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2 裏切り
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「……ぐぅ」
隣で変な声が聞こえてきたので目を向ける。
すると、真っ黒な物体が視界に飛び込んできた。
「ちょっと、エル、起きて」
すぐにそれが何だかわかった私は、下を向いて眠りこけているエルに小声で声を掛ける。
「ぐぅ……」
返ってきたのは小さないびき、もしくは寝息だった。
魔物が活発に動くのは夜だけど、夜行性ではない魔物もいるため、昼勤と夜勤の二交代制になっている。
エルの部隊は夜勤組なので、いつもはこの時間なら眠りについている。
だから、眠いのはわかる。
わかるけど、幹部会議で眠るのはやめてほしい。
朝食後、白いテントの中に集まっていたのは、今日の昼勤チーム以外の隊長と副隊長、そして、それぞれのチームの後方支援のリーダーだ。
いつもなら、夜勤明けは会議に参加しなくても良い。
だけど、最近、魔物の攻撃が激しくなっているから、夜勤組のエルたちの意見も聞きたいと言われて参加していた。
こんな緊張感のある会議で眠っているのはエルだけなんじゃないの?
そう思って周りを見回すと、そうでもなかった。
エルと共に夜勤に付いていたチームの隊長も、腕を組んで船を漕いでいる。
瞼に目を書いて顔を上げさせたら、二人共、起きているように見えるかしら。
相談しようと思って後ろにいる副隊長を見ると、真剣な表情で話を聞いていた。
今、そんな叢談をしたら怒られるわね。
諦めて、私は前を向いて話に集中する。
私はエルの隊の後方支援のリーダーなので、エルの隣に座って話を聞いている。
エルが眠っているのなら、私がしっかり話を聞いておかないと駄目だわ。
エルが意見を求められたら、すぐに答えられるようにしないと。
黒板に司令官補佐が戦略を書いていくので、それをノートに書き写していく。
後方支援のメンバーは一人を除いて、私と同じようにノートにペンを走らせている。
でも、騎兵隊の隊長たちは頭に叩き込むかのように黒板を見つめていた。
すると、司令官補佐が手を止めて、こちらに顔を向けた。
やばいわ。
「ちょっと、エル、起きて」
エルを肘でつつくと「んあ」という間抜けな声を上げて、垂れていた頭を上げた。
「ああ、いいんだ。昨日は大変だったみたいだから寝かせてやってくれ」
失笑ではなく、穏やかな空気が流れると、司令官補佐はそう言った。
司令官も騎士団長も口元を緩めているから、お咎めなしらしい。
「……ごめん。団長はどんな顔してる?」
目をこすりながら聞いてくるエルに小声で答える。
「安心して。団長は怒ってないわ。それから目をこすっちゃ駄目よ。寝てて良いと言ってくれたから寝てて良いわ」
「んー」
長テーブルに肘をつき、エルは私に話しかけてくる。
「俺、どれくらい寝てた?」
「私が気がついたのはさっき。エル、悪いけど、私は話を聞かなくちゃ駄目だから集中させて」
「……フェインが聞いてるだろ」
「フェインもあなたの斜め後ろで夢の中よ」
フェインというのはエルのチームの後方支援の副リーダーで、私の同僚だ。
夜は彼が率先して担当してくれるから、私は昨日の晩は起こされることもなかった。
「交代するから起こしてって言ってるのに起こしてくれないのよ」
フェインのフォローをすると、エルはふわぁと大きなあくびをする。
「……本当に大変な時こそ、アイミーに頑張ってもらわないといけないから起こさないんだろ。フェインを責めるなよ」
「わかってるわよ。感謝してる」
「……ならいい」
整った顔立ちのエルは、女性に人気があってもおかしくはない。
でも、彼は夜型で昼はいつも眠そうにしているから、女性に話しかけられても、どうしても退屈そうな態度に見えてしまう。
そのせいで、婚約の解消を何度もされていて、今は婚約者はいない。
今のエルは眠気もあり、ふわふわした感じだけど、覚醒した時の彼は畏怖の念を抱くらいに強い。
だからこそ、最年少で騎兵隊の隊長に選ばれ、年上の部下たちが文句を言わずに彼に従うのだと思う。
「エローニの森で戦闘が激化しているとの情報が入っている」
司令官補佐の声が聞こえ、私とエルは話に集中する。
