殿下は本来の目的を思い出したと言わんばかりに、カップに手を伸ばそうとしたので、慌てて、わたしは立ち上がって叫んだ。
「ドリー! 申し訳ないけれど、カップを片付けてもらえる?」
トマング殿下のやり方はいつもワンパターン。
帰る間際にお茶を飲み干そうとするふりをしてカップを持ち、隣にいる私の太ももあたりにかけてくるという嫌がらせ。
嫌な事をされるとわかっているのに、大人しくしているつもりはないわ。
何より、このままいけば、未来には、この人達の嘘によって、わたしは殺されてしまうんだから!
少しでも未来を変えていかないと。
トマング殿下のカップをわたしの方に引き寄せ、ドリーに叫ぶと、トマング殿下が焦った声を出す。
「お、おい、これはまだ、俺が飲む」
「そうですか。なら、ごゆっくりどうぞ。私は気分が優れませんので、お先に帰らせていただきます」
「お、おい! ちょっと待て!」
トマング殿下は慌てて、体を前のめりにしてカップを手に取ろうとしたけれど、わたしが動く方が早かった。
彼がカップを手に取った時には、わたしはすでにガゼボから出て、小道に続く石畳の道を、コツコツとヒールの音を立てて歩き、小道まで出たところで、くるりとドレスの裾を翻らせて、ガゼボの方に体を向けてカーテシーをする。
「では、皆様、ごきげんよう。まだ、トマング殿下のお茶も残っておるようですし、わたしの事はお気になさらず、どうかお話を続けてくださいませ」
誰からの返事も待たずに、困惑気味のドリーと一緒にお母様がいると思われる王城に向かって歩き出す。
本当に過去に戻っているのか知りたい。
もし、本当にそうなら、お母様は今も元気にしておられて、王妃陛下主催の婦人だけのお茶会に出席しているはず。
そう思うと、少しでも早くお母様の元気な姿を確かめたくなって早足になる。
すると、後ろから足音が近付いてくるのがわかった。
「リンスレット!」
「イロアス!」
白シャツにダークブラウンのパンツ姿というラフな格好のイロアスは、心配そうな顔で私に尋ねてくる。
「本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫よ。心配してくれてありがとう。それから、あのね、イロアス…」
「ん?」
言いにくそうにしていると、イロアスが問いかけてくる。
「どうかしたのか? やっぱり、気分が…」
「気分が悪いのは確かよ。でも、言いたいのはそうじゃなくて…。あの、今まで、本当にありがとう。こうやって優しくしてもらえるのは嬉しい。だけど、他の人に誤解されてしまっては大変よ。あなたは、婚約者のロリアンナ様を大事にしてちょうだい」
そこまで口にして、わたしはふと引っかかった。
わたしがお兄様に殴る蹴るの暴行を加えられているのに、ニヤニヤしていただけでなく、意識が途切れる前には、お腹を抱えて笑っていたの光景を思い出す。
そんな人がイロアスの奥様になるの?
イロアスの奥様になるという事は、後の公爵夫人という事よね…。
人の事を気にしている場合じゃないのかもしれないけれど、イロアスがロリアンナ様との結婚を望んでいないのであれば、阻止した方がいいの?
問いかけたくなって、イロアスの方を見ると、彼は傷付いた顔をしていた。
「あ、あの、ごめんなさい、イロアス」
「いや、いいんだ。ごめん、僕も軽率だった。……じゃあ、僕は戻るよ。ドリー、リンスレットを頼む」
イロアスは悲しげな笑みを浮かべて去っていく。
ごめんなさい、イロアス。
彼を傷つけてしまった、自分の軽率な態度に嫌になりそうになった、その時だった。
「リンスレット!」
ここ久しく聞けていなかった声が聞こえ、期待を込めて、声のした方向に振り返った。
すると、血相を変えたお母様がわたしに向かって小走りでやってくるのが見えた。
「お母様!!」
元気なお母様を見るのが久しぶりで、思わずお母様に飛びついた。
「まあ! どうかしたの? また何か、嫌な事でもあった?」
違うの、と言いたくなったけれど、未来から過去に戻ったなんて話をしても信じてもらえるはずがない。
だから、尤もらしい答えを返す。
「……はい。トマング殿下がまた私の悪口を…」
「……またなの?」
昔のわたしはこんな風に、お父様とお母様に訴えていたし、イロアスはわたしとトマンズ殿下の婚約の解消を訴えてくれていた。
けれど、トマング殿下は、あんな幼稚な人でも第2王子で王族。
公爵家では立場的に強く言えない事もあり、こちらから婚約破棄を持ち出せず、向こうからの婚約破棄、もしくは解消を求めても、許可されなかった。
そういえば、どうして、トマング殿下は、わたしの事を嫌っていたのに、婚約破棄を言い出さなかったの?
考えてみるとおかしいわ。
あんなにわたしを嫌っているのだから、一番に婚約破棄を言い出しそうなものなのに…。
何か裏があるのかしら?
今、こうしてここにいる事は、過去に冤罪で命を落としたわたしに対する神様の同情なのか、それとも何かの陰謀を阻止する為なのか、はっきりとした目的やわたしが何をしなければ良いのかわからないけれど、ただ、わたしに言える事は、悪い人達の思い通りにはさせない。
それだけだった。
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