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8 自分勝手な聖女代理
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結界を広げていく作業は、わたしが予想していたよりかは楽に進んでいた。
ディオン殿下が持っていた魔道具がわたし相手でも効果を発揮してくれたからだ。
結界を少しずつノーンコル王国に向けて広げていく作業は一気に広範囲に張る結界とは違い、繊細な作業でもある。
一気に結界を張ってしまえば一瞬で終わる。
でも、それをしてしまうと、その場にいた魔物たちの命が奪われてしまう。
人間と魔物が棲み分けをしていることは間違いない。
でも、わざわざ争いをしようとする人は少数派だ。
魔物のほうは大半は凶暴ではあるけれど、結界を破ろうとするものは少ない。
魔物にも感情があり、以前、人間に仲間が殺されたという恨みから襲ってきているという説もあるので皆殺ししてしまうのも何だか違うと、わたしは思っていた。
これが甘い考えだということはわかっている。
でも、代々の聖女がわかっていても実行しなかったのだから、わたしがする必要もないと思っている。
それに、神様に言わせれば、その行為は人間の傲慢だと言う。
魔物にも神様がいて、わたしたちは邪神と呼んでいる。
邪神がわたしたちの住む世界に介入してきた場合は、神様が出てくることになるけれど、そうなったら、どれだけの人や魔物が犠牲になるかわからないから、絶対に起こさせてはならないことだ。
「魔道具は君を上手くサポートしてくれてるか?」
「はい! おかげで魔力の減りも緩やかですし、繊細なコントロールもしやすくなっています。ルルミー様だから魔道具が使えるのだと思っていましたが、そういうわけではなかったのですね」
「そうみたいだな」
ディオン殿下が持っている魔道具は、見た目は四隅に小花柄の刺繍がある、白を基調とした可愛らしいハンカチだった。
わたしが魔力に自信がないという話をすると、嫌な顔一つすることなく、わたしに貸してくださった。
この魔道具はソーンウェル王国の王家の秘宝なのだそうだ。
約200年前に、わたしたちの世界ではとても有名な魔法使いが作ったものだから、わたしも恩恵を受けられているのだと考えられる。
「そういえば先日、ルルミー様は自分が魔道具を使っていたということを知らないというお話をされていましたね」
「ああ。何度、伝えようとしても話を聞こうとしなくてな。その時の彼女がどんなものだったか再現しよう」
ディオン殿下がちらりと横を歩いているミーイ様を見た。
すると、ミーイ様はがっくりと肩を落とす。
「僕にルルミー様の真似をしろと言うんですか?」
「そういうことだ。頼む」
「……承知しました」
渋々といった感じでミーイ様が頷いたのを確認すると、ディオン殿下が話しかける。
「ルルミー嬢、君に聞いてほしいことがある」
「ごめんなさい。あたし、あなたのことは好みじゃないんです」
「君の好みはどうでも良い。君が今使っているハンカチは」
「ハンカチを返せって言っているんですか? 嫌です。これを持ってると体が楽なんですよ」
「それは魔道具なんだ。だから」
「あー、はいはい、心を落ち着ける魔道具なんですね! わっかりました。なら、余計に借りておきまーす」
ミーイ様が髪をはらうような仕草をして、この場から立ち去る素振りを見せる。
ミーイ様のルルミー様の再現度がすごくて笑いをこらえていると「似ているだろ」とディオン殿下が笑ってくれた。
「はい。ルルミー様は人の話を聞かないですし、聞いていても自分に都合の良いことしか覚えていませんものね」
「そうなんですよ。毎回こんな感じなんです」
ディオン殿下ではなく、ミーイ様が声色を戻して頷いたので、お礼の言葉を伝える。
「ミーイ様、ありがとうございました」
「いいえ。リーニ様にご理解いただけたのであれば、恥ずかしくてもやった甲斐があります」
「ええ。よくわかりました」
「ああ、そういえば、いつかこのことでルルミー嬢に文句を言われたら困ると思って、映像を記録できる魔道具に残していたことを思い出した」
ディオン殿下が涼しい顔をしてわたしに言うのを聞いたミーイ様が、歩む足を止めて叫ぶ。
「ちょ、待ってください! 映像が残っているんですか!?」
「ああ」
「なら、わざわざ再現しなくても良いじゃないですか! というか殿下! その顔はわざとですね! 酷すぎます!」
「記録していたことを忘れてたんだ」
「絶対に嘘です!」
