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2 怪しい夫
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深呼吸して気持ちを落ち着かせる。
そして、妻というものは、そうたくさん必要なものなのかと冷静に考えみた。
跡継ぎが生まれなくて、側妃を迎えるという話はよく聞く話だ。
でも、それは結婚してしばらく経っても子供に恵まれなかった時に取る手段であって、結婚前から側妃がいるという話は初めて聞いた。
そんな話が出る前から、私を含めて9人も妻は必要なのだろうか。
他に8人も妻がいるのに、どうして私と結婚したのかもわからない。
8人もいるならば、誰か一人くらいはサレナール王国に嫁入りできる人がいるはずだ。
「ターズ様、失礼を承知でお聞きしますが、8人も妻がいるにもかかわらず、私と結婚する必要はあったのでしょうか」
「そんなことを言うだろうから、今まで君には話さなかったんだ」
ターズ様は柔らかな笑みを浮かべると、私の額に口づける。
「リリララ、君は9番目の妻になっただけで順番は関係ない。正妃は君だ。君はサレナール王国の民で、僕はサレナールの王太子だからね」
順番は関係ないと言うけれど、9番目と言う時点で関係があるんじゃないの?
言いたくなる気持ちを抑えて、少し考える。
では、私がサレナール王国の民じゃなくなれば、離婚することは可能なのだろうか。
あと8人いる妻の国を調べて、その国に行き、私の国籍をその国のものに変えれば妻である資格を失うから、妻が私である必要はなくなる。
そうすれば、離婚できるのでは?
そんな考えが頭に浮かんだ。
でも、すぐに無理だとわかる。
そんなことができたとしても、その後、どうやって暮らしていくのだろうか。
政略結婚に愛を求めることが間違っているのだということも、十分理解しているつもりだ。
それなら、諦めるしかないのだろうか。
「子供を生んでくれれば君の勝ちだよ。さっきも言ったけれど、君が正妃なんだ。正妃の君を優先するつもりだから何も心配しなくていい」
「子供を生めば勝ちだとおっしゃいましたが、私に子供ができなかった場合はどうなるのですか」
「その時は他の姫が生んだ子供をサレナールの王子にすれば良い」
「その場合、私は負けたということですね」
眉根を寄せて尋ねると、ターズ様は苦笑する。
「君は細かいことを気にするんだね」
「細かいことではありません。大事なことです。それから、他の8人の妻の方々は本当に納得しているのですか」
「そうだよ。それでも僕が良い。僕の妻になりたいと言うんだ」
ターズ様の瞳に捉えられると、目を離すことができなくなる。
そして、見つめ合っている内に、今まで考えていたことが馬鹿らしくなってくる。
そうよ。
私は正妃で、ターズ様に一番に大事にしてもらえるのよ。
そんな考えた頭を支配する。
急に不安な気持ちが消え去って、ターズ様に微笑みかける。
「……私はターズ様のお傍にいられるだけで幸せですわ」
彼の胸に頬を寄せると、満足そうな声が返ってくる。
「わかってくれて嬉しいよ。これで言いやすくなった」
「言いやすくなった……とは?」
「実は十番目の妻になりたいという女性が現れたんだ。だから、妻に迎えてもいいよね」
「いいわけがありません!」
押し退けるようにしてターズ様から離れると、私はバルコニーから寝室に戻った。
9番目の妻だということでもショックなのに、これ以上増やすですって?
