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4−4  オルザベート視点 2

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 ロンバートは私達に教えてくれた。

 私達はだいぶ前から、カイジス公爵の手配した人間から監視されていた事、そして、ロンバート自身も同じ様に監視されている事を教えてくれた。

 エアリスが私の事を忘れているかどうかに関しては、エアリスと話す事だけでなく、会う事も出来なかったからわからないと言われた。

 役立たずな男だわ。
 でも、久しぶりに見ると、ロンバートが素敵に見えた。
 ティンカーは不細工とまではいかないけど、顔はあまり良くないし不潔な所がある。
 だけど、ロンバートは違う。
 元貴族だからかしら?
 品位がある様に見えるわ。

「エアリス達が来ているみたいだから、遠巻きにはなるけど、一緒に見に行かないか」
「本当に!?」
「ああ。近付く事は無理だろうけど、遠くから見るくらいなら大丈夫だろう」
「ありがとう、ロンバート!」

 笑顔で礼を言うと、ロンバートが微笑んだ。
 すると、私達の様子が気に入らないのか、ティンカーが割って入ってきた。
 
「オルザベート、エアリスを諦めてくれる事を考えてくれると言っていたじゃないか! このままだと、君は幸せになれない。もうエアリスの事は…」
「ティンカー、どうして今、そんな事を言うの?」
「そうだ。君はオルザベートの気持ちをどうしてわかってやれないんだ?」

 ロンバートは私の味方になってくれた。
 屋敷に滞在していた時は役立たずだと思っていたけど、そうでもなかったのね!

「彼女の幸せを一番に考えて何が悪いと言うんだ!? 君は、オルザベートに気に入られたいだけだろ!」
「うるさい! 大体、俺とオルザベートは結婚するつもりだったんだぞ!」

 喧嘩を始めた二人にうんざりしてしまう。
 
 どんなに言い争っても、私はエアリスだけのものなんだから無駄なのに。
 でも、それを教えてあげるのはまだ早い。

「お願いよ、ティンカー。エアリスが幸せそうにしているなら、ちゃんと私の幸せを考えるようにするから。けじめをつけたいだけのよ」

 ティンカーに上目遣いでお願いしてみる。
 彼は恥ずかしそうに、私から視線をそらした。

 本当にチョロいんだから…。

 私がいないのに、エアリスが幸せなわけないじゃないの。
 会話する事はできないかもしれないけれど、エアリスを見る事が出来る。
 それだけで、元気がない事くらいわかるわ。
 
 もしかしたら、エアリスが私に気が付いて、彼女の方から来てくれるかもしれない。
 ああ、きっと、いえ、絶対にそうだわ!

「じゃあ、早速出かけましょう」

 こんな所にいる場合じゃないわ。
 私は二人を促して、今度こそ外に出た。
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