エローニの森はレイロと私の姉のエイミーのいる部隊が応戦している場所だからだ。
私とレイロは夫婦だということで、チームがバラバラにされてしまった。
どちらかに何かあった時、任務に支障が出る可能性があると言われた。
レイロに何かあれば、冷静でいられる自信がないから、その判断に従った。
でも、離れさせられた理由は正直言うと納得がいっていない。
エルはレイロの大事な弟でもあり、私の大事な友人でもある。
エルやエルの部下たち、私の部下たちに何かあっても冷静でいられる自信はない。
悲しい思いはしたくないから、エルたちが怪我をしても、絶対に私が助ける。
そう考えた時だった。
「大変です! エローニの森から救援を求める狼煙が上がっています!」
伝令係からの報告に、その場にいた全員が立ち上がると騎士団長が叫ぶ。
「第3騎兵隊から第6騎兵隊以外は準備ができ次第、エローニの森に向かえ!」
私たちの部隊は第3騎兵隊だ。
わたしとエルは現地に向かうことは許されなかった。
*****
夕方、私とエルの元に第7騎兵隊の隊長がやって来て言った。
「レイロ隊長は大怪我を負った。回復魔法をかけたが、対応が遅かったからか治りが悪いので離脱することになった。命には別状はないとのことだ」
生きていると聞いて胸を撫で下ろすと、彼はこう付け加えた。
「エイミー様も付き添いで帰ることになった。その分、アイミーの負担が増えるかもしれない」
「負担なんかじゃないわ。それよりも皆はどうなの?」
回復魔法を使える人間は少ない。
見送りに行けないのは辛かったけれど、負傷者を優先することにした。
その時、お姉様がレイロと一緒に帰ることになった理由は特に気にならなかった。
道中で負傷兵の状態が悪くなった時に、お姉様の回復魔法が必要なのだと思っていた。
その後、魔物との戦いが激化したため、私には派兵期間の延長命令が出た。
それを聞いたエルが自分の期間も延長したため、同じ部隊の多くの人がエルと私を残して帰れないと言って一緒に残ってくれた。
それから約180日後、エルと共にサフレン辺境伯家に帰還した。
でも、再会を喜び合うはずだったレイロは外出していて、レイロの代わりに私を待ってくれていた、お姉様を見て私は愕然となった。
お姉様のお腹が普通では考えられないくらいに膨らんでいたからだ。
妊婦が相手なら、そのお腹の膨らみはおかしいとは思わない。
でも、お姉様は独身だ。
お腹に赤ちゃんがいることなど、普通は考えられない。
呆然としている私に、お姉様は言う。
「ごめんなさい。彼のことが昔から好きだったの」
「……彼って、誰のことですか」
「このお腹の中には彼との子供がいるの」
「だから、彼って誰なんですか!」
「……あなたの夫のレイロよ」
膨らんだお腹を撫でながら、お姉様は涙を流す。
泣きたいのはこっちだわ。
大体、第二王子の婚約者がなんてことをしているのよ!
「……一体、どういうことなんですか」
「ごめんなさい。アイミー、私とレイロは愛し合っているの。気持ちが抑えられなかったのよ!」
久しぶりに帰ってきたって言うのに、レイロは外出で、義父母の表情も険しかった。
だから、おかしいとは思っていた。
レイロは自分で言えないから、お姉様に任せて逃げたのね。
隣で変な声が聞こえてきたので目を向ける。
すると、真っ黒な物体が視界に飛び込んできた。
「ちょっと、エル、起きて」
すぐにそれが何だかわかった私は、下を向いて眠りこけているエルに小声で声を掛ける。
「ぐぅ……」
返ってきたのは小さないびき、もしくは寝息だった。
魔物が活発に動くのは夜だけど、夜行性ではない魔物もいるため、昼勤と夜勤の二交代制になっている。
エルの部隊は夜勤組なので、いつもはこの時間なら眠りについている。
だから、眠いのはわかる。
わかるけど、幹部会議で眠るのはやめてほしい。
朝食後、白いテントの中に集まっていたのは、今日の昼勤チーム以外の隊長と副隊長、そして、それぞれのチームの後方支援のリーダーだ。
いつもなら、夜勤明けは会議に参加しなくても良い。
だけど、最近、魔物の攻撃が激しくなっているから、夜勤組のエルたちの意見も聞きたいと言われて参加していた。
こんな緊張感のある会議で眠っているのはエルだけなんじゃないの?
