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23 どうしようもない人
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その日の晩、ロブとロザンナと、わたしの部屋のベッドの上で寝転んで話をすることにした。
ロブにしてみれば、自分をずっと放ったらかしにしていたわたしよりも、近くにいてくれた両親のほうが信用できるのだと言う。
「いきなり、家族だとか言われてもわかんない」
「そうよね。気持ちはわかるわ。いきなり、あなたの姉だって言われても、そんなこと、ロブにしたら困るだけよね」
「うん。たぶん、リアンナ様がお姉様だってことはなんとなくわかるよ。だって、ロザンナお姉様と似てるもん。だけど、やっぱり、今まで一緒にいてくれた、お父様とお母様のほうが良いに決まっているよね。面倒は見てもらってないけどさ」
「そうよね」
苦笑して頷くと、ロブは眉尻を下げて謝ってくる。
「ごめんなさい」
「良いのよ。ただ、お母様はすぐには一緒に暮らせないと思うわ」
「どうして?」
「ちょっと遠いところに出かけているのよ」
保釈金を払うかはまだ迷っている。
ここでわたしが関与すれば、ロブを盾にして、二人はまた、お金をせびってくる可能性がある。
二人がロブのために変わる気があるのならば、保釈金を出しても良いとは思う。
だけど、どうしても変わる気があるようには見えないのよね。
「ロブ、もう遅い時間だから、あなたは寝たほうが良いわ。リアンナお姉様、いつもこの時間はロブは寝ている時間なんです」
ロザンナに言われて時計を見ると、夜の10時を過ぎたところだった。
「夜ふかしさせてしまってごめんね。もう、寝ましょう」
大きなベッドだから、三人で寝ても問題ない。
部屋の明かりをメイドが消してくれたあと、わたしがサイドテーブルの上に置いてある明かりを消した。
「おやすみなさい」
と挨拶をしてから、目を瞑る。
だけど、そんなに簡単に眠れるわけがない。
しばらくして、真ん中で眠っているロブの寝息が聞こえてきた。
わたしも眠らなくちゃ。
寝返りを打つと、小さな声でロザンナが話しかけてきた。
「リアンナお姉様、起きていますか?」
「……ええ。どうしたの?」
「今日はテイル公爵令息に紹介してくださり、ありがとうございました」
「礼を言われることじゃないわよ」
ロブを起こしてしまうのではないかと気にしていると、ロザンナが言う。
「ロブは一度寝たら、中々、起きないから大丈夫です」
「なら、良いけど、アクス様がどうかしたの?」
「いえ。メイドたちから聞いたんですけど、今のところ、テイル公爵令息がお姉様の恋人候補なんですか?」
ロザンナが声を弾ませて聞いてきた。
しっかりしていると思ったけれど、こういう俗っぽい話にも興味があるのね。
そう思うと、子供らしく感じてしまい、正直な気持ちを話すことにした。
*****
いつの間にか眠ってしまっていて、目を覚ました時には朝だった。
控えめなノックにより起こされたわたしは、部屋がまだ薄暗く、ロブたちも眠っているので、ゆっくりと身を起こし、扉を開けた。
「おはよう。もう起きる時間?」
「いえ。少し早い時間ではありますが、宿のほうから連絡が来ましたので、お知らせしたほうが良いかと思いまして」
「宿のほうって、ソナルナ伯爵に何かあったの?」
「はい。酔っ払って酒場で暴れて、昨日の晩に警察に捕まったそうです」
メイドは呆れた顔で話してくれた。
どうして、大人しくしていられないのよ!
叫びたくなる気持ちを抑え、ロブには少なくとも、もう一泊はしてもらわないといけないと思った。
その間にロブが心変わりしてくれたら良いんだけど、そう上手くはいかないわよね。
ロブにしてみれば、自分をずっと放ったらかしにしていたわたしよりも、近くにいてくれた両親のほうが信用できるのだと言う。
「いきなり、家族だとか言われてもわかんない」
「そうよね。気持ちはわかるわ。いきなり、あなたの姉だって言われても、そんなこと、ロブにしたら困るだけよね」
「うん。たぶん、リアンナ様がお姉様だってことはなんとなくわかるよ。だって、ロザンナお姉様と似てるもん。だけど、やっぱり、今まで一緒にいてくれた、お父様とお母様のほうが良いに決まっているよね。面倒は見てもらってないけどさ」
「そうよね」
苦笑して頷くと、ロブは眉尻を下げて謝ってくる。
「ごめんなさい」
「良いのよ。ただ、お母様はすぐには一緒に暮らせないと思うわ」
「どうして?」
「ちょっと遠いところに出かけているのよ」
保釈金を払うかはまだ迷っている。
ここでわたしが関与すれば、ロブを盾にして、二人はまた、お金をせびってくる可能性がある。
二人がロブのために変わる気があるのならば、保釈金を出しても良いとは思う。
だけど、どうしても変わる気があるようには見えないのよね。
「ロブ、もう遅い時間だから、あなたは寝たほうが良いわ。リアンナお姉様、いつもこの時間はロブは寝ている時間なんです」
ロザンナに言われて時計を見ると、夜の10時を過ぎたところだった。
「夜ふかしさせてしまってごめんね。もう、寝ましょう」
大きなベッドだから、三人で寝ても問題ない。
部屋の明かりをメイドが消してくれたあと、わたしがサイドテーブルの上に置いてある明かりを消した。
「おやすみなさい」
と挨拶をしてから、目を瞑る。
だけど、そんなに簡単に眠れるわけがない。
しばらくして、真ん中で眠っているロブの寝息が聞こえてきた。
わたしも眠らなくちゃ。
寝返りを打つと、小さな声でロザンナが話しかけてきた。
「リアンナお姉様、起きていますか?」
「……ええ。どうしたの?」
「今日はテイル公爵令息に紹介してくださり、ありがとうございました」
「礼を言われることじゃないわよ」
ロブを起こしてしまうのではないかと気にしていると、ロザンナが言う。
「ロブは一度寝たら、中々、起きないから大丈夫です」
「なら、良いけど、アクス様がどうかしたの?」
「いえ。メイドたちから聞いたんですけど、今のところ、テイル公爵令息がお姉様の恋人候補なんですか?」
ロザンナが声を弾ませて聞いてきた。
しっかりしていると思ったけれど、こういう俗っぽい話にも興味があるのね。
そう思うと、子供らしく感じてしまい、正直な気持ちを話すことにした。
*****
いつの間にか眠ってしまっていて、目を覚ました時には朝だった。
控えめなノックにより起こされたわたしは、部屋がまだ薄暗く、ロブたちも眠っているので、ゆっくりと身を起こし、扉を開けた。
「おはよう。もう起きる時間?」
「いえ。少し早い時間ではありますが、宿のほうから連絡が来ましたので、お知らせしたほうが良いかと思いまして」
「宿のほうって、ソナルナ伯爵に何かあったの?」
「はい。酔っ払って酒場で暴れて、昨日の晩に警察に捕まったそうです」
メイドは呆れた顔で話してくれた。
どうして、大人しくしていられないのよ!
叫びたくなる気持ちを抑え、ロブには少なくとも、もう一泊はしてもらわないといけないと思った。
その間にロブが心変わりしてくれたら良いんだけど、そう上手くはいかないわよね。
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