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7 ミア様の疑問
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「兄上!」
「アーク殿下!」
私達の背後から現れたアーク殿下は、レオとミア様に向かって、今は駄目だと制する様に手を上げたあと、私の婚約者らしき男性に、もう一度尋ねる。
「ルルアがどうしたんだ?」
「あ、いえ。その、あの、……何でもありません!」
アーク殿下にすごまれて、婚約者らしき男性は頭を下げてから逃げる様に立ち去っていった。
「油断も隙もないな」
「というか、お姉さまとの話は終わったんですか? 姉と婚約します?」
「なぜそうなる。俺の妻になれるのはお前しかいない」
「もしくは婚約者にはなりますから、結婚は他の方とお願いできます?」
「無理だと言っているだろう」
私もアーク殿下も譲らないから、このまま話を続けても平行線だ。
話を変える事にしよう。
「とにかく、今日は私との婚約は諦めて下さい。あの人、どうやら私の婚約者予定の人みたいですから。あ、あと、姉はどうでした?」
「くそ。また虫が増えたか。…それから、どう、とは?」
何か気になるワードが聞こえたような気がしたけれど、気にしない事にする。
「可愛かったでしょう?」
「そうなのかもしれんが、人には好みがあるだろう」
「アーク殿下の好みではなかったんですか」
「俺にはルアだけだと何度言ったらわかる」
「諦めてほしいのですが、どうしたら伝わると思います?」
ミア様とレオに助けを求めると、ミア様が苦笑しながら首を横に振られる。
「アーク殿下にルルアの気持ちは伝わっているみたいだけど、それでも、ルルアが諦められないみたいだし、諦めてルルアがアーク殿下のお嫁さんになるしかないと思うわ」
「ほら見ろ。ミアはわかっている」
「そんな偉そうに言わないで下さいよ」
はあ、とわざと大きなため息を吐くと、レオが苦笑する。
「たぶん、うちの家系は執着がすごいぞ?」
「それはなんとなくわかるけど、なぜ私なの」
「ルルア!」
頭を抱えそうになった時、お姉さまが近寄ってきた。
「ちょっと来てくれない?」
お姉さまは相変わらず空気が読めない。
というか、常識がない。
私が今、話しているのは、王太子、第3王子、公爵令嬢で、お姉さまと比べ物にならないくらいに格上だ。
それなのに挨拶もなしに、私をどこかへ連れて行こうだなんて…。
しかも、私はお姉さまと話をしたくもない。
「コレット様、お誕生日おめでとうございます。素敵なパーティーですわね」
私の気持ちに気付いて下さったのか、ミア様がお姉さまに話しかけてくれた。
お姉さまはミア様を勝手にライバル視しているので、笑顔を引きつらせながら答える。
「ミア様にお祝いしていただけるなんて光栄ですわ。それに、先程はアーク殿下にも祝っていただきましたの。今日は本当に素敵な日ですわ」
「主役なのですから、他のお客様に挨拶なさっては? ルルアとは今すぐでなくてもかまわないでしょう?」
「ですが、妹はミア様のお屋敷に行ったきりで中々会えませんの。もっと頻繁にかえしていただけているなら良いのですが…」
「ルルアが帰りたくないだけじゃないかしら」
バチバチとミア様とお姉さまの間で火花が散っている様に見える。
でも、ミア様が私の為に怒って下さっていると思うと、少し嬉しかったりする。
「とにかく、ルルアは俺の相手で忙しい。君はまた今度にしろ」
アーク殿下は私の肩を抱き寄せると、ミア様とレオを促して、その場から離れようとする。
「ルルア! 帰る前に少しだけ時間をちょうだい!」
「…わかりました」
お姉さまに言われ、面倒くさいと思いながらも渋々頷くと、満足したのか、お姉さまはそれ以上は追ってこなかった。
「ルルア、もしかしたら、あなたのお姉さまは…」
「はい! だから、応援しようと思ってます」
近寄ってきたミア様に耳打ちされ、素直に頷くと、首を横に振られてしまう。
「ルルア、無理よ。あなたのお姉さまは見る人によっては素敵な方なのかもしれないけれど、私にしてみれば、最悪な、私のお兄様に言わせればクソみたいな姉よ? それにアーク殿下はあなたのような人が好きなのよ? なびくわけがないわ」
「大丈夫ですよ。お姉さまは私にアーク殿下を渡したくないでしょうから、本気を出すはずです」
「そういう問題じゃないでしょう。あなたの気持ちはどうなの?」
ミア様に聞かれ、視線を向けると、アーク殿下がこちらを見ていて目が合った。
そういえば、私はアーク殿下の事をどう思ってるのかしら?
