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7 王妃の来訪
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「リリララ様! お久しぶりです! 会いに来てくださるなんて感激ですわ!」
「ローニャ! 大丈夫だった? 何もされてない?」
「……どうかしたのですか?」
赤茶色の髪をシニヨンにしたローニャは、大きな目を丸くして不思議そうな顔をした。
私が答える前に、ローニャと一緒に出迎えてくれたルド様が話しかけてくる。
「リリララ様、隠していても意味がないかと思いますのでお話ししますが、先程、同僚が訪ねてきました」
「……やっぱり」
私がショックを受けていると、ローニャが不満そうな目をルド様に向ける。
「言わないでと言ったじゃないですか!」
「隠すことは、リリララ様のためにならないよ」
「……そうですね」
ローニャはしゅんと肩を落として俯いた。
「何か嫌なことをされたりしなかった?」
「何かされたと言いますか、ターズ様の側近の1人が訪ねてきて、私の身に何か遭った時はリリララ様のせいだから、リリララ様を憎めと言ってきました」
「今のところは危害を加えられたわけではないのね?」
「はい。ルド様がいるとわかったら逃げ帰って行きました」
今回は警告といったところかしら。
何の関係もないローニャを巻き込もうとするだなんて、どうして、ターズ様は私が彼から離れることを嫌がるの?
でも、原因を作ったのは私だわ。
私の考えが甘かった。
弱みを見せないようにしていれば、ローニャを巻き込まずに済んだのに。
「ローニャ、本当にごめんなさい」
「……どうして、リリララ様が謝るんですか」
「私のせいだわ。私が……っ、ターズ様に逆らったから、あなたに嫌な思いをさせてしまった。友人に嫌な思いをさせるなんて最低だわ」
「リリララ様、あなたは悪くありません」
「でも、あなたを傷をつけようとするかもしれないわ。私と友人だったせいで、あなたに迷惑がかかるなんてあってはいけないことよ」
「リリララ様、だったなんて過去形で言うのはやめてください。今も友人なのですから」
微笑んでくれるローニャを見て、涙が出そうになった。
向かいに座るルド様が、彼の隣に座っているローニャの手を取って言う。
「リリララ様、心配しないでください。親が決めた婚約ではありますが、僕は彼女ことが好きなんです。何かあれば僕が守ります。それに、ターズ様も僕を側近にしている限り、下手なことはしませんよ」
「ありがとう。……でも、ローニャは気になるでしょう。いつ、どこにいても警戒しなくちゃいけないんだもの」
「気にならないと言えば嘘になりますが、リリララ様のせいだなんて思いません」
「どうして? 私のせいじゃないの」
「悪いのは、そんな酷いことを企んだ人です。リリララ様が悪いだなんて、少なくとも私とルド様は思いませんわ」
二人共、嘘を言っているようには見えなかった。
「……私の友人はお人好しすぎるわ」
涙をこらえて言うと、ローニャたちは微笑む。
「悪い人には悪い人が、良い人には良い人が集まるものです」
「……私は良い人じゃないわよ」
「いいえ。リリララ様は人の痛みを自分のことのように感じることのできる優しい人ですわ」
「……もしそうだとしたら、王太子妃には向いていないわね」
「王太子妃に向いていないかどうかはわかりませんが、離婚することは賛成です。私のことは自分でどうにかします。リリララ様は遠慮なく動いてください」
ローニャは躊躇う様子もなく、私の背中を押してくれた。
*****
これからは、ローニャの周りの警備を手厚くしてもらうように、彼女の両親にお願いした。
警備員を雇う費用は、三十日ごとに渡される私の給料から支払うと言うと断られてしまった。
王太子妃にお金を出させるわけにはいかないという。
ローニャの両親も私に同情してくれていて、そのお金はいつかターズ様の元から離れる時に使ってほしいと言われた。
ターズ様と離婚できたとしても、この国にいれば命を狙われる可能性がある。
その時は手の届きにくい他国に逃げるしかない。
お金がかなり必要になるとわかっているから、そう言ってくれたのだと思う。
それから数日後、セカノノ様が帰った日、仕事が溜まっていたので、その日は夜遅くまで執務室にいた。
すると、扉の前に立っていた護衛が来訪を知らせた。
誰か確認すると、王妃陛下だった。
慌てて執務室の中に招き入れて挨拶をすると、燃えるような赤い髪に紺色の瞳を持つ、スレンダー体型の王妃陛下は眉尻を下げた。
「こんな時間にごめんなさいね。今、明日来る予定だったライレフ王国の王太子殿下と王女が来られて、陛下が応対中なの。陛下が部屋にいない間に、あなたに話しておきたいことがあって来たのよ」
「そうだったのですね。わざわざ申し訳ございません。どのようなお話でしょうか」
「わたくしがこれから話すことは、わたくしが許可した人以外には他言しないでほしいの。それをまずは約束してくれないかしら」
「……承知いたしました」
王妃陛下は前々から、ターズ様が他の妻を城に滞在させることに苦言を呈してくれていた。
王妃陛下を信じて頷くと、俯いて話し始める。
「ターズのことは本当にごめんなさいね。陛下に伝えて止めさせたいところなんだけど、陛下は逆にターズにもっと妻を持てと言っているの」
