29 / 53
29 嫌われてなくて良かった
しおりを挟む
リアの提案は彼女によってさくさくとすすめられ、ジンさんの非番の日である今日、とうとうダブルデートの日がやって来た。
とてもいい天気で、気温も心地よく感じるあたたかさで、外でのデートには良い日だ。
「ユウヤくんは今日はお仕事大丈夫だったの?」
「大丈夫じゃねぇけど、行く」
「意味わかんないんだけど」
ユウヤくんは屋敷まで迎えに来てくれていて、一緒に待ち合わせ場所の城門まで歩きながら話を続ける。
今日は一応デートという事もあり、いつものシュミーズドレスではあるけれど、腰に巻くリボンは赤と紺の2色展開にしてみた。
ユウヤくんとラス様の瞳の色にしてみたんだけど。
ユウヤくんもやはり服装は落ち着いていて、変装のためなのか、いつもなら一部上げている前髪を全部おろしている。
「だって、オレが行かなかったらオマエとラスが二人で行くんだろ」
「いや、そうなっても四人だよ」
なんのために私達が行くことになっているのか、もう忘れてしまったんだろうか。
「まあ、それはそうなんだけど、ずっと四人でいるわけでもねぇだろ」
「それはそう言われたらそうかもだけど」
いくらダブルデートといっても、最初から最後まで一緒にいるわけじゃないだろうしね。
「そういえば、今日はどこに行くの」
「ミランダ嬢が花が好きらしいから貴族が開放してる有名な庭園に行くらしい」
「え、っていう事は貴族の人ばかりなの?」
「いや、平民にも開放してるから、逆に貴族が少ないらしいぞ」
「ならいいけど」
前にお茶会にいた人達に出会ったりしたら嫌だし、それはそれで良かった。
「浮かない顔してんな」
「まあ、なんというか、ユウヤくん達とお出かけできるのは嬉しいんだけど」
私はそこで言葉を止めた。
前のお茶会のときに、あんな発言をしてしまったからか、ラス様に避けられている気がしていた。
もともと、一週間は仕事をせずに休め、と言われていたのもあるかもしれないけど、どうやら夜に城にやって来ては、次の日の仕事を持ち帰っていたらしい。
だから、執務室に行っても会えるわけもなく。
迷惑だったんだろうな。
そりゃ、そうだよね。
一番じゃないって言ってるのに、あんな都合の良いことを言うような奴だもん。
「ユーニ」
「ん?」
気が付くと、ユウヤくんの顔が目の前にあり、慌てて後ろに飛び退る。
「何が気になるんだよ」
「気になるっていうか」
「ラスの事か?」
「ち、違うよ」
ユウヤくんにラス様のことで相談するのは違うと思ったから首を横に振るけれど、どうやらお見通しのようで苦笑して言われた。
「妬いたりしねぇから言ってみな」
「うう。なんか、ラス様に避けられてるみたいだから、私が行ってもいいのかなって」
ユウヤくんは少し考えるようにしたあと、笑って私の頭を撫でる。
「たぶん、ラスは避けてるんじゃねぇと思うぞ」
「え?」
「まあ、今日にははっきりするって」
ユウヤくんは優しく笑うと、私の手を取って少しだけ歩を速める。
城門前には兄弟でそろえたのか、労働者風の格好をしたイッシュバルド家の兄弟と、ピンク色のシュミーズドレスを着たミランダ様がすでに待ってくれていた。
「ミランダ様、ドレス、可愛いですね」
「ユーニ様もとっても可愛いです! シュミーズドレス、本当に楽ですね。もっと早く知っておきたかったです」
「こういうちょっとしたお出かけには特に良いですよね」
きゃっきゃと話をしている私達の横で、ユウヤくんがラス様達に話しかける。
「服装、合わせたんか」
「たまたまですよ。目立たないような格好をしようと思ったらこうなっただけです」
「僕は何を着たらいいのかわからなくて、兄の真似をしてます」
「おい、オマエが主役だろうが」
「自分でどうこうできるようなもんなら、今日、殿下達にお願いしてません」
すでにジンさんは泣き言を言ってるけど、大丈夫だろうか。
ラス様はかぶっていたキャスケットを目深にかぶると、ジンさんに言った。
「ある程度付き合いはするから、まずは会話からはじめろ。お前達はまともに会話もしてないだろ」
ラス様の声が聞こえたのか、ミランダ様が固まってしまった。
「あ、あのミランダ様」
