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11 身勝手な姉
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戦地にはエルだけじゃなく、一部の隊員も来てくれていた。
約10日ごとに20人ずつ入れ替わるとのことだった。
食後、無理をしようとしたことや、何も言わずに戦地に出かけたことについて怒られたので事情を話す。
「皆を巻き込みたくなかったのよ。あなたたちには家族がいるでしょう。任務でも待っている間は不安なんだから、それ以外の時に命の危険がある場所には行ってほしくないはずよ」
「僕は志願兵ですし、彼女は死なないんなら行って来て良いって言ってくれましたよ」
「死ぬかもしれないじゃない!」
「即死しなけりゃ、アイミー様が助けてくれるから死なないです」
「そうそう」
仲間たちの言葉に涙が出そうになった。
こんなにも私のことを信用してくれる人たちがいるだなんて思ってもいなかった。
涙を堪えていると、エルが話しかけてくる。
「たとえ助けられなくても、アイミーのせいじゃない。ここに来ている以上は、みんな覚悟を持って来てるんだ。出来る限りのことをしてくれたら良いんだよ」
「でも……」
私がここに来なければ、エルたちは来なかったはずだ。
だから、私の責任でもある。
気にしないわけにはいかない。
「隊長の言う通り、僕らに何かあってもアイミー様のせいじゃないです。僕は家にいてもすることがないから来たんです」
「俺の場合は友達が今戦ってる部隊にいるんで、そいつを助けに来ただけです」
「俺も家族がこっちにいまして、様子を見て来いって言われたんですよー」
私のために来たんじゃないというアピールをしてくれるものだから、また涙が出そうになる。
ここまで来てくれたんだもの。
今更、帰れだなんて言っても帰らないわよね。
涙をこらえて、笑顔で素直に感謝の気持ちを伝える。
「皆の顔が見れて嬉しいし、近くにいてくれると思うだけで心強いわ。来てくれて本当にありがとう。でも、私の仕事を増やさないようにだけしてね」
最後に憎まれ口をたたくと、仲間たちは笑顔で頷いた。
*****
エルも含めて第3騎兵隊の隊員は戦闘には加わらず、テントに運ばれてきた怪我人が重症か軽症かの判別をすることになった。
私も最近になって慣れてきたけれど、魔物に切り裂かれた身体を見ることは、普通の人では難しい。
怪我人を見て倒れてしまう後方支援のメンバーも多くいる。
戦場に出ている仲間たちは、仲間の死や怪我を目の当たりにしているし、自分自身が大きな怪我をした人もいる。
だから、気分が悪くなる人はいても、倒れてしまうようなことはない。
今まで判別をしていた人は治療に当たれるし、判別メンバーも増えて、他の隊からはとても感謝された。
余談ではあるが、私に回復魔法をかけてほしくないと言った男性は何者かに何度も足の小指をピンポイントで踏まれたり蹴られたり、ものを落とされたりするという運が悪い出来事が起こったと、騎士団長から教えてもらった。
犯人が誰だかわかるからか、私を呼び出した騎士団長は笑う。
「程々にするように伝えてくれ」
「やめるように伝えます。申し訳ございません」
「謝らなくていい。他の隊もお前たちのように一人のために皆が動くようになってくれたら良いんだけどな」
「今回のことは良いことではありませんから別として、隊員の中には、そう考えている人は多いと思います。でも、中にはそうでもない人もいますし、強制はできないですからね」
「人にしろと言われてするものじゃないからな。自分の意思がないと無理だ」
騎士団長は苦笑して続ける。
「第3騎兵隊に異動したいという隊員が増えて困ってる」
「第3騎兵隊の後方支援のリーダーとしては嬉しいお言葉です。エルファスにも伝えて褒めておきますね」
微笑んで軽く頭を下げると、騎士団長は豪快に笑う。
「本当にお前は令嬢らしくないな」
「周りが言葉遣いの悪い人ばかりですから、自然とそうなるんです」
「そんなもんか」
「そうです」
話を終えてテントから出ると、突然、目の前にピンク色の封筒が現れた。
手紙を誰かに送る時は配達人にお願いして相手に届けてもらうのが一般的だ。
でも、手紙を送る魔法を使える人は、自分の魔法で相手に一瞬で届けることができる。
その魔法は高度なものなので使える人は少ない。
といっても、ルーンル王国は人口が推定一千万人と言われているから、少し探せば使える人は見つかるはずだ。
この魔法は、私も使えるし、お姉様も使えるもので、差出人はお姉様だった。
出産予定日が近いから、生まれたという連絡でもしてきたのかと思った。
無事に生まれたのは良いことだけど、風の噂で聞くくらいで良いのに。
そう思いつつも、手紙を読んでみた。
『アイミー、どういうことなの!?
