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11 放ってはおけません
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パゼリノ王国の王城に住み始めてから五日が経った。旅の疲れがあるだろうと、いまだに部屋でゆっくりしているように言われる。でも、大人しくしていられるタイプではないので、城内にいる犬たちに挨拶をして回ろうと決めた。
城の横には渡り廊下で繋がる別棟があり、そこで問題の宰相たちが仕事をしているという。別棟には一人では行かないようにと言われているので、ボディーガードになってくれるというカンバーとリリと共に別棟には近づかず、他の人の邪魔にならないように歩き始めた。
『そういえば、カンバーは宰相の犬のことをどう思うの?』
『名前はファンクと言うんだ。嫌な奴だが、根は悪い奴ではないと思う。主人が悪いのだと思うよ』
『主人に命令されているということ?』
『そういうことだね。……ふむ。ナナリー殿、歩く方向を変えようか』
カンバーがくるりと向きを変えたので、私とリリも慌てて来た道を戻る。
「カンバー、どうかしたの?」
『奴が来るよ』
「奴?」
『主が嫌っている相手だ』
……ということは宰相ってことね。犬は鼻がよく利く。だから、匂いを嗅ぎつけたんだわ。
宰相をやり過ごすために、私たちは中庭に出た。これで逃げることができたと思ったら甘かった。私たちが木の陰に隠れたところで、全身黒ずくめの若い男性がメイドを連れて中庭に出てきた。
金色の髪に四角いフレームの眼鏡をかけた男性を見ながら、カンバーに問いかける。
『あれが宰相かしら』
『そうだ。クランボ・イッチーという名前だ』
『名前もちゃんと憶えているのね』
『ファンクが覚えろとうるさかったのでね』
こんなにも賢いカンバーよりもファンクという犬は賢いのね。一体、どんな子なのかしら。
「以前にも注意したのに、またあなたですよ。一度言われて覚えられないのなら、ここにいる意味はありません。仕事を辞めなさい!」
突然、クランボ様が叫んだので、私とリリは体をびくりと震わせた。
「申し訳ございません! 次こそは必ず間違えませんから!」
クランボ様に怒鳴られているメイド服を着た若い女性は、何度も頭を下げて謝る。すると、クランボ様は頭を下げている女性の髪を掴んで顔を上げさせると平手打ちをした。
『ひどい!』
リリが叫び、私もさすがに黙って見ていられないと思った時、私たちの前に黒と茶色の毛が入り混じった大型犬が走ってきた。珍しい犬種だったので、必死に頭の中でおばあ様の犬種図鑑に書いてあったことを思い出す。
たしか、ロットワイラー。飼い主には従順だけど他人には警戒心から凶暴になる可能性があると言われている犬種だと書いてあった。
毛は短く筋肉質の体で見た目は可愛らしい。賢い犬だと言われているから、私たちを襲うことはないと思うけど……。
『怖い!』
リリが叫んで私の後ろに回ろうとしたけれど、足を止めて私の前に移動する。
『ナナリーはわたしが守る!』
『では、ナナリー殿とリリは我が守ろう』
そう言って、私とリリの前に立ってくれたカンバーに人間の私がどきんとしてしまった。リリも『すてき』と、メロメロになっている。
……って、そんな場合じゃないわ! カンバーもリリも私が守らなきゃ!