「ち、違うんです、ミランダ嬢。あなたに言ったわけではなく」
「い、いえ、間違っておりません。今日こそは私、頑張りますので、よろしくお願いいたします!!」
ミランダ様がジンさんに向かって腰を折り曲げてお願いする。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
お願いされたジンさんも、なぜかミランダ様に敬礼した。
「大丈夫かな」
「さあな」
「では、そろった事ですし、行きますか」
ラス様は一人、先に歩き始める。
ジンさんがミランダ様に視線を送ると、二人並んで歩き始めた。
なんだかギクシャクはしてるけど可愛らしい。
「オレらも行くか」
ユウヤくんが手を繋ごうとするから、首を横に振る。
「駄目だよ。私がラス様の立場だったら、今すぐ帰りたくなる」
誰がカップルしかいない所に、一人だけで行きたがるの。
そんなの、よっぽど気にしない人じゃない限り、悲しくなっちゃうよ。
「しゃあねぇな」
ユウヤくんは前髪を触ったあと、私の腕を取って走り出す。
「なに?!」
「ラス!」
私の声は無視して、ユウヤくんはラス様を呼び止める。
「なんですか」
「右手出せ」
「は?」
振り返って足を止めたラス様は訝しげな表情をしつつも、右手を差し出した。
すると、ユウヤくんはつかんでいた私の左腕を持ち上げると、手をラス様の右手の上に置いた。
「「?!」」
私とラス様が一斉にユウヤくんを見ると、すごく嫌そうな顔をして言った。
「今日だけ貸してやる。でも、右手はオレな」
「「はあ?!」」
私とラス様の聞き返す声がそろった。
「ユーニがそうじゃないと手をつないでくれねぇって」
「なんで私まで手を繋ぐ必要が?」
「ラスを一人にさせなかったら、ユーニも手を繋いでくれんのかなって」
「………どういう事ですか?」
説明を求めるようにラス様は私を見たけれど、目が合うと視線をそらされてしまった。
「あの、ラス様だけ一人で行こうとしていたから、私だったら辛くて嫌な気持ちになるから、ラス様とも一緒に行きたいだけです」
視線をそらされたショックで言葉がしどろもどろになってしまう。
ラス様は軽くため息を吐いたあと、私の手を握り、ジンさんに向かって言った。
「ちゃんとエスコートしろよ」
「は、はい!」
ジンさん達の方を見ると、彼が左手を腰に当て、ミランダ様が腕を預けられるように、隙間をあけた。
「あ、えと、失礼します」
顔を真っ赤にしながら、ミランダ様はジンさんの腕に自分の手を置いた。
うわー、可愛い!
初々しい感じで本当に可愛い!
二人の様子を確認したラス様は、止めていた歩みを進め始めたので、私もユウヤくんもそれに倣う。
「おかしくないですか」
「何がだよ」
「三人で手を繋いだら、他の人の通行の邪魔でしょう」
「嫌なのか?」
ユウヤくんがはっきりとラス様に尋ねたので、思わずユウヤくんに視線を向ける。
「嫌とは?」
「ユーニと手を繋ぐ事だよ」
「嫌ではないですよ」
「ユーニがオマエのせいで、全然楽しめる感じじゃないんだが」
その言葉を聞いて、私はぎゅうっと、ユウヤくんの手を強く握る。
なんだか、ラス様の答えを聞くのが怖かったから。
「ユーニさん」
「はい!」
「嫌なんかじゃありません。ただ、その、こちらの都合で」
ラス様はあいている手で口元を押さえ、私からまた視線をそらす。
これって、もしかして?
「ラス様、照れてます?」
「いや、その」
「前の茶会でユーニが言った事に照れてるだけだろ」
「うるさい」
ユウヤくんを睨みつけたあと、ラス様は今度は私に言った。
「それで間違ってません」
相変わらず、ラス様は視線を合わせてくれないけど、耳が赤くなった。
良かった。
嫌われたんじゃなかった。
「良かった!」
ラス様の手も強く握り直すと、微笑して一瞬だけ手の力を強めてくれた。
まあ、今日の主役はミランダ様とジンさんなんだけど。
後ろを振り返ると、ミランダ様達も和やかに談笑していて、あんなに恥ずかしがっていたミランダ様が嘘のようだった。
それだけ、覚悟を決めたって事なのかな?
それなら私も、今日のデートはユウヤくんとラス様に楽しんでもらえるよう頑張らないとね!