「陛下も了承済みだと聞いていましたが、数を増やせと言っているなんて知りませんでした」
「……リリララはターズのこと、薄々気が付いているのでしょう?」
「気が付いているとは?」
「あなたは紫色の瞳を持っているから、ターズの思い通りになっていないはずよ」
「……どういうことでしょうか」
「城の図書室に隠されていた本を読んだの」
詳しい話を聞いてみると、王妃陛下は国王陛下と幼馴染だったそうだ。
小さい頃に陛下が城の図書室のある場所に王家の秘密を記した本があると教えてくれたという。
5歳くらいの時だったと言うから、話すなと言われていたのに、そんなことを忘れて話をしてしまったのでしょう。
「紫色の瞳を不吉だと言っているのは、学者が王家寄りの人間だからなの」
「……申し訳ございません。王妃陛下が何を言おうとしておられるのかが、まだわかりません」
「回りくどくてごめんなさいね。あなたも実感していると思うけれど、ターズは人を見つめることによって、男性には服従させる力、女性には魅了の力を発揮できるの」
ターズ様が執拗に瞳を見つめてくることには、やっぱり理由があったのね。
「では、各国の国王陛下も服従状態になっているのですか?」
「そうだと思うわ。そうじゃないと、娘を何人もの妻がいる男の元に嫁がせないでしょう。不思議な力の効果の持続時間は人によって違うの。それに効果を発揮しなかったり、発揮しづらい人もいるのよ」
「紫色の瞳が関係しているのでしょうか」
「ええ。どういう理由かはわからないけれど、あなたのような紫色の瞳を持つ人間は王族の不思議な力に抵抗できるみたいなの。途中でおかしいと気づける人は、わたくしもそうだから先祖に紫色の瞳を持っていた人がいるんじゃないかしら」
本には王家に代々受け継がれている秘密として書かれていただけで、その対処法が書かれているわけではなかったそうだ。
王家のために書かれた本なので『紫色の瞳の人物は危険である』と締めくくられていたとのことだった。
「ターズ様は紫色の瞳の私を妻にしてどうするつもりなのでしょうか」
「……あなたの場合は何も目的はないと思うわ。ただ、あなたを気に入っているだけよ」
「私の場合は、ということは、他の方たちとの結婚には目的があるということでしょうか」
「ええ。わかるでしょう」
「……戦争はせずに皇帝になろうとしているのですか」
力を使って服従させて、世界のトップになろうとしてるだなんて――
その可能性は無きにしもあらずだとは思っていた。
でも、ターズ様はそこまで野心家ではないはずだわ。
しかも、規模が大きすぎる。
ということは……。
「それはターズ様の考えなのですか? それとも」
「元々は国王陛下よ。留学に行かせることは悪くはないことだけど、そう何ヶ国も行かせるものでもないでしょう」
「他国の文化を知るためだと思っていましたが、そうではなかったんですね」
「陛下もターズが結婚までするとは考えていなかったと思うわ。ターズは陛下のように上手く力を使いこなせなかったんでしょう」
「では、ターズ様は妻への愛情はないということでしょうか」
「あなた以外にはね」
「ターズ様が私を愛しているとは到底思えません」
否定すると、王妃陛下は小さく息を吐いて苦笑する。
「あの子を養護するつもりはないけれど、あなたのことを気に入っているのは確かなの。家族に冷たくされても飄々としているあなたが素敵に見えたんでしょうね。普通ならば助けるべきところだと思うけれど、それをしなかったのは、そんなあなたが美しいと思い、ずっと見ていたかったからでしょう」
「喜べるものではありませんわ」
「そうね」
苦笑して頷いた時、王妃陛下の侍女が扉をノックした。
「もう戻るわ。もし、ターズたちがわたくしがここに来ていたことに気がついて何か言ってきたら、リリララのことが心配で話をしに来たのだと言ってちょうだい」
「承知いたしました。お話していただき、本当にありがとうございました」
「力になれなくてごめんなさいね。何か意見しようとすると、陛下の力で、その時は何も思わなくなってしまうの」
王妃陛下は眉尻を下げて言うと、急いで自分の部屋に戻っていった。
私はどう動けば良いのだろうか。
サレナール王国の企みを、私一人で暴くことはできるのかしら。
――でも、何とかしないといけないわよね。
「ローニャ! 大丈夫だった? 何もされてない?」
「……どうかしたのですか?」
赤茶色の髪をシニヨンにしたローニャは、大きな目を丸くして不思議そうな顔をした。
私が答える前に、ローニャと一緒に出迎えてくれたルド様が話しかけてくる。
「リリララ様、隠していても意味がないかと思いますのでお話ししますが、先程、同僚が訪ねてきました」
「……やっぱり」
私がショックを受けていると、ローニャが不満そうな目をルド様に向ける。
「言わないでと言ったじゃないですか!」
「隠すことは、リリララ様のためにならないよ」
「……そうですね」
ローニャはしゅんと肩を落として俯いた。
「何か嫌なことをされたりしなかった?」
「何かされたと言いますか、ターズ様の側近の1人が訪ねてきて、私の身に何か遭った時はリリララ様のせいだから、リリララ様を憎めと言ってきました」
「今のところは危害を加えられたわけではないのね?」
「はい。ルド様がいるとわかったら逃げ帰って行きました」
今回は警告といったところかしら。
何の関係もないローニャを巻き込もうとするだなんて、どうして、ターズ様は私が彼から離れることを嫌がるの?
