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30 やり直そう? ふざけた事言うな!
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「あら、二人はそんな考えだったのね」
数日後、怒りが収まらないロゼッタ様に呼び出されて、愚痴を聞く事になったのだけど、その際に、ミレン様達の話をしたら、すーっと怒りが収まり、満足そうな顔になった。
やはり、息子が悪く言われていた事に、だいぶ腹を立てていたみたい。
こんな事なら、早くに伝えておけば良かったと後悔した。
「ミレン様達がマリアン様の事が心配なのは、私もわかります。余計なお世話かもしれませんが、マリアン様は社交界で大丈夫なんでしょうか?」
「気にはなっているのだけど、婚約者を変更するにも、もう他のお嬢さんには婚約者がいるし、今更、マリアンさんだって、婚約破棄なんてされたら困るでしょう。ザラスはミゲル様の様な酷い男ではないから、きっと、マリアンさんの事を大事にするわ」
「そうですよね。それに、あの双子のどちらかをというのも違いますし」
「そうね。あの子達には悪いけれど、息子達は諦めてもらうわ」
ロゼッタ様は笑顔でそう言った後、話題を変えてくる。
「今日はルキアさんに良いニュースがあるのよ」
「良いニュース?」
「ええ。ミゲル様の件だけど、爵位が欲しいって言っていたわよね? 子爵だけど、用意ができそうよ」
「ええ!? そ、そうなんですか?」
「といっても、田舎の方の領地になるけれど」
「住んでいる人は、どんな感じなんですか?」
「そうね。人よりも動物が多いところよ。ミゲル様が遊んで暮らしていても、領民が困らない様に補佐をつけてあげるつもり」
ロゼッタ様が笑顔で続ける。
「これで、ルキアさんも楽になるんじゃないかしら?」
「ありがとうございます! 何から何までお世話になってしまって…。ロゼッタ様や、トルマリア公爵閣下には感謝しても感謝しきれません!」
ただの伯爵令嬢の私にここまでしてくれるなんて、とっても有り難い。
そう感動していたのだけど、ロゼッタ様が表情を曇らせた。
「どうかされましたか?」
「喜んでもらえるのは有り難いけど、今から言う事が言い出しにくくなってしまうわ」
「…何でしょう?」
「怒ったりしない?」
「怒るような事を言おうとされてるんですか? まさか、ミゲルとよりを戻せとか、そんな事ではないですよね?」
「当たり前じゃない。何の為に、あの人をルキアさんから遠ざけようとしてると思っているの」
ロゼッタ様は心外だと言わんばかりに眉根を寄せられたので、慌てて謝る。
「申し訳ございません。何を言おうとしていらっしゃるのか、全く想像がつかなくて。思い付いた事をつい、口に出してしまいました」
「いいのよ、気にしないで。勿体ぶった私も悪いのだから…」
ロゼッタ様は苦笑すると、言葉を一度、そこで止めてから、私の方を見て、口を開く。
「ねえ、ルキアさん。ザックと婚約してもらえないかしら?」
「はい!?」
思いもよらなかったお願いに、私は思わず大きな声で聞き返した。
ロゼッタ様が言うには、女伯爵になるのは良い事だと思うけど、双子が言っていた様に、男性から厳しく当たられる可能性があるという。
もちろん、口での攻撃ならまだしも、力で傷付けようとする輩も出てくる可能性があるから、それを心配してくださっていて、ザック様が婚約者であれば、手を出しにくいのじゃないかと言ってくれた。
ザック様がどう考えていらっしゃるかは、直接聞いてないから、本当のところはわからないけれど、婿入りする事も嫌ではないらしい。
いや、でも、そこまでしてもらったら悪いよね…。
お父様がザック様に助けを求めた時点で、ザック様はこうなる事を予想していたかもしれない。
それをわかっていて来てくれたのだったとしたら、嫌な気分ではない。
だけど、ザック様は私を助けに来たんじゃなくて、ルキアを助けに来たんだよなあ。
中身が私のままじゃ、ザック様は本当は婿になんか来たくないだろうしなぁ。
何より、ザック様を騙している様な気がして嫌だ。
とにかく、答えは保留にしてもらい、ザック様と二人で話せる様に、別の日に時間を取ってもらう事になって、家に戻ってきたのはいいものの、家の前に何かがいた。
馬車から降りると、ポーチに真っ赤なバラを抱えたミゲルが立っていた。
しかもタキシード姿で。
何の嫌がらせなの?
