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12 大きな虫
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「ぉあっ」
変な声を上げて、リュージ様は股間をおさえてしゃがみ込んだ。
「大丈夫ですか、リュージ様! 私の足が勝手にアレルギー反応で動いてしまいましたわ! 悪気はなかったんですの! アレルギーですから!」
介抱するふりをしてから、リュージ様を気の毒そうな目で見つめているフットマンに声を掛ける。
「ちょっとあなた! 申し訳ないけれど、リュージ様をライナオナ病院に連れて行ってくれない? 声も出せないくらいに痛いみたい!」
「ちょ……待て」
リュージ様が何か言おうとしたので、彼に近付いて叫ぶ。
「まあ大変! 悶絶していらっしゃるわ! ここは気を失わせたほうが優しさね!」
そう言ってリュージ様の首の後ろに手刀を食らわせた。
リュージ様は一瞬目を見開いたあと、無言で床に倒れ込む。
良かったわ。
上手くいくかわからなかったけれど、願い通りに気を失ってくれたらしい。
「ああ、良かったわ。楽になったみたいね」
私が微笑んで言うと、フットマンやメイドたちは明らかに口元を引きつらせて笑顔を返してきた。
もし、ジェドがここにいたら「いや、気を失わせただけだろ」とツッコミが入りそうね。
ここには私を止める人がいないので、自由にやれるのはありがたい。
私にこんなことをさせてくる人間が存在しないことが一番なのだけれど、この人を潰すためにこの家にいるわけだから良いでしょう。
それにしても、少し当たったくらいで悶絶するなんて、よっぽどなのね。
『レイティアのやらないといけない潰すってのは肉体的に潰すじゃないからな』
『やり過ぎるなって言ったじゃないか!』
なぜか、ジェドやお父様たちに叱られているような気がした。
でも、大丈夫。
きっとまだ、やり過ぎてはいないわ。
……と信じたい。
その後、タワオ家の御者とフットマンに、リュージ様を病院に運ぶようにお願いした。
彼が途中で目を覚まして暴れられては困るので、両手足を縛り、猿ぐつわをかましておいた。
夜になれば、馬車は予約していない限りつかまらない。
だから、一晩は帰ってこないでしょう。
リュージ様の乗った馬車を見送ったあと、今日はゆっくりしておこうかと思ったけれど、タワオ家の内情をもう少し調べておくことにした。
*****
次の日にはリュージ様は帰ってきた。
ただ、昨日のように私に出迎えろと言い出すことはなく、おとなしく自分の部屋に帰っていったらしい。
彼の執務室は私が占領しており、彼が近づけないように騎士に見張ってもらっている。
フェアララさんが来るまでの帳簿を確認してみると、それまでは彼の母親がやっていたようで、しっかりと管理はされていた。
フェアララさんにバトンタッチしてから、リュージ様のご両親は隠居して、セイフたちがこの家を牛耳りはじめたのかもしれない。
税の取り立ての仕方は領地によって違う。
普通は男爵家や子爵家に頼んで同じ時期に納税を促すことが多い。
でも、最近のタワオ公爵家は違った。
全て、セイフが管理するようになっていた。
そう広くない領地ではあるけれど、王都にそう遠くないことや鉱業が盛んなこともあり、税収でかなり潤っていた。
それにもかかわらず税を上げたのだから、領民が怒ったとしてもしょうがない。
リュージ様たちがいない間に、領民に簡単なアンケートを取り、その際、どんな人が連れて行かれたかを確認している。
無記名方式にしたけれど、何人かは税の代わりに差し出した人の名前を書いてくれていて、別邸にいる人たちに、その名前があるのか確認したけれど見つからなかった人もいた。
リュージ様、もしくはセイフが一部の若い女性を自分のものにしている可能性がある。
といっても、リュージ様は今までフェアララさんがいたのだから、その可能性は低い。
そうなると、セイフが怪しいのよね。
彼はタワオ邸に住んでいるから家はない。
自分の部屋に連れ込んでいるのであれば、ジーネたちがさすがに気付くはずだった。
考えられるとしたら――。
浮かんだ場所があったけれど、私に話をしてくれる可能性は低い。