許そうと思っていた気持ちはどこかに吹き飛び、嫌悪感しかなくなった。
こんなに一瞬で、人の気持は変わるものなのだろうか。
ターズ様が追いかけてきて、私の腕を掴んで訴える。
「リリララ、聞いてくれ。僕の妻になりたいという人は、君との結婚後も後を絶たないんだ」
「まだ、結婚して5日目ですが、結婚後に何人の女性とお会いになったんですか?」
「そう多くはない。それに妻になりたいと言っている人物は、君との結婚前から言ってきていたんだ。君に悪いからと言って、10番目になるのだと言ってきた」
「そんなに結婚したければすれば良いかと思います。ただ、それだけの女性のお相手をするのであれば、仕事に手を付けられないのではないのですか」
吐き捨てるように言うと、ターズ様は後ろから抱きしめてきた。
「仕事は頑張るつもりだよ。でも、どうしても無理な場合は、君にお願いしたいんだ。僕のサポートは君の仕事でもあるだろう?」
「仕事と側妃、どちらを優先にするおつもりなんですか」
「それは、もちろん妻だろう。仕事は僕以外の人間でもできる。君だって僕の代わりができる一人だ」
「私が仕事をしている間に、あなたは他の妻と会うと言うのですよね」
「しょうがないじゃないか。断ると国際問題になるんだ」
「今の状況だって国際問題になってもおかしくない状況です! 複数の国の王家の女性を妻にするだなんて!」
「王家ばかりじゃない。君のような公爵令嬢もいるよ」
今は我慢できていても、誰かが均衡を破ればどうなるかわからない。
国家間の争いが起きる可能性もあるのに、どうしてそんなに平気でいられるの!?
「リリララ、僕を信じてくれ。決して悪いことにはならないよ」
ターズ様は前に回り込んでくると、私の目を見つめてくる。
目を見たら許してしまう。
いつもそうなのだ。
だから今は、絶対に目を合わせないことにした。
「信じられませんわ。国際問題に発展する可能性が高いのに呑気にしていられません」
「国際問題にはならないと言っているじゃないか。結婚は各国の国王陛下が認めているんだから」
ターズ様は私を抱きしめ、耳元で囁く。
「リリララ、僕から逃げようだなんて馬鹿なことを考えてはいけないよ。僕は君と離婚をするつもりはないし、君が僕から離れるだなんてあってはいけないことなんだ」
「……それはなぜなのでしょうか」
「君が僕から離れるということは、僕が君に捨てられたということになる。そんなことになったら、僕は君の家を潰してしまうかもしれない」
ターズ様の私を抱きしめる腕の力が強くなった。
「わかってるよね。僕が良いと言わない限り、君は僕から逃げられない」
「……どうして私なんですか」
「君は僕に惑わされないから」
「……どういうことでしょうか」
「君は答えを知ってるだろう。だから、僕を見ない」
やっぱり、ターズ様には何か秘密があるんだわ。
このことを知っていると思われることは良くないと判断した私はとぼけてみる。
「何のことでしょうか。ターズ様と目が合うと恥ずかしくなるから見れないだけなのですが、何か意味があるのですか?」
「……そうだね。意味があるんだよ」
ターズ様は私を横抱きすると、顔を近づけてくる。
「君はワガママを言わないよね。他の妻たちとも仲良くやってくれると信じているよ」
「……承知いたしました。ですが、頭の中を整理したいので、今晩は部屋に戻らせてください」
「部屋というのはここだろう」
「寝室ではなく私個人に用意していただいた部屋です」
私個人の部屋にもベッドは置いてあるので眠ることはできる。
今日は絶対にターズ様と眠りたくなかった。
「別々に眠るということ?」
「そうです。申し訳ございません」
目を逸らして謝ると、ターズ様は私に顔を近づけてきた。
見ないようにするんじゃない。
恥ずかしくて見れない仕草をするのよ。
一瞬だけ目を合わせ、すぐに逸らして俯いて見せる。
すると、納得してくれたのか、ターズ様は私の額に口づけた。
「しょうがないな。それで僕を許してくれるのなら良いよ。一人で眠るのは寂しいけど、今晩は我慢するね」
「……ありがとうございます、ターズ様」
その後、遠慮したにもかかわらず、ダーズ様は私を横抱きしたまま部屋まで運んだ。
そのせいで侍女たちには体調が悪いのかと心配されてしまった。
ターズ様は一体、何を考えているのかしら。
サレナール王国の民で正式な婚約者だったから、私に執着しているのかと思ったけど、そうではないみたい。
ターズ様の不思議な魅力に屈しないから面白がられているだけなの?
