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1 親友たちの裏切り
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「どうして俺を裏切ったんだ! 信じてたのに!」
涙を流しながら叫んだのは、わたしの婚約者であり、ミドレス国の王太子殿下であるテナミ・サナイ様だ。
彼は空色のふくらはぎまである長い髪を揺らし、緑色の綺麗な瞳をわたしに向けて、苦しそうな顔をしている。
結婚式が近づいてきたため、式のリハーサルをしようと呼び出されたのは、今日の朝のこと。
夜まで結婚式の打ち合わせや、ドレスの最終調整をしたりと忙しかった。
やっと、帰れると思ったら晩餐会に誘われ、その後は、テナミ様の部屋に呼び出されたのだ。
婚約者といえど、夜に部屋で二人きりになるわけにはいかないと言われて、晩餐会に招待されていたわたしの親友と、第二王子殿下も一緒にいた。
話し始めてすぐに、テナミ様は、わたしが浮気をしているだなどと訳のわからないことを言い出した。
わたしがそれを否定すると、先程の言葉を叫び、城の三階にある彼の自室のバルコニーの手すりまで、わたしを追い詰めてきた。
こんな状況だというのに、一緒にいた親友や第二王子はテナミ様を止める素振りは見せない。
ひんやりとした夜風が、わたしの腰まである、ダークブラウンのストレートの髪を揺らし、横髪が顔にかかった。
その髪を指で払ってから、わたしはテナミ様にもう一度訴える。
「私は浮気なんてしておりません!」
わざわざ、バルコニーの手すりまで追い込んでくるなんて何を考えてるのかしら。
わたしが高い所が苦手なことを知っているはずなのに。
まるでわたしに飛び降りてほしいようなシチュエーションだわ。
もしくは、恐怖で白状するとでも思っているのかしら。
「リアンナ! 俺はずっと君を愛してたんだ! それなのに! よりにもよって、どうしてあいつなんだよ!?」
テナミ様は長身痩躯の体を折り曲げて頭を抱える。
あいつとは誰なのかしら?
まったく見当がつかない。
もしかして、夢と現実を一緒にしていらっしゃるのかしら?
呑気にそんなことを思ったあとに、テナミ様に冷静に話しかける。
「先程も申し上げましたが、わたしは浮気などしておりません。テナミ様は何か誤解をされていらっしゃるようですわ。ですから、落ち着いてお話をしませんか?」
「リアンナ様、隠しても無駄ですわ。全てわかっておりますの。のんびり公爵令息と言われているアクス様と、隠れてお付き合いしているのでしょう? わたくしは、お二人が仲良くしているところを目撃してしまいましたの」
「そうだよ、リアンナ。君とアクスが恋仲だって僕も知っているんだ。大人しく浮気を認めるべきだね」
親友だと思っていた伯爵令嬢のムーニャと、ミドレス国の第二王子であり、幼馴染でもあるハリー様にまで、身に覚えのないことを言われてしまった。
意味がわからないわ。
ソナルナ伯爵家の長女である、わたし、リアンナは今、浮気相手だと言われているアクス・テイル公爵令息とは、挨拶を交わす、もしくは一言二言しか会話した記憶がない。
それなのに浮気とは?
テナミ様はムーニャとハリー様の嘘を、本気で信じてしまったってところかしら?
ムーニャは王太子妃の座を狙っているんでしょうね。
昔から彼女がお姫様に憧れていたことは知っている。
かといって、こんなことをしてくるだなんて思っていなかった。
聖なる力を使えたら、ちやほやされると思っているのかもしれない。
それよりもわからないのは、ハリー様ね。
わたしを王太子妃の座から引きずり下ろしてどうするつもりなの?