そして、ああいう場所は警察を嫌っているだろうから、話を聞こうとしても拒否されるでしょう。
そう考えていた時、ジェドが国王陛下の伝令を持ってやって来たという連絡があった。
2人で話したいけれど、誤解を生んでも困るので庭園にある白いガゼボの中で騎士たちに見守られながら話そうと思い、案内するようにお願いした。
すると、ジェドがやって来たと聞いたリュージ様が、中庭に向かっていた私のところにやって来て叫ぶ。
「おい! 夫が家にいるのに間男と会うつもりかよ!」
「……リュージ様。あなた、御自分が何を言ってらっしゃるかわかりますか? シルーク卿は国王陛下の伝令で来られたのですよ? その方を間男扱いするなんて、国王陛下に対しての不敬ではありませんか?」
「ふん。俺は国王陛下と仲が良いんだ! それくらいで怒られたりはしない」
「仲が良いだなんて初めて知りましたわ」
国王陛下からそんな話を一度も聞いたことがないので、嘘をついているのだとわかり呆れてしまう。
よくもまあ、そんな嘘をつけるものだわ。
「そんなことは公に話す必要はないしな! 驚いただろう! 俺はすごいんだぞ、お前と違ってな!」
「そうですか。わかりましたわ。では、シルーク卿にはそうお伝えして帰っていただきましょう」
「ちょ、ちょっと待て! なんて言うつもりだよ!」
「私の書類上の夫が、あなたのことを私の間男だと疑っていると、そのままお伝えするだけですが?」
「そんなことをしたら、国王陛下が何を連絡しようとされたのかわからないだろう!?」
「リュージ様はシルーク卿が私の間男なのだとおっしゃりましたわよね? それは、陛下の伝令係というのは口実で、私に会いに来たのだと言いたかったというわけではないのですか?」
「いや、その、そこまでは言っていない……」
はっきりしないリュージ様に苛立って言う。
「どっちなのです? シルーク卿は私の間男だと? それとも?」
「くそっ! わかったよ! 間男じゃない! これでいいんだろ!?」
「とにかく話を聞きに行ってまいります」
リュージ様にそう言ったあと、彼に背を向けて歩き出す。
「おい! 俺も一緒に行ってやろうか?」
「迷惑ですので付いてこないでくださいませ。これ以上、しつこく話しかけてくるようでしたら、もう一度、病院送りにして差し上げましょうか?」
立ち止まってリュージ様に伝えると、リュージ様は何度も首を横に振る。
「い、いや、いい! シルーク卿によろしく頼むぞ!」
「……承知しました」
頷いてから、ジェドを待たせている中庭のガゼボへと急ぐ。
ナラシール家から来ている騎士たちはジェドとも仲が良いので、ジェドは彼らと楽しげに会話をしていた。
「お待たせいたしました」
「先触れもなしに申し訳ございません」
「いいえ。国王陛下の伝令に先触れなどいりませんわ」
話しかけると、ジェドは騎士たちとの会話をやめて、私のところへやって来た。
そのあとは定型文のような挨拶をしてから、本題に入った。
「国王陛下からの伝言になりますが、セイフを一度、こちらの屋敷に戻すことにするとのことです」
「やはり罪には問えないのですね?」
「……」
ジェドは私の質問には答えない。
罪に問えないのではなく、わざと問わないのだと言いたいらしい。
でも、どうして口に出して言ってくれないのかしら。
そう思った時、ジェドの視線が私から横に逸れた。
そして、すぐに私に視線を戻す。
後方を確認するために歩き出すふりをして身体を横に向ける。
そして、ジェドが視線を向けた方向をさりげなく見てみると、リュージ様が木の後ろに隠れて、私たちのほうを見ていた。
一体、何なの。
気持ち悪い。
「シルーク卿、お願いがあるんですけど」
「虫がいるようですから排除しろ、でしょうか?」
「お願いできますか? ものすごく大きな虫なのですが」
「かまいませんよ」
ジェドは頷くと、軍服のポケットの中からコインを取り出し、リュージ様にむかって投げた。
ゴツッという鈍い音がしたと同時に「うっ」という声が聞こえ、リュージ様が後ろにひっくり返った。
それを見た私は、近くにいた騎士に笑顔でお願いする。
「悪いけれど、フットマンにリュージ様を病院に連れて行ってもらうように頼んでもらえるかしら?」