「ルキア! 待ってたよ!」
ミゲルは明るい笑顔で馬車からおりた私に近寄ってくると、バラの花束を差し出してきた。
「受け取って欲しい」
「申し訳ないですけど、結構です。アレルギー持ちですので」
「そ、そうだったのか?」
ミゲルに聞かれたけど、わからない。
たぶん、違うと思う。
だって、そんな記憶がないから。
ただ、断りたかっただけなんだけど、そこは気付いてくれないらしい。
「ええ。それにしても、どうやってここまで入り込んだんです?」
「門の前でずっと騒いでいたら、君のお父上がここまでならいいと言ってくれたんだ」
「お父様が?」
聞き返したと同時に、家の扉が開き、お父様が外へ出てきた。
「済まないな。トルマリア公爵閣下から連絡が来た事だし、ちょうどいい機会だからと思って、こいつに聞かせてやろうと思ったんだ」
「トルマリア公爵閣下から連絡? …もしかして?」
「ああ。ルキアも聞いたかもしれないが、ザック様を君の婚約者にどうかと」
「駄目だ!」
お父様の言葉に、私よりも先に反応したのはミゲルだった。
「駄目です、ルキアは僕のものです!」
「誰があなたのものなのよ!! 気持ち悪い事言わないで!」
「一度、結婚した仲じゃないか!」
「別れたんだから、もう私の事は放っておいてよ!」
「やり直そう! 僕は君を愛しているんだ!」
「ふざけた事言うな!!」
バラの花束を放り投げ、抱きついてこようとしたミゲルの鼻に、思い切りグーパンを入れた。
数日後、怒りが収まらないロゼッタ様に呼び出されて、愚痴を聞く事になったのだけど、その際に、ミレン様達の話をしたら、すーっと怒りが収まり、満足そうな顔になった。
やはり、息子が悪く言われていた事に、だいぶ腹を立てていたみたい。
こんな事なら、早くに伝えておけば良かったと後悔した。
「ミレン様達がマリアン様の事が心配なのは、私もわかります。余計なお世話かもしれませんが、マリアン様は社交界で大丈夫なんでしょうか?」
「気にはなっているのだけど、婚約者を変更するにも、もう他のお嬢さんには婚約者がいるし、今更、マリアンさんだって、婚約破棄なんてされたら困るでしょう。ザラスはミゲル様の様な酷い男ではないから、きっと、マリアンさんの事を大事にするわ」
「そうですよね。それに、あの双子のどちらかをというのも違いますし」
「そうね。あの子達には悪いけれど、息子達は諦めてもらうわ」
ロゼッタ様は笑顔でそう言った後、話題を変えてくる。
「今日はルキアさんに良いニュースがあるのよ」
「良いニュース?」
「ええ。ミゲル様の件だけど、爵位が欲しいって言っていたわよね? 子爵だけど、用意ができそうよ」
「ええ!? そ、そうなんですか?」
「といっても、田舎の方の領地になるけれど」
「住んでいる人は、どんな感じなんですか?」
「そうね。人よりも動物が多いところよ。ミゲル様が遊んで暮らしていても、領民が困らない様に補佐をつけてあげるつもり」
ロゼッタ様が笑顔で続ける。
「これで、ルキアさんも楽になるんじゃないかしら?」
「ありがとうございます! 何から何までお世話になってしまって…。ロゼッタ様や、トルマリア公爵閣下には感謝しても感謝しきれません!」
ただの伯爵令嬢の私にここまでしてくれるなんて、とっても有り難い。
そう感動していたのだけど、ロゼッタ様が表情を曇らせた。
「どうかされましたか?」
「喜んでもらえるのは有り難いけど、今から言う事が言い出しにくくなってしまうわ」
「…何でしょう?」
「怒ったりしない?」
「怒るような事を言おうとされてるんですか? まさか、ミゲルとよりを戻せとか、そんな事ではないですよね?」