はあ。
もう、どうでも良いわ。
別にわたしはテナミ様と無理に婚約したかったわけじゃないんだもの。
恋する気持ちがなかったのかと問われれば、あったと答えられる。
テナミ様は美形だし優しかった。
それに、こんな馬鹿なことを簡単に信じるような人ではなかった。
彼が信じてくれるまで話をしなければならないとわかっているのに、自分でも驚くほど簡単に気持ちが冷めてしまった。
ミドレス国の国王になる人に愛される人は、聖なる力が神様から授けられ、王妃になっても、聖なる力は持続されるという言い伝えがある。
わたしは小さな頃から、聖なる力と言われている回復魔法が使えた。
普通なら、王太子妃にならないと使えない力だ。
そのせいで、辺鄙な場所にある弱小伯爵家の娘だというのに、いつかは王太子殿下のテナミ様に愛されるのだと決めつけられ、婚約者に選ばれたのだ。
5歳の時に親元から離れ、王族が通う学園に通わされた。
城に帰ったら、勉強ばかりで遊びは教えてもらえなかった。
長期休暇の時は回復魔法を使うために、戦場の近くまで連れて行かれた。
その頃のわたしは未熟で、一人ひとりにしか回復魔法を使えなかった。
回復魔法が間に合わず、何度も人を助けられなくて苦しんだ。
そして、その苦しさが逆にわたしを強くさせて、今では多くの人に一度に回復魔法を使えるようになった。
現在、わたしは18歳になった。
13年もこの国のために尽くした。
人を助けたいと思う気持ちは自分の気持ちかもしれない。
でも、都合よく使われてきたのは確かだ。
それなのに、この仕打ちなの?
馬鹿馬鹿しい。
なぜ、婚約者に確認も取らずに、自分の友人たちの言葉だけ信じるのか。
わたしにしてみれば事実確認もせずに、浮気だと決めつけるテナミ様のほうが不誠実に思えてしまう。
「でも、ここで浮気を認めるわけにはいかないわ。だって、本当にしていないんだもの」
思うだけにしようとしていた言葉を口に出してしまった。
すると、ムーニャが金色のストレートの長い髪を背中に払ってから、顔を歪めてわたしに言う。
「まだしらばっくれるつもりなんですの?」
「どうして、そんな嘘をつけるのかが謎だわ」
言い返すと、ムーニャは大きくて綺麗な緑色の瞳をわたしに向けて睨んできた。
ムーニャの外見は小柄だけどスタイルが良くて、とても可愛らしい。
背が高くてスレンダー体型のわたしとは正反対だと、テナミ様からはよく言われていた。
性格もそうで、彼女はわたしの腕をべったりとまとわりついて、離れてくれと言っても離れてくれなかった。
そんな彼女とは逆で、わたしはベタベタすることが嫌いだった。
今思えば、彼女は聖なる力が使えて、テナミ様の婚約者であるわたしと仲が良いことを、周りにアピールしてマウントを取っていたのかもしれない。
「そんな嘘はすぐにバレるわよ?」
「嘘なんかじゃありません。ハリー様だって、あなたとアクス様が恋仲だとおっしゃっていたじゃないですか」
「ムーニャ、あなたの目的は何なの? ハリー様もどうしてそんな嘘をつく必要があるのです?」
二人に対して、あからさまに呆れた顔をして尋ねた。
でも、答えを返してくれたのは、二人の内のどちらでもなかった。
「開き直るなんて信じられない! リアンナ! 君との婚約は今ここで破棄する! 当たり前だが結婚式も中止だ! そして、今、住んでいる別邸からも出て行ってもらう!」
「そうだ、それが良いです!」
息を荒くして叫んだテナミ様の言葉を、テナミ様を幼くしたような見た目のハリー様が同意した。
ハリー様は昔から嫌なところがあると思っていたけれど、ここまで酷い人だったなんて思っていなかった。
王太子と第二王子がこれじゃ、この国は大丈夫なのかしら。
そんなことを他人事のように考えた時、下のほうから声が聞こえてきた。
「リアンナ様! 危険ですので手すりから離れてください!」