レイロは私と結婚するつもりはないって言うの。
しかも、子供は自分の子じゃないとまで言うのよ。
あなた、レイロに何を言ったの?
奪ったことは悪いと思うわ。
だけど、嫌がらせまでしなくてもいいじゃないの』
そこまで読んで、手紙を破り捨てたくなった。
レイロとお姉様のことは、私にはもう関係ない。
それに嫌がらせなんてしていない。
二人の問題なのに、どうして私を巻き込もうとするのか。
読み進めるのをやめようかと思ったけれど、何か嫌な予感がして続きを読んだ。
すると、予感は的中し、続きには恐ろしいことが書かれていた。
『話がしたいから、今、あなたのいる地に向かっているの。
できれば少しでも早く会いたいから、途中まで迎えに来てほしい』
嘘でしょう?
子供がいつ生まれるかわからない状態でこっちに来るなんて馬鹿じゃないの?
ありえないわ。
レイロもいい加減に腹をくくれば良いのに!
私がここを出るのは絶対に駄目だ。
慌てて、エルに相談しに行くと、仲間に頼んで、お姉様を安全な場所に連れて行ってもらうと言ってくれた。
お姉様がこの場に来たら、私が言われた以上に酷いことを言われると思う。
お姉様にはその覚悟があるんだろうか。
……それよりも、お腹の子はお姉様にとって、レイロと結婚するための手段の一つでしかなかったのか。
生まれてくる子供のことが心配になった。
約10日ごとに20人ずつ入れ替わるとのことだった。
食後、無理をしようとしたことや、何も言わずに戦地に出かけたことについて怒られたので事情を話す。
「皆を巻き込みたくなかったのよ。あなたたちには家族がいるでしょう。任務でも待っている間は不安なんだから、それ以外の時に命の危険がある場所には行ってほしくないはずよ」
「僕は志願兵ですし、彼女は死なないんなら行って来て良いって言ってくれましたよ」
「死ぬかもしれないじゃない!」
「即死しなけりゃ、アイミー様が助けてくれるから死なないです」
「そうそう」
仲間たちの言葉に涙が出そうになった。
こんなにも私のことを信用してくれる人たちがいるだなんて思ってもいなかった。
涙を堪えていると、エルが話しかけてくる。
「たとえ助けられなくても、アイミーのせいじゃない。ここに来ている以上は、みんな覚悟を持って来てるんだ。出来る限りのことをしてくれたら良いんだよ」
「でも……」
私がここに来なければ、エルたちは来なかったはずだ。
だから、私の責任でもある。
気にしないわけにはいかない。
「隊長の言う通り、僕らに何かあってもアイミー様のせいじゃないです。僕は家にいてもすることがないから来たんです」
「俺の場合は友達が今戦ってる部隊にいるんで、そいつを助けに来ただけです」
「俺も家族がこっちにいまして、様子を見て来いって言われたんですよー」
私のために来たんじゃないというアピールをしてくれるものだから、また涙が出そうになる。
ここまで来てくれたんだもの。
今更、帰れだなんて言っても帰らないわよね。
涙をこらえて、笑顔で素直に感謝の気持ちを伝える。
「皆の顔が見れて嬉しいし、近くにいてくれると思うだけで心強いわ。来てくれて本当にありがとう。でも、私の仕事を増やさないようにだけしてね」
最後に憎まれ口をたたくと、仲間たちは笑顔で頷いた。
*****
エルも含めて第3騎兵隊の隊員は戦闘には加わらず、テントに運ばれてきた怪我人が重症か軽症かの判別をすることになった。
私も最近になって慣れてきたけれど、魔物に切り裂かれた身体を見ることは、普通の人では難しい。
怪我人を見て倒れてしまう後方支援のメンバーも多くいる。
戦場に出ている仲間たちは、仲間の死や怪我を目の当たりにしているし、自分自身が大きな怪我をした人もいる。