「承知しました」
ナラシール家の騎士は笑いを噛み殺して頷いたあと、リュージ様を抱えて中庭から屋敷の中に入っていった。
変な声を上げて、リュージ様は股間をおさえてしゃがみ込んだ。
「大丈夫ですか、リュージ様! 私の足が勝手にアレルギー反応で動いてしまいましたわ! 悪気はなかったんですの! アレルギーですから!」
介抱するふりをしてから、リュージ様を気の毒そうな目で見つめているフットマンに声を掛ける。
「ちょっとあなた! 申し訳ないけれど、リュージ様をライナオナ病院に連れて行ってくれない? 声も出せないくらいに痛いみたい!」
「ちょ……待て」
リュージ様が何か言おうとしたので、彼に近付いて叫ぶ。
「まあ大変! 悶絶していらっしゃるわ! ここは気を失わせたほうが優しさね!」
そう言ってリュージ様の首の後ろに手刀を食らわせた。
リュージ様は一瞬目を見開いたあと、無言で床に倒れ込む。
良かったわ。
上手くいくかわからなかったけれど、願い通りに気を失ってくれたらしい。
「ああ、良かったわ。楽になったみたいね」
私が微笑んで言うと、フットマンやメイドたちは明らかに口元を引きつらせて笑顔を返してきた。
もし、ジェドがここにいたら「いや、気を失わせただけだろ」とツッコミが入りそうね。
ここには私を止める人がいないので、自由にやれるのはありがたい。
私にこんなことをさせてくる人間が存在しないことが一番なのだけれど、この人を潰すためにこの家にいるわけだから良いでしょう。
それにしても、少し当たったくらいで悶絶するなんて、よっぽどなのね。
『レイティアのやらないといけない潰すってのは肉体的に潰すじゃないからな』
『やり過ぎるなって言ったじゃないか!』
なぜか、ジェドやお父様たちに叱られているような気がした。
でも、大丈夫。
きっとまだ、やり過ぎてはいないわ。
……と信じたい。
その後、タワオ家の御者とフットマンに、リュージ様を病院に運ぶようにお願いした。
彼が途中で目を覚まして暴れられては困るので、両手足を縛り、猿ぐつわをかましておいた。
夜になれば、馬車は予約していない限りつかまらない。
だから、一晩は帰ってこないでしょう。
リュージ様の乗った馬車を見送ったあと、今日はゆっくりしておこうかと思ったけれど、タワオ家の内情をもう少し調べておくことにした。
*****
次の日にはリュージ様は帰ってきた。
ただ、昨日のように私に出迎えろと言い出すことはなく、おとなしく自分の部屋に帰っていったらしい。
彼の執務室は私が占領しており、彼が近づけないように騎士に見張ってもらっている。
フェアララさんが来るまでの帳簿を確認してみると、それまでは彼の母親がやっていたようで、しっかりと管理はされていた。
フェアララさんにバトンタッチしてから、リュージ様のご両親は隠居して、セイフたちがこの家を牛耳りはじめたのかもしれない。
税の取り立ての仕方は領地によって違う。
普通は男爵家や子爵家に頼んで同じ時期に納税を促すことが多い。
でも、最近のタワオ公爵家は違った。
全て、セイフが管理するようになっていた。
そう広くない領地ではあるけれど、王都にそう遠くないことや鉱業が盛んなこともあり、税収でかなり潤っていた。
それにもかかわらず税を上げたのだから、領民が怒ったとしてもしょうがない。
リュージ様たちがいない間に、領民に簡単なアンケートを取り、その際、どんな人が連れて行かれたかを確認している。
無記名方式にしたけれど、何人かは税の代わりに差し出した人の名前を書いてくれていて、別邸にいる人たちに、その名前があるのか確認したけれど見つからなかった人もいた。
リュージ様、もしくはセイフが一部の若い女性を自分のものにしている可能性がある。
といっても、リュージ様は今までフェアララさんがいたのだから、その可能性は低い。
そうなると、セイフが怪しいのよね。
彼はタワオ邸に住んでいるから家はない。
自分の部屋に連れ込んでいるのであれば、ジーネたちがさすがに気付くはずだった。
考えられるとしたら――。
浮かんだ場所があったけれど、私に話をしてくれる可能性は低い。
そして、ああいう場所は警察を嫌っているだろうから、話を聞こうとしても拒否されるでしょう。