よほど恥ずかしかったのか、顔を赤くして涙目になっているミーイ様を見て気の毒に思う気持ちもあるけれど、きっとこれはディオン殿下がわたしの気を紛らわすための優しさなのだと思うことにした。
「ありがとうございます、ディオン殿下。それから、改めてミーイ様もありがとうございます。おかげで映像を見なくても想像がつきます」
「リーニ様、殿下にはお礼を言わなくても良いと思います!」
ミーイ様はわたしには笑顔でそう言ったあと、ディオン殿下には恨めしそうな視線を向けた。
*****
結界を無事に張り終えた時には空は赤く染まっていた。
ディオン殿下の魔法で家に帰ったあとは、また明日に話をすることを約束して、その場で別れた。
ディオン殿下もミーイ様も予定を急遽変更してくれたみたいだから、わたしが改めてお礼を言う間もなく慌ただしく帰って行かれてしまった。
久しぶりに魔力が限界になるまで聖なる力を使ったし、たくさん歩いたので、体力も精神的にも限界だった。
その日の夕食はたくさん食べて、バスタブに湯を張ってもらい安らいだあとベッドに入ると、朝まで一度も起きることはなかった。
次の日、昨日と同じようにテラスから小島に向かい、祭壇に向かって走り出そうとした時だった。
「ちょっと、話があるんだけど」
わたしの目の前にルルミー様とピッキーが立ちはだかった。
「何か御用でしょうか」
ルルミー様は胸の下で腕を組み、不機嫌そうな顔でわたしの問いかけに答える。
「あんたの父親を助けてやったから何かくれない? 本当はあんたの家族なんて助けたくなかったから演技までしたって言うのに! どうしても治癒魔法をかけろとフワエル様から言われたのよ」
ルルミー様の言っている意味がわからなくて聞き返す。
「わたしの父だった人が何かご迷惑でもおかけしたのですか?」
「父だった人ってどういうこと? あんた、親と縁を切ったってわけ?」
「そのような状態に近いです」
「ふぅん。なら、助けてあげて良かったかも。あんた、家族と仲が悪いの?」
ルルミー様が嬉しそうな顔をしたので、苛立つ気持ちを抑えて笑顔を作る。
「ルルミー様はそんなにもわたしのことが気になるのですか?」
「そんなわけないでしょう! 最近のあんた、本当に生意気ね!」
ルルミー様がわたしに掴みかかろうと手を伸ばしてきた時だった。
「やめなさい!」
ポーラが駆け寄ってくると、ルルミー様の左足に噛みついたのだった。
ディオン殿下が持っていた魔道具がわたし相手でも効果を発揮してくれたからだ。
結界を少しずつノーンコル王国に向けて広げていく作業は一気に広範囲に張る結界とは違い、繊細な作業でもある。
一気に結界を張ってしまえば一瞬で終わる。
でも、それをしてしまうと、その場にいた魔物たちの命が奪われてしまう。
人間と魔物が棲み分けをしていることは間違いない。
でも、わざわざ争いをしようとする人は少数派だ。
魔物のほうは大半は凶暴ではあるけれど、結界を破ろうとするものは少ない。
魔物にも感情があり、以前、人間に仲間が殺されたという恨みから襲ってきているという説もあるので皆殺ししてしまうのも何だか違うと、わたしは思っていた。
これが甘い考えだということはわかっている。
でも、代々の聖女がわかっていても実行しなかったのだから、わたしがする必要もないと思っている。
それに、神様に言わせれば、その行為は人間の傲慢だと言う。
魔物にも神様がいて、わたしたちは邪神と呼んでいる。
邪神がわたしたちの住む世界に介入してきた場合は、神様が出てくることになるけれど、そうなったら、どれだけの人や魔物が犠牲になるかわからないから、絶対に起こさせてはならないことだ。
「魔道具は君を上手くサポートしてくれてるか?」
「はい! おかげで魔力の減りも緩やかですし、繊細なコントロールもしやすくなっています。ルルミー様だから魔道具が使えるのだと思っていましたが、そういうわけではなかったのですね」
「そうみたいだな」
ディオン殿下が持っている魔道具は、見た目は四隅に小花柄の刺繍がある、白を基調とした可愛らしいハンカチだった。
わたしが魔力に自信がないという話をすると、嫌な顔一つすることなく、わたしに貸してくださった。
この魔道具はソーンウェル王国の王家の秘宝なのだそうだ。
約200年前に、わたしたちの世界ではとても有名な魔法使いが作ったものだから、わたしも恩恵を受けられているのだと考えられる。
「そういえば先日、ルルミー様は自分が魔道具を使っていたということを知らないというお話をされていましたね」