でも、原因を作ったのは私だわ。
私の考えが甘かった。
弱みを見せないようにしていれば、ローニャを巻き込まずに済んだのに。
「ローニャ、本当にごめんなさい」
「……どうして、リリララ様が謝るんですか」
「私のせいだわ。私が……っ、ターズ様に逆らったから、あなたに嫌な思いをさせてしまった。友人に嫌な思いをさせるなんて最低だわ」
「リリララ様、あなたは悪くありません」
「でも、あなたを傷をつけようとするかもしれないわ。私と友人だったせいで、あなたに迷惑がかかるなんてあってはいけないことよ」
「リリララ様、だったなんて過去形で言うのはやめてください。今も友人なのですから」
微笑んでくれるローニャを見て、涙が出そうになった。
向かいに座るルド様が、彼の隣に座っているローニャの手を取って言う。
「リリララ様、心配しないでください。親が決めた婚約ではありますが、僕は彼女ことが好きなんです。何かあれば僕が守ります。それに、ターズ様も僕を側近にしている限り、下手なことはしませんよ」
「ありがとう。……でも、ローニャは気になるでしょう。いつ、どこにいても警戒しなくちゃいけないんだもの」
「気にならないと言えば嘘になりますが、リリララ様のせいだなんて思いません」
「どうして? 私のせいじゃないの」
「悪いのは、そんな酷いことを企んだ人です。リリララ様が悪いだなんて、少なくとも私とルド様は思いませんわ」
二人共、嘘を言っているようには見えなかった。
「……私の友人はお人好しすぎるわ」
涙をこらえて言うと、ローニャたちは微笑む。
「悪い人には悪い人が、良い人には良い人が集まるものです」
「……私は良い人じゃないわよ」
「いいえ。リリララ様は人の痛みを自分のことのように感じることのできる優しい人ですわ」
「……もしそうだとしたら、王太子妃には向いていないわね」
「王太子妃に向いていないかどうかはわかりませんが、離婚することは賛成です。私のことは自分でどうにかします。リリララ様は遠慮なく動いてください」
ローニャは躊躇う様子もなく、私の背中を押してくれた。
*****
これからは、ローニャの周りの警備を手厚くしてもらうように、彼女の両親にお願いした。
警備員を雇う費用は、三十日ごとに渡される私の給料から支払うと言うと断られてしまった。
王太子妃にお金を出させるわけにはいかないという。
ローニャの両親も私に同情してくれていて、そのお金はいつかターズ様の元から離れる時に使ってほしいと言われた。
ターズ様と離婚できたとしても、この国にいれば命を狙われる可能性がある。
その時は手の届きにくい他国に逃げるしかない。
お金がかなり必要になるとわかっているから、そう言ってくれたのだと思う。
それから数日後、セカノノ様が帰った日、仕事が溜まっていたので、その日は夜遅くまで執務室にいた。
すると、扉の前に立っていた護衛が来訪を知らせた。
誰か確認すると、王妃陛下だった。
慌てて執務室の中に招き入れて挨拶をすると、燃えるような赤い髪に紺色の瞳を持つ、スレンダー体型の王妃陛下は眉尻を下げた。
「こんな時間にごめんなさいね。今、明日来る予定だったライレフ王国の王太子殿下と王女が来られて、陛下が応対中なの。陛下が部屋にいない間に、あなたに話しておきたいことがあって来たのよ」
「そうだったのですね。わざわざ申し訳ございません。どのようなお話でしょうか」
「わたくしがこれから話すことは、わたくしが許可した人以外には他言しないでほしいの。それをまずは約束してくれないかしら」
「……承知いたしました」
王妃陛下は前々から、ターズ様が他の妻を城に滞在させることに苦言を呈してくれていた。
王妃陛下を信じて頷くと、俯いて話し始める。
「ターズのことは本当にごめんなさいね。陛下に伝えて止めさせたいところなんだけど、陛下は逆にターズにもっと妻を持てと言っているの」
「陛下も了承済みだと聞いていましたが、数を増やせと言っているなんて知りませんでした」
「……リリララはターズのこと、薄々気が付いているのでしょう?」
「気が付いているとは?」
「あなたは紫色の瞳を持っているから、ターズの思い通りになっていないはずよ」
