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51 やってしまいました!
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あ、やばい。
なんか、いきなり高熱が出たみたいに身体が熱いし、息が上がる。
座っているのも辛くなって、ズルズルとソファの背もたれに倒れ込んだ。
「ユーニさん?」
私の様子に気が付いたのか、ラス様が立ち上がって私のところまで来てくれた。
「しっかりして下さい!」
ラス様がぐったりしている私の身体を支えて、緊迫した表情で叫ぶ。
身体が熱い。
熱いだけで、苦しいとかはない。
伝えたいけど、うまく口が動かなくて、テーブルの上を指差す。
「リアさんがアレンからもらったお菓子・・・?」
食べかけのスコーンを手にとって、ラス様はお菓子の匂いをかいで、ハッとした顔をする。
なにか、わかったのかな。
というか、なんでだろう。
なんか、ラス様に触れたくなってきた。
駄目。
駄目ってわかってるのに。
身体がいう事をきかない。
「ラスさま・・・」
「ユっ」
たぶん、私の名前を呼んでくれようとしたんだと思う。
でも、それは無理だった。
私がラス様の口を自分の口でふさいだから。
「ユーニさん!」
「ラスさ、まっ」
ひきはなされたけれど、私の手は自然とラス様の頬にのびる。
なんで、こんなに身体が熱いの。
わからない。
どうしてかわからないけど、今はラス様に触れたい。
その衝動にかられて、ラス様にまたキスしてしまう。
「っ!」
「んっ・・・・ん」
身体が引き寄せられて、ぼんやりした頭なのに、口の中に入ってきたラス様の舌の感触を心地よく感じて目を閉じる。
気持ち良い。
「ふ・・・・ぁん・・・んっ」
角度を変えられて、また入ってきたそれに、自分のものをからめてみる。
本当に気持ち良くて、私から求めてしまう。
ラス様の舌も熱くてクラクラしてくる・・・。
「やっちまった・・・・・」
唇がはなれると、ラス様はコツンと私に額を合わせて呟いた。
「ラス・・・さま?」
・・・・・やっちまった?
え?
!?
一瞬にして、身体の熱が引いて、理性が蘇った。
あ、ラス様とキスした?!
わ、私、な、なんて事を?!
「わっ、わっ、私っ」
「・・・・・わかってます。あなたはどうやら媚薬が入った食べ物を食べたようですね」
ラス様は少し息が荒いまま答えてくれた。
うわ、男の人なのに、すごく色っぽい。
って、そんな事を考えてる場合じゃない!
「ほんとーにごめんなさ・・・」
謝ろうと勢いよく、頭を上げたところで、私の意識はぷつりと途切れた。
「目ぇ覚めたか」
目を開けると、見慣れた天井と一緒に、ユウヤくんの顔が見えた。
どうやら私は、自分の部屋のベッドで寝ているようだった。
服も寝間着になっているから、着替えさせてくれたみたい。
「・・・・・私・・、あれから・・・」
「ラスの執務室で気を失ったんだよ。ラスからは、その、色々と事情は聞いてる」
「ごっ、ごめんなさい!!」
「いいから」
起き上がろうとすると、肩を掴まれて、ベッドに押し戻された。
なんで、あんな事しちゃったんだろう。
ラス様にも申し訳ないし、話を聞いたんなら、ユウヤくんにも嫌われちゃったよね。
そう思うと、涙が一瞬にして目尻にたまる。
「なんで泣くんだよ」
「だって、ユウヤくん・・・・・、私のこと・・・・嫌いになったよね」
「は? 何で?」
「だってラス様にあんな事」
「あれは薬のせいなんだよ」
ユウヤくんは目尻からこぼれた私の涙を手でぬぐってくれながら、優しい口調で続ける。
「だからユーニのせいじゃない。それに、ラスが言ってたけど、引き剥がそうと思えば引き剥がせたのに、それをしなかったのはラスだって。つーか、何があったかは詳しく聞いてねぇんだけど、その、最後までシたっていうわけじゃなかったら、いいから」
「してないよ! というか、ラス様はそんな人じゃない」
記憶が途切れる前に覚えてるのは、後悔しているみたいな悲しそうなラス様の顔だ。
「だよな。ラスは気を失ってる人間にそんな事するような奴じゃねぇもんな。まあ、最後までシたとしてても、オマエを手放す気はないから」
ユウヤくんはそっと片目ずつに優しくキスをして、涙を拭ってくれた。
「ありがとう。あと、あの、薬って、どういう事?」
「いや、それがアレンがリアちゃんに渡したお菓子の中に、媚薬を入れてたみたいでよ」
「は?」
という事は。
「リアは?! リアは大丈夫だったの?!」
「大丈夫っつーか、なんというか。リアちゃんもお前と同じでぶっ倒れちまったんだけどな」
「その、私みたいに、なっちゃったの?」
「それがな」
ユウヤくんはだいぶ言いにくそうにしていたけれど、いつかわかる事だし、と教えてくれた。
まず、リアがお菓子を食べたのはユウマくんが人に呼ばれて、席を外した、何分かの間の出来事だったらしい。
アレンくんは媚薬は無理だと判断して、他に用意していた意識を朦朧とさせる薬の入ったお菓子をリアに食べさせて、ちゃんとした判断が出来なくなっているリアに、ある書類にサインをさせた。
それは婚姻届だった。
しかもそれには魔法がかかっていて、燃やす事も破る事もできないらしい。
「信じられない」
「無効にできないか、と話をしてるんだが、強力な魔法らしくて無効化が難しいらしい」
「アレンくん、なんでそんな事」
自分自身が巻き込まれた事にもムカつくけど、やっぱりリアにした事が一番許せない。
ユウマくんがいたから媚薬入りを食べさせなかっただけで、いなかったら食べさせてたって事。
そんなのひどい。
リアの気持ちはどうなるの。
こんな事を思ってはいけないのかもしれないけど、アレンくんの事が本当に今回だけは許せない。
ぎゅう、とシーツをにぎりしめて歯を食いしばる。
「好きな気持ちが暴走したんだろうな。もちろん、やっちゃいけねぇ事だけど」
「自分勝手すぎる!」
「リアちゃんはまだ意識が戻ってない。アレンに関してはさすがの父上もカンカンだよ。父上自ら、破棄できるように動いてくれてる」
「婚姻届にサインしたら、絶対に結婚しなくちゃいけないの?」
「そういう訳じゃねぇけど、ユウマとリアちゃんが結婚したら、自動的にアレンとも結婚しないといけなくなるだろうな」
「そんなの、そんな事するような人と結婚だなんて」
そこまで言って言葉を止めた。
アレンくんはユウヤくんの実の弟だった。
「ごめん」
「なんでオマエが謝るんだよ」
ベッドの横に座ってくれていたユウヤくんが立ち上がると、身を屈めて、私に優しくキスしてから言う。
「オマエが起きたの医者に知らせてくるわ。あと、ラスは今、リアちゃんのとこにいるから」
「ユウマくんが付いてるんじゃなくて?」
「ユウマもいるけど、そのユウマがだいぶ憔悴しきってるから、ラスがユウマとリアちゃんの二人を見てんだよ。ユウマが今は信じられんのはオレ達とラスしかいないからって。あ、なんか食いたいもんとかあるか?」
「あったかいスープとかあったら飲みたい。で、落ち着いたらリアの所に行きたい」
「わかった」
ユウヤくんが出ていき、一人になるとベッドに倒れ込んだ。
ここ最近、落ち着いてきたな、と思ったら結局はこれだ。
もちろん、私ではふせげなかったことかもしれないけど、こんなひどい事ってあるんだろうか。
ユウマくんも大丈夫かな。
何か飲みたくなって、また起き上がり、サイドテーブルに置かれていた水差しから中身をコップにうつす。
一口飲んだ所で、トントン、と扉をノックする音が聞こえた。
ユウヤくんかな?
そう思って、
「はい?」
返事を返すと、小さく扉を開けて、顔を見せたのはラス様だった。
「ラ、ラスさまっ!!」
どれくらいの時間がたったのかわからないけど、寝ていたせいか、ラス様の顔を見ると、あの時の感触を思い出されて声が上ずってしまった。
「ユウヤが帰ってきたら、正式に謝罪をしたいので声をかけていただいてもよろしいでしょうか」
「え? 謝罪?」
ラス様が謝る事って何?
どちらかというと、私が土下座しなくちゃいけないのでは?
なんか、いきなり高熱が出たみたいに身体が熱いし、息が上がる。
座っているのも辛くなって、ズルズルとソファの背もたれに倒れ込んだ。
「ユーニさん?」
私の様子に気が付いたのか、ラス様が立ち上がって私のところまで来てくれた。
「しっかりして下さい!」
ラス様がぐったりしている私の身体を支えて、緊迫した表情で叫ぶ。
身体が熱い。
熱いだけで、苦しいとかはない。
伝えたいけど、うまく口が動かなくて、テーブルの上を指差す。
「リアさんがアレンからもらったお菓子・・・?」
食べかけのスコーンを手にとって、ラス様はお菓子の匂いをかいで、ハッとした顔をする。
なにか、わかったのかな。
というか、なんでだろう。
なんか、ラス様に触れたくなってきた。
駄目。
駄目ってわかってるのに。
身体がいう事をきかない。
「ラスさま・・・」
「ユっ」
たぶん、私の名前を呼んでくれようとしたんだと思う。
でも、それは無理だった。
私がラス様の口を自分の口でふさいだから。
「ユーニさん!」
「ラスさ、まっ」
ひきはなされたけれど、私の手は自然とラス様の頬にのびる。
なんで、こんなに身体が熱いの。
わからない。
どうしてかわからないけど、今はラス様に触れたい。
その衝動にかられて、ラス様にまたキスしてしまう。
「っ!」
「んっ・・・・ん」
身体が引き寄せられて、ぼんやりした頭なのに、口の中に入ってきたラス様の舌の感触を心地よく感じて目を閉じる。
気持ち良い。
「ふ・・・・ぁん・・・んっ」
角度を変えられて、また入ってきたそれに、自分のものをからめてみる。
本当に気持ち良くて、私から求めてしまう。
ラス様の舌も熱くてクラクラしてくる・・・。
「やっちまった・・・・・」
唇がはなれると、ラス様はコツンと私に額を合わせて呟いた。
「ラス・・・さま?」
・・・・・やっちまった?
え?
!?
一瞬にして、身体の熱が引いて、理性が蘇った。
あ、ラス様とキスした?!
わ、私、な、なんて事を?!
「わっ、わっ、私っ」
「・・・・・わかってます。あなたはどうやら媚薬が入った食べ物を食べたようですね」
ラス様は少し息が荒いまま答えてくれた。
うわ、男の人なのに、すごく色っぽい。
って、そんな事を考えてる場合じゃない!
「ほんとーにごめんなさ・・・」
謝ろうと勢いよく、頭を上げたところで、私の意識はぷつりと途切れた。
「目ぇ覚めたか」
目を開けると、見慣れた天井と一緒に、ユウヤくんの顔が見えた。
どうやら私は、自分の部屋のベッドで寝ているようだった。
服も寝間着になっているから、着替えさせてくれたみたい。
「・・・・・私・・、あれから・・・」
「ラスの執務室で気を失ったんだよ。ラスからは、その、色々と事情は聞いてる」
「ごっ、ごめんなさい!!」
「いいから」
起き上がろうとすると、肩を掴まれて、ベッドに押し戻された。
なんで、あんな事しちゃったんだろう。
ラス様にも申し訳ないし、話を聞いたんなら、ユウヤくんにも嫌われちゃったよね。
そう思うと、涙が一瞬にして目尻にたまる。
「なんで泣くんだよ」
「だって、ユウヤくん・・・・・、私のこと・・・・嫌いになったよね」
「は? 何で?」
「だってラス様にあんな事」
「あれは薬のせいなんだよ」
ユウヤくんは目尻からこぼれた私の涙を手でぬぐってくれながら、優しい口調で続ける。
「だからユーニのせいじゃない。それに、ラスが言ってたけど、引き剥がそうと思えば引き剥がせたのに、それをしなかったのはラスだって。つーか、何があったかは詳しく聞いてねぇんだけど、その、最後までシたっていうわけじゃなかったら、いいから」
「してないよ! というか、ラス様はそんな人じゃない」
記憶が途切れる前に覚えてるのは、後悔しているみたいな悲しそうなラス様の顔だ。
「だよな。ラスは気を失ってる人間にそんな事するような奴じゃねぇもんな。まあ、最後までシたとしてても、オマエを手放す気はないから」
ユウヤくんはそっと片目ずつに優しくキスをして、涙を拭ってくれた。
「ありがとう。あと、あの、薬って、どういう事?」
「いや、それがアレンがリアちゃんに渡したお菓子の中に、媚薬を入れてたみたいでよ」
「は?」
という事は。
「リアは?! リアは大丈夫だったの?!」
「大丈夫っつーか、なんというか。リアちゃんもお前と同じでぶっ倒れちまったんだけどな」
「その、私みたいに、なっちゃったの?」
「それがな」
ユウヤくんはだいぶ言いにくそうにしていたけれど、いつかわかる事だし、と教えてくれた。
まず、リアがお菓子を食べたのはユウマくんが人に呼ばれて、席を外した、何分かの間の出来事だったらしい。
アレンくんは媚薬は無理だと判断して、他に用意していた意識を朦朧とさせる薬の入ったお菓子をリアに食べさせて、ちゃんとした判断が出来なくなっているリアに、ある書類にサインをさせた。
それは婚姻届だった。
しかもそれには魔法がかかっていて、燃やす事も破る事もできないらしい。
「信じられない」
「無効にできないか、と話をしてるんだが、強力な魔法らしくて無効化が難しいらしい」
「アレンくん、なんでそんな事」
自分自身が巻き込まれた事にもムカつくけど、やっぱりリアにした事が一番許せない。
ユウマくんがいたから媚薬入りを食べさせなかっただけで、いなかったら食べさせてたって事。
そんなのひどい。
リアの気持ちはどうなるの。
こんな事を思ってはいけないのかもしれないけど、アレンくんの事が本当に今回だけは許せない。
ぎゅう、とシーツをにぎりしめて歯を食いしばる。
「好きな気持ちが暴走したんだろうな。もちろん、やっちゃいけねぇ事だけど」
「自分勝手すぎる!」
「リアちゃんはまだ意識が戻ってない。アレンに関してはさすがの父上もカンカンだよ。父上自ら、破棄できるように動いてくれてる」
「婚姻届にサインしたら、絶対に結婚しなくちゃいけないの?」
「そういう訳じゃねぇけど、ユウマとリアちゃんが結婚したら、自動的にアレンとも結婚しないといけなくなるだろうな」
「そんなの、そんな事するような人と結婚だなんて」
そこまで言って言葉を止めた。
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「ごめん」
「なんでオマエが謝るんだよ」
ベッドの横に座ってくれていたユウヤくんが立ち上がると、身を屈めて、私に優しくキスしてから言う。
「オマエが起きたの医者に知らせてくるわ。あと、ラスは今、リアちゃんのとこにいるから」
「ユウマくんが付いてるんじゃなくて?」
「ユウマもいるけど、そのユウマがだいぶ憔悴しきってるから、ラスがユウマとリアちゃんの二人を見てんだよ。ユウマが今は信じられんのはオレ達とラスしかいないからって。あ、なんか食いたいもんとかあるか?」
「あったかいスープとかあったら飲みたい。で、落ち着いたらリアの所に行きたい」
「わかった」
ユウヤくんが出ていき、一人になるとベッドに倒れ込んだ。
ここ最近、落ち着いてきたな、と思ったら結局はこれだ。
もちろん、私ではふせげなかったことかもしれないけど、こんなひどい事ってあるんだろうか。
ユウマくんも大丈夫かな。
何か飲みたくなって、また起き上がり、サイドテーブルに置かれていた水差しから中身をコップにうつす。
一口飲んだ所で、トントン、と扉をノックする音が聞こえた。
ユウヤくんかな?
そう思って、
「はい?」
返事を返すと、小さく扉を開けて、顔を見せたのはラス様だった。
「ラ、ラスさまっ!!」
どれくらいの時間がたったのかわからないけど、寝ていたせいか、ラス様の顔を見ると、あの時の感触を思い出されて声が上ずってしまった。
「ユウヤが帰ってきたら、正式に謝罪をしたいので声をかけていただいてもよろしいでしょうか」
「え? 謝罪?」
ラス様が謝る事って何?
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