『ご主人の邪魔をするな!』
ファンクがウーッと唸り声を上げて威嚇体勢を取る。
『ファンク、聞いて。あなたのご主人は人間に暴力をふるったの。それを止めに入ろうとしただけよ』
『……俺の言葉がわかるのか?』
ファンクは一瞬、威嚇するのをやめたけれど、すぐに唸り始める。
『そんなのどうでもいいか! 敵は敵だ!』
『何もしない相手を襲うなんて最低だわ!』
リリがカンバーの隣に立った瞬間、ファンクの動きが止まった。
『『『……?』』』
不思議に思っていると、ファンクがリリを凝視して「ワウワウ!」と叫んだ。
『な、なんと美しい!』
『え? わたし? ま、まあ、美犬のほうだとは思うけど……』
『ぜ、ぜひ友達から始めたい!』
ファンクは今までの態度を一変させて、リリを口説き始める。
せっかく隠れていたのに、こんなに騒がしくしていては意味がないわね。そう考えてクランボ様たちがいた方向を見ると、すでに彼らはいなかった。
「気づかなかったのかしら」
『主が鳥から連絡を受けたようで、クランボを連れて行ってくれた』
「そうだったのね……」
後でお礼を言わなくちゃ。
近くの木の枝が揺れたので見上げると、色鮮やかな鳥が私を見ていた。鳥には詳しくない。でも、オウムってこんな顔と大きさだったような気がする。
「助けてくれてありがとう」
「ドウイタシマシテ」
簡単な言葉は覚えているみたいで、鳥はそう返してくれた。
『あなたのお名前を教えてくださいぃ!』
『何、この犬ぅっ!!』
『ファンク! いい加減にしろ!』
リリとファンクの声が聞こえて我に返った時には、興奮したファンクの体にカンバーが体当たりしていた。
*******
挨拶まわりどころではなくなった私たちは、リリに付きまとおうとするファンクを兵士に任せて、私の部屋に戻ることにした。
『本当に怖い目にあったわ。カンバーさま、ありがとうございます! 助けてくれたお礼に今度、ジャーキーをあげます!』
『当然のことをしたまでだ。気にしなくて良い』
『すてき!』
リリとカンバーの話を聞いて、私もカンバーにお礼をしなくちゃいけないと思い、メイドに頼んでカンバーの大好きなジャーキーを持ってきてもらうように頼んだ。
「本当に助かったわ。ありがとう、カンバー」
『リリにも言ったが、紳士として当然のことをしたまでだよ』
やっぱりカンバーは普通の犬に比べて紳士的な対応をしてくれる。きっと、他の犬にもモテているんでしょうね。
しばらくして、部屋の扉が叩かれたので返事をしたら、訪ねて来たのはフェル殿下だった。慌てて部屋に迎え入れて、先ほどのお礼を言う。
「お礼が遅くなりましたが、先ほどは助けていただき本当にありがとうございました。すぐにお礼をしに行ったら、クランボ様と出くわすかと思いまして時間をずらそうと思ったんです」
「気にするな。普段はクランボが城内をうろうろすることはないから、タイミングが悪かっただけだ。メイドのことも心配しなくて良い。俺がここに来たのは、あの後は大丈夫だったか確認したかったのと、獣医とコンタクトを取らせた部下たちから報告が来ているので伝えるためだ」
「ありがとうございます。今、どんな状況なのでしょうか」
誤診をされて一番迷惑をこうむるのは犬だ。人間の勝手で彼らに何かあっては困る。獣医にはテレサ様に連絡はせず、フェル殿下が手配してくれた騎士たちに報告するようにお願いしていた。騎士たちには申し訳ないけれど、今はプロウス王国まで行ってもらっている状況だ。
「誰も相談しに来ないと言って、テグノ伯爵夫人は散歩中に出会った犬を勝手に診断して、とんちんかんなことを言っているらしい」
「自分が私のようにできると思い込んでいるんですね……」
「そうみたいだ。彼女に言われて病院に行ったら何もないと言われ、無駄なお金を使ったと憤る貴族が増えているらしい。近いうちに集団訴訟を起こされるかもな」
「病院代は馬鹿になりませんものね。高位貴族ならまだしも、低位貴族にしてみれば病院代はかなり痛手なものでしょう。それで病気が見つかったなら何も思わないでしょうけど、何もなかったでは納得いかないでしょうね」