声をかけてきたのは巡回していた騎士たちだった。
わたしが手すりに背中を預けている様子が不自然だと思って気にしてくれたようだった。
騎士たちは、わたしが高所恐怖症だと知っているからだ。
「ありがとう。すぐに別邸に戻るわ」
「では、エントランスでお待ちしております」
下を見ないで答えると、騎士がそう言ってくれたおかげで、わたしの行く手を阻んでいた、ハリー様とムーニャも道を開けてくれた。
「婚約破棄については承知いたしました。明日に正式なご連絡をいただけませんでしょうか? 書類にサインが終わりましたら、すぐにでも別邸から出ていきましょう」
テナミ様に早口で伝えると、わたしだけ先にバルコニーから部屋の中に戻ったところで足を止める。
そうだわ。
伝えておかないといけないことがあった。
「今回の婚約破棄はテナミ様都合になりますので、式のキャンセル料などは全てそちらでお持ちくださいませ。それから、浮気は何の根拠もございません。テナミ様、落ち着いて明日にでもテイル公爵家に事実を確かめてくださいませ。もちろん、間違っていたからといって、今更、婚約の破棄をなかったことには出来ませんので、そちらもご了承くださいね」
水色のシンプルなドレスの裾を軽く掴んでカーテシーをした。
何も言わないテナミ様に背を向けて歩き出すと、ムーニャが追いかけてきた。
「これで、聖なる力は私のものよ! もう、あなたはチヤホヤされることはないの」
ムーニャはわたしが何か言う前に、バルコニーへと戻っていった。
彼女はやっぱり王太子妃になる気らしい。
わたしはテナミ様に愛してもらえているから、聖なる力が使えていた。
ムーニャの口ぶりだと、テナミ様は、わたしのことなんて愛してなくて、ムーニャのことを愛しはじめている。
それなら、聖なる力とは近いうちにさよならね。
テナミ様がムーニャに恋に落ちた時、わたしは普通の伯爵令嬢になれると思っていた。
でも、実際は違った。
わたしの国の神様は、そんな間違いを起こすわけがないのだ。
涙を流しながら叫んだのは、わたしの婚約者であり、ミドレス国の王太子殿下であるテナミ・サナイ様だ。
彼は空色のふくらはぎまである長い髪を揺らし、緑色の綺麗な瞳をわたしに向けて、苦しそうな顔をしている。
結婚式が近づいてきたため、式のリハーサルをしようと呼び出されたのは、今日の朝のこと。
夜まで結婚式の打ち合わせや、ドレスの最終調整をしたりと忙しかった。
やっと、帰れると思ったら晩餐会に誘われ、その後は、テナミ様の部屋に呼び出されたのだ。
婚約者といえど、夜に部屋で二人きりになるわけにはいかないと言われて、晩餐会に招待されていたわたしの親友と、第二王子殿下も一緒にいた。
話し始めてすぐに、テナミ様は、わたしが浮気をしているだなどと訳のわからないことを言い出した。
わたしがそれを否定すると、先程の言葉を叫び、城の三階にある彼の自室のバルコニーの手すりまで、わたしを追い詰めてきた。
こんな状況だというのに、一緒にいた親友や第二王子はテナミ様を止める素振りは見せない。
ひんやりとした夜風が、わたしの腰まである、ダークブラウンのストレートの髪を揺らし、横髪が顔にかかった。
その髪を指で払ってから、わたしはテナミ様にもう一度訴える。
「私は浮気なんてしておりません!」
わざわざ、バルコニーの手すりまで追い込んでくるなんて何を考えてるのかしら。
わたしが高い所が苦手なことを知っているはずなのに。
まるでわたしに飛び降りてほしいようなシチュエーションだわ。
もしくは、恐怖で白状するとでも思っているのかしら。
「リアンナ! 俺はずっと君を愛してたんだ! それなのに! よりにもよって、どうしてあいつなんだよ!?」
テナミ様は長身痩躯の体を折り曲げて頭を抱える。
あいつとは誰なのかしら?