「当たり前じゃない。何の為に、あの人をルキアさんから遠ざけようとしてると思っているの」
ロゼッタ様は心外だと言わんばかりに眉根を寄せられたので、慌てて謝る。
「申し訳ございません。何を言おうとしていらっしゃるのか、全く想像がつかなくて。思い付いた事をつい、口に出してしまいました」
「いいのよ、気にしないで。勿体ぶった私も悪いのだから…」
ロゼッタ様は苦笑すると、言葉を一度、そこで止めてから、私の方を見て、口を開く。
「ねえ、ルキアさん。ザックと婚約してもらえないかしら?」
「はい!?」
思いもよらなかったお願いに、私は思わず大きな声で聞き返した。
ロゼッタ様が言うには、女伯爵になるのは良い事だと思うけど、双子が言っていた様に、男性から厳しく当たられる可能性があるという。
もちろん、口での攻撃ならまだしも、力で傷付けようとする輩も出てくる可能性があるから、それを心配してくださっていて、ザック様が婚約者であれば、手を出しにくいのじゃないかと言ってくれた。
ザック様がどう考えていらっしゃるかは、直接聞いてないから、本当のところはわからないけれど、婿入りする事も嫌ではないらしい。
いや、でも、そこまでしてもらったら悪いよね…。
お父様がザック様に助けを求めた時点で、ザック様はこうなる事を予想していたかもしれない。
それをわかっていて来てくれたのだったとしたら、嫌な気分ではない。
だけど、ザック様は私を助けに来たんじゃなくて、ルキアを助けに来たんだよなあ。
中身が私のままじゃ、ザック様は本当は婿になんか来たくないだろうしなぁ。
何より、ザック様を騙している様な気がして嫌だ。
とにかく、答えは保留にしてもらい、ザック様と二人で話せる様に、別の日に時間を取ってもらう事になって、家に戻ってきたのはいいものの、家の前に何かがいた。
馬車から降りると、ポーチに真っ赤なバラを抱えたミゲルが立っていた。
しかもタキシード姿で。
何の嫌がらせなの?
「ルキア! 待ってたよ!」
ミゲルは明るい笑顔で馬車からおりた私に近寄ってくると、バラの花束を差し出してきた。
「受け取って欲しい」
「申し訳ないですけど、結構です。アレルギー持ちですので」
「そ、そうだったのか?」
ミゲルに聞かれたけど、わからない。
たぶん、違うと思う。
だって、そんな記憶がないから。
ただ、断りたかっただけなんだけど、そこは気付いてくれないらしい。
「ええ。それにしても、どうやってここまで入り込んだんです?」
「門の前でずっと騒いでいたら、君のお父上がここまでならいいと言ってくれたんだ」
「お父様が?」
聞き返したと同時に、家の扉が開き、お父様が外へ出てきた。
「済まないな。トルマリア公爵閣下から連絡が来た事だし、ちょうどいい機会だからと思って、こいつに聞かせてやろうと思ったんだ」
「トルマリア公爵閣下から連絡? …もしかして?」
「ああ。ルキアも聞いたかもしれないが、ザック様を君の婚約者にどうかと」
「駄目だ!」
お父様の言葉に、私よりも先に反応したのはミゲルだった。
「駄目です、ルキアは僕のものです!」
「誰があなたのものなのよ!! 気持ち悪い事言わないで!」
「一度、結婚した仲じゃないか!」
「別れたんだから、もう私の事は放っておいてよ!」
「やり直そう! 僕は君を愛しているんだ!」
「ふざけた事言うな!!」
バラの花束を放り投げ、抱きついてこようとしたミゲルの鼻に、思い切りグーパンを入れた。
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