「ああ。何度、伝えようとしても話を聞こうとしなくてな。その時の彼女がどんなものだったか再現しよう」
ディオン殿下がちらりと横を歩いているミーイ様を見た。
すると、ミーイ様はがっくりと肩を落とす。
「僕にルルミー様の真似をしろと言うんですか?」
「そういうことだ。頼む」
「……承知しました」
渋々といった感じでミーイ様が頷いたのを確認すると、ディオン殿下が話しかける。
「ルルミー嬢、君に聞いてほしいことがある」
「ごめんなさい。あたし、あなたのことは好みじゃないんです」
「君の好みはどうでも良い。君が今使っているハンカチは」
「ハンカチを返せって言っているんですか? 嫌です。これを持ってると体が楽なんですよ」
「それは魔道具なんだ。だから」
「あー、はいはい、心を落ち着ける魔道具なんですね! わっかりました。なら、余計に借りておきまーす」
ミーイ様が髪をはらうような仕草をして、この場から立ち去る素振りを見せる。
ミーイ様のルルミー様の再現度がすごくて笑いをこらえていると「似ているだろ」とディオン殿下が笑ってくれた。
「はい。ルルミー様は人の話を聞かないですし、聞いていても自分に都合の良いことしか覚えていませんものね」
「そうなんですよ。毎回こんな感じなんです」
ディオン殿下ではなく、ミーイ様が声色を戻して頷いたので、お礼の言葉を伝える。
「ミーイ様、ありがとうございました」
「いいえ。リーニ様にご理解いただけたのであれば、恥ずかしくてもやった甲斐があります」
「ええ。よくわかりました」
「ああ、そういえば、いつかこのことでルルミー嬢に文句を言われたら困ると思って、映像を記録できる魔道具に残していたことを思い出した」
ディオン殿下が涼しい顔をしてわたしに言うのを聞いたミーイ様が、歩む足を止めて叫ぶ。
「ちょ、待ってください! 映像が残っているんですか!?」
「ああ」
「なら、わざわざ再現しなくても良いじゃないですか! というか殿下! その顔はわざとですね! 酷すぎます!」
「記録していたことを忘れてたんだ」
「絶対に嘘です!」
よほど恥ずかしかったのか、顔を赤くして涙目になっているミーイ様を見て気の毒に思う気持ちもあるけれど、きっとこれはディオン殿下がわたしの気を紛らわすための優しさなのだと思うことにした。
「ありがとうございます、ディオン殿下。それから、改めてミーイ様もありがとうございます。おかげで映像を見なくても想像がつきます」
「リーニ様、殿下にはお礼を言わなくても良いと思います!」
ミーイ様はわたしには笑顔でそう言ったあと、ディオン殿下には恨めしそうな視線を向けた。
*****
結界を無事に張り終えた時には空は赤く染まっていた。
ディオン殿下の魔法で家に帰ったあとは、また明日に話をすることを約束して、その場で別れた。
ディオン殿下もミーイ様も予定を急遽変更してくれたみたいだから、わたしが改めてお礼を言う間もなく慌ただしく帰って行かれてしまった。
久しぶりに魔力が限界になるまで聖なる力を使ったし、たくさん歩いたので、体力も精神的にも限界だった。
その日の夕食はたくさん食べて、バスタブに湯を張ってもらい安らいだあとベッドに入ると、朝まで一度も起きることはなかった。
次の日、昨日と同じようにテラスから小島に向かい、祭壇に向かって走り出そうとした時だった。
「ちょっと、話があるんだけど」
わたしの目の前にルルミー様とピッキーが立ちはだかった。
「何か御用でしょうか」
ルルミー様は胸の下で腕を組み、不機嫌そうな顔でわたしの問いかけに答える。
「あんたの父親を助けてやったから何かくれない? 本当はあんたの家族なんて助けたくなかったから演技までしたって言うのに! どうしても治癒魔法をかけろとフワエル様から言われたのよ」
ルルミー様の言っている意味がわからなくて聞き返す。
「わたしの父だった人が何かご迷惑でもおかけしたのですか?」
「父だった人ってどういうこと? あんた、親と縁を切ったってわけ?」
「そのような状態に近いです」
「ふぅん。なら、助けてあげて良かったかも。あんた、家族と仲が悪いの?」
ルルミー様が嬉しそうな顔をしたので、苛立つ気持ちを抑えて笑顔を作る。
「ルルミー様はそんなにもわたしのことが気になるのですか?」
「そんなわけないでしょう! 最近のあんた、本当に生意気ね!」
ルルミー様がわたしに掴みかかろうと手を伸ばしてきた時だった。
「やめなさい!」
ポーラが駆け寄ってくると、ルルミー様の左足に噛みついたのだった。
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