まったく見当がつかない。
もしかして、夢と現実を一緒にしていらっしゃるのかしら?
呑気にそんなことを思ったあとに、テナミ様に冷静に話しかける。
「先程も申し上げましたが、わたしは浮気などしておりません。テナミ様は何か誤解をされていらっしゃるようですわ。ですから、落ち着いてお話をしませんか?」
「リアンナ様、隠しても無駄ですわ。全てわかっておりますの。のんびり公爵令息と言われているアクス様と、隠れてお付き合いしているのでしょう? わたくしは、お二人が仲良くしているところを目撃してしまいましたの」
「そうだよ、リアンナ。君とアクスが恋仲だって僕も知っているんだ。大人しく浮気を認めるべきだね」
親友だと思っていた伯爵令嬢のムーニャと、ミドレス国の第二王子であり、幼馴染でもあるハリー様にまで、身に覚えのないことを言われてしまった。
意味がわからないわ。
ソナルナ伯爵家の長女である、わたし、リアンナは今、浮気相手だと言われているアクス・テイル公爵令息とは、挨拶を交わす、もしくは一言二言しか会話した記憶がない。
それなのに浮気とは?
テナミ様はムーニャとハリー様の嘘を、本気で信じてしまったってところかしら?
ムーニャは王太子妃の座を狙っているんでしょうね。
昔から彼女がお姫様に憧れていたことは知っている。
かといって、こんなことをしてくるだなんて思っていなかった。
聖なる力を使えたら、ちやほやされると思っているのかもしれない。
それよりもわからないのは、ハリー様ね。
わたしを王太子妃の座から引きずり下ろしてどうするつもりなの?
はあ。
もう、どうでも良いわ。
別にわたしはテナミ様と無理に婚約したかったわけじゃないんだもの。
恋する気持ちがなかったのかと問われれば、あったと答えられる。
テナミ様は美形だし優しかった。
それに、こんな馬鹿なことを簡単に信じるような人ではなかった。
彼が信じてくれるまで話をしなければならないとわかっているのに、自分でも驚くほど簡単に気持ちが冷めてしまった。
ミドレス国の国王になる人に愛される人は、聖なる力が神様から授けられ、王妃になっても、聖なる力は持続されるという言い伝えがある。
わたしは小さな頃から、聖なる力と言われている回復魔法が使えた。
普通なら、王太子妃にならないと使えない力だ。
そのせいで、辺鄙な場所にある弱小伯爵家の娘だというのに、いつかは王太子殿下のテナミ様に愛されるのだと決めつけられ、婚約者に選ばれたのだ。
5歳の時に親元から離れ、王族が通う学園に通わされた。
城に帰ったら、勉強ばかりで遊びは教えてもらえなかった。
長期休暇の時は回復魔法を使うために、戦場の近くまで連れて行かれた。
その頃のわたしは未熟で、一人ひとりにしか回復魔法を使えなかった。
回復魔法が間に合わず、何度も人を助けられなくて苦しんだ。
そして、その苦しさが逆にわたしを強くさせて、今では多くの人に一度に回復魔法を使えるようになった。
現在、わたしは18歳になった。
13年もこの国のために尽くした。
人を助けたいと思う気持ちは自分の気持ちかもしれない。
でも、都合よく使われてきたのは確かだ。
それなのに、この仕打ちなの?