とてもいい天気で、気温も心地よく感じるあたたかさで、外でのデートには良い日だ。
「ユウヤくんは今日はお仕事大丈夫だったの?」
「大丈夫じゃねぇけど、行く」
「意味わかんないんだけど」
ユウヤくんは屋敷まで迎えに来てくれていて、一緒に待ち合わせ場所の城門まで歩きながら話を続ける。
今日は一応デートという事もあり、いつものシュミーズドレスではあるけれど、腰に巻くリボンは赤と紺の2色展開にしてみた。
ユウヤくんとラス様の瞳の色にしてみたんだけど。
ユウヤくんもやはり服装は落ち着いていて、変装のためなのか、いつもなら一部上げている前髪を全部おろしている。
「だって、オレが行かなかったらオマエとラスが二人で行くんだろ」
「いや、そうなっても四人だよ」
なんのために私達が行くことになっているのか、もう忘れてしまったんだろうか。
「まあ、それはそうなんだけど、ずっと四人でいるわけでもねぇだろ」
「それはそう言われたらそうかもだけど」
いくらダブルデートといっても、最初から最後まで一緒にいるわけじゃないだろうしね。
「そういえば、今日はどこに行くの」
「ミランダ嬢が花が好きらしいから貴族が開放してる有名な庭園に行くらしい」
「え、っていう事は貴族の人ばかりなの?」
「いや、平民にも開放してるから、逆に貴族が少ないらしいぞ」
「ならいいけど」
前にお茶会にいた人達に出会ったりしたら嫌だし、それはそれで良かった。
「浮かない顔してんな」
「まあ、なんというか、ユウヤくん達とお出かけできるのは嬉しいんだけど」
私はそこで言葉を止めた。
前のお茶会のときに、あんな発言をしてしまったからか、ラス様に避けられている気がしていた。
もともと、一週間は仕事をせずに休め、と言われていたのもあるかもしれないけど、どうやら夜に城にやって来ては、次の日の仕事を持ち帰っていたらしい。
だから、執務室に行っても会えるわけもなく。
迷惑だったんだろうな。
そりゃ、そうだよね。
一番じゃないって言ってるのに、あんな都合の良いことを言うような奴だもん。
「ユーニ」
「ん?」
気が付くと、ユウヤくんの顔が目の前にあり、慌てて後ろに飛び退る。
「何が気になるんだよ」
「気になるっていうか」
「ラスの事か?」
「ち、違うよ」
ユウヤくんにラス様のことで相談するのは違うと思ったから首を横に振るけれど、どうやらお見通しのようで苦笑して言われた。
「妬いたりしねぇから言ってみな」
「うう。なんか、ラス様に避けられてるみたいだから、私が行ってもいいのかなって」
ユウヤくんは少し考えるようにしたあと、笑って私の頭を撫でる。
「たぶん、ラスは避けてるんじゃねぇと思うぞ」
「え?」
「まあ、今日にははっきりするって」
ユウヤくんは優しく笑うと、私の手を取って少しだけ歩を速める。
城門前には兄弟でそろえたのか、労働者風の格好をしたイッシュバルド家の兄弟と、ピンク色のシュミーズドレスを着たミランダ様がすでに待ってくれていた。
「ミランダ様、ドレス、可愛いですね」
「ユーニ様もとっても可愛いです! シュミーズドレス、本当に楽ですね。もっと早く知っておきたかったです」
「こういうちょっとしたお出かけには特に良いですよね」
きゃっきゃと話をしている私達の横で、ユウヤくんがラス様達に話しかける。
「服装、合わせたんか」
「たまたまですよ。目立たないような格好をしようと思ったらこうなっただけです」
「僕は何を着たらいいのかわからなくて、兄の真似をしてます」
「おい、オマエが主役だろうが」
「自分でどうこうできるようなもんなら、今日、殿下達にお願いしてません」
すでにジンさんは泣き言を言ってるけど、大丈夫だろうか。
ラス様はかぶっていたキャスケットを目深にかぶると、ジンさんに言った。
「ある程度付き合いはするから、まずは会話からはじめろ。お前達はまともに会話もしてないだろ」
ラス様の声が聞こえたのか、ミランダ様が固まってしまった。
「あ、あのミランダ様」
「ち、違うんです、ミランダ嬢。あなたに言ったわけではなく」