ターズ様が隠している何かを知りたいという気持ちもあるけれど、知ってしまったら離婚できなくなる気がした。
どうしたら自然に彼と離婚できるのかを考えていると、気が付いた時には空が明るくなっていた。
そして、妻というものは、そうたくさん必要なものなのかと冷静に考えみた。
跡継ぎが生まれなくて、側妃を迎えるという話はよく聞く話だ。
でも、それは結婚してしばらく経っても子供に恵まれなかった時に取る手段であって、結婚前から側妃がいるという話は初めて聞いた。
そんな話が出る前から、私を含めて9人も妻は必要なのだろうか。
他に8人も妻がいるのに、どうして私と結婚したのかもわからない。
8人もいるならば、誰か一人くらいはサレナール王国に嫁入りできる人がいるはずだ。
「ターズ様、失礼を承知でお聞きしますが、8人も妻がいるにもかかわらず、私と結婚する必要はあったのでしょうか」
「そんなことを言うだろうから、今まで君には話さなかったんだ」
ターズ様は柔らかな笑みを浮かべると、私の額に口づける。
「リリララ、君は9番目の妻になっただけで順番は関係ない。正妃は君だ。君はサレナール王国の民で、僕はサレナールの王太子だからね」
順番は関係ないと言うけれど、9番目と言う時点で関係があるんじゃないの?
言いたくなる気持ちを抑えて、少し考える。
では、私がサレナール王国の民じゃなくなれば、離婚することは可能なのだろうか。
あと8人いる妻の国を調べて、その国に行き、私の国籍をその国のものに変えれば妻である資格を失うから、妻が私である必要はなくなる。
そうすれば、離婚できるのでは?
そんな考えが頭に浮かんだ。
でも、すぐに無理だとわかる。
そんなことができたとしても、その後、どうやって暮らしていくのだろうか。
政略結婚に愛を求めることが間違っているのだということも、十分理解しているつもりだ。
それなら、諦めるしかないのだろうか。
「子供を生んでくれれば君の勝ちだよ。さっきも言ったけれど、君が正妃なんだ。正妃の君を優先するつもりだから何も心配しなくていい」
「子供を生めば勝ちだとおっしゃいましたが、私に子供ができなかった場合はどうなるのですか」
「その時は他の姫が生んだ子供をサレナールの王子にすれば良い」
「その場合、私は負けたということですね」
眉根を寄せて尋ねると、ターズ様は苦笑する。
「君は細かいことを気にするんだね」
「細かいことではありません。大事なことです。それから、他の8人の妻の方々は本当に納得しているのですか」
「そうだよ。それでも僕が良い。僕の妻になりたいと言うんだ」
ターズ様の瞳に捉えられると、目を離すことができなくなる。
そして、見つめ合っている内に、今まで考えていたことが馬鹿らしくなってくる。
そうよ。
私は正妃で、ターズ様に一番に大事にしてもらえるのよ。
そんな考えた頭を支配する。
急に不安な気持ちが消え去って、ターズ様に微笑みかける。
「……私はターズ様のお傍にいられるだけで幸せですわ」
彼の胸に頬を寄せると、満足そうな声が返ってくる。
「わかってくれて嬉しいよ。これで言いやすくなった」
「言いやすくなった……とは?」
「実は十番目の妻になりたいという女性が現れたんだ。だから、妻に迎えてもいいよね」
「いいわけがありません!」
押し退けるようにしてターズ様から離れると、私はバルコニーから寝室に戻った。
9番目の妻だということでもショックなのに、これ以上増やすですって?