だから、気分が悪くなる人はいても、倒れてしまうようなことはない。
今まで判別をしていた人は治療に当たれるし、判別メンバーも増えて、他の隊からはとても感謝された。
余談ではあるが、私に回復魔法をかけてほしくないと言った男性は何者かに何度も足の小指をピンポイントで踏まれたり蹴られたり、ものを落とされたりするという運が悪い出来事が起こったと、騎士団長から教えてもらった。
犯人が誰だかわかるからか、私を呼び出した騎士団長は笑う。
「程々にするように伝えてくれ」
「やめるように伝えます。申し訳ございません」
「謝らなくていい。他の隊もお前たちのように一人のために皆が動くようになってくれたら良いんだけどな」
「今回のことは良いことではありませんから別として、隊員の中には、そう考えている人は多いと思います。でも、中にはそうでもない人もいますし、強制はできないですからね」
「人にしろと言われてするものじゃないからな。自分の意思がないと無理だ」
騎士団長は苦笑して続ける。
「第3騎兵隊に異動したいという隊員が増えて困ってる」
「第3騎兵隊の後方支援のリーダーとしては嬉しいお言葉です。エルファスにも伝えて褒めておきますね」
微笑んで軽く頭を下げると、騎士団長は豪快に笑う。
「本当にお前は令嬢らしくないな」
「周りが言葉遣いの悪い人ばかりですから、自然とそうなるんです」
「そんなもんか」
「そうです」
話を終えてテントから出ると、突然、目の前にピンク色の封筒が現れた。
手紙を誰かに送る時は配達人にお願いして相手に届けてもらうのが一般的だ。
でも、手紙を送る魔法を使える人は、自分の魔法で相手に一瞬で届けることができる。
その魔法は高度なものなので使える人は少ない。
といっても、ルーンル王国は人口が推定一千万人と言われているから、少し探せば使える人は見つかるはずだ。
この魔法は、私も使えるし、お姉様も使えるもので、差出人はお姉様だった。
出産予定日が近いから、生まれたという連絡でもしてきたのかと思った。
無事に生まれたのは良いことだけど、風の噂で聞くくらいで良いのに。
そう思いつつも、手紙を読んでみた。
『アイミー、どういうことなの!?
レイロは私と結婚するつもりはないって言うの。
しかも、子供は自分の子じゃないとまで言うのよ。
あなた、レイロに何を言ったの?
奪ったことは悪いと思うわ。
だけど、嫌がらせまでしなくてもいいじゃないの』
そこまで読んで、手紙を破り捨てたくなった。
レイロとお姉様のことは、私にはもう関係ない。
それに嫌がらせなんてしていない。
二人の問題なのに、どうして私を巻き込もうとするのか。
読み進めるのをやめようかと思ったけれど、何か嫌な予感がして続きを読んだ。
すると、予感は的中し、続きには恐ろしいことが書かれていた。
『話がしたいから、今、あなたのいる地に向かっているの。
できれば少しでも早く会いたいから、途中まで迎えに来てほしい』
嘘でしょう?
子供がいつ生まれるかわからない状態でこっちに来るなんて馬鹿じゃないの?
ありえないわ。
レイロもいい加減に腹をくくれば良いのに!
私がここを出るのは絶対に駄目だ。
慌てて、エルに相談しに行くと、仲間に頼んで、お姉様を安全な場所に連れて行ってもらうと言ってくれた。
お姉様がこの場に来たら、私が言われた以上に酷いことを言われると思う。
お姉様にはその覚悟があるんだろうか。
……それよりも、お腹の子はお姉様にとって、レイロと結婚するための手段の一つでしかなかったのか。
生まれてくる子供のことが心配になった。
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