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42 罰が当たった人たち②

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 数日後にオズックについての連絡が入ったので確認すると、彼が賊に襲われて重症であるとの報告だった。
 どうしても、ルララ辺境伯令嬢はオズックがフィルに劣っていないことを証明したかったようで、二人が出かけている時にまた賊が現れるように手配していたようだった。

 前回は騎士たちが仕事をしたけれど、今回は仕事をしてはいけないと思い込んだ騎士たちは、ルララ辺境伯令嬢は守ったもののオズックを見捨てた。

 最初のほうはオズックも頑張ろうとしていたようだけれど、すぐに息が上がり騎士に助けを求めた。

 騎士もさすがに助けようとしたけれど、ルララ辺境伯令嬢がそれを止めたため、最終的にオズックは袋叩きにあったようだった。
 
 ルララ辺境伯令嬢はオズックが呆気なくやられてしまったことにショックを受けた。

 そして、襲ってきた賊には、オズックにそこまでしなくても良いと伝えていたのに、オズックが重症を負ってしまったことに疑問を覚えたようだった。

 それもそのはず、オズックを襲った賊はルララ辺境伯令嬢が頼んだ人物たちとは同じであるけれど、賊たちはルララ辺境伯令嬢の依頼を直前に断わり、他の人物からの依頼を受けていたからだ。

「オズックに恋人を奪われた男性たちが、賊を買収して自分たちの言うことを聞かせたんじゃないかということだ」

 教えてくれたお父様は侮蔑の表情を浮かべていた。

「そうすることで賊にメリットはあるのでしょうか」
「普通ならば、貴族に暴行を働こうとして騎士に捕まったのであれば、賊は二度と刑務所からは出られないことが多い。ルララ辺境伯令嬢が仲介人を介して頼んだ分は保釈金プラス報奨を払っていたようだが、今回はその報奨をルララ辺境伯令嬢よりも多めに賊に手渡すことで契約を勝手に破棄したようだ」
「お金で寝返られたということですね」

 賊を信じてはいけないということね。

 お父様から詳しく話を聞いたところ、前回の賊の件で濡れ衣を着せられたドーナモイ伯爵家が、次男の疑いを晴らすために調べた結果、保釈された賊がお金をもらうことで簡単に話をしたらしい。
 そして、その話をドーナモイ伯爵家が他の貴族にしたところ、オズックに恨みのある男性陣が結束したという話だった。
 賊も依頼主が捕まってしまえば、お金を取りそこねてしまうため、誰に頼まれたかということは、今回については黙秘しているんだそうだ。

 オズックが女性を簡単に捨てたことで恨みを買っているだろうということはわかっていたけれど、女性の恋人たちがどう出たかまでは調べていなかった。
 彼らは彼らで虎視眈々と復讐の時を狙っていたようだった。

 重症というだけで、オズックの様子がはっきりとはわからなかったため、詳しい情報を知ろうとしていた時、アフック様とドリル子爵令嬢の婚約が解消されたとの報告が入った。

 そして、それと同時にアフック様からフィル宛に手紙が届くようになった。

 フィルに聞いてみたところ、アフック様はどうしてもわたしと結婚したいらしく、フィルに身を引いてくれないかと連絡してきているとのことだった。
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