そう思って周りを見回すと、そうでもなかった。
エルと共に夜勤に付いていたチームの隊長も、腕を組んで船を漕いでいる。
瞼に目を書いて顔を上げさせたら、二人共、起きているように見えるかしら。
相談しようと思って後ろにいる副隊長を見ると、真剣な表情で話を聞いていた。
今、そんな叢談をしたら怒られるわね。
諦めて、私は前を向いて話に集中する。
私はエルの隊の後方支援のリーダーなので、エルの隣に座って話を聞いている。
エルが眠っているのなら、私がしっかり話を聞いておかないと駄目だわ。
エルが意見を求められたら、すぐに答えられるようにしないと。
黒板に司令官補佐が戦略を書いていくので、それをノートに書き写していく。
後方支援のメンバーは一人を除いて、私と同じようにノートにペンを走らせている。
でも、騎兵隊の隊長たちは頭に叩き込むかのように黒板を見つめていた。
すると、司令官補佐が手を止めて、こちらに顔を向けた。
やばいわ。
「ちょっと、エル、起きて」
エルを肘でつつくと「んあ」という間抜けな声を上げて、垂れていた頭を上げた。
「ああ、いいんだ。昨日は大変だったみたいだから寝かせてやってくれ」
失笑ではなく、穏やかな空気が流れると、司令官補佐はそう言った。
司令官も騎士団長も口元を緩めているから、お咎めなしらしい。
「……ごめん。団長はどんな顔してる?」
目をこすりながら聞いてくるエルに小声で答える。
「安心して。団長は怒ってないわ。それから目をこすっちゃ駄目よ。寝てて良いと言ってくれたから寝てて良いわ」
「んー」
長テーブルに肘をつき、エルは私に話しかけてくる。
「俺、どれくらい寝てた?」
「私が気がついたのはさっき。エル、悪いけど、私は話を聞かなくちゃ駄目だから集中させて」
「……フェインが聞いてるだろ」
「フェインもあなたの斜め後ろで夢の中よ」
フェインというのはエルのチームの後方支援の副リーダーで、私の同僚だ。
夜は彼が率先して担当してくれるから、私は昨日の晩は起こされることもなかった。
「交代するから起こしてって言ってるのに起こしてくれないのよ」
フェインのフォローをすると、エルはふわぁと大きなあくびをする。
「……本当に大変な時こそ、アイミーに頑張ってもらわないといけないから起こさないんだろ。フェインを責めるなよ」
「わかってるわよ。感謝してる」
「……ならいい」
整った顔立ちのエルは、女性に人気があってもおかしくはない。
でも、彼は夜型で昼はいつも眠そうにしているから、女性に話しかけられても、どうしても退屈そうな態度に見えてしまう。
そのせいで、婚約の解消を何度もされていて、今は婚約者はいない。
今のエルは眠気もあり、ふわふわした感じだけど、覚醒した時の彼は畏怖の念を抱くらいに強い。
だからこそ、最年少で騎兵隊の隊長に選ばれ、年上の部下たちが文句を言わずに彼に従うのだと思う。
「エローニの森で戦闘が激化しているとの情報が入っている」
司令官補佐の声が聞こえ、私とエルは話に集中する。
エローニの森はレイロと私の姉のエイミーのいる部隊が応戦している場所だからだ。
私とレイロは夫婦だということで、チームがバラバラにされてしまった。
どちらかに何かあった時、任務に支障が出る可能性があると言われた。
レイロに何かあれば、冷静でいられる自信がないから、その判断に従った。
でも、離れさせられた理由は正直言うと納得がいっていない。
エルはレイロの大事な弟でもあり、私の大事な友人でもある。
エルやエルの部下たち、私の部下たちに何かあっても冷静でいられる自信はない。
悲しい思いはしたくないから、エルたちが怪我をしても、絶対に私が助ける。
そう考えた時だった。
「大変です! エローニの森から救援を求める狼煙が上がっています!」
伝令係からの報告に、その場にいた全員が立ち上がると騎士団長が叫ぶ。
「第3騎兵隊から第6騎兵隊以外は準備ができ次第、エローニの森に向かえ!」
私たちの部隊は第3騎兵隊だ。
わたしとエルは現地に向かうことは許されなかった。
*****
夕方、私とエルの元に第7騎兵隊の隊長がやって来て言った。
「レイロ隊長は大怪我を負った。回復魔法をかけたが、対応が遅かったからか治りが悪いので離脱することになった。命には別状はないとのことだ」
生きていると聞いて胸を撫で下ろすと、彼はこう付け加えた。
「エイミー様も付き添いで帰ることになった。その分、アイミーの負担が増えるかもしれない」
「負担なんかじゃないわ。それよりも皆はどうなの?」
回復魔法を使える人間は少ない。
見送りに行けないのは辛かったけれど、負傷者を優先することにした。
その時、お姉様がレイロと一緒に帰ることになった理由は特に気にならなかった。
道中で負傷兵の状態が悪くなった時に、お姉様の回復魔法が必要なのだと思っていた。
その後、魔物との戦いが激化したため、私には派兵期間の延長命令が出た。
それを聞いたエルが自分の期間も延長したため、同じ部隊の多くの人がエルと私を残して帰れないと言って一緒に残ってくれた。
それから約180日後、エルと共にサフレン辺境伯家に帰還した。
でも、再会を喜び合うはずだったレイロは外出していて、レイロの代わりに私を待ってくれていた、お姉様を見て私は愕然となった。
お姉様のお腹が普通では考えられないくらいに膨らんでいたからだ。
妊婦が相手なら、そのお腹の膨らみはおかしいとは思わない。
でも、お姉様は独身だ。
お腹に赤ちゃんがいることなど、普通は考えられない。
呆然としている私に、お姉様は言う。
「ごめんなさい。彼のことが昔から好きだったの」
「……彼って、誰のことですか」
「このお腹の中には彼との子供がいるの」
「だから、彼って誰なんですか!」
「……あなたの夫のレイロよ」
膨らんだお腹を撫でながら、お姉様は涙を流す。
泣きたいのはこっちだわ。
大体、第二王子の婚約者がなんてことをしているのよ!
「……一体、どういうことなんですか」
「ごめんなさい。アイミー、私とレイロは愛し合っているの。気持ちが抑えられなかったのよ!」
久しぶりに帰ってきたって言うのに、レイロは外出で、義父母の表情も険しかった。
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