許そうと思っていた気持ちはどこかに吹き飛び、嫌悪感しかなくなった。
こんなに一瞬で、人の気持は変わるものなのだろうか。
ターズ様が追いかけてきて、私の腕を掴んで訴える。
「リリララ、聞いてくれ。僕の妻になりたいという人は、君との結婚後も後を絶たないんだ」
「まだ、結婚して5日目ですが、結婚後に何人の女性とお会いになったんですか?」
「そう多くはない。それに妻になりたいと言っている人物は、君との結婚前から言ってきていたんだ。君に悪いからと言って、10番目になるのだと言ってきた」
「そんなに結婚したければすれば良いかと思います。ただ、それだけの女性のお相手をするのであれば、仕事に手を付けられないのではないのですか」
吐き捨てるように言うと、ターズ様は後ろから抱きしめてきた。
「仕事は頑張るつもりだよ。でも、どうしても無理な場合は、君にお願いしたいんだ。僕のサポートは君の仕事でもあるだろう?」
「仕事と側妃、どちらを優先にするおつもりなんですか」
「それは、もちろん妻だろう。仕事は僕以外の人間でもできる。君だって僕の代わりができる一人だ」
「私が仕事をしている間に、あなたは他の妻と会うと言うのですよね」
「しょうがないじゃないか。断ると国際問題になるんだ」
「今の状況だって国際問題になってもおかしくない状況です! 複数の国の王家の女性を妻にするだなんて!」
「王家ばかりじゃない。君のような公爵令嬢もいるよ」
今は我慢できていても、誰かが均衡を破ればどうなるかわからない。
国家間の争いが起きる可能性もあるのに、どうしてそんなに平気でいられるの!?
「リリララ、僕を信じてくれ。決して悪いことにはならないよ」
ターズ様は前に回り込んでくると、私の目を見つめてくる。
目を見たら許してしまう。
いつもそうなのだ。
だから今は、絶対に目を合わせないことにした。
「信じられませんわ。国際問題に発展する可能性が高いのに呑気にしていられません」
「国際問題にはならないと言っているじゃないか。結婚は各国の国王陛下が認めているんだから」
ターズ様は私を抱きしめ、耳元で囁く。
「リリララ、僕から逃げようだなんて馬鹿なことを考えてはいけないよ。僕は君と離婚をするつもりはないし、君が僕から離れるだなんてあってはいけないことなんだ」
「……それはなぜなのでしょうか」
「君が僕から離れるということは、僕が君に捨てられたということになる。そんなことになったら、僕は君の家を潰してしまうかもしれない」
ターズ様の私を抱きしめる腕の力が強くなった。
「わかってるよね。僕が良いと言わない限り、君は僕から逃げられない」
「……どうして私なんですか」
「君は僕に惑わされないから」
「……どういうことでしょうか」
「君は答えを知ってるだろう。だから、僕を見ない」
やっぱり、ターズ様には何か秘密があるんだわ。
このことを知っていると思われることは良くないと判断した私はとぼけてみる。
「何のことでしょうか。ターズ様と目が合うと恥ずかしくなるから見れないだけなのですが、何か意味があるのですか?」
「……そうだね。意味があるんだよ」
ターズ様は私を横抱きすると、顔を近づけてくる。
「君はワガママを言わないよね。他の妻たちとも仲良くやってくれると信じているよ」
「……承知いたしました。ですが、頭の中を整理したいので、今晩は部屋に戻らせてください」
「部屋というのはここだろう」
「寝室ではなく私個人に用意していただいた部屋です」
私個人の部屋にもベッドは置いてあるので眠ることはできる。
今日は絶対にターズ様と眠りたくなかった。
「別々に眠るということ?」
「そうです。申し訳ございません」
目を逸らして謝ると、ターズ様は私に顔を近づけてきた。
見ないようにするんじゃない。
恥ずかしくて見れない仕草をするのよ。
一瞬だけ目を合わせ、すぐに逸らして俯いて見せる。
すると、納得してくれたのか、ターズ様は私の額に口づけた。
「しょうがないな。それで僕を許してくれるのなら良いよ。一人で眠るのは寂しいけど、今晩は我慢するね」
「……ありがとうございます、ターズ様」
その後、遠慮したにもかかわらず、ダーズ様は私を横抱きしたまま部屋まで運んだ。
そのせいで侍女たちには体調が悪いのかと心配されてしまった。
ターズ様は一体、何を考えているのかしら。
サレナール王国の民で正式な婚約者だったから、私に執着しているのかと思ったけど、そうではないみたい。
ターズ様の不思議な魅力に屈しないから面白がられているだけなの?
ターズ様が隠している何かを知りたいという気持ちもあるけれど、知ってしまったら離婚できなくなる気がした。
どうしたら自然に彼と離婚できるのかを考えていると、気が付いた時には空が明るくなっていた。
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