馬鹿馬鹿しい。
なぜ、婚約者に確認も取らずに、自分の友人たちの言葉だけ信じるのか。
わたしにしてみれば事実確認もせずに、浮気だと決めつけるテナミ様のほうが不誠実に思えてしまう。
「でも、ここで浮気を認めるわけにはいかないわ。だって、本当にしていないんだもの」
思うだけにしようとしていた言葉を口に出してしまった。
すると、ムーニャが金色のストレートの長い髪を背中に払ってから、顔を歪めてわたしに言う。
「まだしらばっくれるつもりなんですの?」
「どうして、そんな嘘をつけるのかが謎だわ」
言い返すと、ムーニャは大きくて綺麗な緑色の瞳をわたしに向けて睨んできた。
ムーニャの外見は小柄だけどスタイルが良くて、とても可愛らしい。
背が高くてスレンダー体型のわたしとは正反対だと、テナミ様からはよく言われていた。
性格もそうで、彼女はわたしの腕をべったりとまとわりついて、離れてくれと言っても離れてくれなかった。
そんな彼女とは逆で、わたしはベタベタすることが嫌いだった。
今思えば、彼女は聖なる力が使えて、テナミ様の婚約者であるわたしと仲が良いことを、周りにアピールしてマウントを取っていたのかもしれない。
「そんな嘘はすぐにバレるわよ?」
「嘘なんかじゃありません。ハリー様だって、あなたとアクス様が恋仲だとおっしゃっていたじゃないですか」
「ムーニャ、あなたの目的は何なの? ハリー様もどうしてそんな嘘をつく必要があるのです?」
二人に対して、あからさまに呆れた顔をして尋ねた。
でも、答えを返してくれたのは、二人の内のどちらでもなかった。
「開き直るなんて信じられない! リアンナ! 君との婚約は今ここで破棄する! 当たり前だが結婚式も中止だ! そして、今、住んでいる別邸からも出て行ってもらう!」
「そうだ、それが良いです!」
息を荒くして叫んだテナミ様の言葉を、テナミ様を幼くしたような見た目のハリー様が同意した。
ハリー様は昔から嫌なところがあると思っていたけれど、ここまで酷い人だったなんて思っていなかった。
王太子と第二王子がこれじゃ、この国は大丈夫なのかしら。
そんなことを他人事のように考えた時、下のほうから声が聞こえてきた。
「リアンナ様! 危険ですので手すりから離れてください!」
声をかけてきたのは巡回していた騎士たちだった。
わたしが手すりに背中を預けている様子が不自然だと思って気にしてくれたようだった。
騎士たちは、わたしが高所恐怖症だと知っているからだ。
「ありがとう。すぐに別邸に戻るわ」
「では、エントランスでお待ちしております」
下を見ないで答えると、騎士がそう言ってくれたおかげで、わたしの行く手を阻んでいた、ハリー様とムーニャも道を開けてくれた。
「婚約破棄については承知いたしました。明日に正式なご連絡をいただけませんでしょうか? 書類にサインが終わりましたら、すぐにでも別邸から出ていきましょう」
テナミ様に早口で伝えると、わたしだけ先にバルコニーから部屋の中に戻ったところで足を止める。
そうだわ。
伝えておかないといけないことがあった。
「今回の婚約破棄はテナミ様都合になりますので、式のキャンセル料などは全てそちらでお持ちくださいませ。それから、浮気は何の根拠もございません。テナミ様、落ち着いて明日にでもテイル公爵家に事実を確かめてくださいませ。もちろん、間違っていたからといって、今更、婚約の破棄をなかったことには出来ませんので、そちらもご了承くださいね」
水色のシンプルなドレスの裾を軽く掴んでカーテシーをした。
何も言わないテナミ様に背を向けて歩き出すと、ムーニャが追いかけてきた。
「これで、聖なる力は私のものよ! もう、あなたはチヤホヤされることはないの」
ムーニャはわたしが何か言う前に、バルコニーへと戻っていった。
彼女はやっぱり王太子妃になる気らしい。
わたしはテナミ様に愛してもらえているから、聖なる力が使えていた。
ムーニャの口ぶりだと、テナミ様は、わたしのことなんて愛してなくて、ムーニャのことを愛しはじめている。
それなら、聖なる力とは近いうちにさよならね。
テナミ様がムーニャに恋に落ちた時、わたしは普通の伯爵令嬢になれると思っていた。
でも、実際は違った。
わたしの国の神様は、そんな間違いを起こすわけがないのだ。
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