そう考えていた時、ジェドが国王陛下の伝令を持ってやって来たという連絡があった。
2人で話したいけれど、誤解を生んでも困るので庭園にある白いガゼボの中で騎士たちに見守られながら話そうと思い、案内するようにお願いした。
すると、ジェドがやって来たと聞いたリュージ様が、中庭に向かっていた私のところにやって来て叫ぶ。
「おい! 夫が家にいるのに間男と会うつもりかよ!」
「……リュージ様。あなた、御自分が何を言ってらっしゃるかわかりますか? シルーク卿は国王陛下の伝令で来られたのですよ? その方を間男扱いするなんて、国王陛下に対しての不敬ではありませんか?」
「ふん。俺は国王陛下と仲が良いんだ! それくらいで怒られたりはしない」
「仲が良いだなんて初めて知りましたわ」
国王陛下からそんな話を一度も聞いたことがないので、嘘をついているのだとわかり呆れてしまう。
よくもまあ、そんな嘘をつけるものだわ。
「そんなことは公に話す必要はないしな! 驚いただろう! 俺はすごいんだぞ、お前と違ってな!」
「そうですか。わかりましたわ。では、シルーク卿にはそうお伝えして帰っていただきましょう」
「ちょ、ちょっと待て! なんて言うつもりだよ!」
「私の書類上の夫が、あなたのことを私の間男だと疑っていると、そのままお伝えするだけですが?」
「そんなことをしたら、国王陛下が何を連絡しようとされたのかわからないだろう!?」
「リュージ様はシルーク卿が私の間男なのだとおっしゃりましたわよね? それは、陛下の伝令係というのは口実で、私に会いに来たのだと言いたかったというわけではないのですか?」
「いや、その、そこまでは言っていない……」
はっきりしないリュージ様に苛立って言う。
「どっちなのです? シルーク卿は私の間男だと? それとも?」
「くそっ! わかったよ! 間男じゃない! これでいいんだろ!?」
「とにかく話を聞きに行ってまいります」
リュージ様にそう言ったあと、彼に背を向けて歩き出す。
「おい! 俺も一緒に行ってやろうか?」
「迷惑ですので付いてこないでくださいませ。これ以上、しつこく話しかけてくるようでしたら、もう一度、病院送りにして差し上げましょうか?」
立ち止まってリュージ様に伝えると、リュージ様は何度も首を横に振る。
「い、いや、いい! シルーク卿によろしく頼むぞ!」
「……承知しました」
頷いてから、ジェドを待たせている中庭のガゼボへと急ぐ。
ナラシール家から来ている騎士たちはジェドとも仲が良いので、ジェドは彼らと楽しげに会話をしていた。
「お待たせいたしました」
「先触れもなしに申し訳ございません」
「いいえ。国王陛下の伝令に先触れなどいりませんわ」
話しかけると、ジェドは騎士たちとの会話をやめて、私のところへやって来た。
そのあとは定型文のような挨拶をしてから、本題に入った。
「国王陛下からの伝言になりますが、セイフを一度、こちらの屋敷に戻すことにするとのことです」
「やはり罪には問えないのですね?」
「……」
ジェドは私の質問には答えない。
罪に問えないのではなく、わざと問わないのだと言いたいらしい。
でも、どうして口に出して言ってくれないのかしら。
そう思った時、ジェドの視線が私から横に逸れた。
そして、すぐに私に視線を戻す。
後方を確認するために歩き出すふりをして身体を横に向ける。
そして、ジェドが視線を向けた方向をさりげなく見てみると、リュージ様が木の後ろに隠れて、私たちのほうを見ていた。
一体、何なの。
気持ち悪い。
「シルーク卿、お願いがあるんですけど」
「虫がいるようですから排除しろ、でしょうか?」
「お願いできますか? ものすごく大きな虫なのですが」
「かまいませんよ」
ジェドは頷くと、軍服のポケットの中からコインを取り出し、リュージ様にむかって投げた。
ゴツッという鈍い音がしたと同時に「うっ」という声が聞こえ、リュージ様が後ろにひっくり返った。
それを見た私は、近くにいた騎士に笑顔でお願いする。
「悪いけれど、フットマンにリュージ様を病院に連れて行ってもらうように頼んでもらえるかしら?」
「承知しました」
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