「アーク殿下!」
私達の背後から現れたアーク殿下は、レオとミア様に向かって、今は駄目だと制する様に手を上げたあと、私の婚約者らしき男性に、もう一度尋ねる。
「ルルアがどうしたんだ?」
「あ、いえ。その、あの、……何でもありません!」
アーク殿下にすごまれて、婚約者らしき男性は頭を下げてから逃げる様に立ち去っていった。
「油断も隙もないな」
「というか、お姉さまとの話は終わったんですか? 姉と婚約します?」
「なぜそうなる。俺の妻になれるのはお前しかいない」
「もしくは婚約者にはなりますから、結婚は他の方とお願いできます?」
「無理だと言っているだろう」
私もアーク殿下も譲らないから、このまま話を続けても平行線だ。
話を変える事にしよう。
「とにかく、今日は私との婚約は諦めて下さい。あの人、どうやら私の婚約者予定の人みたいですから。あ、あと、姉はどうでした?」
「くそ。また虫が増えたか。…それから、どう、とは?」
何か気になるワードが聞こえたような気がしたけれど、気にしない事にする。
「可愛かったでしょう?」
「そうなのかもしれんが、人には好みがあるだろう」
「アーク殿下の好みではなかったんですか」
「俺にはルアだけだと何度言ったらわかる」
「諦めてほしいのですが、どうしたら伝わると思います?」
ミア様とレオに助けを求めると、ミア様が苦笑しながら首を横に振られる。
「アーク殿下にルルアの気持ちは伝わっているみたいだけど、それでも、ルルアが諦められないみたいだし、諦めてルルアがアーク殿下のお嫁さんになるしかないと思うわ」
「ほら見ろ。ミアはわかっている」
「そんな偉そうに言わないで下さいよ」
はあ、とわざと大きなため息を吐くと、レオが苦笑する。
「たぶん、うちの家系は執着がすごいぞ?」
「それはなんとなくわかるけど、なぜ私なの」
「ルルア!」
頭を抱えそうになった時、お姉さまが近寄ってきた。
「ちょっと来てくれない?」
お姉さまは相変わらず空気が読めない。
というか、常識がない。
私が今、話しているのは、王太子、第3王子、公爵令嬢で、お姉さまと比べ物にならないくらいに格上だ。
それなのに挨拶もなしに、私をどこかへ連れて行こうだなんて…。
しかも、私はお姉さまと話をしたくもない。
「コレット様、お誕生日おめでとうございます。素敵なパーティーですわね」
私の気持ちに気付いて下さったのか、ミア様がお姉さまに話しかけてくれた。
お姉さまはミア様を勝手にライバル視しているので、笑顔を引きつらせながら答える。
「ミア様にお祝いしていただけるなんて光栄ですわ。それに、先程はアーク殿下にも祝っていただきましたの。今日は本当に素敵な日ですわ」
「主役なのですから、他のお客様に挨拶なさっては? ルルアとは今すぐでなくてもかまわないでしょう?」
「ですが、妹はミア様のお屋敷に行ったきりで中々会えませんの。もっと頻繁にかえしていただけているなら良いのですが…」
「ルルアが帰りたくないだけじゃないかしら」
バチバチとミア様とお姉さまの間で火花が散っている様に見える。
でも、ミア様が私の為に怒って下さっていると思うと、少し嬉しかったりする。
「とにかく、ルルアは俺の相手で忙しい。君はまた今度にしろ」
アーク殿下は私の肩を抱き寄せると、ミア様とレオを促して、その場から離れようとする。
「ルルア! 帰る前に少しだけ時間をちょうだい!」
「…わかりました」
お姉さまに言われ、面倒くさいと思いながらも渋々頷くと、満足したのか、お姉さまはそれ以上は追ってこなかった。
「ルルア、もしかしたら、あなたのお姉さまは…」
「はい! だから、応援しようと思ってます」
近寄ってきたミア様に耳打ちされ、素直に頷くと、首を横に振られてしまう。
「ルルア、無理よ。あなたのお姉さまは見る人によっては素敵な方なのかもしれないけれど、私にしてみれば、最悪な、私のお兄様に言わせればクソみたいな姉よ? それにアーク殿下はあなたのような人が好きなのよ? なびくわけがないわ」
「大丈夫ですよ。お姉さまは私にアーク殿下を渡したくないでしょうから、本気を出すはずです」
「そういう問題じゃないでしょう。あなたの気持ちはどうなの?」
ミア様に聞かれ、視線を向けると、アーク殿下がこちらを見ていて目が合った。
そういえば、私はアーク殿下の事をどう思ってるのかしら?
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