「犬の定期的な健康診断と思えるような金額じゃないからな」
犬の診療代は自由診療だ。多くの獣医は良心的な値段設定だけど、ぼったくりではないかと思うような高い値段のところもある。テレサ様にいい加減なことを言われたということで、文句を言う貴族が現れてもおかしくない。
「今のところ犬に被害はないようですけど、いい加減なことをしているテレサ様を放ってはおけません」
テレサ様は自分のやっている行為を遊びか何かだと勘違いしているのかもしれない。そうじゃないってことを教えてあげないといけないみたいわ。
私に勝つためだとしたら余計に――
「フェル殿下、何十日に一度でもかまいません。私と多くの犬が出会えるイベントを作っていただけないでしょうか。警備費などがかかるかもしれませんが、平民でも来られるように入場料は安く設定する分、数で元を取るようにすればどうでしょうか」
「わかった。父上に相談してみる。詳しい内容は許可が下りてからでいいか?」
「かまいません」
「その時に、元夫が来るかもしれないぞ」
「大勢の前で馬鹿なことを言ってくるようであれば、その人たちの前で引導を渡すだけです。テレサ様も来るでしょうから、まとめて相手をいたします」
はっきり答えると、フェル殿下は口元に笑みを浮かべて頷いた。
城の横には渡り廊下で繋がる別棟があり、そこで問題の宰相たちが仕事をしているという。別棟には一人では行かないようにと言われているので、ボディーガードになってくれるというカンバーとリリと共に別棟には近づかず、他の人の邪魔にならないように歩き始めた。
『そういえば、カンバーは宰相の犬のことをどう思うの?』
『名前はファンクと言うんだ。嫌な奴だが、根は悪い奴ではないと思う。主人が悪いのだと思うよ』
『主人に命令されているということ?』
『そういうことだね。……ふむ。ナナリー殿、歩く方向を変えようか』
カンバーがくるりと向きを変えたので、私とリリも慌てて来た道を戻る。
「カンバー、どうかしたの?」
『奴が来るよ』
「奴?」
『主が嫌っている相手だ』
……ということは宰相ってことね。犬は鼻がよく利く。だから、匂いを嗅ぎつけたんだわ。
宰相をやり過ごすために、私たちは中庭に出た。これで逃げることができたと思ったら甘かった。私たちが木の陰に隠れたところで、全身黒ずくめの若い男性がメイドを連れて中庭に出てきた。
金色の髪に四角いフレームの眼鏡をかけた男性を見ながら、カンバーに問いかける。
『あれが宰相かしら』
『そうだ。クランボ・イッチーという名前だ』
『名前もちゃんと憶えているのね』
『ファンクが覚えろとうるさかったのでね』
こんなにも賢いカンバーよりもファンクという犬は賢いのね。一体、どんな子なのかしら。
「以前にも注意したのに、またあなたですよ。一度言われて覚えられないのなら、ここにいる意味はありません。仕事を辞めなさい!」
突然、クランボ様が叫んだので、私とリリは体をびくりと震わせた。
「申し訳ございません! 次こそは必ず間違えませんから!」
クランボ様に怒鳴られているメイド服を着た若い女性は、何度も頭を下げて謝る。すると、クランボ様は頭を下げている女性の髪を掴んで顔を上げさせると平手打ちをした。
『ひどい!』
リリが叫び、私もさすがに黙って見ていられないと思った時、私たちの前に黒と茶色の毛が入り混じった大型犬が走ってきた。珍しい犬種だったので、必死に頭の中でおばあ様の犬種図鑑に書いてあったことを思い出す。
たしか、ロットワイラー。飼い主には従順だけど他人には警戒心から凶暴になる可能性があると言われている犬種だと書いてあった。
毛は短く筋肉質の体で見た目は可愛らしい。賢い犬だと言われているから、私たちを襲うことはないと思うけど……。
『怖い!』
リリが叫んで私の後ろに回ろうとしたけれど、足を止めて私の前に移動する。
『ナナリーはわたしが守る!』
『では、ナナリー殿とリリは我が守ろう』
そう言って、私とリリの前に立ってくれたカンバーに人間の私がどきんとしてしまった。リリも『すてき』と、メロメロになっている。
……って、そんな場合じゃないわ! カンバーもリリも私が守らなきゃ!