「い、いえ、間違っておりません。今日こそは私、頑張りますので、よろしくお願いいたします!!」
ミランダ様がジンさんに向かって腰を折り曲げてお願いする。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
お願いされたジンさんも、なぜかミランダ様に敬礼した。
「大丈夫かな」
「さあな」
「では、そろった事ですし、行きますか」
ラス様は一人、先に歩き始める。
ジンさんがミランダ様に視線を送ると、二人並んで歩き始めた。
なんだかギクシャクはしてるけど可愛らしい。
「オレらも行くか」
ユウヤくんが手を繋ごうとするから、首を横に振る。
「駄目だよ。私がラス様の立場だったら、今すぐ帰りたくなる」
誰がカップルしかいない所に、一人だけで行きたがるの。
そんなの、よっぽど気にしない人じゃない限り、悲しくなっちゃうよ。
「しゃあねぇな」
ユウヤくんは前髪を触ったあと、私の腕を取って走り出す。
「なに?!」
「ラス!」
私の声は無視して、ユウヤくんはラス様を呼び止める。
「なんですか」
「右手出せ」
「は?」
振り返って足を止めたラス様は訝しげな表情をしつつも、右手を差し出した。
すると、ユウヤくんはつかんでいた私の左腕を持ち上げると、手をラス様の右手の上に置いた。
「「?!」」
私とラス様が一斉にユウヤくんを見ると、すごく嫌そうな顔をして言った。
「今日だけ貸してやる。でも、右手はオレな」
「「はあ?!」」
私とラス様の聞き返す声がそろった。
「ユーニがそうじゃないと手をつないでくれねぇって」
「なんで私まで手を繋ぐ必要が?」
「ラスを一人にさせなかったら、ユーニも手を繋いでくれんのかなって」
「………どういう事ですか?」
説明を求めるようにラス様は私を見たけれど、目が合うと視線をそらされてしまった。
「あの、ラス様だけ一人で行こうとしていたから、私だったら辛くて嫌な気持ちになるから、ラス様とも一緒に行きたいだけです」
視線をそらされたショックで言葉がしどろもどろになってしまう。
ラス様は軽くため息を吐いたあと、私の手を握り、ジンさんに向かって言った。
「ちゃんとエスコートしろよ」
「は、はい!」
ジンさん達の方を見ると、彼が左手を腰に当て、ミランダ様が腕を預けられるように、隙間をあけた。
「あ、えと、失礼します」
顔を真っ赤にしながら、ミランダ様はジンさんの腕に自分の手を置いた。
うわー、可愛い!
初々しい感じで本当に可愛い!
二人の様子を確認したラス様は、止めていた歩みを進め始めたので、私もユウヤくんもそれに倣う。
「おかしくないですか」
「何がだよ」
「三人で手を繋いだら、他の人の通行の邪魔でしょう」
「嫌なのか?」
ユウヤくんがはっきりとラス様に尋ねたので、思わずユウヤくんに視線を向ける。
「嫌とは?」
「ユーニと手を繋ぐ事だよ」
「嫌ではないですよ」
「ユーニがオマエのせいで、全然楽しめる感じじゃないんだが」
その言葉を聞いて、私はぎゅうっと、ユウヤくんの手を強く握る。
なんだか、ラス様の答えを聞くのが怖かったから。
「ユーニさん」
「はい!」
「嫌なんかじゃありません。ただ、その、こちらの都合で」
ラス様はあいている手で口元を押さえ、私からまた視線をそらす。
これって、もしかして?
「ラス様、照れてます?」
「いや、その」
「前の茶会でユーニが言った事に照れてるだけだろ」
「うるさい」
ユウヤくんを睨みつけたあと、ラス様は今度は私に言った。
「それで間違ってません」
相変わらず、ラス様は視線を合わせてくれないけど、耳が赤くなった。
良かった。
嫌われたんじゃなかった。
「良かった!」
ラス様の手も強く握り直すと、微笑して一瞬だけ手の力を強めてくれた。
まあ、今日の主役はミランダ様とジンさんなんだけど。
後ろを振り返ると、ミランダ様達も和やかに談笑していて、あんなに恥ずかしがっていたミランダ様が嘘のようだった。
それだけ、覚悟を決めたって事なのかな?
それなら私も、今日のデートはユウヤくんとラス様に楽しんでもらえるよう頑張らないとね!