「……どういうことでしょうか」
「城の図書室に隠されていた本を読んだの」
詳しい話を聞いてみると、王妃陛下は国王陛下と幼馴染だったそうだ。
小さい頃に陛下が城の図書室のある場所に王家の秘密を記した本があると教えてくれたという。
5歳くらいの時だったと言うから、話すなと言われていたのに、そんなことを忘れて話をしてしまったのでしょう。
「紫色の瞳を不吉だと言っているのは、学者が王家寄りの人間だからなの」
「……申し訳ございません。王妃陛下が何を言おうとしておられるのかが、まだわかりません」
「回りくどくてごめんなさいね。あなたも実感していると思うけれど、ターズは人を見つめることによって、男性には服従させる力、女性には魅了の力を発揮できるの」
ターズ様が執拗に瞳を見つめてくることには、やっぱり理由があったのね。
「では、各国の国王陛下も服従状態になっているのですか?」
「そうだと思うわ。そうじゃないと、娘を何人もの妻がいる男の元に嫁がせないでしょう。不思議な力の効果の持続時間は人によって違うの。それに効果を発揮しなかったり、発揮しづらい人もいるのよ」
「紫色の瞳が関係しているのでしょうか」
「ええ。どういう理由かはわからないけれど、あなたのような紫色の瞳を持つ人間は王族の不思議な力に抵抗できるみたいなの。途中でおかしいと気づける人は、わたくしもそうだから先祖に紫色の瞳を持っていた人がいるんじゃないかしら」
本には王家に代々受け継がれている秘密として書かれていただけで、その対処法が書かれているわけではなかったそうだ。
王家のために書かれた本なので『紫色の瞳の人物は危険である』と締めくくられていたとのことだった。
「ターズ様は紫色の瞳の私を妻にしてどうするつもりなのでしょうか」
「……あなたの場合は何も目的はないと思うわ。ただ、あなたを気に入っているだけよ」
「私の場合は、ということは、他の方たちとの結婚には目的があるということでしょうか」
「ええ。わかるでしょう」
「……戦争はせずに皇帝になろうとしているのですか」
力を使って服従させて、世界のトップになろうとしてるだなんて――
その可能性は無きにしもあらずだとは思っていた。
でも、ターズ様はそこまで野心家ではないはずだわ。
しかも、規模が大きすぎる。
ということは……。
「それはターズ様の考えなのですか? それとも」
「元々は国王陛下よ。留学に行かせることは悪くはないことだけど、そう何ヶ国も行かせるものでもないでしょう」
「他国の文化を知るためだと思っていましたが、そうではなかったんですね」
「陛下もターズが結婚までするとは考えていなかったと思うわ。ターズは陛下のように上手く力を使いこなせなかったんでしょう」
「では、ターズ様は妻への愛情はないということでしょうか」
「あなた以外にはね」
「ターズ様が私を愛しているとは到底思えません」
否定すると、王妃陛下は小さく息を吐いて苦笑する。
「あの子を養護するつもりはないけれど、あなたのことを気に入っているのは確かなの。家族に冷たくされても飄々としているあなたが素敵に見えたんでしょうね。普通ならば助けるべきところだと思うけれど、それをしなかったのは、そんなあなたが美しいと思い、ずっと見ていたかったからでしょう」
「喜べるものではありませんわ」
「そうね」
苦笑して頷いた時、王妃陛下の侍女が扉をノックした。
「もう戻るわ。もし、ターズたちがわたくしがここに来ていたことに気がついて何か言ってきたら、リリララのことが心配で話をしに来たのだと言ってちょうだい」
「承知いたしました。お話していただき、本当にありがとうございました」
「力になれなくてごめんなさいね。何か意見しようとすると、陛下の力で、その時は何も思わなくなってしまうの」
王妃陛下は眉尻を下げて言うと、急いで自分の部屋に戻っていった。
私はどう動けば良いのだろうか。
サレナール王国の企みを、私一人で暴くことはできるのかしら。
――でも、何とかしないといけないわよね。
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