『ご主人の邪魔をするな!』
ファンクがウーッと唸り声を上げて威嚇体勢を取る。
『ファンク、聞いて。あなたのご主人は人間に暴力をふるったの。それを止めに入ろうとしただけよ』
『……俺の言葉がわかるのか?』
ファンクは一瞬、威嚇するのをやめたけれど、すぐに唸り始める。
『そんなのどうでもいいか! 敵は敵だ!』
『何もしない相手を襲うなんて最低だわ!』
リリがカンバーの隣に立った瞬間、ファンクの動きが止まった。
『『『……?』』』
不思議に思っていると、ファンクがリリを凝視して「ワウワウ!」と叫んだ。
『な、なんと美しい!』
『え? わたし? ま、まあ、美犬のほうだとは思うけど……』
『ぜ、ぜひ友達から始めたい!』
ファンクは今までの態度を一変させて、リリを口説き始める。
せっかく隠れていたのに、こんなに騒がしくしていては意味がないわね。そう考えてクランボ様たちがいた方向を見ると、すでに彼らはいなかった。
「気づかなかったのかしら」
『主が鳥から連絡を受けたようで、クランボを連れて行ってくれた』
「そうだったのね……」
後でお礼を言わなくちゃ。
近くの木の枝が揺れたので見上げると、色鮮やかな鳥が私を見ていた。鳥には詳しくない。でも、オウムってこんな顔と大きさだったような気がする。
「助けてくれてありがとう」
「ドウイタシマシテ」
簡単な言葉は覚えているみたいで、鳥はそう返してくれた。
『あなたのお名前を教えてくださいぃ!』
『何、この犬ぅっ!!』
『ファンク! いい加減にしろ!』
リリとファンクの声が聞こえて我に返った時には、興奮したファンクの体にカンバーが体当たりしていた。
*******
挨拶まわりどころではなくなった私たちは、リリに付きまとおうとするファンクを兵士に任せて、私の部屋に戻ることにした。
『本当に怖い目にあったわ。カンバーさま、ありがとうございます! 助けてくれたお礼に今度、ジャーキーをあげます!』
『当然のことをしたまでだ。気にしなくて良い』
『すてき!』
リリとカンバーの話を聞いて、私もカンバーにお礼をしなくちゃいけないと思い、メイドに頼んでカンバーの大好きなジャーキーを持ってきてもらうように頼んだ。
「本当に助かったわ。ありがとう、カンバー」
『リリにも言ったが、紳士として当然のことをしたまでだよ』
やっぱりカンバーは普通の犬に比べて紳士的な対応をしてくれる。きっと、他の犬にもモテているんでしょうね。
しばらくして、部屋の扉が叩かれたので返事をしたら、訪ねて来たのはフェル殿下だった。慌てて部屋に迎え入れて、先ほどのお礼を言う。
「お礼が遅くなりましたが、先ほどは助けていただき本当にありがとうございました。すぐにお礼をしに行ったら、クランボ様と出くわすかと思いまして時間をずらそうと思ったんです」
「気にするな。普段はクランボが城内をうろうろすることはないから、タイミングが悪かっただけだ。メイドのことも心配しなくて良い。俺がここに来たのは、あの後は大丈夫だったか確認したかったのと、獣医とコンタクトを取らせた部下たちから報告が来ているので伝えるためだ」
「ありがとうございます。今、どんな状況なのでしょうか」
誤診をされて一番迷惑をこうむるのは犬だ。人間の勝手で彼らに何かあっては困る。獣医にはテレサ様に連絡はせず、フェル殿下が手配してくれた騎士たちに報告するようにお願いしていた。騎士たちには申し訳ないけれど、今はプロウス王国まで行ってもらっている状況だ。
「誰も相談しに来ないと言って、テグノ伯爵夫人は散歩中に出会った犬を勝手に診断して、とんちんかんなことを言っているらしい」
「自分が私のようにできると思い込んでいるんですね……」
「そうみたいだ。彼女に言われて病院に行ったら何もないと言われ、無駄なお金を使ったと憤る貴族が増えているらしい。近いうちに集団訴訟を起こされるかもな」
「病院代は馬鹿になりませんものね。高位貴族ならまだしも、低位貴族にしてみれば病院代はかなり痛手なものでしょう。それで病気が見つかったなら何も思わないでしょうけど、何もなかったでは納得いかないでしょうね」
「犬の定期的な健康診断と思えるような金額じゃないからな」
犬の診療代は自由診療だ。多くの獣医は良心的な値段設定だけど、ぼったくりではないかと思うような高い値段のところもある。テレサ様にいい加減なことを言われたということで、文句を言う貴族が現れてもおかしくない。
「今のところ犬に被害はないようですけど、いい加減なことをしているテレサ様を放ってはおけません」
テレサ様は自分のやっている行為を遊びか何かだと勘違いしているのかもしれない。そうじゃないってことを教えてあげないといけないみたいわ。
私に勝つためだとしたら余計に――
「フェル殿下、何十日に一度でもかまいません。私と多くの犬が出会えるイベントを作っていただけないでしょうか。警備費などがかかるかもしれませんが、平民でも来られるように入場料は安く設定する分、数で元を取るようにすればどうでしょうか」
「わかった。父上に相談してみる。詳しい内容は許可が下りてからでいいか?」
「かまいません」
「その時に、元夫が来るかもしれないぞ」
「大勢の前で馬鹿なことを言ってくるようであれば、その人たちの前で引導を渡すだけです。テレサ様も来るでしょうから、まとめて相手をいたします」
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