11
お気に入りに追加
564
あなたにおすすめの小説
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
辺境伯に嫁いだけど、自宅裸族なのを隠したい
参
恋愛
【完結】結婚適齢期が過ぎた公爵家のメーラに突然結婚の話が浮上した。相手は兄の友人で、魔物の血が混じっているからと敬遠されていた男性だ。メーラの意思を無視して彼女の家族は結婚の手続きを済ませ、早々に辺境伯に嫁ぐことになってしまう。
彼女には誰にも知られたくない秘密があった。自宅で裸で過ごすという習慣だ。自宅裸族の趣味を知られたくないが為に、結婚相手に無理難題な条件を付けて避け続けていたのに、兄の友人レイオン・ゼストス・ディアフォティーゾ辺境伯は条件を全部飲むと言う。
結婚が決まりすぐに辺境伯領の屋敷に移ったメーラは彼が全て了承済みである事を知る。室内では裸で過ごし、外では室外犬のフォティアに懐かれ、一人と一匹でのんびりとした時間を過ごしていた。
しかし自宅裸族をレイオンに知られてしまい、二人の関係に変化が訪れた。メーラはレイオンの秘密を知り、徐々に二人の関係が深まっていく中でメーラはレイオンに心を寄せていき、最後にはフォティアの秘密も知る事になる。
表情に乏しい辺境伯と自宅裸族の令嬢が距離を縮めていくだけのラブコメ。
本音→自宅裸族を書きたい
前作~魔王でしたと同じ世界線、というか隣国エクセロスレヴォを舞台にしたものです。こちら単体で読めます。よくある氷の~と詠われる男性の心溶かす系もどきな話。
※小説家になろう、ノベルアップ+にも投稿しています。※R15は保険です。
王子様と朝チュンしたら……
梅丸
恋愛
大変! 目が覚めたら隣に見知らぬ男性が! え? でも良く見たら何やらこの国の第三王子に似ている気がするのだが。そう言えば、昨日同僚のメリッサと酒盛り……ではなくて少々のお酒を嗜みながらお話をしていたことを思い出した。でも、途中から記憶がない。実は私はこの世界に転生してきた子爵令嬢である。そして、前世でも同じ間違いを起こしていたのだ。その時にも最初で最後の彼氏と付き合った切っ掛けは朝チュンだったのだ。しかも泥酔しての。学習しない私はそれをまた繰り返してしまったようだ。どうしましょう……この世界では処女信仰が厚いというのに!
麗しの王子殿下は今日も私を睨みつける。
スズキアカネ
恋愛
「王子殿下の運命の相手を占いで決めるそうだから、レオーネ、あなたが選ばれるかもしれないわよ」
伯母の一声で連れて行かれた王宮広場にはたくさんの若い女の子たちで溢れかえっていた。
そしてバルコニーに立つのは麗しい王子様。
──あの、王子様……何故睨むんですか?
人違いに決まってるからそんなに怒らないでよぉ!
◇◆◇
無断転載・転用禁止。
Do not repost.
【完結】優しくて大好きな夫が私に隠していたこと
暁
恋愛
陽も沈み始めた森の中。
獲物を追っていた寡黙な猟師ローランドは、奥地で偶然見つけた泉で“とんでもない者”と遭遇してしまう。
それは、裸で水浴びをする綺麗な女性だった。
何とかしてその女性を“お嫁さんにしたい”と思い立った彼は、ある行動に出るのだが――。
※
・当方気を付けておりますが、誤字脱字を発見されましたらご遠慮なくご指摘願います。
・★が付く話には性的表現がございます。ご了承下さい。
浮気癖夫が妻に浮気された話。
伊月 慧
恋愛
浮気癖夫の和樹は結婚しているにも拘わらず、朝帰りは日常的。
そんな和樹がまた女の元へ行っていた日、なんと妻の香織は家に男を連れ込んだ。その男は和樹の会社の先輩であり、香織の元カレでーー。
離縁の脅威、恐怖の日々
月食ぱんな
恋愛
貴族同士は結婚して三年。二人の間に子が出来なければ離縁、もしくは夫が愛人を持つ事が許されている。そんな中、公爵家に嫁いで結婚四年目。二十歳になったリディアは子どもが出来す、離縁に怯えていた。夫であるフェリクスは昔と変わらず、リディアに優しく接してくれているように見える。けれど彼のちょっとした言動が、「完璧な妻ではない」と、まるで自分を責めているように思えてしまい、リディアはどんどん病んでいくのであった。題名はホラーですがほのぼのです。
※物語の設定上、不妊に悩む女性に対し、心無い発言に思われる部分もあるかと思います。フィクションだと割り切ってお読み頂けると幸いです。
※なろう様、ノベマ!様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる